NANDA-NOC-NICを事例に適用する

もっと見る

NANDA-NOC-NICを事例にあてはめて使うには,13領域のアセスメントから始め,統合した全体像からNOC-NICにどうつなげるかを理解する必要がある。本書では,急性期,慢性期,終末期,救命救急の代表的事例を通し,その実際が学べるよう配慮。好評発売中の『NANDA-NOC-NICの理解』の姉妹編をなす実践書。
編集 黒田 裕子
発行 2004年03月判型:B5頁:344
ISBN 978-4-260-33324-5
定価 3,740円 (本体3,400円+税)
  • 販売終了

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 目次
  • 書評

開く

第I章 NANDA-NOC-NICを事例にどう適用するか
第II章 急性期の事例
第III章 慢性期の事例
第IV章 終末期の事例
第V章 救命救急の事例
補章 NANDA-NOC-NICの事例適用に際しての注意

開く

看護記録の電子化に必読の書
書評者: 小田 正枝 (西南女学院教授・看護学科教授)
◆臨床の現場で役に立つ実践の書

 NANDA(北米看護診断協会)は2002年にNANDAインターナショナルと名称を改めて世界規模の看護実践言語の研究学会となった。その大きな変化は,NOC(看護成果分類)とNIC(看護介入分類)との拡大分類を手がけ,診断を成果と介入に関連づけることに焦点をあてている。つまりNANDA―NOC―NIC連合大会(NNN大会)として看護専門用語に関する学会として生まれ変わったのである。これは,看護師が看護ケアを実施するうえでの自然な流れに沿う看護過程を基盤にして活動することを前提としている。

 本書は,昨年6月に医学書院より出版された黒田裕子著「NANDA―NOC―NICの理解」の姉妹書として発刊されたものである。前書に引き続き,NANDA―NOC―NICについての必要な知識の概要を学ぶことができるうえ,事例に適用してわかりやすく解説した臨床の現場で役にたつ実践の書でもある。

 北里大学看護学部の黒田裕子教授を中心に編著者らは,10年前より,看護診断に関心を持つ有志から組織された看護診断研究会NDC(Nursing Diagnosis Conference)を定期的に開催し,看護診断に関する教育および研究活動を継続して行っている。本書はその成果物といえるものであり,研究活動の集大成が網羅されている。中心となる内容は,13領域のアセスメントからはじめ,統合した全体像からNOC―NICにどうつなげるかを具体的に解説している部分である。急性期,慢性期,終末期,そして救命救急の代表的事例を通し,その実際を学べるように配慮されている。

◆看護記録システムの方向性を示唆する

 現在,わが国では統合電子患者記録システム(電子カルテ)が臨床現場に急速に浸透しつつある。それは,医療の情報技術(IT)化が全国的に急速に進められ,電子カルテシステムを導入している施設が増えてきているからである。IT化の動向の中で看護部門も看護師が行う実践をコンピュータに入力できるような整備が必要とされ,各施設が独自の対応に追われている現状にある。このような中,本書は看護師の共通用語として標準化されたNANDA―NOC―NICを使うことによって看護の専門性を高める看護記録システムの方向性を示唆している。

 編著者の論理は明瞭であり,その力強いメッセージは,電子カルテに向けて看護記録システム混乱を解きほぐす手引き書となるであろう。本書は,臨床の最前線でケアに取り組む看護師,看護管理者はもちろんのこと,専門職としてどうあらねばならないかを勉強中の看護学生にも必読の書である。

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。