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よくわかる血液内科


著:萩原 將太郎

  • 判型 A5
  • 頁 284
  • 発行 2018年01月
  • 定価 4,104円 (本体3,800円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03207-0
血液内科を得意科目にしよう! 研修医、非専門医に必要な知識がこの1冊に
「難しい」「見逃せば重篤な状況に陥ってしまう」「相談できる専門医がいない」「かといって専門書はとっつきにくい」――できれば血液内科を避けて通りたいあなたと一緒に、代表的な症例を推理しながら、臨床血液学の基礎を学びます。(1)血液を理解して、患者さんにわかりやすく説明できる、(2)鑑別診断ができる、(3)初期対応ができ、必要な場合には適切に専門医につなげられる、これが本書の目標です。
序 文
推薦のことば(青木 眞)/はじめに(萩原將太郎)

推薦のことば

 症例検討会で,血液疾患,特に悪性リンパ腫などは頻出疾患である.その理由は全身に表現される臨床像の多様性にあり,内科医の総合診療的な力が最も試される疾患であるためである.ちなみに本邦...
推薦のことば(青木 眞)/はじめに(萩原將太郎)

推薦のことば

 症例検討会で,血液疾患,特に悪性リンパ腫などは頻出疾患である.その理由は全身に表現される臨床像の多様性にあり,内科医の総合診療的な力が最も試される疾患であるためである.ちなみに本邦に導入が遅れた専門領域に感染症,膠原病,そして血液・腫瘍学の3つがあり,それらの共通点は「特定の臓器を扱わない」点,すなわち全身を診る点にある.いわゆる総合診療的資質が求められる専門領域である.
 筆者が最も信頼する血液内科医である萩原將太郎先生は沖縄県立中部病院の後輩であり,それゆえに血液内科専門医である前に優れた総合診療医である.彼に症例を相談するようになって既に20年を超えるが,その安定感は揺るぎがない.萩原先生は,また研修医教育も旨いが,これもその基礎となる総合診療的アプローチを重視する姿勢ゆえである.
 本書のタイトルは「よくわかる血液内科」であるが,通読して感じることは,基礎的な病態生理の説明など,その専門性の高さであり,各章の冒頭にある実際の症例に象徴されるように臨床的に書かれた教科書・成書の印象に近い.このため簡単に「総合診療の初学者が通読」できるようなタイプの本ではない.その意味では貧血や血小板減少,リンパ節腫脹といった個別の問題に遭遇した時に辞書的・教科書的に開くといったことのほうが使い方としてはよいのではないかと個人的には思う.もちろん,第8章(危ない病気・症状を見逃さないために)のような腫瘍学的緊急症(Oncological emergency)といった内容は初学者も目を通しておくべきである.
 「血液内科学が得意科目になるシリーズ」と題して,医学書院 総合診療医学誌である『JIM』『総合診療』に連載された内容などをもとに編纂された本書が初学者からベテランまでの多くの読者を得ることを望みます.

 2017年11月
 感染症コンサルタント  青木 眞


はじめに

 血液は,からだ中を隈なく流れ,酸素運搬のみならず,感染防御,腫瘍免疫までを司る重要な生命維持システムです.そして血液の疾患は全身の病気であり,見逃すと重篤な状況に陥ることが少なくありません.
 と,ここまで読んだだけで「あっ,やっぱり血液は難しそう.できれば避けて通りたい」と思う読者も多いのではないでしょうか?
 でも,気軽に相談できる血液内科医がいない.血液の勉強をしてみたいけれど専門書は取っ付きにくい.う~ん,困りましたね.

 本書は,「血液内科学が♡得意科目♡になるシリーズ」として医学書院の医学誌『JIM』『総合診療』で2年間連載した内容に,筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター水戸協同病院で総合診療科の若手医師を対象に行った5年分の特別講義録を加えて書き直したものです.
 各章はクリニカルプロブレム毎に分かれており,数話ずつの代表的な症例を紹介しています.症例をもとに一緒に推理しながら楽しく血液内科を学べるように工夫しました.
 読者の皆さんが,
 1.血液を理解して,患者さんにもわかりやすく説明できる
 2.病気の鑑別診断ができる
 3.初期対応ができ,必要な場合には適切に専門医につなぐことができる
これら,3つのことができるようになることが目標です.
 総合診療,一般内科を担当している先生方はもちろん,ジェネラリストとして活躍されているすべての医師,研修医,レジデント,コメディカル,これから医療者をめざす学生さん達のお役に立てれば幸いです.

 2017年12月
 萩原將太郎
目 次
第1章 赤血球系の異常
 第1話 あらためて貧血とは?
 第2話 小球性,正球性,大球性貧血
 第3話 溶血性貧血をマスターしよう!
 第4話 多血症

第2章 白血球系の異常
 第5話 白血球減少の原因を考える
 第6話 再生不良性貧血
 第7話 骨髄異形成症候群
 第8話 白血球増加の原因を考える
 第9話 好中球増加,好酸球増加,リンパ球増加
 第10話 急性白血病

第3章 血小板系の異常
 第11話 血小板が少ない!
 第12話 血小板が多い!

第4章 リンパ球系の異常
 第13話 リンパ節腫脹
 第14話 非Hodgkinリンパ腫
 第15話 Hodgkinリンパ腫
 第16話 成人T細胞性白血病/リンパ腫
 第17話 HIV関連悪性リンパ腫
 第18話 形質細胞性疾患

第5章 血栓と出血傾向
 第19話 凝固と線溶おさらい
 第20話 出血が止まらない! 後天性血友病,血友病,von Willebrand病
 第21話 DIC!
 第22話 意外に多い?血栓症

第6章 感染症と血液
 第23話 好中球減少性発熱
 第24話 免疫不全と感染症

第7章 輸血の基本
 第25話 輸血とは?
 第26話 ヘモグロビン,いくつまで下がったら輸血する?
 第27話 輸血の合併症:TRALIとTACO

第8章 危ない病気・症状を見逃さないために
 第28話 Oncological Emergency!(腫瘍学的緊急症)
 第29話 危ない病気を見逃さないための血液検査データの見方

第9章 みんな血液内科が好きになる!
 第30話 血液って何だ?
 第31話 免疫システム
 第32話 造血の異常と血液疾患

第10章 気軽に顕微鏡で見てみよう!
 血液塗抹標本と染色の原理
 末梢血カラーアトラス

索引
執筆者紹介

クリニカルパール
 ・RPI(網赤血球産生指数)を使いこなそう!
 ・RDWとは?
 ・タバコと多血症
 ・銅欠乏を見逃さない!
 ・血小板減少の鑑別
 ・血小板増多症をみたとき
 ・リンパ節腫脹の部位による鑑別
 ・形質細胞性疾患のスペクトラム
 ・悪性腫瘍を見逃さないために

コラム
 ・非典型的HUSについて
 ・血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)について
 ・化学療法の基礎

サイドメモ
 ・後天性von Willebrand病
 ・ABC/GCB
 ・良性単クローン性蛋白血症
 ・可溶性IL2受容体(sIL2R)