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今日の眼疾患治療指針 第2版

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眼疾患についての知識を診断から治療に至るまで網羅的に掲載する眼科医必携の書。日々の診療場面でのクイックリファレンスとして、あるいは眼科専門医試験の参考書として、リーダーフレンドリーで活用しやすい1冊。全ページカラー化。眼科特有の症例写真なども多数掲載。
シリーズ 今日の治療指針
総編集 田野 保雄 / 樋田 哲夫
編集 大路 正人 / 山田 昌和 / 野田 徹
編集協力 後藤 浩 / 永本 敏之 / 西田 保裕 / 相原 一
発行 2007年10月判型:A5頁:960
ISBN 978-4-260-00436-7
定価 26,400円 (本体24,000円+税)
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第2版 序
編集者一同

 眼科専門医のための『今日の治療指針』の必要性を感じて,『今日の眼疾患治療指針』の初版を上梓したのは西暦2000年のことである.幸い,当初対象として考えていた眼科専門医だけでなく,入局後間もない眼科専門医志向者からも好評を博し,我々が目指した,眼科日常診療において座右の書となり得る実用書として一定の評価を得ることができたのではないかと考えている.

 ご存知のように,全科を網羅する『今日の治療指針』は毎年全面改訂がなされ,常に最新の治療年鑑となるように編集されている.ところが,眼科だけを対象にした本書を毎年改訂することは到底不可能なことはいうまでもない.そのため,3~4年を目処に改訂を企画していたが,そうこうしているうちにいつのまにか数年が過ぎてしまい,いよいよ改訂の必要性に迫られ初版から実に7年を経て今回の改訂第2版が完成した.

 初版では,臨床に必要な診療項目や遭遇し得る眼疾患をいったん網羅的に列挙し,それらの中で眼科専門医として必要かつ十分と考えられるものから項目立てをしたが,今回の改訂では初版の項目立てに捉われることなく,より網羅的な内容となるよう配慮した.初版の編集で中心的役割を果たした3名を編集者に加え,新たに4名の編集協力者を迎えて項目の再検討を進めた結果,項目数は総計870項目に及ぶこととなった.項目立ては初版と同様に,「疾患編」「検査編」「治療編」「薬剤編」に大別し,それぞれの記述内容にできるだけ統一性を持たせるように努力した.また疾患編では,特に「診断」と「治療法」の内容を充実させ,具体的な薬剤の処方例なども積極的に記述するように努めた.また,第2版では,判型を初版(B6判)から一回り大きいA5判に変更し,初版に比して大幅にカラー写真を増やしている.掲載されている図や写真については,初版での問題点や課題を検討したうえで,編集者が最終的な掲載の採否を判断するようにした.

 これらの改訂は日常診療における実用書としてだけではなく,眼科専門医認定試験の準備にも適した内容となることを目指し行なわれている.今更改めて言うまでもないが,この7年間の眼科医療の進歩は実に目覚しいものがあった.しかし,本書はこれを十分にカバーした内容となったことを自負している.

 最後に,本書を上梓するにあたり,今回の改訂にご賛同いただき,ご多忙にもかかわらず快く執筆していただいた諸先生方と,膨大な作業内容となった編集を最後まで丁寧にこなしていただいた医学書院の入戸野洋一氏と上舘良継氏に深甚の謝意を捧げたい.



 2007年 9月

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1 症状・所見・主訴からの鑑別診断フローチャート
2 診察室,手術室での緊急事態に備えて
3 眼瞼疾患
4 涙器疾患
5 結膜疾患
6 角膜疾患
7 強膜疾患
8 ぶどう膜疾患
9 網膜疾患
10 水晶体疾患
11 緑内障
12 視神経・視路疾患
13 瞳孔疾患
14 眼球運動障害,眼振
15 眼窩疾患
16 弱視・斜視・小児眼科
17 全身性眼疾患
18 眼外傷
19 中毒性眼疾患
20 屈折・調節異常
21 眼精疲労,不定愁訴,心因性眼疾患
22 検査総論
23 治療総論
24 眼科薬剤一覧
和文索引
欧文索引

