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プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系

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これまでの解剖学図譜とは一線を画す革命的なアトラス。CGによる図譜の詳細さと明瞭さは秀逸。さまざまな角度から書き起こしてあるため、立体的な構造を理解できる。特に運動器の機能を説明した模式図が充実しており、臨床的視点が多く取り入れられている。医学部・歯学部の学生にはもちろん、研修医、臨床医、そしてコメディカルに最適。
シリーズ プロメテウス解剖学
監訳 坂井 建雄 / 松村 讓兒
発行 2007年01月判型:A4変頁:560
ISBN 978-4-260-00239-4
定価 13,200円 (本体12,000円+税)
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訳者 序

 ここに日本語訳をお届けする『プロメテウス解剖学アトラス』は,ドイツが培った肉眼解剖学の伝統と,21世紀のコンピューター技術を融合させた,解剖学の歴史の新しい1ページを開く解剖学書である.アトラスと銘打っているが,単なる解剖図譜ではない.また記述を中心に据えた教科書でもない.視認性に優れた解剖図と文字情報を伝えるテキストの特性を生かし,両者をバランスよく配置して有機的に組み合わせた,統合型の解剖学書である.しかもこれまでの系統解剖学や臨床解剖学といった伝統的な枠組みを網羅的に踏襲するのではなく,医学生の学習に必要な事項を,重要度に基づいて吟味して選択し,新しい魅力的な解剖学の枠組みを実現している.解剖図もそれに合わせて新たな構想の下に描かれ,さらに画家の優れた感性と技量に加えて,コンピューターによる画像処理を用いて,これまでにない高品質のものを実現している.

 ヴェサリウスの『ファブリカ』以来,解剖学書の歴史は,解剖図と本文を用いて複雑な人体構造をいかに表現するか,絶えざる発展の歴史であった.ヴェサリウス以降の解剖学と周辺分野における研究で深まった人体構造の理解,それに合わせた解剖学用語の整備,さらに木版画から銅版画を経て,19世紀のリトグラフ,20世紀の写真製版へと続く印刷技術の進歩,こういったすべての進歩を取り込んで,解剖学書も進化し続けてきた.目の前に見るこの新しい1冊の解剖学書に,450年余の歴史と現代の科学技術が,凝縮されている感がある.本書を手にとりページをめくると,整理された大量の情報が気持ちよく流れ込んでくる.必要な情報を求めてインターネットでホームページを探していくような快適感がある.

 本書は,全3巻構成のドイツ語版原書として2004年から2006年にかけて出版されたうちの第1巻である.現在,英語版のほかに,日本語,フランス語,スペイン語,ポルトガル語,イタリア語,オランダ語,トルコ語などでの翻訳出版が始められている.またドイツ語版の第1巻が,「2004年ドイツの最も美しい本」(ドイツ・エディトリアルデザイン財団)に選ばれ,英語版の第1巻がBenjamin Franklin Award 2006を受賞するなど,出版界でも広く注目を集めている.
 日本語版の第1巻である本書「解剖学総論/運動器系」は,運動機能に関する解説がとくに優れている.医学生および臨床医だけでなく,理学療法士・作業療法士などリハビリテーションに携わる医療職の人たちにも大いに役立つだろう.これに続いて,「頸部/胸部/腹部・骨盤」(第2巻)と「頭部/神経解剖」(第3巻)が順次発行される予定である.

 本書「解剖学総論/運動器系」の翻訳にあたっては,坂井と松村が全体に目を通しながら監訳を担当し,実力と実績のある方々に翻訳の分担をお願いした.翻訳のテキストとしてはドイツ語版を用い,必要に応じて英語版も参照した.訳語については,原則として日本解剖学会「日本語による解剖学用語」および日本解剖学会編『解剖学用語改訂12版』に準じた.日本語訳にあたっては瑕疵がないように細心の注意をしたつもりではあるが,至らぬところは監訳者の責である.

