実践 マタニティ診断
母性看護過程・助産過程の実際を事例を通して明快に解説
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日本助産診断・実践研究会編著『マタニティ診断ガイドブック』の実践的解説書。母性看護過程・助産過程の実際について、診断のプロセスから診断名のつけ方、ケア計画まで、事例を通して明快に解説。マタニティサイクルにあるケア対象者をより高い健康状態へ導く援助について、ウエルネス型看護診断の視点から学ぶことができる。学生から教員、臨床の実践家まで、マタニティ診断を理解したい人に絶好の書。
編著 | 日本助産診断・実践研究会 |
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発行 | 2007年07月判型:B5頁:304 |
ISBN | 978-4-260-00414-5 |
定価 | 4,180円 (本体3,800円+税) |
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- 序文
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序文
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序
青木康子(日本助産診断・実践研究会 代表)
マタニティ診断は,助産や母性看護領域の中心を成すものであり,ウエルネス型看護診断を代表するものでもあります。ウエルネス型看護診断は,健康の維持・増進のレベルにある対象の力や強みを評価,より良い健康状態への行動変容を支援するための根拠となるものです。
わが国に看護診断が紹介されたのは1980年代であり,20余年たった今日,教育と臨床の場に普及浸透し,看護の質の向上にも寄与しています。しかし普及しているのは実在型看護診断いわゆる健康障害をもつ人々を対象とした診断です。健康な人々を対象とするウエルネス型看護診断は,NANDAをはじめ,さまざまな看護理論に基づくアセスメントガイドラインをみても,診断名はほとんど開発されていません。
日本の看護職の中で,健康な人々を対象とし,最も早く職業的確立をなしたのが助産師でした。これまで助産師は,独立して開業の形態をとり,実践にあたり,事実上,助産診断を行ってきました。しかし残念なことに,それらは個人の知と技として完結し,身近な人にのみ伝えられ,体系化はされてきませんでした。
平成元(1989)年に看護師等学校養成所指定規則が改正され,「助産診断学」が1つの授業科目となりました。折しも看護診断の導入・普及が始まり,助産や母児の看護にかかわる診断を明確にする必要に迫られました。
こうした状況を背景に,助産・母性看護領域のウエルネス型看護診断の開発が要請されるようになりました。そこで,平成9(1997)年,私どもは日本助産診断・実践研究会を発足させ,まずは核となるマタニティ診断の開発に取り組み始めました。爾来7年,紆余曲折を経て,平成16(2004)年にようやくまとめ上げ,『マタニティ診断ガイドブック』(医学書院)として上梓することができました。しかし,まだまだ完成とは言い難く,その後も研修会や各学会での交流集会等での意見も参考にしながら検討を続け,平成19(2007)年に改訂第2版を発刊することができました。
一方,『マタニティ診断ガイドブック』の発行と同時進行で,マタニティ看護診断に関する基本的な考え方から活用の実際までを一冊にまとめることにも取り組んでまいりました。濃密な議論・検討の2年余りの月日を経て,ようやく発行の運びとなったのが本書です。マタニティ診断の概要に始まり,妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の各期の診断類型と診断名のつけ方について詳細に解説,さらに診断を根拠としたケア計画とそれを用いた事例で構成いたしました。
ウエルネス型看護診断に基づいた母性看護についての著書はいくつかありますが,本書は,(1)日本の文化や伝統を重んじ,看護職者のみならずケアの受け手である対象者にもわかりやすい診断名であること,(2)ウエルネスの意味を十分にふまえ,問題志向ではなく,対象者の強みや力を生かしつつ,現時点よりもベターな健康生活やライフスパンに応じた課題達成を支援する根拠としての診断であること,(3)診断のための診断に陥ることのないよう,看護実践との関連を重要視し,診断に基づく看護計画まで視野に入れることを重視してまとめ上げました。
これらの意図するところをお汲みとりいただき,教育の場,臨床の場で活用されることを願ってやみません。そして,本書で提唱しておりますマタニティ診断の妥当性についてご意見をいただければ,この上ない幸せと存じます。
本書発刊に際し,高木貴美子さんをはじめとする医学書院関係者の皆さまの辛抱強いご支援をいただきましたことを記し,心から感謝申し上げます。
2007年 若葉萌える季節に
青木康子(日本助産診断・実践研究会 代表)
マタニティ診断は,助産や母性看護領域の中心を成すものであり,ウエルネス型看護診断を代表するものでもあります。ウエルネス型看護診断は,健康の維持・増進のレベルにある対象の力や強みを評価,より良い健康状態への行動変容を支援するための根拠となるものです。
わが国に看護診断が紹介されたのは1980年代であり,20余年たった今日,教育と臨床の場に普及浸透し,看護の質の向上にも寄与しています。しかし普及しているのは実在型看護診断いわゆる健康障害をもつ人々を対象とした診断です。健康な人々を対象とするウエルネス型看護診断は,NANDAをはじめ,さまざまな看護理論に基づくアセスメントガイドラインをみても,診断名はほとんど開発されていません。
日本の看護職の中で,健康な人々を対象とし,最も早く職業的確立をなしたのが助産師でした。これまで助産師は,独立して開業の形態をとり,実践にあたり,事実上,助産診断を行ってきました。しかし残念なことに,それらは個人の知と技として完結し,身近な人にのみ伝えられ,体系化はされてきませんでした。
平成元(1989)年に看護師等学校養成所指定規則が改正され,「助産診断学」が1つの授業科目となりました。折しも看護診断の導入・普及が始まり,助産や母児の看護にかかわる診断を明確にする必要に迫られました。
