療育マニュアル

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沖縄小児発達センターのスタッフによる,重症障害児(者)施設で働く人々のためのマニュアル。必要最小限の知識と日常生活の介助の方法がまとめられている。具体的でわかりやすいだけでなく,手作りの介助用具や遊びの実際など,こどもたちの生活をより楽しくいろどるヒントも満載した一冊。
編集 落合 靖男
発行 2004年01月判型:B6変頁:196
ISBN 978-4-260-24423-7
定価 2,420円 (本体2,200円+税)

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  • 目次
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1. 発達診断
2. 脳性麻痺
3. 脳性麻痺児の理学療法
4. 脳性麻痺児の歩容(歩行相の分類)
5. 装具の種類と使用目的
6. 脳性麻痺児の呼吸理学療法
7. 脳性麻痺の整形外科治療
8. 主な下肢の機能解剖
9. 筋(下肢)の短縮をみるテスト
10. 脳性麻痺児の予後予測
11. 重度脳性麻痺児のケア
12. 脳性麻痺児の摂食介助
13. 脳性麻痺児の言語の特徴と訓練
14. 障害児看護
15. 脳性麻痺児の手製の生活用具(ポジショニング)
16. 二分脊椎症
17. 心身障害児の予防接種
18. 脳性麻痺児の保育(遊び)
19. 障害児を持つ親の理解
付録
 1. 用語解説
 2. 重症心身障害児の定義-大島分類
 3. 心身障害児の福祉制度
 4. 福祉用具
索引

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障害児にかかわるスタッフに必携のマニュアルが登場
書評者: 仲村 美津枝 (琉球大助教授・小児看護学)
◆いきいきとした子どもたちに惹きつけられる

 落合靖男先生編集の『療育マニュアル』で私が気に入っている点は,子どもたちの写真が豊富にあるということと,その写真の目のところに,黒テープがないということである。子どもたちは皆障害を持っているとは思えないほどいきいきして,不自由ながらもそれをものともせず笑っている。誰しもその子どもたちに惹きつけられ,一気に読んでしまえるマニュアルである。

◆障害児のwell―beingを絶えず求める

 そこに,障害を持っていても普通の子とまったく変わらないのだ,自分の子どもたちのかわいい姿を見てほしいという母親・家族のノーマライゼーション意識や,沖縄小児発達センターの医師をはじめ理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師,保育士,ケースワーカーの意気込みが感じられる。この本のように,施設の全職種が一丸となって1つのマニュアルを作り上げることができるというのも,日頃から障害児とその家族を中心としたチームワークが当然の形として,出来上がっているためであろう。

 沖縄小児発達センターの看護師は,多くの障害のある子どもたちを抱え,その多忙な業務をこなしながらも,毎年必ず1篇以上の看護研究を発表して障害児の看護の改善・普及に努力しており,その成果がこのマニュアルにも充分生かされている。看護を担う私の立場からみても,絶えず障害児のwell―beingを追い求めて工夫を怠らない態度には頭が下がる思いである。

 このマニュアルは,肢体不自由児施設や,障害児施設の職員だけでなく,在宅の障害児を訪問する訪問看護師にとっても,その病態理解や看護援助に加え成長発達を促す援助技術の習得のためにも非常に役立つ本である。また小児科の病棟看護師にとっても,障害を持った児が入院して来た時には非常に役立つマニュアルだといえる。ポケットサイズであり,いつでも調べたい時や困った時さっと開ける利点があり,肢体不自由児施設や障害児施設の職員には是非1冊ずつ持っていてほしいマニュアルである。また少なくとも1冊は,訪問看護ステーションや小児科病棟にも置いてほしい本である。

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