病院 Vol.82 No.6
2023年 06月号

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 高齢者の一段の増加と,生産年齢人口の減少に対応するため,地域医療構想による医療提供体制の見直しが進められている.今後の医療需要の推移によると,今後増加する疾病は高齢者の増加に伴い,がん,脳卒中,肺炎,大腿骨頸部骨折,心不全などとなっている.これら高齢者の医療需要に対応するため,地域において「機能分化と連携」をキーワードとして医療提供体制の見直しが行われているが,地域の病院を統廃合して集約化した大規模病院が作られる一方,周辺の中小病院の弱体化から,増加する高齢者の救急搬送が,高度急性期機能の病院に集中する懸念が生じ始めている.集約すべき機能と,地域に分散させるべき機能の議論が必要ではないか.本特集では,今後増え続けていく高齢者救急にどのように対応していくべきかを議論する.
[企画・太田 圭洋]

ISSN 0385-2377
定価 3,300円 (本体3,000円+税)

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特集 急増する高齢者救急――医療提供体制の見直しと自院の役割

■総論
急増する高齢者救急への対応と第8次医療計画・地域医療構想
鷲見 学

高齢者救急の急増と医療機能の集約化・分散化
村上 正泰

■各論:高齢者救急に対応する医療提供体制の在り方を考える
急増する高齢者救急の特徴から考えた医療提供体制の在り方
加納 繁照

急増する高齢者救急を支える地域包括ケア病棟の役割――multimorbidity患者の入院の実態も踏まえて
仲井 培雄

地域包括ケア病棟のみの病院でどこまで高齢者救急に対応可能か
鈴木 学

急増する高齢者救急に対応する救急体制の構築を――病院再編が地域医療に与える影響と自院の役割
吉田 純一

救急現場の現状と問題点から急増する高齢者救急の在り方を考える
寺田 康・高橋 泰

急増する高齢者救急に対応する医療提供体制の構築――厚生労働省の救急・災害医療提供体制等に関するWGと東京都の地域医療構想調整会議の議論を踏まえて
猪口 正孝

超高齢社会における在宅療養支援病院の必要性――地域密着型中小病院として高齢者救急を含めた病院機能の確立を目指す
鈴木 邦彦

在宅医療と高齢者救急
佐々木 淳

■対談
急増する高齢者救急にどう備えるか
山本 修一×太田 圭洋


●アーキテクチャー×マネジメント[101]
鴨川市立国保病院
山下 哲郎

●医療機関で起きる法的トラブルへの対処法[26]
医療費債権回収(2)――患者が死亡したときの対応
森 恵一・久保田 萌花

●ケースレポート 地域医療構想と病院[53]
高齢社会の医療介護連携を支える医師会立回復期リハビリテーション病棟の役割――群馬リハビリテーション病院
松田 晋哉

●地域と医療の未来を創る中小病院のあり方[3]
コミュニティホスピタルを支える総合診療医と教育
大杉 泰弘

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