脳画像

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画像の白黒の暗記ではなく、背景にあるメカニズムを説き起こすことで、なぜこのように見えるのかを解説した脳画像の見かたの入門書。疾患別の各論では、症例ごとにCT、MRIの各種画像を並べて示し、モダリティや撮像法の違いによって、所見がどう異なって見えるのかを解説。近年の国家試験出題傾向を踏まえ、脳卒中に加えて、頭部外傷、脳腫瘍、認知症、神経難病等の疾患を網羅。学生のみならず臨床に出てからも必携の1冊。

シリーズ 標準理学療法学・作業療法学・言語聴覚障害学 別巻
執筆 前田 眞治
発行 2017年12月判型:B5頁:176
ISBN 978-4-260-03250-6
定価 3,850円 (本体3,500円+税)

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●「これから脳画像を学ぶ人に伝えたいことは?」(前田眞治先生)

【週刊医学界新聞 第3261号 〔インタビュー〕『脳画像の読み方・生かし方』】

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 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(PT・OT・ST)などのリハビリテーションにかかわる医療職にとって,脳損傷者の画像所見を理解することは,病態の理解,予後予測,リハビリテーション計画の立案をする際に必要不可欠である.
 日常臨床で行われるケース会議やカンファレンスなどでは,1つのスライス面だけを提示して議論することが多い.また,脳画像から機能解剖を理解するには,脳を立体的にイメージする必要があり,提示された2次元のスライス画像から情報を読み取らなければならない.近年,コンピュータ画像で各スライス画面を連続で追跡したり,3次元画像で表示したりできるようになってはいる.しかし,基本的には2次元のスライス画像から病変部位を特定し,その機能障害を推測できなければ臨床には役立たない.
 脳画像から機能障害を読み取るときには,常に2つの側面から見る必要がある.それは症状の情報なしに脳画像から推測する読み方と,実際の症状から考えられる所見を探す読み方である.双方から見て,症状を示さない所見と症状に合致する所見を合わせて読み解く習慣をつけていくべきである.そのことによって,隠された症状や変化修飾された症状が理解できることも少なくない.脳は可塑性に富み,障害部位のみならず残存部位の把握によって,利用できる機能や,その機能の予後推測など,リハビリテーションに欠かすことのできない情報を得ることができる.脳画像を十分に理解することで,その可能性を引き出し,脳損傷者のよりよい未来に貢献できると思われる.
 本書は,脳画像がより身近に理解できるように,CT(X線CT)やMRIの原理から導入し,その画像がどのような構成で成り立っているのかを解説している.そのうえで各スライス面の目印となる特徴を提示して,1つのスライス面がどのような高さに位置するのかをわかりやすく記載している.それがわかればそのスライス面の脳機能が把握でき,臨床症状と対比が可能になるような構成としている.
 CT,MRIのT1強調画像,T2強調画像,FLAIR画像,拡散強調画像などの画像を各スライスで対比できるように配置したのも本書の特徴であり,その場で色合いの違いなどが明確にわかるようになっている.さらにブロードマンの脳地図などと対比することで,機能部位の把握を容易にしている.
 脳損傷で最も多い脳血管障害の損傷後の各時期の違いなどについても触れ,ほかに脳外傷,脳腫瘍,神経疾患などリハビリテーションにおいて必要不可欠な疾患の画像も概説している.
 本書は長年,リハビリテーション科医の視点から脳画像の教育をしてきた筆者がまとめ上げたものである.「すぐに役立つ生きた教科書」として,脳損傷者の的確な理解とリハビリテーションを通じ,リハビリテーションを支える良質な人材の育成に貢献できることを願う次第である.

