理学療法学事典

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理学療法学に特化した本邦初の事典。専門領域としての理学療法学の定義や範疇を明確にし、実践に必要な用語を学際領域から広く取り入れ、初学者から臨床家までに必要とされる見出し語を網羅。学問領域としての確立と標準化された臨床技術の確立をめざしている。近年ますます重要度を増す理学療法士を根幹からサポートする、待望の書。「教育」「臨床」「研究」どんな場面にも応えうる8000語を収載。
監修 奈良 勲
編集 内山 靖
発行 2006年04月判型:A5頁:912
ISBN 978-4-260-00035-2
定価 9,900円 (本体9,000円+税)

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日常記録から研究まで手放せない事典
書評者: 田口 順子 (元JICA・JOCVリハ・福祉分野技術顧問,国際医療福祉大学非常勤講師)
 理学療法士が誕生して40年余り,わが国最初の理学療法事典が発刊された。理学療法士による理学療法士のための理学療法事典が出版され感慨無量である。

 日本初の理学療法士,作業療法士養成校が国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院として創設され,その第一期生であった私たちには理学療法分野の日本語教材は皆無であった。例えば,ADLをどのように訳すのか,どこまでがADLの範疇なのか,その概念や文化による違いはないのかなど,コトバの意味だけではなく,全身を使ったジェスチャーで外国人教師と理解しあったことを思い出す。今は,どのような用語も簡単に入手できる。

 母校を卒業した翌日から第一期生4名が教壇に立った。日本語による教科書を切望し,当時,学院長であった砂原茂一先生のご指導を受けブルンストロームの「Clinical Kinesiology」を教師たちで翻訳,これが日本の理学療法士,作業療法士による初めての出版物となった。

 あれから40数年,奈良勲先生監修のもと,内山靖先生が編集の中心となって,9人のフィールドエディター,298人が執筆者の智恵と経験を結集し,ここに長年,私たちが望んでいた事典が刊行され,実現にいたるまでのご努力に敬意を表し感謝したい。

 関連分野から先ず32万語という膨大な用語を集めて,再三の作業によって最終的には8000語に集約されたその内容は高く評価したい。よく整理された客観的な説明は理学療法中心の専門用語にとどまらず,医学,生物学,情報科学,工学,教育学,社会・福祉学分野の基礎用語を8000語という制約の中に簡潔にしかも濃縮されうまく溶け合っている。

 すべての用語に英語訳がついていること,巻末の欧和索引,800語あまりの略語索引のあることも事典としての活用度が広くてありがたい。

 理学療法学を学ぶ学生にとっては手放せない事典であり,現場のわれわれにとっては日常的な記録から資料作成,研究まで必要な検索に応えてくれる。

 座右の書が一冊増えたことに感謝したい。

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