 わが国における解剖学教育では,長年の献体の活動により十分な解剖体を得て,世界的にも類を見ない充実した人体解剖実習が実現されている.とはいえこの10年ほどの間に,医学教育を取り巻く環境が大きく変化し,基礎医学の教育においても,膨大な知識の習得を効率よく達成することが求められている.解剖学においてはさらに,医学全般の基礎として人体の構造について十分に理解を深め,解剖という行為を通して人体を扱う責務の重さを体験し,医療においてなくてはならない他者への愛を涵養するという,全人的な教育を心がけている.優れた教材の開発は,教育の困難と負担とを軽減し,より充実した解剖学教育を行うのに不可欠なものである.本書『プロメテウス解剖学アトラス』が,多くの学生たちに行き渡り,よりよい医療者となるべくその基礎を築いてくれることを願う由縁である.

 訳者を代表して 坂井建雄,松村讓兒
 2006年12月14日

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解剖学総論
 1 系統発生と個体発生
 2 人体の概観
 3 体表解剖,目印,基準線
 4 骨・関節
 5 筋
 6 血管
 7 リンパ系とリンパ節
 8 神経解剖学総論
体幹
 1 骨,関節,靱帯
 2 筋:機能による区分
 3 筋:局所解剖
 4 神経と脈管:形態と位置
 5 神経と脈管:局所解剖
上肢
 1 骨,関節,靱帯
 2 筋:機能による区分
 3 筋:局所解剖
 4 神経と脈管:形態と位置
 5 神経と脈管:局所解剖
下肢
 1 骨,関節,靱帯
 2 筋:機能による区分
 3 筋:局所解剖
 4 神経と脈管:形態と位置
 5 神経と脈管:局所解剖
付録
 文献
 索引

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生体の構造と機能を有機的・立体的に説明
書評者: 塩田 浩平 (京大大学院教授・形態形成機構学)
 16世紀に出版されたヴェサリウスの『ファブリカ』以来,今日に至るまで,解剖学書は絶えざる発展を遂げてきた。なかでもドイツ学派の貢献が最も大きくかつ重要で,ドイツからは数々の歴史的名著が出版されてきた。その伝統の上に,このたび『プロメテウス解剖学アトラス』という,その名も壮大な解剖学書がドイツ解剖学の泰斗3人によって新たに完成され,それを坂井建雄教授と松村譲兒教授がいち早く日本語版でわれわれに提供してくれた。

 肉眼解剖学の多くの書物は,いわゆるテキスト中心の教科書的書物とアトラス(図譜)がそれぞれ別に作られ,両者を併せて用いることにより人体の構造の詳細を学ぶことができるようになっている。しかし,『プロメテウス解剖学アトラス』は,こうした従来の常識を打ち破り,まったく新しいアイデアで構成されている。すなわち,1700点に及ぶ図のそれぞれに比較的詳しい説明文が付けられ,構造のポイント,周囲の器官・組織や全身との関連,構造と機能の相関などが図に即して効率的に理解できるように配慮されている。

 また,図譜の生命である図は,他に類を見ない斬新なものが非常に多い。コンピュータグラフィックスを駆使して作られたユニークな構成の図が,従来の写生的な図では描出できなかった視点からの情報をわかりやすく与えてくれる。多くの図譜は写実的な図を中心に構成されているが,本アトラスでは,写生的な図に加えて,模式図やシェーマもふんだんに用いられ,生体の構造と機能が有機的・立体的に説明されている。図はすべて実際に忠実でありながら,新しいグラフィックス手法で作られたため実に美しく色彩も明るいので,眺めていても楽しい。

 本書は原著3巻のうちの1巻で「解剖学総論/運動器系」を扱っているが,運動器の構造と立体的位置関係を網羅的に,かつこれほどわかりやすく解説している解剖学書は余り他に例を見ない。なかでも運動学的な解説は秀逸で,各関節の動きに伴う骨格の変位と可動域,荷重の変化,靭帯と筋の機能などが,ユニークな視点からの解説とそれを補足するわかりやすい図によって説明されている。また,肉眼解剖学的構造と機能を理解するうえで役立つ発生学的事項も,随所にとり入れられている。

