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乳幼児の発達障害診療マニュアル

健診の診かた・発達の促しかた

著:洲鎌 盛一

  • 判型 A5
  • 頁 130
  • 発行 2013年05月
  • 定価 2,700円 (本体2,500円+税8%)
  • ISBN978-4-260-01026-9
子どもの異常を早期にみつけるためのエッセンスと、発達の促しかたを伝授!
発達障害のエキスパートの目と技、診療のコツがわかる! 乳幼児の発達異常を早期にみつけるためのエッセンスとお母さんに伝えたい「発達を促すアドバイス」「家庭で気にかけてほしいポイント」をわかりやすく提示。健診で「様子をみましょう」と保護者に伝える際、その後に適切な言葉を続けなければ早期発見・介入の機会を逃すことになる。本書では、その「次の一言」のヒントを多数紹介。乳幼児健診にかかわるすべての医療者に贈る1冊。
序 文
本書刊行によせて(阪井 裕一)/はじめに(洲鎌 盛一)

本書刊行によせて
 「乳幼児の発達障害診療マニュアル」の刊行を心よりうれしく思う.人は誰でも長ずるに従い,自らの生きてきた足跡を残したいと望むものだろう.すべてに奥ゆかしかった洲鎌盛一先生も例外...
本書刊行によせて(阪井 裕一)/はじめに(洲鎌 盛一)

本書刊行によせて
 「乳幼児の発達障害診療マニュアル」の刊行を心よりうれしく思う.人は誰でも長ずるに従い,自らの生きてきた足跡を残したいと望むものだろう.すべてに奥ゆかしかった洲鎌盛一先生も例外ではなかったと思う.2009年5月20日,彼は手術を受けた数日後に病院に出てきて,朝から晩まで外来診療を行っていた.夕刻,自らの不調に気づいたときに,それまで書き貯めていた原稿のことが脳裏をよぎったのではないだろうか.出版する段取りをつけておけばよかった,と.あれから4年,かつて洲鎌先生の薫陶を受け,彼に3年連続で国立成育医療研究センターの“Distinguished Teaching Award”を贈った者たちが力を尽くし,ここに刊行に至った.
 今,日本は少子化の真っただ中にある一方で,発達障害が大きな社会問題になっている.洲鎌先生が遺してくれたこの本は,まさに時宜を得た,医学的にも社会的にも貴重な書物である.この本を手にとると,発達障害の子どもの徴候,病態を理解し,無邪気な子どもと苦悩している親への対応のしかたを会得できるばかりでなく,洲鎌先生の暖かいまなざしに触れることもできる.彼の暖かいまなざしは,患児と家族だけではなく,診察室で「様子をみましょう」と言いかけて,「そのあとに何て言えばよいのだろう」と立ち往生している若い医療者へも向けられていると感じる.私だけではなく,手にとる多くの医療者にとっても不思議な暖かさを感じさせてくれる医学書であると強く思う.

 2013年4月
 国立成育医療研究センター総合診療部 部長
 阪井 裕一

*国立成育医療研究センターでは,毎年最も素晴らしい教育を授けた指導医をレジデントが投票で選んでいる.洲鎌盛一先生は,2006年度から3年連続で“Best Teacher”に選ばれた.



はじめに
 医師が健診でしばしば使う「様子をみましょう」は,異常か正常かをまだ判断しかねるときに用いられる言葉である.仮にこの言葉を健診で伝えた場合,必ず適切な時期に再評価をする必要がある.わが国では,1歳以前は3か月ごとに健診を行っているが,1歳6か月児健診の後は公的には3歳児健診まであいてしまう.「様子をみましょう」の後に適切な言葉を加えないと,早期発見・早期介入の機会を逸することになってしまう.
 また,はっきりした根拠もなく「大丈夫だと思います」と言ってしまうのも問題である.親はその後の発達に不安をもちながらも,医師の「大丈夫」という言葉を担保にして受診しないことも多い.
こうしたときには,「○歳ごろには○○ができるようになるので,それができるように○○の遊びを多めにしてあげてください.できないようなら○歳ごろ受診してください」と言ってあげられると親の不安もある程度解消され,見通しが立つはずである.
 本書では,乳幼児健診で異常をみつけるキーポイント,および発達の促しかたについて,神経系発達の診断に焦点を絞って記載した.「様子をみましょう」の後に続く言葉を加える際の参考にしていただければ幸いである.

