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疾患別摂食嚥下障害へのアプローチ DVD 第5巻

脳性麻痺を中心とした小児疾患

シリーズ監修:藤島 一郎
編集:弘中 祥司

  • 発行 2020年10月
  • 価格 38,500円 (本体35,000円+税10%)
  • JAN4580492610360
医療現場で重要度が増している摂食嚥下障害を、概念から治療法まで映像で解説!
摂食嚥下障害へのアプローチ法を疾患別に解説したDVD全6巻セットの第5巻。チーム医療でアプローチする摂食嚥下障害に対し、どのようなアセスメントを行い、どのようなタイミングでどのようなアプローチをなすべきか、編者による解説を臨場感あふれる臨床場面の映像とともに具体的に示す。摂食嚥下障害について学ぶ医療系学生に最適のDVD教材であるとともに、臨床で日々摂食嚥下障害に接する医療職にも大いに役立つ内容である。
序 文
監修の序

 このたび,医学書院から実際の臨床に役立つ摂食嚥下障害のビデオ制作を依頼され,約2年の歳月をかけて全6巻のシリーズを完成させることができた。摂食嚥下障害は各種疾患により引き起こされる症状である。結果として起こることは原因疾患によらず,口から食べられなくなるとともに,呼吸...
監修の序

 このたび,医学書院から実際の臨床に役立つ摂食嚥下障害のビデオ制作を依頼され,約2年の歳月をかけて全6巻のシリーズを完成させることができた。摂食嚥下障害は各種疾患により引き起こされる症状である。結果として起こることは原因疾患によらず,口から食べられなくなるとともに,呼吸器合併症(誤嚥窒息)を併発し,脱水低栄養に陥るのであるが,その病態は大きく異なり,対処法も変わってくる。本シリーズでは代表的な疾患を取り上げ,その特徴と病態の理解を深めていただいたうえでアプローチを考えるという構成を取っている。
 各巻の編集者は現在,第一線で活躍している臨床医であり,各ビデオでは基本を押さえるとともに最先端の知見を盛り込んである。摂食嚥下を理解するためには動画が不可欠であるが,随所に代表的な動画が配置され,興味深く見ていると,いつの間にか理解が深まる。何度見直してもその都度新発見があると思われる。

 本シリーズで取り上げられなかった疾患も多い。認知症,食道疾患および術後,末梢神経障害,頸椎疾患,COPDなど細かく見て行けばきりがない。それらの疾患による嚥下障害に対しての対処法は,各ビデオをマスターしていただければ必ずや他の疾患にも応用が利くと思われる。
 それから,検査法,経管栄養法,訓練法とそのコツ,手術法,口腔ケア,倫理的な問題など臨床場面で直面する数々の問題点についても,各ビデオにわずかずつ触れられているが,重点的に深く取り上げるべき主題も残されたままである。もし,次の機会があればぜひ取り上げたいと思っている。

 この文章を書いているとき,世界はCOVID-19という恐ろしい感染症に翻弄されている。摂食嚥下障害の臨床も,コロナ時代ともいうべき感染リスクとの戦いのまっただ中にある。嚥下障害につきまとう「むせ」は,飛沫が飛び散り,もし今向き合っている患者が感染者であれば,治療者に感染する恐れが極めて高い。超高齢社会で摂食嚥下障害患者は増えているが,ワクチンや治療薬の開発が遅れコロナに適切な対応できない期間が長引けば,これまで救えていた患者,食べられるようになったはずの患者が大きな被害をこうむることになる。最新の情報を収集して,できることを適切に安全におこないながら,新たな時代の摂食嚥下障害臨床を構築していきたい。なお,新型コロナに対する対処法については日本嚥下医学会のホームページに詳しく書かれているのでご参照いただければ幸いである。

 2020年6月 浜松にて
 藤島一郎
目 次
各巻の概要

第1巻 脳卒中の摂食嚥下障害―球麻痺,ワレンベルグ症候群
 脳卒中は脳の突然の血液循環障害により様々な症状を来す疾患で,摂食嚥下障害の原因疾患の中でも第1位とされている。脳卒中の摂食嚥下障害は大きく球麻痺と偽性球麻痺に分類され,どちらも症状は嚥下障害を来す病態であるが,詳細は大きく異なる。第1巻では脳卒中の摂食嚥下障害の中でもワレンベルグ症候群を中心とした球麻痺について,その原因,歴史,病態,治療法をわかりやすく解説するとともに,興味深い症候を取り上げる。

第2巻 脳卒中の摂食嚥下障害―偽性球麻痺
 脳卒中は摂食嚥下障害の原因疾患の第1位とされているが,その中で偽性球麻痺は球麻痺よりも数が多い。急性期の段階で改善することが多く,急性期,回復期で安全にリハビリテーションをおこない,できる限り機能改善をはかることが重要である。偽性球麻痺の対応はその他の摂食嚥下障害の理解の基本となる。第2巻では偽性球麻痺の摂食嚥下障害について,その病態,診療,治療について解説する。

第3巻 パーキンソン病を中心とした神経変性疾患
 変性疾患とは,原因は不明だが異常な物質が特定の神経細胞に蓄積するなどして,神経細胞の数が減少する疾患である。パーキンソン症状を来す変性疾患は比較的数が多く,第3巻ではその代表格であるパーキンソン病を中心にその疾患概念,嚥下障害について解説し,合わせて進行性核上性麻痺,多系統萎縮症についても解説を加える。それらの疾患の概要,現れる症状とその経過について,理解を深められる。

第4巻 サルコペニアをきたす内科的疾患と誤嚥性肺炎
 サルコペニアとは筋肉の減少のことを言うが,近年サルコペニアは死亡リスクが高いことが判明し注目されている。高齢者では年齢を経るにつれて筋肉量が徐々に落ちてくるが,急性疾患による入院などをきっかけに体の筋肉量がかなり落ちることがある。そしてその影響が嚥下に関連した筋肉にも及び,嚥下障害が起こる。第4巻ではサルコペニアの疾患概念と嚥下障害,そしてその対応について解説する。

第5巻 脳性麻痺を中心とした小児疾患
 わが国の小児医療,障害者医療は療育という形で大きな発展を遂げており,摂食嚥下機能を維持・発達させることもこの療育という考え方に合致する。小児の摂食嚥下障害の原因疾患は様々あるが,第5巻ではこのうち脳性麻痺を中心とした小児疾患について解説する。具体的には,脳性麻痺の分類,上手に食べる条件,乳児の口腔機能の発達,食べる機能の発達,保護者の協力の重要性,経口摂取の重要性,舌圧に関する報告,摂食嚥下障害とその対応,などについて述べる。

第6巻 頭頸部腫瘍術後の嚥下障害とその対応
 頭頸部腫瘍術後の嚥下障害は様々なファクターが複雑に絡み合い,その病態を正確に把握することが極めて重要である。第6巻では,頭頸部腫瘍術後・治療後の嚥下障害に対する対応として,術後嚥下障害検査法,嚥下障害に対する手術治療,放射線化学療法の影響,頸部郭清術の影響,気管切開の問題,難治性誤嚥に対する新戦略,多職種連携の重要性,などについて解説する。