 最近の学生は安直な書物に流れがちであるが,本書のような本格的な名著によって解剖学を学習できる幸運を学生諸君が理解し,その喜びを十分享受するよう願っている。本書は,医学生・歯学生のみならず,PT,OT,柔道整復師などをめざすコメディカルの学生にとってもバイブル的な書となるものである。さらに,本書は,それぞれの部分が独立した内容をもって完結しているので,臨床医ならびにその他の医療従事者が座右において辞書的に参照するのにも好適の書である。学生から医師,コメディカルスタッフまでの幅広い読者層に本書が歓迎されることを確信している。
理学療法士の立場から
書評者: 河上 敬介 (名大准教授・理学療法学)
 まず,本書を開いて感じることは,明晰で洗練された沢山の図譜が惜し気もなく掲載されていることである。本書は,器官系ごとに分類された系統解剖学のなかで,運動器系を中心とした解剖学アトラスという位置づけだと聞いている。しかし,単なる部位ごとのアトラスを寄せ集めた書ではない。特に骨格筋に関しては,すべての部位において個々の筋の位置や形が理解できるように,浅層から深層まで,部位によっては1筋ごとに剥離した図譜が並べて掲載されている。また,他に類を見ない多方向から描かれた運動器系器官の図譜や断面が描かれた図譜が目をひく。これらの運動器系器官の位置と,神経や血管との位置との関係も一目でわかるように工夫されている。さらに,近年のコンピュータグラフィックス技術を活かし,浅層から深層に渡る筋,靱帯,滑液包,骨などの器官の重なりを立体的に描いた図譜も多く見受けられる。われわれ理学療法士は,運動器系,特に筋を治療対象とする機会が多く,どの筋のどの部位に障害が起こっているかを評価しなくてはならない。個々の筋の端から端までの詳細な形や位置を,三次元的に理解しなくてはならない。十分な人体解剖実習が行なわれているとは言い難い現状では,本書が大きな手助けとなるに違いない。

 実は,われわれ理学療法士としては,筋の位置や形を理解しているだけでは十分ではない。個々の筋が収縮したときの関節の動きを,機能解剖学的視点から理解しておく必要がある。しかし,形や位置を詳細に示した一般的な解剖学書やアトラスなどでは,起始や停止の位置が筋に隠れてしまっている。また,個々の筋がどの領域とどの領域とをつないでおり,その結果どの方向への関節の動きをつかさどるのかをイメージすることは困難である。ところが本書は,前述した局所解剖のセッションに加え,機能解剖のセッションも充実している。すなわち,筋の起始と停止の位置が一目でわかり,かつ起始と停止を結ぶ模式化された個々の筋の走行図が掲載されており,正確な運動方向の推察を助ける。さらに,運動学的・臨床医学的な情報もふんだんに盛り込まれており,初めて筋の構造や働きを学ぶ学生にとっても,臨床で働く理学療法士にとっても,バイブルとなるに違いない。

 近年,われわれ理学療法士の業務は運動器系疾患のみにとどまらず,心筋梗塞や動脈硬化症などの循環器系疾患,肺気腫や肺線維症などの呼吸器系疾患,糖尿病や高脂血症などの代謝系疾患,尿失禁などの泌尿器系疾患と様々な器官にわたる。すでにこれらの器官系を掲載した本シリーズの翻訳も進んでいると聞いている。待ち遠しいものである。
解剖学的構造と臨床医学のつながりを知る
書評者: 岡部 繁男 (東医歯大大学院・細胞生物学)
 『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系』はドイツThieme社が2004年から2006年にかけて出版した全3巻からなる肉眼解剖学の教科書の第1巻の邦訳である。タイトルからわかるように,第1巻は人体構造の中で特に運動器(骨と骨格筋)に焦点を当てたボリュームであり,続く第2巻が「頸部/胸部/腹部・骨盤」,第3巻が「頭部/神経解剖」として順次刊行される予定である。