 洲鎌 盛一
書 評
  • 思わず膝を叩きたくなる宝の言葉と愛情にあふれた一冊
    書評者:大澤 真木子(東女医大名誉教授・小児科/元日本小児神経学会理事長)

     故・洲鎌盛一先生による『乳幼児の発達障害診療マニュアル』がこのたび医学書院から刊行された。健診や診療場面でしばしば医療者から発せられる「様子をみましょう」という言葉が,親御さんに与える不安あるいは楽観がもたらす害を,訪れる患者さんご家族の様子から身をもって体験してきた著者。本書には,そうした事態を...
    思わず膝を叩きたくなる宝の言葉と愛情にあふれた一冊
    書評者:大澤 真木子(東女医大名誉教授・小児科/元日本小児神経学会理事長)

     故・洲鎌盛一先生による『乳幼児の発達障害診療マニュアル』がこのたび医学書院から刊行された。健診や診療場面でしばしば医療者から発せられる「様子をみましょう」という言葉が,親御さんに与える不安あるいは楽観がもたらす害を,訪れる患者さんご家族の様子から身をもって体験してきた著者。本書には,そうした事態を防ぐため,それぞれの児の背景や年齢にあった,具体的で実行可能な指導方法が記されている。子どもの健診にかかわるどんな職種の人にも役立つ,とても実用的な書である。

     著者を個人的に知る者としては,本書の一行一行に,また行間に,子どもたちのみならずその子どもをとりまくご家族,ひいては保育士,教師などすべての人々に対する,氏の温かいまなざしと愛情を感じる。氏は国立成育医療研究センターで3年連続Best Teacher Awardを贈られている。学問的に優秀なだけでなく,人格者であり,心に感動を与えながら若者を育てるのが大変上手な人物であった。

     本書は「発達障害概説」,「発達障害の診断」(病歴のとりかた,検査,診察のしかた),「乳幼児健診における発達障害の診かた」(異常をみつけるキーポイント,マイルストーン別の発達の促しかた,発達障害児の特徴的行動),「発達障害児の指導」(発達の促しかた,手の発達の伸ばしかた,視覚,視運動機能の伸ばしかた)という4章に分かれており,付録として「主な機能の発達の目安」(視力,眼球運動,聴力,仰臥位,腹臥位,手指の巧緻運動,視運動機能,手と目の協応動作,手の機能,摂食行動)が掲載されている。またコラムには,「発達障害者支援法」「内分泌攪乱化学物質」「感覚過敏」「shuffling baby」「乳児の摂食障害と経管栄養依存」「赤ちゃんは笑顔が好き」「タイムアウト法」「トークンエコノミー法」など21の役立つ情報がまとめられている。さらに,9つの症例が紹介され,読者に実感を与えるものとなっている。本書の随所に登場する乳幼児を描いたかわいいイラストの数々は,その実態が生き生きと伝わってくるばかりでなく,その愛らしい表情には,読みながら思わず顔がほころんでしまう。

     著者による実際の診察場面では,子どもが萎縮することなく,生き生きと,ありのままの自分の姿を表現していた,と多くの先生方が驚きの声を上げているという話をよく耳にした。本書のあちらこちらに,「そうかこれだ」と思わず膝をポーンと叩きたくなる宝の言葉がちりばめられている。健診にかかわるすべての方に一読をお薦めする一冊である。
  • 簡潔・明瞭な記述,著者が語りかけるかのような文体-小児科診療に携わるすべてのスタッフに勧めたい一冊
    書評者:安次嶺 馨(沖縄県立中部病院・ハワイ大学卒後医学臨床研修事業団デイレクター)

     著者の洲鎌盛一先生が沖縄県立中部病院の研修医となったのは,昭和54年4月であった。1年間,内科・外科・小児科・産婦人科・麻酔科・救急科のローテーションをした後,彼は小児科のレジデントとなり,その後2年間,私たちとともに小児科の診療にかかわった。先生の穏やかで誠実な人柄,熱心な診療姿勢は,研修医・指...
    簡潔・明瞭な記述,著者が語りかけるかのような文体-小児科診療に携わるすべてのスタッフに勧めたい一冊
    書評者:安次嶺 馨(沖縄県立中部病院・ハワイ大学卒後医学臨床研修事業団デイレクター)

