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根拠と事故防止からみた

母性看護技術


(第3版)

編集:石村 由利子
編集協力:佐世 正勝

  • 判型 A5
  • 頁 544
  • 発行 2020年10月
  • 定価 4,400円 (本体4,000円+税10%)
  • ISBN978-4-260-04324-3
妊婦、産婦、褥婦、新生児それぞれに対する看護技術が、写真・イラスト・動画でわかる
豊富な写真とイラスト、動画付録で母性看護技術がわかる。母性看護では、健康問題を抱える対象のみでなく、順調な経過をたどる妊産褥婦・新生児を対象とすることが多い。一方で、妊娠・分娩経過では正常からの逸脱の予防、早期発見、適切なケアが欠かせない。そうした特徴を踏まえ、本書は妊婦、産婦、褥婦、新生児それぞれに対する看護技術を広く網羅。
序 文
はじめに

 「根拠と事故防止からみた」シリーズの『母性看護技術』も初版から早7年5か月が経過し,この間多くの看護学生,助産学生,臨床の方々にご愛読いただき,今回,第3版が発刊されることになりました.
 母性看護学は「性と生殖」をキーワードに,人の一生の様々なステージに広く関与す...
はじめに

 「根拠と事故防止からみた」シリーズの『母性看護技術』も初版から早7年5か月が経過し,この間多くの看護学生,助産学生,臨床の方々にご愛読いただき,今回,第3版が発刊されることになりました.
 母性看護学は「性と生殖」をキーワードに,人の一生の様々なステージに広く関与する学問領域です.各時期の成長発達段階に応じた特有の健康問題を学ぶなかで,周産期の母子の看護は重要な学習課題であり,母性看護学の中心に位置づけられてきました.そのため,母性看護実習は主にマタニティサイクルに焦点を当てた学習の場として展開されます.健康なレベルにある人々の健康問題を捉えることと,母体を通して別の生命の健康をアセスメントするという,他領域では経験しえないことが重要な学習課題となり,その診断やケアのために他領域では使わない看護技術を習得することが求められます.
 本書はタイトルに『母性看護技術』とあるように,看護学生の学習の一助となるよう企画されたものですが,内診,分娩介助のように,法律上,看護師に許されていない技術も収載しています.母性看護学と助産学との境界は明瞭ではなく,時に母性看護学の教育内容の範疇を超えた課題に発展することがあります.助産技術であっても,その結果やケアの評価は看護実践に反映されます.より広い視野でのアセスメントやケアのために,看護学生であっても,目的や手順を知っておくことは有用と考えます.
 第3版では,初版からの構成を踏襲し,アセスメントとケアに必要な看護技術を解説しています.今回もこのシリーズが最も重視している「根拠と事故防止」という観点から,手技が進む時間軸に沿って要点を記し,具体的な留意点や根拠を対比させ,注意事項,事故防止のポイントを示しながら書き進めています.看護実践に責任が問われる時代であり,単に看護技術を習得するだけでなく,根拠を説明できることはさらに重要になると考えます.本書がその役に立つことを願っています.
 本文は,「産婦人科ガイドライン」や「妊婦の食事摂取基準」の変更に伴い,内容を見直し,最新の知見へと刷新しました.新生児の章には「黄疸」と「抱き方・寝かせ方」を新たに追加しました.特に「抱き方・寝かせ方」は,日常生活の中で新生児に接する機会をもたない人たちに役立つと思います.
 さらに,第2版から好評をいただいている52本の動画に加え,新たに新生児に関する10本の動画を撮影し,一層の充実を図りました.動画は静止画よりはるかに多くの情報を提供してくれます.初学者が容易に自己学習を進めることができるように,看護師の目線を重視する位置や角度にこだわりました.
 看護職の技術教育が高い専門性を追求する一方で,今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため,実習施設からの学生の受け入れ制限や実習時間の短縮,実習中止等が続きました.妊産褥婦との交流を通して健康問題やケアを考える機会は極端に短くなりました.臨地実習は学内の演習では補えない内容が多くあり,いかにイメージを形成できるかが教育する側の課題です.効果的な学びを提供できる学習教材が一層望まれます.本書がその一端を担うことができれば幸いです.
 本書の出版にあたり,多くの方々のお世話になりました.撮影を許可してくださった施設の関係者の皆さま,ご尽力くださった皆さまに深く感謝申し上げます.動画の撮影には,生後まだ日の浅い赤ちゃんが,長時間にわたり精いっぱい応じてくれました.感謝とともに健やかな成長をお祈りいたします.
 最後に,本書は医学書院諸氏のご支援によって完成しました.心よりお礼申し上げます.

 2020年8月
 著者を代表して 石村由利子
目 次
はじめに
本書の構成と使い方
動画の使い方

第1章 妊婦のケア
 ①妊婦のアセスメント
  1 インタビュー(問診)
  2 バイタルサイン
  3 視診
  4 触診
  5 計測診
  6 聴診(胎児心音)
  7 内診(介助)
 ②妊婦の生活援助技術
  1 食生活
  2 排泄
  3 清潔
  4 運動
  5 姿勢・日常生活動作
  6 休息・睡眠
  7 衣生活(更衣)
  8 出産準備

第2章 産婦のケア
 ①産婦のアセスメント
  1 インタビュー(問診)
  2 バイタルサイン
  3 視診
  4 触診
  5 計測診
  6 内診(介助)
 ②産婦の生活援助技術
  1 食生活
  2 排泄
  3 清潔
  4 活動・姿勢
  5 休息・睡眠
 ③分娩援助技術
  1 出産環境の整備
  2 分娩介助
  3 胎盤計測
  4 産痛緩和

第3章 褥婦のケア
 ①褥婦のアセスメント
  1 インタビュー(問診)
  2 バイタルサイン
  3 視診
  4 触診
  5 計測診
  6 腟鏡診・内診(介助)
  7 産褥復古の観察
  8 乳汁分泌の観察
 ②褥婦の生活援助技術
  1 食生活
  2 排泄
  3 清潔
  4 動作・姿勢
  5 休息・睡眠
 ③産褥復古支援技術
  1 産後疼痛ケア
  2 悪露交換
  3 脱肛・痔核への対処
  4 排尿障害への対処
  5 産褥体操
 ④母乳育児支援技術
  1 母乳育児支援
  2 乳房トラブルのケア
  3 授乳
  4 搾乳

第4章 新生児のケア
 ①新生児のアセスメント
  1 バイタルサイン
  2 視診
  3 触診
  4 身体計測
  5 聴診
  6 黄疸
 ②新生児の環境整備
  1 室温・湿度・音・照明
  2 事故・感染防止
 ③新生児の養護技術
  1 保温
  2 点眼
  3 臍処置(出生直後・臍脱落まで)
  4 栄養
  5 与薬(ビタミンK)
  6 更衣
  7 清潔
  8 抱き方・寝かせ方
 ④愛着行動支援技術
  1 早期母子接触と母子同室

索引