標準免疫学 第4版

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初学者からは,免疫学は複雑だとか,わかりにくいという声も聞かれます。だからこそ,“読みやすい”“わかりやすい”を心掛けました。

読みやすさを追究し,体裁をAB判1段組にリニューアル。さらなるビジュアル化で,複雑なメカニズムもわかりやすく。医学生が知っておくべき情報を厳選して掲載。初学者が免疫系のおもしろさを知るのに最適な1冊です!

まずは序編で複雑な免疫学の大枠をつかみましょう。続く第Ⅰ編,第Ⅱ編では免疫系の詳細なしくみや,免疫系と疾患とのかかわりについての理解が深まります。巻末には新型コロナウイルスが引き起こす免疫反応の解説を収録。医師国家試験に必要な免疫学の知識を豊富に掲載。

シリーズ 標準医学
監修 宮坂 昌之
編集 小安 重夫 / 椛島 健治
発行 2021年03月判型:AB頁:432
ISBN 978-4-260-04238-3
定価 8,250円 (本体7,500円+税)

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    2021.04.13

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第4版 序

 2020年初頭から約1年間,新型コロナウイルスにかき回され続けてきた.このウイルスは,あたかもステルス戦闘機のごとくいつの間にか人間社会に侵入し,多くの人を感染させ,重症者,死者を生み出し,経済に大きな影響を与え,世界中を震撼させてきた.一方,新型コロナウイルスに対する免疫反応の研究が急激に進み始め,ウイルスの排除には抗体だけではなく,抗体非依存的な免疫機構も重要であること,そして,感染の重症化には免疫反応の暴走がかかわること,さらには,新しいタイプのワクチンが発症予防に極めて有効であること,などが明らかになってきた.つまり,このウイルスに対して正面から立合うためには,免疫学を理解することが最も必要であることがみえてきたのである.
 しかし,免疫系には多くの分子や細胞が役者として働く.しかも,関与する細胞が1か所に留まることなく,しばしばからだ中を移動する.つまり,免疫系とは非常にダイナミックな生体系である.このために,初学者からは,免疫学は複雑だとか,わかりにくい,という声もある.
 そこで,本書第4版では,特に,免疫学を初めて学ぶ学生,なかでも医学生がわかりやすく読み通せる教科書づくりを目指した.編集には新たに椛島健治が加わり,編集者の小安重夫,監修者の宮坂昌之とともに大幅な改訂を行った.最も心がけたことは,読みやすい,わかりやすい教科書づくりである.特に医学生のためには医師国家試験に重要とされる情報を含めた.そして,各章・節の冒頭にその単元で理解すべきポイントをあらかじめ提示し,その章の全体像を把握しながら学習を進められるようにした.各章の終わりには短いまとめをつけた.さらに,ビジュアル面でも改善を図り,本のサイズをこれまでのB5判からAB判へと少し大きくするとともに,カラーイラストの数を増やした.また,最後に,付章として「SARS-CoV-2感染症(COVID-19)と免疫反応」を加えた.
 新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの嵐が吹き荒れる中,本書が,免疫の作用機構,制御機構やその破綻について正しく理解するだけでなく,生命現象の基本的原理の理解にも役立つことを念願するものである.

 2021年春
 宮坂昌之
 小安重夫
 椛島健治

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序編 免疫学の全体像をつかむ 1
 第1章 免疫システムの発見史
  A 免疫学の第一歩:2度なし現象
  B 抗体の発見
  C MHCとB細胞,T細胞の発見
  D 自然免疫研究の流れ
  E アレルギーの発見
 第2章 免疫システムの成り立ち
  A 免疫システムのあらまし
  B 免疫システムを構成する細胞群
  C 免疫システムの働き方
 第3章 免疫システムは自己と非自己をどのように見分け,非自己に対する反応を誘導するか
  A 自然免疫系の自己・非自己識別
  B 獲得免疫系の自己・非自己識別
  C 自己免疫反応を制御する免疫寛容システム
  D 非自己である異物に対する生体応答

第I編 免疫システムのメカニズム
 第4章 認識のメカニズム
  A 自然免疫による認識
  B レクチンによる認識
  C 補体
  D NKレセプターによる認識
  E 遺伝子再構成の機構
  F 免疫グロブリンとFcレセプター
  G MHCと抗原提示
  H T細胞レセプター(TCR)による認識
 第5章 分化のメカニズム
  A 造血系
  B T細胞
  C B細胞
 第6章 恒常性維持のメカニズム
  A リンパ球トラフィキング
  B サイトカイン,ケモカインによる恒常性維持
  C 免疫制御のメカニズム(制御性T細胞)
  D 粘膜における免疫恒常性
 第7章 外来性抗原に対する反応
  A 自然免疫
  B 獲得免疫(免疫担当細胞の機能)

第II編 免疫疾患のメカニズム
 第8章 炎症とアレルギー
  A 炎症
  B アレルギー
  C 気管支喘息
  D アレルギー性鼻炎
  E アトピー性皮膚炎
  F 食物アレルギー
  G 接触皮膚炎
  H 薬剤アレルギー
 第9章 自己免疫疾患
  A 自己免疫疾患の概念
  B 自己免疫疾患の原因
  C 自己免疫疾患発症のメカニズム
  D 自己抗体
  E さまざまな自己免疫疾患(各論)
  F 自己炎症性疾患
  G 自己免疫疾患の治療
 第10章 腫瘍免疫
  はじめに
  A 腫瘍免疫の歴史――がん免疫監視機構からがん免疫編集へ
  B がん抗原
  C がん免疫応答にかかわる細胞
  D がん免疫サイクル
  E がん免疫編集からみた高免疫原性がんと低免疫原性がん
  F がんに対する免疫療法
  G 免疫関連有害事象
  H 理想的ながん免疫療法とは――免疫プレシジョン医療
 第11章 移植免疫
  A 移植片に対する反応
  B 生殖免疫
 第12章 免疫不全
  A 免疫不全とは?
  B 原発性免疫不全症(PID)の分類
  C 複合免疫不全症
  D 免疫不全症を伴う症候群
  E 抗体産生不全症
  F 免疫制御異常症
  G 食細胞異常症
  H 自然免疫不全症
  I 自己炎症性疾患
  J 補体欠損症
  K 骨髄不全症
  L 続発性免疫不全症(SID)
  M HIV感染症とAIDS

 付章 SARS-CoV-2感染症(COVID-19)と免疫反応
  A SARS-CoV-2とは?
  B SARS-CoV-2の感染機構
  C SARS-CoV-2に対する免疫反応

和文索引
欧文索引
人名索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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