治療薬マニュアル 2022

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*「治療薬マニュアル」は株式会社医学書院の登録商標です。

監修 髙久 史麿 / 矢﨑 義雄
編集 北原 光夫 / 上野 文昭 / 越前 宏俊
発行 2022年01月判型:B6頁:2880
ISBN 978-4-260-04783-8
定価 5,500円 (本体5,000円+税)
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2022年版の序

 2021年もコロナウイルスにより席巻された1年であった.明るい面としてコロナウイルスワクチンの開発と実施が驚くべきスピードで行われたことがある.長期間かかっているが,なかなか実用にいたらないHIVワクチンに比べると目を見張るところである.さらに,コロナウイルスワクチンの有効性に関するrandomized double-blind control studyが早々となされ,この治験が行われた当時のコロナウイルスへの有効性はメッセンジャーRNAワクチンでは約95%と報告されている.抗コロナウイルス薬の使用に関して,米国FDA(食品医薬品局)はコロナウイルスの治療薬を迅速に承認する方法をとった.わが国においても,治療薬の開発治験が進められており,その成果に期待したい.
 また,抗腫瘍薬においても目覚ましい進歩が見られている.従来,非小細胞肺癌の治療はいわゆる抗癌剤に頼ってきたが,その効果は満足のいくものではなかった.しかし,分子標的治療薬とモノクローナル抗体を腫瘍細胞の遺伝子的特徴に合わせて使用することにより,生存期間などが著しく改善している.さらに,悪性黒色腫をはじめとする他の固形癌においても同様の効果が報告されている.造血器悪性腫瘍(特に多発性骨髄腫)の治療に関して,初回治療例において,あるいは再発性,治療耐性となった例においても,有効性の高い治療方法が開発されてきている.
 糖尿病治療薬においては,併存疾患のある場合にもガイドラインのおかげでより使いやすくなってきている.グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アナログとナトリウム・グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬が体重減少をきたすことは知られているが,この特徴を利用して,肥満の治療に使われる可能性が考慮されている.
 上に述べたように,さまざまな分野における治療薬の情報を取り入れつつ,「治療薬マニュアル2022」では後発医薬品に関する情報をさらに充実させるために,①「オーソライズドジェネリック(AG)」および「バイオシミラー(BS)」のアイコンを新設した.後発医薬品が広く使われるようになった現在では必要な項目である.また,②電子版による情報提供を充実させている.つまり,本書発行後に改定された薬価の反映と後発医薬品の掲載を行う.さらに,③公式サイトでの情報提供を実施する.これは本書発行後に収載された新薬情報を掲載するものである.本書の利用者が次年度の版を待つことなく,最新情報を利用できる.加えて,④表紙の素材をより強度・耐久性に優れるものに変更した.
 「治療薬マニュアル2022」をご利用くださる方々の使いやすさを念頭において今年もお届けできることは光栄である.

 2021年12月
 北原光夫

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薬物療法の基本的注意

図解薬理作用

添付文書情報と臨床解説
 1 解熱・鎮痛・抗炎症薬
 2 抗リウマチ薬
 3 催眠・鎮静薬
 4 抗不安薬
 5 抗精神病薬
 6 抗うつ薬・気分安定薬・精神刺激薬
 7 抗てんかん薬
 8 パーキンソン病/症候群治療薬
 9 脳循環代謝改善薬
 10 筋弛緩薬
 11 自律神経系作用薬
 12 抗めまい薬
 13 片頭痛治療薬
 14 その他の神経系用薬
 15 降圧薬
 16 Ca拮抗薬
 17 利尿薬
 18 β遮断薬
 19 抗狭心症薬
 20 抗不整脈薬
 21 心不全治療薬
 22 その他の循環器用薬
 23 アレルギー治療薬
 24 気管支拡張薬・喘息治療薬
 25 鎮咳薬
 26 去痰薬
 27 その他の呼吸器用薬
 28 消化性潰瘍治療薬
 29 健胃・消化薬
 30 下剤
 31 止痢・整腸薬
 32 その他の消化器用薬
 33 痛風・高尿酸血症治療薬
 34 脂質異常症用薬
 35 糖尿病用薬
 36 下垂体ホルモン製剤
 37 副腎皮質ホルモン製剤
 38 性ホルモン製剤
 39 その他のホルモン製剤
 40 子宮用薬
 41 骨粗鬆症・骨代謝改善薬
 42 ビタミン製剤
 43 輸液・栄養製剤
 44 電解質製剤
 45 灌流用剤
 46 解毒薬・中毒治療薬
 47 抗菌薬
 48 抗真菌薬
 49 抗ウイルス薬
 50 寄生虫・原虫用薬
 51 抗癌剤
 52 免疫抑制薬
 53 眼科用薬
 54 耳鼻咽喉科用薬
 55 口腔用薬
 56 泌尿・生殖器用薬
 57 痔治療薬
 58 皮膚用薬
 59 血液製剤類
 60 造血と血液凝固関係製剤
 61 ワクチン・トキソイド
 62 麻薬
 63 麻酔薬
 64 生活改善薬
 65 その他の治療薬
 66 検査・診断用薬
 67 造影剤
 68 放射性医薬品
 69 消毒剤
 70 歯科用薬
 71 再生医療等製品
 72 漢方薬

新薬

付録
 重大な有害反応(副作用)の症状と,原因となる代表的な医薬品
 医療用医薬品の添付文書の見方
 医薬品の添付文書以外の重要な医薬品情報源とその見方
 後発医薬品に関する情報と選択の留意点
 医薬品リスク管理計画(RMP)と薬剤師の責務
 「医薬品の安全使用のための業務手順書作成マニュアル」について
 ハイリスク薬投与患者の薬学的管理
 処方箋の書き方
 錠剤・カプセルの粉砕・開封可否の基準
 疾患別禁忌薬・注意薬一覧
 薬物血中濃度モニタリング(TDM)の対象となる薬物とその有効・中毒濃度範囲
 基本的薬物動態用語
 製剤の味・風味一覧
 薬剤の影響を受ける臨床検査一覧
 投薬期間に上限が設けられている医薬品
 製薬企業の連絡先一覧

索引

電子版
 重要処方
 薬物と飲食物・嗜好品との相互作用
 薬効分類番号一覧(4桁)

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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