 2017年11月
 前田眞治

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第1章 人間の脳の特徴
 1 人間の脳の特徴
  (1)脳の解剖学的名称
   Topics
    ・人間の脳とチンパンジーやサルの脳

第2章 脳画像の基本
 1 CT
  (1)CTの原理
  (2)ヘリカルCT
  (3)頭部CTの位置決めと撮像断面
 2 MRI
  (1)MRIの原理
  (2)T1強調画像
  (3)T2強調画像
  (4)FLAIR画像
  (5)拡散強調画像
  (6)各画像の特徴と見分け方
  (7)T2強調画像
  (8)MRA
  (9)MRIの禁忌
 3 脳機能画像
  (1)fMRI
  (2)SPECT
  (3)MEG
  (4)tractography

第3章 脳の画像解剖
 1 各スライスの見極め方
  (1)延髄のレベル
  (2)小脳のレベル
  (3)ペンタゴンのレベル
  (4)ダビデの星のレベル
  (5)中脳のレベル
  (6)前交連のレベル
  (7)モンロー孔のレベル
  (8)松果体のレベル
  (9)脳梁膨大のレベル
  (10)脳梁膨大と体部の中間(染色体のように見えるレベル)
  (11)脳梁体部のレベル
  (12)ハの字のレベル
  (13)高さ不明のレベル
  (14)水平断の各レベルとブロードマン領野の対応
  (15)各スライスの正常像
  (16)冠状断の画像の見方
  (17)矢状断の画像の見方
 2 支配血管
  (1)水平断から見た血管支配
  (2)血管支配の詳細
 3 運動野・感覚野の見極め方
  (1)帯状溝辺縁枝を手がかりとする方法
  (2)運動野,感覚野を見極める補助的方法
 4 言語野の見極め方
  (1)ブローカ野の同定
  (2)ウェルニッケ野の同定
  (3)頭頂間溝から同定する頭頂葉

第4章 脳の機能局在
 1 前頭葉
  (1)運動野(4野)
  (2)運動前野(6野)
  (3)補足運動野(6~8野にかけて)
  (4)前頭前野
  (5)中心前回下部皮質下と弁蓋部(44野),三角部(45野)
  (6)前帯状回(33野)
  (7)帯状回(24・32野)
  (8)膝下野(25野)
 2 頭頂葉
  (1)体性感覚野(3・1・2野)
  (2)味覚皮質(43野)
  (3)上頭頂小葉(5・7野)
  (4)下頭頂小葉:角回(39野),縁上回(40野)
 3 後頭葉
  (1)一次視覚野(17野)
  (2)視覚連合野(18・19野)
 4 側頭葉
  (1)ヘシュル回(41・42野)
  (2)聴覚連合野(22・21野)
  (3)下側頭葉(20野)
  (4)嗅内野(28野)
  (5)嗅周野(35野)
  (6)海馬傍回(36野)
  (7)紡錘状回(37野:側頭葉後下部)
  (8)側頭葉極(38野)
  (9)扁桃体
 5 その他
  (1)島回
  (2)脳梁
  (3)尾状核
  (4)被殻
  (5)視床下部
  (6)視床

第5章 脳血管障害
 1 脳内出血
  (1)CT
  (2)MRI
  (3)種々の脳内出血の画像
 2 脳梗塞
  (1)CT
  (2)MRI
  (3)種々の脳梗塞の画像
 3 くも膜下出血
  (1)発症直後の画像
  (2)治療時の画像
  (3)血管攣縮
   Advanced Study
    ・髄液の産生経路と水頭症
 4 脳動静脈奇形・もやもや病
  (1)脳動静脈奇形
  (2)もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)
 5 症状・症候からみた脳血管障害
  (1)運動麻痺例
  (2)交代性片麻痺
  (3)高次脳機能障害

第6章 頭部外傷
 1 頭部外傷
  (1)急性硬膜外血腫
  (2)急性硬膜下血腫
  (3)慢性硬膜下血腫
  (4)外傷性くも膜下出血
  (5)脳挫傷
  (6)びまん性軸索損傷

