こどもの腹部エコー
達人への一歩

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臨床研修医や技師が小児に対してエコー検査を行う時や、エコーに不慣れな小児科医や子どもを診る機会のある家庭医などが独りで検査を行う時に、最低限必要な知識と走査方法を簡潔かつ実践的に整理。また、検査を行う目的と方法を状況別に提示して、ベッドサイド、検査時にも有用なように、特に臨場感を出しつつ解説した。
木野 稔 / 藤井 喜充
発行 2006年04月判型:B5頁:168
ISBN 978-4-260-00083-3
定価 6,600円 (本体6,000円+税)
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  • 目次
  • 書評

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第1章 超音波の基本
第2章 小児の正常画像
 1. 消化管を中心とした走査
 2. 肝臓,胆嚢,副腎,脾臓を中心とした走査
第3章 小児緊急超音波--小児救急外来における腹部超音波検査
 1. 消化管を中心とした走査
 2. その他の臓器の走査
第4章 症例編
 症例1 9か月の女児
 症例2 8歳の男児
 症例3 3歳の男児
 症例4 3歳の女児
 症例5 1か月の女児
 症例6 2歳の女児
第5章 小児科日常診療の場でのエコー診
索引

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小児科医がエコーを聴診器がわりに使えるようになるために最良の一冊!
書評者: 金子 一成 (関西医大教授・小児科学)
 超音波検査(エコー)は小児の腹部領域でもかなり普及してきているが,聴診器のように使いこなしている小児科医はまだ少ない。しかし小児科の日常診療で腹部エコーを使いこなせるか否かによって,腹腔内蔵器の疾患における診断の正確さや迅速性,患児にかける負担の度合いに大きな差が生じる。

 腹部エコーを使いこなすためにはできるだけ多くの症例を経験する必要があるが,他の診療科に比べて検査症例が少ない。しかし一旦腹部エコーのコツ,すなわち小児の腹腔内蔵器のエコー所見の正常像と異常像を会得すれば,あとは症例の積み重ねによって徐々に実力をつけていくことができる。

◆「こどもの腹部エコーのコツ」に必要な情報が詰まった一冊!

 本書では「腹部エコーのコツ」を習得するための最短かつ確実な方法を伝授している。医療手技における「コツ」というものは本来,それを会得している経験豊かな指導医に手取り足取り教えてもらうのが最善であろうが,指導者の数や時間的制約の関係で現実には容易ではない。そういう意味で,「こどもの腹部エコーのコツ」を機器の操作方法から懇切丁寧に記載している本書は類書の中でもとくに実践的である。中でも著著の経験に基づいた「コツ」をコラム(“奥義口伝”)で随所に紹介しているが,これは熟練した指導医に手取り足取り教えてもらうのに近い。

 本書の構成は全5章(第1章:超音波の基本,第2章:小児の正常画像,第3章:小児緊急超音波,第4章:症例編,第5編:小児科日常診療の場でのエコー診)から成っているが,特筆すべきは取り扱われているエコー写真がすべて2枚ずつ(オリジナル写真と矢印や線を挿入して位置関係を明示した写真)並べられていることである。これによって,とかく「検者しか位置関係がわからない」といわれるエコー所見がとても生き生きとした画像になっている。

 また「第2章:小児の正常画像」の項で腹腔内諸臓器のエコーでの計測の仕方のみならず,小児の基準値を紹介していることもきわめて実践的である。エコーはその画像の性質上,臓器の腫大・肥大を客観的に捉えにくい面があるが,この指南方法によって多くの初心者もより客観的な計測ができるであろう。

 さらに「第5章:小児科日常診療の場でのエコー診」では30年近い小児科医経験を有する著者(木野)が,小児科の一般診療において聴診器と同様にエコーを用いて“腹腔内の診療”を行うその方法を伝授してくれている。

 本書は小児の腹部エコーの指南書として,著者らが長年の経験に基づいて蘊蓄を傾けた完成品になっている。小児の診察において「エコーを聴診器のように使いこなしたい」と思っている医師も,「ある程度は使いこなせる」と思っている医師もエコーのそばに常備しておいて損はない一冊である。

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