     著者の洲鎌盛一先生が沖縄県立中部病院の研修医となったのは,昭和54年4月であった。1年間,内科・外科・小児科・産婦人科・麻酔科・救急科のローテーションをした後,彼は小児科のレジデントとなり,その後2年間,私たちとともに小児科の診療にかかわった。先生の穏やかで誠実な人柄,熱心な診療姿勢は,研修医・指導医・看護師・患者家族から高く評価されていた。

     子どもの頃から開業医の父君の指南を受けていた剣道は,東日本医科学生総合体育大会で優勝する腕前であったというが,ふだんの彼はそのような姿をみじんも感じさせない物静かな,少年のような研修医であった。

     沖縄県立中部病院で3年間の研修を終え,洲鎌先生は東京女子医科大学小児科に入局し,そこで出会った倫子夫人とともに小児神経学を学ぶ。後に,彼はカナダのブリティッシュコロンビア小児病院,フィラデルフィア小児病院へ留学し,さらに研鑽を積む。

     洲鎌先生が優れた小児神経科医であることは誰しも認めることであるが,その前に,彼は優れた臨床小児科医であると私は思う。数々の優れた論文を発表していた時期に中部病院へ通い,昔の症例のカルテ,CT写真などをレビューしていた彼の姿を思い出す。

     このたび,洲鎌先生が国立成育医療研究センターで研修医の指導に用いたマニュアルが,立派な装丁のもとに上梓された。平成21年5月,突然,遠い国へ旅立った洲鎌先生は,この本のもととなる手作りのマニュアルを遺していた。国立成育医療研究センターで,研修医が選ぶDistinguished Teaching Awardを3年連続で受賞し,優れた研究者にして臨床家・教育者であった彼の手作りマニュアルは今,小児発達障害を学ぶ全国の人々のもとに届けられることになった。本書は,彼の仕事を最もよく理解していた小児科医の倫子夫人,愛弟子の余谷暢之先生・岸野愛先生,装丁・イラストを担当した愛娘いつみさんの手によって完成された。

     本書は,「発達障害概説」「発達障害の診断」「乳幼児健診における発達障害の診かた」「発達障害児の指導」の4章からなる。

     記述は簡潔にして明瞭,ほとんど著者が研修医に指導するときの話し言葉のようである。シンプルな図表と可愛らしい乳幼児のイラストが,読者の理解を助ける。疾患の解説の後,症例の提示があり,読者は障害の状況を具体的に把握できる。多数のコラムには,用語の解説や障害の病態がわかりやすく示されている。発達障害に関するおびただしい情報が蔓延している中,私たちの理解を助け,子どもたちを外来で,健診でどのように診るか,本書は明確に示している。洲鎌先生が子どもたちを前にして,私たちに柔和な笑顔で語りかけているようである。

     医師・研修医また看護師など,小児の診療にかかわるすべての人々は,ぜひこのマニュアルに目を通して,発達障害の診かた,経過観察,また家族の指導に役立てていただきたい。
  • 臨床からの智慧が凝縮されており,先輩医師に直接教わったような読後感 (学会誌『外来小児科』より)
    書評者:黒木 春郎(外房こどもクリニック院長/『外来小児科』編集委員長)

     本書は発達障害診療マニュアルという書名であるが,単なるマニュアルではない。発達障害の診療が「概説」「診断」「健診」「指導」の4章に分けて簡潔に展開されており,「発達障害のさまざまな現れ→なぜそういった様態が出現するのか→それについてどのような手立てがあるか」について,実に的確な,かつ筋の通った指針...
    臨床からの智慧が凝縮されており,先輩医師に直接教わったような読後感 (学会誌『外来小児科』より)
    書評者:黒木 春郎(外房こどもクリニック院長/『外来小児科』編集委員長)

     本書は発達障害診療マニュアルという書名であるが,単なるマニュアルではない。発達障害の診療が「概説」「診断」「健診」「指導」の4章に分けて簡潔に展開されており,「発達障害のさまざまな現れ→なぜそういった様態が出現するのか→それについてどのような手立てがあるか」について,実に的確な,かつ筋の通った指針が描かれている。