第7章 脳腫瘍
 1 脳腫瘍
  (1)悪性腫瘍
  (2)良性腫瘍

第8章 認知症
 1 認知症
  (1)アルツハイマー型認知症
  (2)レビー小体型認知症
  (3)前頭側頭型認知症
  (4)脳血管性認知症

第9章 神経難病
 1 神経難病
  (1)脊髄小脳変性症
  (2)多発性硬化症
  (3)筋萎縮性側索硬化症
  (4)パーキンソン病
  (5)進行性核上性麻痺

第10章 その他の疾患
 1 その他の疾患
  (1)脳膿瘍
  (2)全身性エリテマトーデス
  (3)脳アミロイドアンギオパチー

Check Sheet

索引

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脳画像を読み解くための,リハ専門職,必携の書
書評者: 渡邉 修 (慈恵医大附属第三病院リハビリテーション科・教授)
 このたび,医学書院より,『標準理学療法学・作業療法学・言語聴覚障害学 別巻』の一冊として,前田眞治先生ご執筆の『脳画像』が出版されました。前田先生は,多職種で構成するチームとしてのリハビリテーション(リハ)医療を重視されており,脳画像の解読法をリハチームの誰もが理解できるように,イラストや画像を多用し,多忙な臨床の中でも気軽に目を通すことができるように簡潔にまとめておられます。

 第1章では,画像を読影するうえで必須な脳回,脳溝の解剖と,高次脳機能障害を理解するうえで役立つブロードマンの脳地図について丁寧に記述されています。第2章では,CT, MRIの原理について,ともすると専門書では,これらの理解だけで投げ出してしまいそうな難解な内容を,私たちにもわかりやすく説明されています。第3章はいよいよ画像解剖の説明です。CTとMRIの各種画像を並列させ,各画像形態の特徴を,ミッキーマウスやクリオネといった親しみやすい比喩を交えながら,しかも詳細な解剖所見を外すことなくきれいなイラストで明示して説明されています。また,脳卒中を理解するうえで必須な脳血管灌流領域の画像上の分布や前頭葉,側頭葉,後頭葉,頭頂葉の判別を,画像上に30度,90度,60度の仮想線を引くことで,見事にわかりやすく説明しておられます。本章に目を通すことで,きっと読者の皆さんは,今後,画像を見ることが楽しくなると思います。無味乾燥な白黒の画像が,とたんに症状を説明する「意味」を持っていることがわかるからです。
 第4章は,第3章で解説した解剖構造が,どのような機能を担っているかの説明です。高次脳機能障害のリハビリテーションにおいても,他の障害と同様に,どの部位がどのような範囲で損傷を受けているかを把握することが重要となります。回復への道筋を予想できるからです。さらに,損傷範囲を同定することで,他のリハアプローチも選択することができます。本章は,リハを施行するうえで根幹となる症状を理解し,治療方法を考えるうえで有力な情報を提供しています。第5章以降は,リハ医療の対象となる疾患について,各々,要点を絞って記述されています。各疾患の特徴的所見と見落としてはならない画像上のポイントを確認することで,リハビリテーションの際のリスク管理(血管攣縮や水頭症の可能性,脳卒中の再発の可能性,転倒)に役立てることができます。

 本書には,二次元で構成された脳画像を,生き生きと機能する三次元の脳として読み解くためのエッセンスが,著者の長年の臨床経験と教育歴に基づいて凝縮されています。エッセンスでありながら,リハ医療で重要な点が,丁寧に詳述されており,多職種で展開されるリハカンファレンスに臨む際にも,大きな威力を発揮する書です。著者が述べておられているように,「すぐに役立つ生きた教科書」(「序」より)です。本書が,リハ専門職の必携の書となり,障害に悩む患者さんやそのご家族の一助につながればと思います。
本書を片手に脳画像を見てみよう!
書評者: 種村 留美 (神戸大教授・リハビリテーション科学)
 最近,脳画像の教科書は増えているが,本書は,PT・OT・STのためにわかりやすく書かれたものである。特に学生にとって脳画像の勉強には最適の本だと思う。
 かつて私の教え子たちの中には,「どうしても脳画像の二次元画像から三次元の脳がイメージできない」「ブロードマンの絵が理解できない」と質問に来る学生がいた。当時この本があればどんなに教えるのが楽だっただろうか。

