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医療福祉総合ガイドブック 2012年度版

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医療・福祉サービスの社会資源を、利用者の視点で一覧できるガイドブックの2012年度版。医療・福祉制度の概要理解のために解説を見直すとともに、「通知」レベルの最新情報も従来通りにフォローしながら大幅刷新。「3. 11東日本大震災」の被災者支援等をまとめた災害対応の章も新設。利用者からの相談に素早く、より確実に対応するために、保健・医療・福祉関係者必携の1冊。
本書は2012年2月末日(一部,3月15日)までに把握できた情報をもとに構成しております.本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合がありますので,あらかじめご了承ください.
編集 NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会
編集代表 村上 須賀子 / 佐々木 哲二郎 / 奥村 晴彦
発行 2012年04月判型:A4頁:280
ISBN 978-4-260-01543-1
定価 3,630円 (本体3,300円+税)
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  • 序文
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はじめに2012年

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は未曾有の被害をもたらしました。私たち日本医療ソーシャルワーク研究会は,このたびの東日本大震災において,亡くなられたみなさまに深い哀悼の意をささげます。また,被災されたみなさまへ心よりお見舞い申し上げるとともに,被災地の1日も早い復興をお祈り申し上げます。
 さて,「格差社会」が社会保障の機能不全を浮き彫りにし,「無縁社会」といわれ,「孤独死」から「孤立死」が社会問題となっています。そして,つながりの重要性から「絆社会」が求められるようになりました。家庭,地域,職場,社会のつながりが薄れ,社会的に孤立してさまざまな貧困が生まれ,経済的貧困はもとより生活困窮に陥るリスクが増大してきているからです。
 東日本大震災からの復興の基本方針に「社会包摂の実現と新しい公共の推進」が謳われています。被災地はもちろん経済活動の停滞などさまざまな影響が,失業や病気に脆弱な人々を直撃し,「社会的排除」状態に追い込まれるリスクが急速に全国的にも高まっています。こうしたなかで,声を出しにくい人々に配慮し,誰をも排除しない包摂型の社会づくりを行っていくことは,被災地の復興だけでなく,今後の日本社会の発展にもつながっていくものです。社会的包摂の理念に基づき,アウトリーチ,居場所づくりや伴走型の支援,またワンストップ型の相談や寄り添い支援に関する先導的なモデルの構築に取り組む必要があるとされ,パーソナルサポートサービスや社会的包摂ワンストップ相談支援事業が行われることになりました。
 本書のコンセプトは,利用者の立場になって執筆していくことです。主に執筆している医療ソーシャルワーカーは,医療現場というフィールドで働き,生活問題を解決しています。困難な事例ほど燃え,「できない」とあきらめるより「どうしたらできるか」を考えていきます。生活問題を抱えている人をどんなときでも受け入れ,まさにワンストップサービスを実践してきました。時にはそのような人を発見して,受け止め,寄り添っていくパーソナルサポーターとなっています。医療環境のなかで生活者の視点を持ち,患者自らが問題解決していけるように側面からの支援を通して協働作業を行うために,さまざまな情報を収集していきます。そのような活動の集大成がこの『医療福祉総合ガイドブック』を生み,育んで進化しています。
 2012年度版では,社会保障と税の一体改革,診療報酬と介護報酬の同時改定が実施されたことを踏まえ,紙面のレイアウトを刷新して内容も大幅に見直しを行いました。東日本大震災の教訓から新たに「自然災害等にあわれた人のために」という章を設けて,保障,医療,生活と住まい・しごと,高齢者,母子・乳幼児・児童,その他の支援という内容を盛り込みました。できるだけ内容を簡潔にわかりやすく,現場で利用者に説明するときに使用するような図・表を可能な限り用いて,だれでも使いやすいものを目指しました。
 本書は見返し部分に,複雑な日本の社会保障制度全般をライフステージに沿って概観し,人生の局面ごとにどのような生活上の問題を抱えるかによって,その分野の支援策(各章)にたどり着けるよう「幹線道路図」ともいえる案内図を作成しています。
 各章では,おおまかな制度の解説の次に実際的な情報,その利用方法などを述べるという構成になっています。取り上げる各制度の情報は全国共通の制度を利用頻度の高い制度順に編集していますが,場合によっては地域の特徴的な例も掲載しています。願わくは,本書を基本として,利用される地域の医療・福祉の制度やサービスを付け加えたガイドブックとして作り上げていただければ,我々が丹精こめて作り上げ命を吹き込んだ本書が,文字通りあなた自身のオリジナルガイドブックになりえると思います。
 本書の編集は「もし,自分が利用するならば…」と自問しながら進めています。
1)法律や役所から示されている説明文を載せるのではなく,すべての解説を利用者にわかりやすく説明できるように言い換えました。
2)制度をひとことで説明する見出しをつけました。
3)「内容」「利用できる人」「利用方法」「利用者負担」「窓口」「コメント」などの見出しをつけて,各項目はできる限り箇条書きで表記しました。
4)医療ソーシャルワーカーが相談に用いる図・表・イラストをふんだんに使いました。
5)ソーシャルワーカーの視点から全体を構成して,「コラム」「ミニ事例」「ミニ知識」などを通じて医療・福祉を総合的に補足しています。
 最後に読者の医療ソーシャルワーカーの声を紹介しておきます。「毎年のように購入しています。それは次の4点からです。①表やグラフが多色刷りで見やすい,②コラムが更新されている,③目次も索引もあって探しやすい,④各制度の概要・対象者の詳細・申請先・利用方法などがはじめに記載されている。本当に細かいことは専門書やネットで調べています。しかし,検索前に予備知識がなくては調べたいものも調べられません。この『医療福祉総合ガイドブック』は検索の水先案内役をしてくれます」。
 めまぐるしく変化していく社会に対応していくため,利用されるみなさんとともに年度版として発刊していく意義をかみしめながら今後も進化していきたいと考えています。本書を手に取っていただいた方が,少しでも,今日よりも明日が幸せになることを願っています。
 本書前身の初版発行より,本書のもつ社会的使命を共有してくださり,プロとしての情熱を傾け続けてくださっている医学書院看護出版部に感謝申し上げます。ことに年度版発行に向けて持続可能な編集システムの編成のために尽力してくださった同部の北原拓也さんに深謝申し上げます。
 なお,本書編集の「NPO法人日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます。