 原著の巻頭言によれば,この本のタイトルであるプロメテウス(ギリシャ神話に登場する。人に火を伝えたことによりゼウスから罰を受けた神である)は「先に考える者」を意味し,医学教育においてこれまでになく「理想的な」解剖学アトラスを作成することを目標としたがゆえに,その名を冠したとのことである。

 確かにこの本には学生の知的作業を支援するための,これまでの教科書にはない新しいコンセプトが多く見出される。まず著者が強調するように,取り上げられている内容は決して網羅的ではなく,内容の重要度に応じて解説と付随する図版がよく吟味されている。特に第1巻は運動器が題材であり,体の動き自体の理解を伴って初めてその構造と機能の関係が明確となる。本書では関節の構造のページには必ず生体の運動と対応させた解説があり,この本を利用する医学生が両者の関連を自然に意識するように配慮がなされている。また臨床医学との関連性についても,下肢の章であれば股関節の運動と力学のページにおいて変形性関節症や乳児の股関節脱臼についての解説を盛り込むなど,随所に解剖学的構造と臨床医学とのつながりを強調する工夫が施されている。

 次に私がこの教科書が優れていると感じた点として,図版と解説の統一性と系統的な理解を容易にするさまざまな配慮が挙げられる。これはドイツ人の国民性を反映しているのかもしれないが,体幹,上肢,下肢の3章はすべて同じ構成を取り,図版の統一性も見事である。上肢の3.10章以降と下肢の3.8章以降を参照すれば,読者は手と足の内在筋群の走向とその起始・停止について容易に比較し理解することができるであろう。

 最後にこの本が,教科書としても解剖学実習の際のアトラスとしても使用しうる美しい図版を豊富にもつ点を強調したい。原図は画家によって描かれた精密なものであり,コンピュータ処理を駆使することで複数の関連した図版が整合性をもって配置されている。特に筋肉の浅層から深層までを描写する場合などに,その威力が発揮されている。

 邦訳は国内の第一線の解剖学者によるものであり,きわめて質が高い。解剖学は医学部に進んだ学生がまず接する教科であり,この基礎段階で的確かつ能率的な知識吸収の方法論を身につけることが,その後の医学学習の礎ともなる。その意味で本書は,解剖学の学習を知的作業と捉える意欲ある学生にとって貴重な教科書になると確信する。
臨床解剖学や運動学的解説がちりばめられた系統解剖学書
書評者: 吉尾 雅春 (千里リハビリテーション病院副院長)
 『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系』,まさに理学療法士をはじめとする運動機能に関わる職種のために誕生した解剖学書だと思います。なぜか? それは本書を開いてみればわかります。とにかく開いてみてください。近くに書店がなければ,医学書院のホームページをご覧ください。とりあえず,イメージは伝わります。

 まず何よりも,図がとてもきれいで見やすいのが特長です。画家の技量もさることながら,コンピュータを駆使した図は,私たちの目を間違いなく引きつけます。また,何層かに分けて三次元的に描画されているため,構造の奥行きを理解することを容易にしています。さすがドイツ生まれの解剖学書,という出来映えです。原書が発刊年に「ドイツの最も美しい本」として認定されたのも頷けます。

 『プロメテウス解剖学アトラス』がこれまでの系統解剖学書と大きく違うことのひとつとして,決して身体構造全体をただ網羅した解剖学書を意図していないということが挙げられます。解剖を学ぶ学生,あるいは臨床家たちがある課題を理解しやすいように,メリハリをつけた誘導を行っているのです。図示だけでよいところは解剖学アトラスらしく図を多用して導き,解説が必要な部位・構造については基礎から臨床に至るまで,文字情報および図・写真双方で突っ込んだ説明を展開しています。

