BRAIN and NERVE Vol.78 No.4
2026年 04月号

ISSN 1881-6096
定価 3,080円 (本体2,800円+税)

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 特集の意図
  • 収録内容

開く

脳神経の診察は,脳神経内科医に限らず多くの診療科で求められる基本的かつ重要な技能である。その理解には,解剖や生理に基づく知識と,所見をどう捉え,どう考えるかという臨床的視点が欠かせない。本特集では,嗅神経から視神経に至る各脳神経について,構造や発生,診察法,画像所見などを示しつつ,関連する疾患や近年注目されるトピックスを含めて解説する。著者それぞれの専門性や経験に基づく視点を通じ,脳神経障害を診る際の着眼点と思考過程を整理し,読者の理解の深化を目指す。

嗅神経—その特有のシステムに潜む脆弱性と神経疾患 渡辺 宏久 , 長尾 龍之介 , 川畑 和也 , 水谷 泰彰
嗅神経は特有の再生系と符号化機構を持つ。COVID-19では神経への直接感染よりも支持細胞障害や遺伝子発現制御不全が主病態であり,異嗅症は受容体フィルタの不均衡で生じ得る。パーキンソン病では鼻粘膜α-シヌクレイン凝集と嗅覚低下の乖離や心交感神経障害との相関から,単純な伝播説のみでは説明がつかず,エネルギー代謝障害やネットワーク再構築不全といったシステム全体の脆弱性が関与し得ると考えられる。

眼球から視神経 池田 哲也
眼は脳神経病変を鋭敏に反映する重要な「窓」である。本論では,眼球・視神経の基礎解剖に加え,脳神経内科医が外来やベッドサイドで実施可能な視力,瞳孔,眼球運動,色覚,視野,眼底の簡易評価法を解説する。また,脳神経病変と密接に関与する視神経炎に関して,脳神経内科医でも可能な診察方法と注意点,さらには神経疾患治療薬で起こり得る主な眼科的副作用への注意点を概説し,眼科との早期連携の重要性を述べる。

動眼・滑車・外転神経 城倉 健
対象物に視線を向けるsaccade系の眼球運動と対象物に視線を安定して合わせ続けるための前庭系の眼球運動は,それぞれ異なる神経機構で作り出されている。動眼神経,滑車神経,外転神経は,互いに協力しながらそれぞれが支配する外眼筋をうまく動かし,これらの眼球運動を実現させている。どの神経の障害でどのような眼球運動ができなくなるか認識しておくことは,病巣の局在診断に極めて有用である。眼球運動は,それを作り出す神経機構のほうに問題があっても,うまくいかなくなる。したがって,saccade系や前庭系の眼球運動神経機構の障害でみられる眼球運動の異常も,同時に理解しておく必要がある。

三叉神経 今井 昇
三叉神経は感覚と運動を担う最大の脳神経であり,顔面知覚と咀嚼運動を支配する。本論では三叉神経の解剖・診察法・画像所見を概説し,三叉神経痛,帯状疱疹後神経痛,三叉神経・自律神経性頭痛などの疾患の診断治療を解説する。さらにCGRPやPACAPを中心とした片頭痛治療の新規標的,群発頭痛との関連が注目されるMERTK-Gal-3経路,そして三叉神経節の概日リズムとクロノセラピーの可能性など,最新のトピックスを紹介する。

顔面神経・聴神経の機能解剖と関連疾患 田村 亮太
顔面神経や聴神経(蝸牛神経・前庭神経)の障害は脳神経内科・耳鼻咽喉科・脳神経外科と複数の科と関連が深く,それぞれの科の豊富な知識を網羅することは容易ではない。そこで,本論では,顔面神経・聴神経の神経伝導路・その障害と症状・検査方法・原因疾患から最近のトピックに関してできるだけ幅広く簡潔に述べ,複数の診療科のカバーする領域を効率的に把握することで,読者の日常診療の一助となればと思い執筆した。また,顔面神経や聴神経の障害をきたし得る小脳橋角部の腫瘍性病変[孤発性前庭神経鞘腫と神経線維腫症2型(NF2-related schwannomatosis),髄膜腫,類表皮囊腫など]に関しても焦点を当てた。顔面神経・聴神経ともに日常生活のQOLと密接に関わる機能を有するため,その障害の原因を効率よくつきとめ,改善に向けた戦略を迅速に構築することが重要である。

舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経 小澤 宏之
舌咽神経,迷走神経,副神経,舌下神経について,頭頸部における解剖と外科的ランドマークについて解説するとともに,各神経の機能とその障害について詳述した。また,具体的な症例について頭頸部外科の観点から提示し,頭頸部領域における各神経の見え方や神経障害に伴う所見を提示した。

開く

医書.jpにて、収録内容の記事単位で購入することも可能です。
価格については医書.jpをご覧ください。

特集 脳神経を診る

嗅神経──その特有のシステムに潜む脆弱性と神経疾患
渡辺宏久,他

眼球から視神経
池田哲也

動眼・滑車・外転神経
城倉 健

三叉神経
今井 昇

顔面神経・聴神経の機能解剖と関連疾患
田村亮太

舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経
小澤宏之


■総説
ドパミン神経前駆細胞移植によるパーキンソン病治療
澤本伸克,他

日本茶の脳への作用──老化予防効果を中心に
海野けい子

クライエントとともにある医師のための教育──「行動科学」と「人間科学」
中村千賀子


●原著・過去の論文から学ぶ
第21回 WAGR症候群と小眼症マウスからPAX6/Pax6 遺伝子の同定へ
大隅典子

タグキーワード

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。