 2012年3月
 編集代表 村上須賀子 佐々木哲二郎 奥村晴彦

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I 社会保障のしくみ
 社会保障のしくみ
II 医療サービス
 病院選び-よりよい選択をするために
 医療費に困ったとき
III 生活費としごと
 生活費
 しごと
IV 高齢者サービス
 高齢者サービスのガイド
 高齢者サービスの実際
 住まい
 暮らすところで利用するサービス
 出向いて利用するサービス
V 障害児・者サービス
 障害児・者サービスのガイド
 障害児・者サービスの実際
 住まい
 暮らすところで利用するサービス
 出向いて利用するサービス
 おでかけ
 しごと
VI 難病
 難病患者のために
VII 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
VIII 権利の擁護
 権利の擁護
IX 自然災害等にあわれた人のために
 自然災害等にあわれた人のために
X 相談・支援とピア・サポート
 サービス利用の窓口・支援する人
 自助グループ(セルフヘルプグループ)

資料編
 1.労働者災害補償保険法障害等級表
 2.自動車損害賠償保障法後遺障害等級表
 3.重度心身障害者医療費助成制度
 4.生活保護における地域の級地区分
 5.国民年金障害等級表,厚生年金障害等級表,厚生年金障害手当金
 6.特別障害者手当障害程度
 7.身体障害者障害程度等級表
 8.精神障害者保健福祉手帳障害等級表
 9.高次脳機能障害診断基準
 10.意識障害の評価スケール
 11.厚生労働省科学研究 難治性疾患克服研究事業対象疾患
 12.こども医療費助成制度,乳幼児医療費助成制度
 13.ひとり親家庭等医療費助成制度
 14.都道府県における医療ソーシャルワーカーに関する問合せ先
 15.無料低額診療施設

索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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