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相談できるコンサルタントとして身近に備えておきたい一冊
書評者: 増田 寛次郎 (日本赤十字社医療センター名誉院長)
 眼科版『今日の治療指針』として,『今日の眼疾患治療指針第2版』が上梓された。眼科専門医のみならず,眼科専門医を志す医師にとって座右の,信頼できる一冊である。また,眼科専門医として,現在の眼科水準を知るうえでなくてはならない書といえる。
 日常診療で,患者からの主訴から,あるいは症状,所見から考えられる疾患を系統的に,遺漏なく診断してゆくフローチャートから始まって眼科薬剤一覧まで,24章,総計870項目についてまとめられている。初版(B6判)よりやや大きい,A5判になり,読みやすくなっている。

 疾患編では,その疾患の概念,病態,診断,鑑別診断と治療について要領よく記載されており,特に前眼部や眼底の疾患ではカラー写真を豊富に挿入しているために理解しやすい。蛍光眼底写真や光干渉断層(OCT)写真も適宜挿入されて,病態を理解するのに役立っている。治療については,薬物治療と手術療法があるが,薬物治療においては,薬物の一般名を本文内で記載し,処方例では,市販の商品名で具体的に記述してあり,実際の診療上非常に便利である。

 特にこの書の特徴は,検査総論,治療総論と眼科薬剤一覧がかなりのページを割いて記載されていることである。検査では,目的,対象,原理,検査手技・方法,注意点や結果の読み方,意味付けを要領よくまとめてある。

 筆者は,現在,第一線で臨床に携わっている人たちで,現在の眼科医療のスタンダードを示している。専門医をめざす眼科医のみならず,専門医にとっても,自分の得意とする分野以外の患者の診療に役立つ内容となっている。

 初版から第2版まで7年の隔たりがあり,その間の眼科医療の変化・進歩は著しい。待っていた眼科疾患治療指針であり,内容も時代に即したものとなっているが,眼科医療のスピードに合わせた間隔でこれからも改訂版を出版してほしい。

 本書は,眼科医療に携わるすべての人にとって,迷ったとき,わからないとき,そばにいて,すぐに相談に乗ってくれるコンサルタントとなってくれることだろう。
診断・検査から治療まで眼科診療のすべてを1冊に
書評者: 丸尾 敏夫 (帝京大学医療技術学部長)
 『今日の治療指針』は,およそ医師であれば利用したことのない人はいないと思われるくらい医界に膾炙していると言ってよい。私自身,いまなお古い治療指針を紐解いて時々活用している次第である。ただ,『今日の治療指針』は他科医のための治療指針である。眼科医には,たとえば内科疾患の章については参考になる反面,眼科疾患の章は内科医には便利かもしれないが,われわれには役立たない。

 眼科医のためには,眼疾患について掘り下げた知識が必要になる。そういった意味で刊行されたのが『今日の眼疾患治療指針』の初版の主旨であったようだ。初版発行後7年を経過し,その間従来の知識で十分間に合う分野もあれば,進歩が著しい領域もある。現時点での最新の各疾患への対応の指針が示されたのが本書で,日本の眼科をリードする田野保雄教授と樋田哲夫教授の総編集の下に企画されただけあって,項目の選定にもそつがない。項目は870項目にも及び,まず診断をしてその疾患までたどり着くのが大変という場合もある。

 本書には各種疾患・異常の最新の治療法が網羅されているのは言うまでもないが,内容はそれだけにとどまらない。治療法の前には病態や診断が示されているし,「症状・所見・主訴からの鑑別診断フローチャート」もある。「検査総論」には現在眼科で行われている種々の検査法について解説されている。言うならば,『今日の眼科診断指針』や『今日の眼科検査指針』も兼ねている。治療についても,「治療総論」で処置から手術までが触れられ,「診断室,手術室での緊急事態に備えて」と「眼科薬剤一覧」の章がある。このように,診断,検査から治療まで本書1冊ですべて対応できるほど内容は豊富である。表題は『今日の眼疾患治療指針』であるが,これは謙虚なもので,内容からみると『今日の眼科診療指針』とすべきではなかろうか。

 第2版はこのように眼疾患についての最新の情報が盛り込まれており,初版に比べ大型となり,頁数も900を超すので,携帯するよりも座右に置いて,診療中にちょっと調べたいときに利用すると,大変重宝な本ではないかと思われる。

 今後,本書は版を重ねることであろうが,たとえば「視能矯正」や疾患名について用語を正しく使用するようにしていただくとありがたい。

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