 構成は,10章から成る。第1章はブロードマンの脳地図をベースにした「人間の脳の特徴」,第2章はCT,MRI,fMRIやSPECT,MEG,拡散テンソル画像などのそれぞれの特徴が述べられた「脳画像の基本」,第3章は各スライスのレベルや主な部位の見極め方などを解読した「脳の画像解剖」,第4章は前頭葉,頭頂葉,後頭葉,側頭葉それぞれの機能局在と症状が述べられた「脳の機能局在」,第5章は脳出血,脳梗塞,くも膜下出血,脳動静脈奇形,もやもや病などの疾病を経時的にみる見方などを説き起こした「脳血管障害」,第6章は頭部外傷の各疾患である急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,慢性硬膜下血腫,外傷性くも膜下出血,脳挫傷,びまん性軸索損傷の脳画像の特徴を示した「頭部外傷」,第7,8章は各疾患の特徴を示した「脳腫瘍」「認知症」,第9章は脊髄小脳変性症や多発性硬化症,パーキンソン病などの画像を収めた「神経難病」と,一冊に画像の知識が網羅されている。
 「いまさら聞けない」と思われるような説明も丁寧になされている。例えば,CTの吸収域の高低の意味や,CTとMRIの色調の違い,T2*ではヘモグロビンがヘモジデリンヘに変化した後は低信号として表されること,などなど。

 学生諸氏(や画像を勉強中のPT・OT・ST)には,特に第3章がお勧めである。本章を「神経の診かた」を解説した教科書と並べて読んで勉強してほしい。第3章を読むと,例えば,ウィリス輪はペンタゴンの形,脳槽はダビデの星の形,大脳脚はミッキーマウスの耳,松果体はクリオネの形として見つけられるようになる。それが目印となって,レベルごとの病巣が見えてくるはずである。例えばミッキーマウスの両耳の付け根に黒質や内側膝状体,赤核,網様体などがあるので,感覚検査や運動テスト,脳神経検査と合わせて症状を確認することにより,パーキンソン病などが同定できる。また脳血管障害では,経過によって画像も変化する。第5章には経過日数ごとの変化が示してあり,フレッシュなのか陳旧性なのかの判断もできるようになる。

 さあ今から一冊手に持って,電子カルテの画像を確認してみよう!
初学者にうってつけの脳画像の入門書
書評者: 吉野 眞理子 (筑波大教授・人間系)
 評者は,筑波大学東京キャンパスにある人間総合科学研究科生涯発達専攻リハビリテーションコースという社会人を対象とした大学院に勤務し,理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のほか,看護師・保健師,社会福祉士・精神保健福祉士・ソーシャルワーカー,障害者職業カウンセラー,特別支援学校教員など,リハビリテーションに関わる幅広い分野で働く社会人大学院生の教育に携わっている。その中で「高次脳機能障害リハビリテーション」という授業を担当しているが,バックグラウンドの異なる学生たちに脳の構造と機能をわかりやすく講義することに毎年苦労している。高次脳機能障害を理解する上で,脳画像は欠かせないが,手頃な参考書が少ないのも悩みの一つである。“リハビリテーションに必要な脳画像の見かたをやさしく解説した入門書”と銘打った本書は,まさに初学者にうってつけの一冊である。