こうした状況を背景に,助産・母性看護領域のウエルネス型看護診断の開発が要請されるようになりました。そこで,平成9(1997)年,私どもは日本助産診断・実践研究会を発足させ,まずは核となるマタニティ診断の開発に取り組み始めました。爾来7年,紆余曲折を経て,平成16(2004)年にようやくまとめ上げ,『マタニティ診断ガイドブック』(医学書院)として上梓することができました。しかし,まだまだ完成とは言い難く,その後も研修会や各学会での交流集会等での意見も参考にしながら検討を続け,平成19(2007)年に改訂第2版を発刊することができました。
一方,『マタニティ診断ガイドブック』の発行と同時進行で,マタニティ看護診断に関する基本的な考え方から活用の実際までを一冊にまとめることにも取り組んでまいりました。濃密な議論・検討の2年余りの月日を経て,ようやく発行の運びとなったのが本書です。マタニティ診断の概要に始まり,妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の各期の診断類型と診断名のつけ方について詳細に解説,さらに診断を根拠としたケア計画とそれを用いた事例で構成いたしました。
ウエルネス型看護診断に基づいた母性看護についての著書はいくつかありますが,本書は,(1)日本の文化や伝統を重んじ,看護職者のみならずケアの受け手である対象者にもわかりやすい診断名であること,(2)ウエルネスの意味を十分にふまえ,問題志向ではなく,対象者の強みや力を生かしつつ,現時点よりもベターな健康生活やライフスパンに応じた課題達成を支援する根拠としての診断であること,(3)診断のための診断に陥ることのないよう,看護実践との関連を重要視し,診断に基づく看護計画まで視野に入れることを重視してまとめ上げました。
これらの意図するところをお汲みとりいただき,教育の場,臨床の場で活用されることを願ってやみません。そして,本書で提唱しておりますマタニティ診断の妥当性についてご意見をいただければ,この上ない幸せと存じます。
本書発刊に際し,高木貴美子さんをはじめとする医学書院関係者の皆さまの辛抱強いご支援をいただきましたことを記し,心から感謝申し上げます。
2007年 若葉萌える季節に
目次
開く
第1章 マタニティ診断概論
I マタニティ診断理解のために
II マタニティ診断のプロセス
III マタニティ診断類型
IV マタニティ診断の診断名
V マタニティ診断とケアの実践・成果
VI 今後の課題と展望
第2章 妊娠期のマタニティ診断
I 妊娠期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 妊娠期のマタニティ診断のプロセス
III 妊娠期の診断類型と診断名のつけ方
IV 妊娠期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる妊娠期のマタニティ診断の実際とケア計画
第3章 分娩期のマタニティ診断
I 分娩期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 分娩期のマタニティ診断のプロセス
III 分娩期の診断類型と診断名のつけ方
IV 分娩期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる分娩期のマタニティ診断の実際とケア計画
第4章 産褥期のマタニティ診断
I 産褥期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 産褥期のマタニティ診断のプロセス
III 産褥期の診断類型と診断名のつけ方
IV 産褥期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる産褥期のマタニティ診断の実際とケア計画
第5章 新生児期のマタニティ診断
I 新生児期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 新生児期のマタニティ診断のプロセス
III 新生児期の診断類型と診断名のつけ方
IV 新生児期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる新生児期のマタニティ診断の実際とケア計画
索引
I マタニティ診断理解のために
II マタニティ診断のプロセス
III マタニティ診断類型
IV マタニティ診断の診断名
V マタニティ診断とケアの実践・成果
VI 今後の課題と展望
第2章 妊娠期のマタニティ診断
I 妊娠期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 妊娠期のマタニティ診断のプロセス
III 妊娠期の診断類型と診断名のつけ方
IV 妊娠期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる妊娠期のマタニティ診断の実際とケア計画
第3章 分娩期のマタニティ診断
I 分娩期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 分娩期のマタニティ診断のプロセス
III 分娩期の診断類型と診断名のつけ方
IV 分娩期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる分娩期のマタニティ診断の実際とケア計画
第4章 産褥期のマタニティ診断
I 産褥期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 産褥期のマタニティ診断のプロセス
III 産褥期の診断類型と診断名のつけ方
IV 産褥期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる産褥期のマタニティ診断の実際とケア計画
第5章 新生児期のマタニティ診断
I 新生児期のマタニティ診断の特徴と着目点
II 新生児期のマタニティ診断のプロセス
III 新生児期の診断類型と診断名のつけ方
IV 新生児期のマタニティ診断とケア計画
V 事例にみる新生児期のマタニティ診断の実際とケア計画
索引
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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