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おだん子×エリザベスの急変フィジカル

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夜間や救急など、臨床現場で遭遇しやすい急変場面で使える、実践的なフィジカルアセスメントを、臨場感あふれる症例の中でわかりやすく解説。身につけておきたい技術と、見逃さないでおきたい観察のポイントが、おだん子ちゃんの成長ストーリーを楽しみながら学べる1冊。明日からのキラキラのケアに役立てよう!
志水 太郎
発行 2018年05月判型:A5頁:122
ISBN 978-4-260-03543-9
定価 2,420円 (本体2,200円+税)

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はじめに

 はじめまして,志水太郎と申します。僕はこれまで日々の診療のほかに後輩の教育にも積極的に関わってきました。そんな中,あるときから看護師さんとも一緒に勉強会を行うようになりました。看護師さんたちとの交流からわかったことは,看護師は医師とは違う視点で患者さんを診ているということでした。たとえば医師は診断をするけれど,看護師は「診断」よりは「判断」,という部分などもそうかもしれません。
 看護師さんと勉強会をするときは急性期の内容を行うことが多いです。その中でよく思うのは,看護師には医師のように検査を行わないぶんアナムネ(病歴)やフィジカルアセスメントが特に大切だということです。このことを踏まえ,これまでの勉強会で得られた看護師さんたちの学びのニーズに応えるように“現場ですぐ使える”“わかりやすい”フィジカルアセスメントについて書いたのが本書です。もともとは「週刊医学界新聞看護版」(医学書院)の連載だったのですが,嬉しいことに好評をいただき,このたび書籍として出版させていただけることになりました。
 この本の特徴は,現場でよく遭遇しやすい急変の場面で使える実用的なフィジカルが,臨場感あふれる症例の中で紹介されていることです。各章は1話完結型なので,勤務中のちょっとした休み時間などに1章ずつお読みいただくこともできます。また,各章には「キラキラフィジカル」というまとめと,「急変ポイント」という項目で,学ぶべきポイントが分かりやすくまとまっています。新人ナースはもちろん,経験のあるリーダーナースにもきっとお役に立てると思います。
 さらに,主な登場人物の新人ナースのおだん子ちゃんの成長もサイドストーリー的にお楽しみいただけると思います。もう1人の主人公,ベテランナースのエリザベス先輩とのやり取りや,最後にはアッと驚く展開も待っています。お楽しみに!
 本書でもう1つ力を入れたのは装丁やイラストです。おだん子の世界観をビジュアル化するにはこの方しかいない! と思い,以前より個人的に大ファンだった蛯原あきら先生にぜひ! とお願いしました。とても幸運なことに,ご依頼をお受けいただくことができました。蛯原先生は僕の予想をさらに超え,見事なまでにおだん子とエリザベスのキャラクターと世界観を綺麗に描いて下さいました。心より感謝申し上げます。蛯原先生のイラストは,他紙でもお世話になっている人気イラストレーターのつぼいひろき先生の御助力なくしては実現しませんでした。重ねて感謝申し上げます。
 最後に,連載当時から看護監修として元看護師の観点からのアドバイスで支えてくれた,今では絵本作家の妻に感謝します。いつもありがとう。

 この本が,明日からの皆さんのキラキラのケアに活きることを願っています。

 2018年4月
 志水太郎

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はじめに
登場人物紹介

第1章 フィジカルの基本を押さえよう
 第1夜 ドクターコール,その前に(呼吸数)
 第2夜 危険な6つの胸痛(血圧)
 第3夜 気になる「生あくび」(脈拍/心拍)

第2章 ショックを見分ける
 第4夜 末梢で見きわめる
 第5夜 肺音で見きわめる
 第6夜 ジトッとした汗にはご用心

第3章 フィジカルの「A」「B」「C」
 第7夜 A(Airway)の3秒フィジカル
 第8夜 B(Breathing)の3秒フィジカル
 第9夜 C(Circulation)の3秒フィジカル

第4章 ショックの予兆を察知する
 第10夜 顔色の変化に要注意
 第11夜 家族からの「何かおかしい」
 第12夜 「だるい」は危険
 第13夜 基礎疾患が隠すもの

第5章 急変にあわてない! フィジカルの極意
 第14夜 息を吐けない病気
 第15夜 真実は末梢に宿る

さくいん

付録 ひと目でわかる! キラキラフィジカル総まとめ

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新人だけでなく,ベテランの後輩指導にも役立つ
書評者: 津田 雅子 (医療法人宝生会PL病院看護部長)
 フィジカルアセスメントは,患者の状態を把握し,緊急性があるかないかを判断し,必要とされる治療や看護につなぐ目的で行われます。看護職にとってフィジカルアセスメントは必須のスキルです。

 『おだん子×エリザベスの急変フィジカル』は2016年1月25日発行の『週刊医学界新聞(看護版)』に掲載された連載第1回目(第1夜)から,大変興味深く,毎月楽しみに読んでいました。「わかりやすいな。現場ですぐ役立つな」と思い,病院の各部署にもこの連載を案内していました。今回1冊の書籍として発刊され,活字も大きく読みやすくなりました。

 本書は,夜間や救急など,現場で遭遇しやすい急変場面で使える,実践的なフィジカルアセスメントが症例の中でわかりやすく説明されています。ぜひ身につけておきたい技術,見逃さないでおきたい観察のポイントが満載です。また,装丁やイラストが素敵で,堅苦しくなく,誰もがすぐ手に取ってみたくなる本です。

 早々に各部署に1冊ずつ購入したところ,現場の看護師からの感想は「患者の急変前にはサインがあることが書かれている。サインを見逃さないためには,日ごろの観察が大切だと実感している」「表紙がかわいいので気軽に手に取って読める。1章1夜ずつで,読み切りやすい」と,たいへん好評です。患者の急変を見逃さず,適切な対応を身につけるために,とても役立つ内容が簡潔かつ明瞭に表現されています。各章ごとに,「急変ポイント」や「エリザベス先輩のキラキラフィジカル」,「おだん子のメモ」で,学びのポイントがわかりやすくまとめてあります。経験の浅い看護師にも,ベテランの後輩指導にも役立ちます。

 さらに,ありがたいことに付録として,ポケットに入れて勤務中いつでも使える「ひと目でわかる! キラキラフィジカル総まとめ」カードが付いています。バッグに入れて持ち歩けば,職場以外の場所でも活用できます。

 近年では,在宅や介護老人保健施設で過ごされる患者さんにかかわる看護師も増えてきました。看護師がドクターコールや救急車コールするときに,的確なアセスメントができ,患者の生命を救えることにつながると思います。ぜひ,多くの看護職に本書を読んでいただき,成功体験を積み重ねていただきたいと思います。

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