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そのまま使える 病院英語表現5000

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外国人の患者さんに自信をもって対応できますか? 現場で使える英会話表現の辞書ともいうべき本書は「シンプル」「丁寧」。できる限り患者さんに“Yes”か“No”で答えてもらえる表現で、一方的に話しかけられる恐怖から全ての医療職者を解放します。病院での英会話に挑戦したい人、今まさに直面している人、さらに磨きをかけたい人、それぞれの新たなスタンダードとなる1冊!
仁木 久恵 / 森島 祐子 / Nancy Sharts-Hopco
発行 2006年10月判型:B6変頁:424
ISBN 978-4-260-00144-1
定価 3,080円 (本体2,800円+税)
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  • 目次
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Chapter1 患者さんのプロフィール
Chapter2 診察室に患者さんを迎える
Chapter3 病歴を訊く
Chapter4 身体の診察
Chapter5 診察が終わって
Chapter6 検査
Chapter7 薬剤投与
Chapter8 手術
Chapter9 入院
Chapter10 妊娠・分娩
Chapter11 小児

参考文献
インフォームド・コンセントのサンプル
問い合わせ手紙文のサンプル
紹介状サンプル(1)
紹介状サンプル(2)
駐日大使館一覧
索引

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臨床で役立つ生きた英語を学ぶためにはずせない1冊
書評者: 武田 裕子 (東大医学教育国際協力研究センター)
 私の臨床留学は,セサミ・ストリートから始まった。留学直前のTOEFLでは約600点を取り,大学院では英語の論文の読み書きもしていたが,ホームステイ先の子供番組で,「さぁ。口を開けてアーって言ってください」という人形に,初めて口腔を診察する際にどういったらよいのか教わった。それほど当時は,診療に直結した英語を学ぶ機会は乏しかった。研修医として採用される前,エクスターンとして指導医について回っている間に私のメモ帳は,診療の際にどんな言葉をかけるか耳で覚えたフレーズでいっぱいになっていった。

 本書『そのまま使える病院英語表現5000』には,当時私が書きとめたような臨床現場で実際に使われる英語表現が詰まっていて,その詳細さに驚いた。ポケットに入る大きさながら,診察室に入る患者さんを迎える言葉に始まり,診察の際にかける言葉や指示,処方する薬の用法,次回の診察予約まで,とにかく臨床のあらゆる場面が想定されて至れり尽くせりの文例が盛り込まれている。「たいへんでしたね」「何かあったら言ってくださいね。そばにいますから」といった,患者さんを慰め,励ますための表現や緊急時の確認事項など,通常の英語のテキストには書かれていないけれど,臨床的には不可欠な表現が満載されている。呼吸器内科専門医として,患者さんに寄り添う医療を提供している著者のお一人である森島祐子先生のきめ細かな日常診療が表されているように感じた。

 本書には,医師が診察や説明の際に用いる英語はもちろんのこと,患者さんのプロフィールや生活背景を尋ねる質問など医師にも看護師にも役立つ表現,入院当日の病棟における注意事項やケアに関することなど看護師にとって必要な英語,医療保険の種類の確認など事務担当者が不可欠な情報を収集するための会話など,カバーしている領域は実に多岐に渡っている。これは,本当にお買い得である。

 本書の特徴はまた,英語の聴き取りが苦手な医療者のために,質問の多くが“YES”または“NO”で答えられる形式になっていることであろう。コミュニケーションには,開放型の質問が大切というものの,限られた質問であっても意思の疎通が図れることは患者さんにとって心強いに違いない。この文例を集めれば,来院時に必要事項を記載してもらうフォームが作成できるし,診療科ごとに主訴や経過をあらかじめ記載してもらういわゆる予診票を作成することも可能である。近年,多くの医学部で臨床英語の授業に力を注がれているが,この教科書は実践に役立つ生きた英語を学ぶ優れたテキストになると考える。

 もし私がこれから臨床留学するとしたら,この教科書ははずせない1冊となるであろう。

患者情報を要領よく的確に獲得できる英語表現携帯書
書評者: 園城寺 康子 (聖路加看護大教授)
 グローバリゼーションの波は日本人の生活の中にも押し寄せており,医療機関でも,日常活動のなかでコミュニケーションの手段として英語の占める比重は増大してきている。このような状況に対処するために,医師・看護師をはじめ関係者が日常信頼して使用できる辞書・参考書が求められている。

 本書は,主として医師,または看護師,検査技師,薬剤師,受付など医療の現場で働く人が日常会話集,専門用語辞書として手許に置き,積極的に活用できる親切で役に立つ本である。もちろん,医学生,看護学生,医療通訳志望者の学習用テキストとしても大いに活用できる。内容構成としては,主として病院で起こり得る様々な状況を想定し,実際の活動の流れに沿って広汎な必須語彙・表現を系統的に章立てを行っている。専門用語については,医療従事者だけが知っているような特殊表現はできるだけ避け,患者にわかりやすい「日常表現」が多く用いられている。したがって,第二言語として英語を話す患者に対応する際に,音声ばかりでなく,当該個所をそのまま見せてコミュニケーションをはかることも可能である。

 構成についてはユニークな工夫がなされている。一般的な質問の後に,Yes/Noで答えられる具体的な質問をして,より正確な,あるいは詳細な情報を引き出せるような痒いところに手が届くような編集になっている。この手法を用いた理由は,患者から正確な情報を得るには多角的な視点から自由に質問することが望ましいが,しばしば返答がまちまちになり,英語の聴取に不慣れな人には返答のポイントが把握しにくく,患者との間に一種の相互不信が発生する危険性があるからであろう。

 問診についての工夫としては,患者から正確な情報を得るために,一定の手順に従って質問を展開しているところがある。例えば,「病歴を取るためのヒント」にあるように,まず一般的な質問をし,次に症状について詳細な質問がなされている。症状の特徴,部位,経過(発症時刻・時期,頻度,症状の経過,同様の症状の経験),症状の誘発因子,増悪因子,緩和因子,随伴症状などについて質問の手順を踏むことで,患者について知るべき情報を要領よく的確に獲得することが可能になるであろう。

 また,言語材料を内容の中心に考え,病気―診療―処方―健康保険・支払い―薬局調剤・服薬,宗教―食文化―医療,生活習慣―既往症―診断―療養・養生,妊娠―診察―分娩―育児・栄養―予防接種,入院―麻酔―手術―退院―自宅ケア,の順序で学習すれば,理解も深まり,利用度も高くなるであろう。

 コラムは患者から話を聞く表現,病院案内,痛みの表現,安心を与える表現などもちりばめられている。また,インフォームド・コンセントや紹介状のサンプル,駐日大使館リストなどが記載され,利用価値を高めている。

 以上のように網羅的内容を持ち,時に専門用語も出現するが,医師をはじめとし,学生,医療関係者が常時携帯し利用することができる好著である。

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