     洲鎌先生の一言・一文はそのひとつひとつが印象的であり,その記載には臨床で培われた実感がこもっている。こうした文章には,教科書では決して出会うことができない。私は,この本を読みながら,まるで医局で先輩医師から臨床の要点を教わっているような気分になった。

     たとえば,運動発達の診かたとして,「四つ這い,つかまり立ちは可能だが,お座りができない」こうした児を診た場合には,平衡感覚障害や空間認知障害を考える,とある(p.30)。平衡感覚障害児では難聴が疑われるし,また,空間認知の異常では大脳頭頂部の障害が考えられると指摘している。こういった道筋こそ,臨床の我々にズバリ必要な思考である。

     また,「健診における発達障害の診かた」(第III章)では,各月齢・年齢で運動・発達などの項目ごとに解説があり,最後に「key point」として注意点が簡潔に記載されている。これがわかりやすい。たとえば,9~11か月児では「運動発達を粗大運動と巧緻運動に分けて評価。粗大運動は移動の仕方,巧緻運動は物のつかみ方,知的発達は模倣と後追い」(p.59),1歳から1歳2か月では「運動発達はどんな形であれ移動ができていればよい。知的発達と社会性は模倣と指差しが重要」(p.60)。2歳児では「おもちゃを使ったやり取りで2つの言語指示に応じることができれば,言語理解・社会性とも発達している」(p.67)等々。

     発達の促し方では,たとえば,日常生活の行為を短くはっきりと言語化することで言語刺激を増やすことができる,とある。食事の時に「赤いトマトの緑のヘタを取るよ」と声をかけるなど(P.90),大変に具体的な記述が続く。

     私たちは発達に問題がありそうなお子さんの診察をする際に,「様子をみましょう」と言いがちである。しかし,著者は,「様子をみましょう」の次に続く言葉が大切だと言う。「様子をみましょう」の後に適切な言葉を加えないと,ただ時の流れを待ちましょうということになってしまい,障害の早期発見・早期介入の機会を失うことになりかねない。「いつころまでに,このようなことができるようになる。そのために必要な促しはこういったことである。それでもそれができない場合は,いつころに受診を」と具体的な見通しを話すことで,保護者の不安もある程度解消される。

     そして本書は,この「様子をみましょう」の次に続く言葉を私たちに与えてくれるものである。

     本書を構成する元々の授業や外来は,洲鎌先生の謦咳とあいまってさぞ実りあるものであったことだろう。これまで,私自身の中で教科書を読んでも漠然としていた知識が,よい教師に巡り合い,的確に整理された実感を得た次第である。

    *   *   *

     著者は昭和54年に日本医科大学卒業。沖縄県立中部病院で小児科レジデント。2回の海外留学を経て,平成15年から国立成育医療研究センター総合診療部医長。平成21年逝去。平成4年「日本小児神経学会最優秀論文賞」受賞,平成8年「日本てんかん学会優秀演題」受賞ほか論文多数。

     本書は,2003年から2009年までの6年間のレジデント教育のマニュアルを,著者の逝去後に関係者が整理したものである。洲鎌先生の知遇を受けることのなかった私であるが,早すぎるご逝去を悼むとともに,このような著作を私たちに残してくださったことに心から感謝申し上げる。

    (日本外来小児科学会発行『外来小児科』 第16巻2号,2013年7月,236頁より許可を得て転載)
  • 本書を保健師のバイブルに (雑誌『保健師ジャーナル』より)
    書評者:末永 カツ子(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 基礎・健康開発看護学講座地域ケアシステム看護学分野教授)

     少子化が進み人口減少時代に突入しているにもかかわらず,発達障害と診断される子どもは増加しています。この子どもたちは,生涯にわたる支援を必要としており,保健・医療・教育・福祉・就労などの専門家の連携した対応が求められています。

     保健師は,乳幼児健診などの母子保健活動のなかで,この子どもたちに...
    本書を保健師のバイブルに (雑誌『保健師ジャーナル』より)
    書評者:末永 カツ子(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 基礎・健康開発看護学講座地域ケアシステム看護学分野教授)

     少子化が進み人口減少時代に突入しているにもかかわらず,発達障害と診断される子どもは増加しています。この子どもたちは,生涯にわたる支援を必要としており,保健・医療・教育・福祉・就労などの専門家の連携した対応が求められています。