 特に理学療法士にとって嬉しいことは,随所に運動学的視点から解説を加えていることです。解剖学書であるにも関わらず,てこの原理などを用いて興味深い運動学的説明が展開されています。しかも,それらの展開には簡単なものから複雑なものへという進度を感じとることができるのです。このように詳細で優れた運動学的説明を加えた解剖学書は他にありません。

 解剖学と運動学,理学療法士や作業療法士にとっては切っても切り離せない最重要領域なのに,なぜか教科書も講義も別々。そのような常識を打ち破って,系統解剖学の中に臨床解剖学や運動学,運動力学的解説が随所に,かつ詳細に述べられた,まさに夢の書だと思います。
解剖学と運動学の真の統合書
書評者: 野村 嶬 (京大大学院教授・運動機能解析学講座)
 プロメテウスは,人間を創り,人間に文字や火を与えたとされるギリシャ神話の英雄である。解剖学書にその名前を冠したドイツ語版原書の著者(Michael Schunke,Erik Schulte,Udo Schumacher,Markus Voll,Karl Wesker)の,この原書が人間の未来に貢献するとの願いと確信にまず衝撃を受けた。本書は,全3巻構成の原書第1巻の翻訳であり,わが国の著名な肉眼解剖学者である坂井建雄教授と松村譲兒教授が監訳された。

 掲載されている図が周到に作成されていて実に美しい。この美しさは実物の写真による図とも違い,また『ネッター解剖学アトラス』に代表される描画による図とも異なる明晰なものである。しかも,すべての図には適切な説明が付けられていて,図を読む重要なヒントを提供してくれる。さらに,これまでの解剖学アトラスでは見たこともない視点からの図,例えば,上肢帯と体幹の連結の上面図,頭蓋―脊柱連結の前上面図,皮膚や軟部組織を通して触診できる骨部位,上肢・下肢の立体・横断面解剖図などが多数掲載されていて,CTやMRIなどによる断面像に対応するとともに学習者の理解を大いに助けてくれる。

 監訳者が指摘されているように,『プロメテウス解剖学アトラス』は,図の構成とその作成だけに費やしたという8年の歳月と,ドイツ肉眼解剖学の伝統の底力と現代のコンピュター技術の融合によって初めて実現した解剖学書であり,短期間で成果を求める風潮が支配的な今日のわが国では,到底不可能な大事業に思える。

 これまでの解剖学アトラスでも運動学的記載は皆無であったとは言えないが,その記載は十分なものではなく,すべての運動器をカバーするものでもなかった。それに対して,本書はすべての運動器に運動学的記述あるいは臨床的記述が付されていて,解剖学と運動学の真の統合書ともいえる。このことが運動器系の解剖学の学習を生き生きとしたものにし,運動器系の理解を飛躍的に高めることは間違いない。またそれらの記述には,永年,機能解剖学を講義してきた私にとっても,浅学故であるが目から鱗状態の大変有用なものが多い。例えば,手掌面積の法則,脊髄後根におけるObersteiner―Redlich領域,大胸筋と広背筋の停止の捻れの意義,関節半月の構造・動き・損傷,足底の圧緩衝系など枚挙に遑がない。医学生や医師だけでなく,運動器系の解剖学が最も必要とされるPT,OT,トレーナー,柔道整復師らをめざす学生や臨床家にとっても最適で画期的な解剖学アトラスが出現したと断じる所以である。

 本書では,最初に解剖学総論が73頁にわたって記述されている点も,これまでの解剖学アトラスとは異なる新しいところである。この解剖学総論も図を多用して簡明に記述されているので,運動器系を中心とした解剖学の初学者にとってはこの1冊でテキストとアトラスの両方を兼ねることができるであろう。

 本書の発刊により,わが国の医学やコメディカルの解剖学実習を含む解剖学教育に“『プロメテウス』効果”が生じる予感を覚える。また,本書を利用することによって,実習室での解剖学実習がどのように変わるかを早く見てみたい気分にもなる。
 続刊が予定されている『プロメテウス解剖学アトラス』の残りの2巻にも期待が高まる。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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