臨床実習とケーススタディ
OTを目指す学生のための「標準」教科書シリーズの1冊
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効果的な臨床実習を実現するための知識、態度、技術をわかりやすく解説。学生だけでなく実習指導者にも参考になるテキスト。ケーススタディの項目では代表的な疾患・障害を網羅し、ケーススタディのまとめ方が身につく。
シリーズ | 標準作業療法学 専門分野 |
---|---|
シリーズ監修 | 矢谷 令子 |
編集 | 市川 和子 |
発行 | 2005年05月判型:B5頁:368 |
ISBN | 978-4-260-26715-1 |
定価 | 4,620円 (本体4,200円+税) |
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序章 臨床実習とケーススタディを学ぶ皆さんへ
臨床実習編
第1章 臨床実習の基礎
第2章 臨床実習の教育内容
ケーススタディ編
第1章 ケーススタディの書き方
第2章 身体機能領域のケーススタディ
第3章 精神機能領域のケーススタディ
第4章 発達過程領域のケーススタディ
第5章 高齢期関連のケーススタディ
臨床実習とケーススタディの今後の発展に向けて
さらに深く学ぶために
索引
臨床実習編
第1章 臨床実習の基礎
第2章 臨床実習の教育内容
ケーススタディ編
第1章 ケーススタディの書き方
第2章 身体機能領域のケーススタディ
第3章 精神機能領域のケーススタディ
第4章 発達過程領域のケーススタディ
第5章 高齢期関連のケーススタディ
臨床実習とケーススタディの今後の発展に向けて
さらに深く学ぶために
索引
書評
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豊富な図表と読みやすい文章 臨床実習のバイブル
書評者: 望月 秀郎 (長野医療技術専門学校・教務部長)
作業療法士養成課程(養成校)の急増に伴い,臨床実習指導者も若い方々を中心に大変な増え方であると同時に,作業療法学科学生と養成校教員数も急増している。しかし,学生の臨床実習教育は,臨床実習指導者の個々のパーソナリティにまかされている部分が多い。これらの背景から,臨床実習に関する書の出版が待たれていた。
このたび医学書院から出版された本書は,このような背景をふまえて出された作業療法の分野では初めての成書といえる。本書は,すでに発刊されている「標準作業療法学」シリーズ全12巻の中の1冊であり,学生,教員,臨床実習指導者の三者の欲求を満たす書である。
さて,本書の内容を簡単に紹介すると,はじめに「臨床実習編」と題して臨床教育の基礎と教育内容について解説している。「臨床実習とは」の解説に始まり,カリキュラムプランニングや教育の三領域(知識,技能,態度)の面から基本的な事項を解説している。続いて臨床実習実施の流れや課題・工夫,学生評価等について書かれており,学生はもとより初めて臨床実習を担当する作業療法士の方々にとっても,またベテランの指導者にとっても臨床実習教育学の理論が学べる。
次は「ケーススタディ編」にすすみ,ケーススタディの書き方を紹介し,第2章から実際の症例紹介が始まる。身体機能領域では,脳血管障害,頸髄損傷,関節リウマチ,パーキンソン病,失調症,ALS,上肢切断,手の外科,熱傷,癌の終末期に至るまで,実に豊富な実症例を紹介している。同様に精神機能領域では,統合失調症,躁うつ病,アルコール依存症,発達障害領域では,脳性麻痺,重症心身障害,知的障害,ダウン症,ADHDなどである。高齢期領域では認知症(痴呆)を取り上げている。これほど多種類の疾患について紹介があると,学生にとってはバイブルといえるほどで至れり尽くせりの感が強い。
この症例紹介の章は,全体の形式を統一して,テーマ,プロフィール,評価,治療計画,援助経過(治療経過)といった内容で要領よくまとめられている。この31例の紹介は,現在の作業療法士の中でもその分野の識者といわれる先生方22名が執筆している。作業療法と臨床実習の現場を長年にわたって経験されてきた真髄を簡潔に表現してあり,豊富な図表と読みやすい編集とが相まって大変読みやすい書となっている。一つ難を言えば,形式が統一されているが故に,項目の題ばかりが目につく箇所が数か所あった。分野や疾患が異なるのであるから,多少の融通を利かせたほうがよい場合もあるのではないか。
ともあれ,卒業までには必ず臨床実習が計画されている作業療法学科の学生にはぜひとも学んでほしい1冊であり,臨床実習指導者,養成校教員にも一読を勧めたい書である。
書評者: 望月 秀郎 (長野医療技術専門学校・教務部長)
作業療法士養成課程(養成校)の急増に伴い,臨床実習指導者も若い方々を中心に大変な増え方であると同時に,作業療法学科学生と養成校教員数も急増している。しかし,学生の臨床実習教育は,臨床実習指導者の個々のパーソナリティにまかされている部分が多い。これらの背景から,臨床実習に関する書の出版が待たれていた。
このたび医学書院から出版された本書は,このような背景をふまえて出された作業療法の分野では初めての成書といえる。本書は,すでに発刊されている「標準作業療法学」シリーズ全12巻の中の1冊であり,学生,教員,臨床実習指導者の三者の欲求を満たす書である。
さて,本書の内容を簡単に紹介すると,はじめに「臨床実習編」と題して臨床教育の基礎と教育内容について解説している。「臨床実習とは」の解説に始まり,カリキュラムプランニングや教育の三領域(知識,技能,態度)の面から基本的な事項を解説している。続いて臨床実習実施の流れや課題・工夫,学生評価等について書かれており,学生はもとより初めて臨床実習を担当する作業療法士の方々にとっても,またベテランの指導者にとっても臨床実習教育学の理論が学べる。
次は「ケーススタディ編」にすすみ,ケーススタディの書き方を紹介し,第2章から実際の症例紹介が始まる。身体機能領域では,脳血管障害,頸髄損傷,関節リウマチ,パーキンソン病,失調症,ALS,上肢切断,手の外科,熱傷,癌の終末期に至るまで,実に豊富な実症例を紹介している。同様に精神機能領域では,統合失調症,躁うつ病,アルコール依存症,発達障害領域では,脳性麻痺,重症心身障害,知的障害,ダウン症,ADHDなどである。高齢期領域では認知症(痴呆)を取り上げている。これほど多種類の疾患について紹介があると,学生にとってはバイブルといえるほどで至れり尽くせりの感が強い。
この症例紹介の章は,全体の形式を統一して,テーマ,プロフィール,評価,治療計画,援助経過(治療経過)といった内容で要領よくまとめられている。この31例の紹介は,現在の作業療法士の中でもその分野の識者といわれる先生方22名が執筆している。作業療法と臨床実習の現場を長年にわたって経験されてきた真髄を簡潔に表現してあり,豊富な図表と読みやすい編集とが相まって大変読みやすい書となっている。一つ難を言えば,形式が統一されているが故に,項目の題ばかりが目につく箇所が数か所あった。分野や疾患が異なるのであるから,多少の融通を利かせたほうがよい場合もあるのではないか。
ともあれ,卒業までには必ず臨床実習が計画されている作業療法学科の学生にはぜひとも学んでほしい1冊であり,臨床実習指導者,養成校教員にも一読を勧めたい書である。
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