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症例から学ぶEBM時代の糖尿病診療

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2002年2月,日本糖尿病学会から発表された「科学的根拠(エビデンス)に基づく糖尿病診療ガイドライン」を,一般医向けに具体的な症例を挙げて解説。1)ガイドラインのステートメントを呈示し,2)ガイドラインの解説をより敷衍し,3)教育的な症例を挙げてポイントを示す,という構成で,EBM時代の診療のあり方を示す。
シリーズ 総合診療ブックス
監修 門脇 孝
編集 野田 光彦
発行 2004年02月判型:A5頁:180
ISBN 978-4-260-10298-8
定価 4,070円 (本体3,700円+税)
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  • 目次
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Introduction EBM時代の糖尿病診療
食事療法
運動療法
経口血糖降下薬
インスリン療法
血糖自己測定
糖尿病網膜症の治療
糖尿病腎症
糖尿病神経障害
糖尿病足病変
糖尿病性大血管障害
糖尿病に合併した肥満
糖尿病に合併した高血圧
糖尿病に合併した高脂血症
急性発症型の初期治療
緩徐進行型1型糖尿病の治療方針
糖尿病性昏睡
妊娠時の管理
Appendix
 1. 糖尿病の成因と病態および診断手順
 2. 糖尿病の治療
 3. 2型糖尿病の病態
 4. 糖尿病腎症の病期分類と診療・生活指導指針
 5. HOMA指数
 6. ノモグラムによるBMIの推定
索引
付録(ラミネートカード)

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糖尿病診療のEBMの理解と実践に大いに貢献する
書評者: 梶尾 裕 (国立国際医療センター内分泌代謝科)
◆ガイドラインを有効に活用するために

 本書は,日本糖尿病学会が公表した「科学的根拠(evidence)に基づく糖尿病診療ガイドライン」(以下「ガイドライン」とする)の策定委員のひとりである野田光彦先生によって編集された。「ガイドライン」は,日本における糖尿病診療の基本的指針として,EBMの観点から,糖尿病に関する多くの研究成果をエビデンスのレベルによって読み分け,重要な項目に沿って策定された。糖尿病についての指南書・実践書は数多く出ているが,「ガイドライン」に留意し,これを有効に活用するためのものは数少ない。臨床現場では,個々の患者に応じて,その病態や背景を念頭において診療を行うが,「ガイドライン」を理解し有効に活用するために,実際に遭遇する具体的な症例をもとにわかりやすく解説した本書は,診察室における座右の書と言える。糖尿病専門医だけでなく,糖尿病診療にかかわるすべての臨床医,コメディカルの方々にお薦めしたい1冊である。

◆患者の益となる糖尿病診療をめざして

 本書が通常の解説書と異なる点は,各項目の記述の中心に「ガイドライン」の中心となるエビデンスにのみ焦点を当てるのではなく,臨床試験による病態の理解を重要視し,患者の意向にも配慮した患者の益となる糖尿病診療をめざした構成になっている点である。

 本文は,基本的には「ガイドライン」の流れに沿っているが,臨床の現場で使いやすいように項目を増やしている。各項目の構成は,項目に関連した症例を提示したうえで,1)「ガイドライン」のポイント,2)「ガイドライン」に沿った診療の進め方,3)専門医へのコンサルトのタイミング,4)症例からの教訓と続いている。項目に沿って読み進めてもよく,必要に応じてめくってもよい。どのページからめくってみても,日常遭遇する場面に応じて具体的な診療のアドバイスが述べられており,知識と経験の両面から得るところが多い。さらにメールアドバイスとして,患者の病態や背景に応じた適切な対処法が追加され,Noteとして専門医でないとわかりにくい用語や項目について適切で簡潔な解説を追加している。また巻末には,編者自ら糖尿病診療のうえで病態と治療を結びつけて考えるための留意点をAppendixの形で補完している。野田先生ならではの痒いところに手の届く,心憎い配慮と言えよう。

 本書は,記述はわかりやすく簡潔でありながらも,味わい深い内容となっている。読者の期待を裏切ることなく,糖尿病診療のEBMの理解と実践に大いに貢献することは間違いない。

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