 本書の特色は,単に画像の読み方を解説するのではなく,背景にあるメカニズムを説き起こすことにより,なぜこのように見えるのかが理解できるように工夫されている点である。第3章「1.各スライスの見極め方」では,各スライス面の目印となる特徴が提示され,重要な部位がいろいろな撮像法でどう見えるかが対比できるように配置されている。随所にわかりやすい図版があるのも親切である。さらに,血管支配領域とブロードマン領野が水平断の各レベルでどのように配置されるかも図示される。リハビリテーション分野で関心の高い運動野・感覚野の見極め方,言語野の見極め方もわかりやすい図を駆使して示される。

 脳画像は,脳の各部位の機能を理解していると,読み解くことへの興味が湧く。第4章「脳の機能局在」では,脳の各部位が担う機能と損傷された場合に出現する可能性のある症状,それらの検査法がコンパクトに示されている。画像から症状を推定して臨床に役立てる,逆に症状から画像を探るという過程を積み上げることで,高次脳機能障害への理解が深まる。疾患別の各論では,症例ごとにCT,MRIの各種画像が並べて示され,モダリティや撮像法の違いによって,また病期の違いによって,所見がどう異なって見えるのかが解説されている。脳血管障害に加えて,頭部外傷,脳腫瘍,認知症,神経難病などの疾患も網羅され,豊富な実例とともに解説されているのは類書にない特色である。

 これから脳画像を学ぶ学生のみならず,臨床に出てから座右に置いて参照するにも役立つであろう。最近脳機能に対する関心が高まっている特別支援教育領域の教員や研究者にも推薦したい。
脳の迷宮にさまようセラピストのための一すじの光
書評者: 網本 和 (首都大学東京教授・理学療法学)
 日本の理学療法士が担当する症例のうち最も頻度が高いのは脳血管障害の30%であり,2位の骨折19.2%を大きく引き離しています(『理学療法白書2016』より)。したがって,多くの理学療法士にとって脳血管障害の評価と治療は日々つきつけられる喫緊の課題です。特にその病態の理解,予後予測,理学療法治療計画のためには「脳画像」の理解が欠くことができないものになっています。

 学生のころから大変な思いをしてこの「脳画像」を理解しようとして,何度もくじけそうになった経験は誰しもあると思います。何故くじけそうになるのでしょうか? 最初にBrodmannの脳地図から始めてしまうと,脳の解剖図の膨大で複雑な部位,名称に「これを覚えなくてはならないのか?」という思いにかられるのでしょう。そしてこれがとりわけ重要な点ですが,実際の臨床症状との結び付きのイメージがないまま,やみくもに覚えようとしてしまい脳の迷宮をさまようことになるのです。

 そんな迷える子羊たちにとって,本書はまさに闇の中の一すじの光,福音とでもいえるものです。前田眞治先生が長くコメディカルスタッフのために教育してこられた内容がまとめられた本書は,CTやMRIの原理という基本中の基本から説き起こされ,脳画像スライスの詳細なレベル別解説,血管支配との関連,機能局在へと進みます。さらに脳血管障害,頭部外傷,脳腫瘍,認知症,神経難病,その他,とそれぞれの臨床症状と照らし合わせた脳画像の意義が述べられます。特に前田先生のご専門である“高次脳機能障害”に関する記述は具体的で臨床的示唆に富むものです。カラー印刷で構成された画像および図は,精細で美しく(この書評ではお見せできないのが誠に残念です)学生や初学者だけでなく練達の臨床家にもインパクトを与えてくれます。

 前田先生が「序」の中で述べているように,「脳画像から機能障害を読み取るためには症状の情報なしに画像から推測する方法と,実際の症状から脳画像に現れるものの双方向から考察していくことが重要である」との指摘は,脳画像理解への王道といえるかもしれません。その道のりは長く険しいとしても,本書で掲げられた目標はプロメテウスが与えてくれた火のように明らかなので,もう迷うことなく歩みを進めることができると確信します。学生から臨床家まで,幅広い読者に本書のエッセンスをぜひ味わっていただきたいと思います。

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