理学療法ジャーナル Vol.59 No.4
2025年 04月号
特集 スポーツパフォーマンス改善をめざすプロフェッショナルの視点
ISSN | 0915-0552 |
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定価 | 2,090円 (本体1,900円+税) |
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- EOI : essences of the issue
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EOI : essences of the issue
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特集 スポーツパフォーマンス改善をめざすプロフェッショナルの視点
スポーツ動作の動作分析では,相分解する要素主義的な考え方だけではなく,相互に関係する動作の流れが重要である.サイクルを繰り返す動作をはじめとして,時間的,空間的つながりが重要になる.止まっているボールに力を加えるものや,動いているボール,対人動作が重要になるものに加え,審美系,格闘技など種類も多く,高齢者に適したものもある.本特集は,スポーツパフォーマンス向上に理学療法の知見を使用するための,さまざまなプロフェッショナルな視点の集約である.
野球──投球動作の改善 岡田匡史
横浜DeNAベイスターズではパフォーマンスチューブという考え方を取り入れ,他職種・他部門との連携を強化しながら選手の障害予防とパフォーマンスアップを行っている.本稿ではプロ野球の投手におけるシーズンを通したコンディショニングの取り組みについて実際に行っているアセスメントやエクササイズの内容を交えて紹介していく.
野球──走行動作の改善 渡邉和也
野球においてハムストリング肉離れは発生頻度が高く,再発率も高いため段階的なトレーニングと再発予防の取り組みが大切である.リハビリテーションにおいては,筋力や柔軟性の改善とともに傷害の原因となったランニング動作の改善も行う.受傷機転や各選手の身体機能,動作的特徴に合わせたトレーニングの実施は,高いパフォーマンス発揮を求められるアスリートにとって重要である.
サッカー──キック動作の改善 塙 敬裕
サッカーに携わる理学療法士には,主にアスレティックリハビリテーションの過程で「キック動作の改善」を要求される.キック動作を改善させるためには,キック動作を全身運動として捉え,選手や患者の器質的,機能的,心理的な状態を把握し対応する必要がある.本稿では筆者が実践している「キック動作の改善」を目的としたアスレティックリハビリテーションについて紹介する.
ダンス──ターンアウトの改善 灰方淑恵
クラシックバレエの基本動作であるターンアウトは両下肢を股関節から外旋させる肢位だが,明確な定義がなく,ダンサーや指導者間で解釈が異なることがある.この曖昧さが誤った身体の使い方による傷害の一因となっている.理学療法士は,ターンアウトの機序を理解し,個々のダンサーの身体特性と技術レベルに合わせた評価と介入を行う必要がある.本稿では,ターンアウトの評価,改善のための理学療法について概説する.
水球──オーバーヘッド動作のパフォーマンス向上 高橋利一
水球は激しいコンタクトを伴い,泳動作やフットワーク,投球動作など多様な技術を要求される.特に肩関節の障害発生が多く,水中という不安定な環境の中で生じるマッスルインバランスやそれに伴う動作の不安定性が要因となる.筋力や運動パターンの評価を通じて運動機能の問題を早期に発見し,適切なトレーニングやエクササイズを提供することが重要である.障害予防を通じ選手のパフォーマンス向上に寄与できるため,より多くの調査研究が求められる.
飛込──動作の軸をつくる動作の改善 成田崇矢
飛込競技の入水局面の軸には,体幹部を安定させるための体幹屈筋群機能,肩甲帯可動性が大切であり,それぞれに対する機能評価,理学療法を解説した.また,入水局面の軸には,股関節屈曲可動性と屈曲スピードが大切であり,それぞれに対する機能評価,理学療法を解説した.
テニス──ストローク動作の改善 中村僚太
近年のテニスは,ストローク主体によるスピード・パワースタイルへと進化してきているが,その反面,身体に加わるストレスも大きくなってきている.地面反力から得られたエネルギーを全身の運動連鎖を通して,身体からラケットそしてボールへと効率よく伝達させ,最小で最大の力を産み出すことが重要である.本稿では,ストローク動作における運動連鎖,バイオメカニクス,代表的なアプローチ方法を概説する.
ゴルフ──スイングの改善 宇於崎 孝,他
ゴルフスイングのパフォーマンスを改善するには,効率のよいゴルフスイングを理解したうえで,間違ったスイングの原因を特定し,ティーチングプロとともにアプローチすることが重要である.そのためには基本姿勢と基本スイングを知り,ゴルフスイングのバイオメカニクスを理解したうえで,fasciaの滑走性を改善し身体全体に神経系・力伝達が正しく広がるようにし,機能的エクササイズを組み合わせてスイングを改善していく.
陸上──短距離走動作の改善 髙田雄一
スポーツ分野において,競技者のパフォーマンス向上は重要な課題である.競技者の感覚的な要素と理学療法士の評価を統合させ,トレーニングプログラムに反映させることで,競技者のパフォーマンスを最大化させる重要な役割を果たす.本稿では,理学療法士が短距離走のパフォーマンス向上にどのように関与できるかを,評価,コンディショニング,トレーニング,そしてインソール療法の観点から述べる.
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特集 スポーツパフォーマンス改善をめざすプロフェッショナルの視点
野球──投球動作の改善
岡田匡史
野球──走行動作の改善
渡邉和也
サッカー──キック動作の改善
塙 敬裕
ダンス──ターンアウトの改善
灰方淑恵
水球──オーバーヘッド動作のパフォーマンス向上
高橋利一
飛込──動作の軸をつくる動作の改善
成田崇矢
テニス──ストローク動作の改善
中村僚太
ゴルフ──スイングの改善
宇於崎 孝,他
陸上──短距離走動作の改善
髙田雄一
■Close-up 診療報酬の仕組み
診療報酬制度の概要
梅津祐一
診療報酬改定に伴うリハビリテーション料の変遷
佐々木嘉光
診療報酬改定と臨床研究
石田和宏
●とびら
スポーツに魅せられて
平野佳代子
●視覚ベースの動作分析・評価[最終回]
股関節──変形性股関節症保存療法の歩行動作介入例
奥村晃司
●薬剤と理学療法④
睡眠薬
渡部和幸,他
●文献収集と管理④
研究の評価指標
森山英樹
●理学療法とAI──活用実践例と近未来の展望④
AIを用いた診療支援
大門恭平
●臨床実習サブノート
効果的かつ安全な起居動作へのアプローチ[新連載]
脳卒中 低緊張
長野 毅
●理学療法士のキャリアデザイン──多様な可能性と挑戦④
理学療法士×異業種の視点──課題解決に活きる広い視野
土田泰大
●症例報告
筋力の回復が期待できないクッシング病再発例に対するlight touch効果を活用した理学療法を実施した1例
深田 亮,他
●My Current Favorite
人の器や心の成長を促す──適応課題と成人発達理論
本田知久
●学会印象記
第11回日本予防理学療法学会学術大会──生涯にわたる健康づくりについて考える
冨樫理紗
第8回日本循環器理学療法学会学術大会──最新の循環器理学療法の再認識
上條友莉,他
●私のターニングポイント
理学療法士人生の2回のターニングポイントは出会い
仲田歩加
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