     保健師は,乳幼児健診などの母子保健活動のなかで,この子どもたちに出会うことができます。わが子の発達を心配する親たちにとって,乳幼児健診は子どもの育てにくさや生きにくさに気づき,そのわけを知る機会となります。

     そのようななかで刊行された本書には,保健師が発達の相談を受け,どのように答えてよいかわらなくなったときに役に立つ内容が数多く盛り込まれています。本書は発達障害の子どもの徴候や病態を理解でき,親への対応の仕方を会得できます。まず,「本書刊行によせて」「はじめに」「あとがき」へと読み進めてみましょう。そうしますと,著者は子どもや親と真摯に向き合った発達障害のエキスパートであること,研修医のために作成した手作りの診療マニュアルが本書のもとであること,亡き著者の奥様の「患者に寄り添った診療の一助に」という願いと,著者の薫陶を受けた弟子たちとの合作であることがわかります。

     本文は,「I 発達障害概説」「II 発達障害の診断」「III 乳幼児健診における発達障害の診かた」「IV 発達障害の指導」から構成されています。ここには,発達障害を理解し親に伝えるための知識,気になる症状を診るためのポイント,発達の促し方などの臨床の現場で著者によって蓄積されたエッセンスが,わかりやすく記されています。

     本文には,「column」(発達障害の診断の手がかりを解説),「症例」(生後12か月~9歳までの発達障害と診断された子どもたちの発達経過と予後など),「Key point」(生後1か月~5歳までの発達状態と気になる症状の見極めをするためのポイント)が付記されており,本文の理解をさらに深めることができます。

     とくに,以下の本書の内容II,IIIは,乳幼児健診に携わるすべての保健師のバイブルとなるでしょう。「II 発達の診断」では,「A 病歴の取り方」「B 検査」「C 診察のしかた」について解説されています。「III 乳幼児健診における発達障害の診かた」は,本書で最も紙幅が割かれており,「A 異常を見つけるキーポイント」には,診断に結びつく神経学的所見やリスクファクターなどについて解説する「column」とこれと連動する「症例」が紹介され,「Key point」が示されています。そして,「B マイルストーン別の発達の促し方」と「C 発達障害児の特徴的行動」が解説されています。

     子育てをしているお母さんたちの心強い味方となるために,子どもたちがよりよく生きる手助けをしていくために,若手保健師とともに,本書で学んでみませんか!

    (『保健師ジャーナル』2014年5月号掲載)
目 次
本書刊行によせて
はじめに

I 発達障害概説
   1 発達障害の頻度
   2 発達障害者支援法
   3 発達障害の原因
   4 医療の場での実際的な発達障害の分類
    4-a.精神遅滞(知的障害)(MR:mental retardation)
    4-b.広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorder)
     4-b-1.自閉性障害と特定不能の広汎性発達障害
     4-b-2.アスペルガー障害(症候群)(Asperger syndrome)
    4-c.注意欠陥/多動性障害
        (AD/HD:attention deficit/hyperactive disorder)

II 発達障害の診断
 A 病歴のとりかた
   1 乳児期の病歴のとりかた
   2 幼児期の病歴のとりかた
   3 学童期の病歴のとりかた
 B 検査
   1 医学的検査
   2 精神・心理学的検査
    2-a.発達検査
    2-b.知能検査
    2-c.言語・認知に関する検査
    2-d.自閉症関連の検査
    2-e.情緒・行動関連の検査
 C 診察のしかた
  C-1 乳児期の診察のしかた
   1 運動発達の診かたと各障害型の特徴
   2 知的発達の診かた
   3 社会性・行動発達の診かた
  C-2 幼児期の診察のしかた
   1 運動発達の診かた
   2 知的発達の診かた
   3 社会性・行動発達の診かた

