救急マニュアル 第3版
救急初療から救命処置まで

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わが国の救急医学のメッカ川崎医科大学が総力あげて完成させた本格的なマニュアルの大改訂版。全篇にわたり内容を検討。いっそう読みやすくなった、救急の「百科全書」ともいえる1冊。新薬、新技術、法改正に伴う項目など、ここ10年の時代に沿って内容を充実させた。
編著 小濱 啓次
発行 2005年09月判型:B5頁:1032
ISBN 978-4-260-00040-6
定価 18,700円 (本体17,000円+税)

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1. 救急患者の診察
2. 救急外来における処置
3. 心肺脳蘇生法(心停止・呼吸停止における処置)
4. 緊急医薬品とその使用法
5. 輸液と輸血
6. 緊急検査
7. 異常心電図
8. 救急麻酔法
9. 重症救急患者の管理
10. 各種症状の診断と治療
11. 各種症状に関係する主な疾患の診断と治療
12. 外傷
13. 熱傷・電撃傷
14. 異物
15. 溺水
16. 中毒
17. 環境変化による障害
18. 眼科救急疾患
19. 精神科救急疾患
20. 小児科救急疾患
21. 産婦人科救急疾患
22. 抗生物質の使用法
23. 臨床検査正常値
索引
 和文
 欧文

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救急医療における道しるべとなる良書
書評者: 益子 邦洋 (日医大千葉北総病院教授/救命救急センター長)
 川崎医科大学名誉教授として,現在も救急医療の最前線で活躍しておられる小濱啓次先生の編著による「救急マニュアル―救急初療から救命処置まで」が初版から22年を経てこのたび大改訂された。この間の救急医学の進歩には目を見張るものがあり,数多くの新知見を随所に盛り込んだ最新作が世に出されたわけである。

 小濱教授はわが国で最初の救急医学講座教授であり,それまでわが国の医学医療の中でまったくと言ってよいほど省みられる事のなかった救急医学の学問体系を構築し,救急医のアイデンティティー確立に尽力されてこられた。その意味では,本書の第1版はまさに救急医学のスピリットをふんだんに盛り込んだ名著であり,救命救急センターや救急部で働く若手医師にとってのバイブルであったとも言えよう。従来の各科対応型救急医療では対応できない重度外傷,広範囲熱傷,急性中毒,心肺停止,多臓器不全の患者を前に,手探りでスタートしたわが国の救急医療において,まさに道しるべの役割を果たしてきた。筆者が救命救急センターに配属となり,次から次へと搬送されてくる各種病態の患者対応に苦慮したとき,貪るようにして本書から情報を得ていたことが昨日のことのように思い出される。

 手垢で真っ黒になった第1版と,今回の改訂版を2つ並べてみると,300頁の増加という単なるボリュームのみならず,その情報量の増加に驚かされる。編著者が初版の序でも述べているが,「救急疾患を救急医学の視点で捉え,その病態を十分理解して診断・治療に臨め」とのメッセージが,第3版にも脈々と受け継がれている事が容易に見て取れる。即ち本書は単なる「マニュアル」ではなく,教科書としての重厚さと,マニュアルとしての利便性をともに兼ね備えている。

 平成16年度からスタートした救急部門の臨床研修必修化にも十分配慮して,救急外来(ER)で遭遇する各種症状やcommon diseaseへの対応について,分量を大幅に増やして記述しているのが大きな特徴であり,各所に「メモ」や「ER小講義」を配して,若手医師の理解を助ける工夫がなされていることもありがたい。また,小児および成人の各種皮膚疾患,重症感染症,気管支および消化管内視鏡所見等が口絵カラーとして掲載されており,ER診療の大きな助けとなっている。

 執筆陣は小濱教授をはじめ,氏とともに日夜救急医療を戦い続けてきた,同志の諸先生であり,救急のエキスパートである。その意味で本書は「小濱救急医学」と呼ぶ事もできよう。

 医学医療は日進月歩であり,この第3版が世に出てまもなく,2005年11月に国際蘇生連絡協議会(International Liaison Committee on Resuscitation; ILCOR)が「心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告コンセンサス(International Consensus on ECC & CPR Science with Treatment Recommendations; CoSTR)」を発表した。これを受けて,わが国でも新しい心肺蘇生ガイドラインが策定され,2006年7月に『救急蘇生法の指針』が発刊された。

 本書が永遠にわが国の救急医学のバイブルであり続けるために,できるだけ早い機会にマイナーチェンジしていただきたいと願わずにはいられない。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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