III 乳幼児健診における発達障害の診かた
 A 異常をみつけるキーポイント
   1 1か月児
   2 3~4か月児
   3 6~8か月児
   4 9~11か月児
   5 1歳~1歳2か月児
   6 1歳6か月児
   7 2歳児
   8 3歳児
   9 4歳児
   10 5歳児
 B マイルストーン別の発達の促しかた
    1)固視・追視(1か月半で固視,2か月ごろより追視)
    2)あやしても笑わない(3か月)
    3)手の把握反射(3~4か月)
    4)頸のすわり(4か月)
    5)ハンドリガード(4か月)
    6)リーチング(5か月)
    7)座位(6か月)
    8)腹臥位にて手掌で身体を支える(6か月)
    9)つかまり立ち(8~10か月ごろから)
    10)四つ這い(9か月)
    11)模倣(10か月)
    12)指でつまむ(11か月)
    13)伝い歩き(11か月)
    14)名前に振り向く(12か月)
    15)言語理解と言語表出(12か月)
 C 発達障害児の特徴的行動
    1)自己刺激行動,感覚遊び
    2)つま先歩行
    3)シャッフリング
    4)感覚過敏と感覚鈍麻
    5)極端な偏食,異食
    6)感情の変動
    7)こだわり
    8)四つ這いをしない,変形四つ這い
    9)一度出た言葉が消える
    10)始語がパパ・ママではなく大人びた単語
    11)クレーン現象
    12)手掌を自分の側に向けて,バイバイをする
    13)ワンパターンなごっこ遊び
    14)多弁
    15)人にべたべたくっつく
    16)マイペース
    17)集団に入れない
    18)指示が入ったり入らなかったりする
    19)不器用,協調運動が苦手

IV 発達障害児の指導
 A 発達の促しかた
    1)手先が不器用
    2)発語が不明瞭
    3)言語理解が悪い
    4)指差しをしない
    5)やりとりができない
    6)話しかけても,振り向いてくれない
    7)クレーン現象が続く
    8)マイペース
    9)感覚過敏
    10)新しい環境が苦手,人見知りが激しい
    11)特定の物にしか興味を示さない
    12)常同行為
    13)同じ年代の児とうまく遊べない
    14)単語の語尾しかしゃべらない
    15)よく噛まずに丸呑みする
    16)いつまでもよだれが多い
    17)危険な行動,いけない行動をする
    18)集団行動がとれない
    19)注意集中ができない
    20)前頭葉機能が未熟
    21)協調運動が苦手
 B 手の発達の伸ばしかた
 C 視覚,視運動機能の伸ばしかた

付録 主な機能の発達の目安
 ・視力の発達
 ・眼球運動の発達
 ・聴力の発達
 ・仰臥位の発達
 ・腹臥位の発達
 ・手指の巧緻運動の発達
 ・視運動機能の発達
 ・手と目の協応動作
 ・手の機能の発達
 ・摂食行動の発達

参考図書
あとがき
索引
著者略歴等


コラム column
 (1)発達障害者支援法
 (2)内分泌撹乱化学物質
 (3)軽度精神遅滞・境界型知能
 (4)高機能自閉症とアスペルガー障害
 (5)非対称性緊張性頸反射(ATNR:asymmetric tonic neck reflex)
 (6)感覚過敏
 (7)shuffling baby
 (8)乳児の摂食障害と経管栄養依存
 (9)不器用
 (10)指示が入らない
 (11)体重増加不良(FTT:failure to thrive)と発達障害
 (12)頭囲拡大
 (13)赤ちゃんは笑顔が好き
 (14)delayed visual maturation
 (15)四つ這いしない児,足をつきたがらない児
 (16)つま先歩行(toe-walking)
 (17)発達性表出性言語障害
 (18)おしゃぶりと指しゃぶり
 (19)反り返る児
 (20)ベビーサイン
 (21)テレビ視聴と発達障害
 (22)タイムアウト法
 (23)トークンエコノミー法

症例
 症例1 境界型知能(主訴:熱性けいれん)
 症例2 不登校,アスペルガー障害(主訴:不登校)
 症例3 広汎性発達障害,視運動機能障害(主訴:ころびやすい)
 症例4 発達性協調運動障害(主訴:独歩の遅れ)
 症例5 頭囲拡大,広汎性発達障害(分類不能型)(主訴:頭囲拡大)
 症例6 精神運動発達遅滞(主訴:発達の遅れ)
 症例7 発達性表出性言語障害の疑い(主訴:言葉の遅れ)
 症例8 先天性サイトメガロウイルス感染症による難聴(主訴:頸のすわりの遅れ)
 症例9 構音障害,精神運動発達遅滞(主訴:発音が悪い)