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DVDで学ぶ 身体侵襲を伴う看護技術

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繰り返して身につけるべき看護技術をDVDと本との双方から学べる技術の手引。注射、吸入、吸引、導尿、浣腸の5つの技術のエビデンスを本で、具体的な手法をDVDで見ることにより身につけられる。
掛橋 千賀子 / 真嶋 由貴恵 / 奥山 真由美
発行 2006年04月判型:B5頁:184
ISBN 978-4-260-00092-5
定価 3,080円 (本体2,800円+税)
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  • 目次
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序章 身体侵襲を伴う看護技術の向上のために
 I 技術の上達には反復学習が重要
 II デモストの真似だけでは,技術は身につかない
 III CD-ROM教材の誕生
 IV 卒業までに身につけておくべき技術
 V 本書を使いこなす方法
第1章 注射の技術
 I 概説
 II 準備--共通項目
 III 皮内注射(IC)
 IV 皮下注射(SC)
 V 筋肉内注射(IM)
 VI 静脈内注射(IV)
 VII 点滴静脈内注射(DIV)
 VIII 注射の技術における安全対策器具
第2章 採血の技術
 I 概説
 II シリンジ採血
 III 真空採血
第3章 酸素吸入の技術
 I 概説
 II 中央配管による供給方法(セントラルパイピング)
 III 酸素ボンベによる供給方法
 IV 共通項目
第4章 噴霧吸入の技術
 I 概説
 II 超音波ネブライザーによる方法
 III 加圧式ジェットネブライザーによる方法
第5章 気道確保のための吸引の技術
 I 概説
 II 気道確保のための吸引
第6章 導尿の技術
 I 概説
 II 共通項目
 III 一時的導尿
 IV 持続的導尿
 V 留置カテーテルの抜去
第7章 浣腸の技術
 I 概説
 II グリセリン浣腸
 III 坐薬による浣腸
索引

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DVDの画像と臨床現場に即した内容で得られる高い学習効果 (雑誌『看護管理』より)
書評者: 山崎 憲子 (岡山市立市民病院看護部長)
◆いま求められている「看護実践力の向上」に対応

 医療制度改革が叫ばれ,医療の高度専門化の進む現在,看護を取り巻く環境も大きく変化している。そうした社会情勢において,当院の担っている役割および使命は「地域社会と住民が求めている保健・医療・福祉サービスの提供」であり,なかでも「質の高い安全な医療の提供」は,最も重要な課題のひとつである。したがって,患者の視点に立った安全な看護の提供が強く求められている臨床現場では,新人看護師教育の如何がそれを左右するともいえる。

 実際,現場では新人看護師に早期から即戦力としての力量を求めるきらいがあり,それによって生まれやすい医療事故への不安が,早期離職につながる場合も考えられる。このことについて厚生労働省は,「第2回 看護基礎教育の充実に関する検討会」を開催し,看護教育の現状と課題の中で「臨床現場と教育現場のギャップ」について議論した。また日本看護協会は,厚生労働省に「看護職員の卒後臨床研修の制度化」の要望を提出しており,教育の継続性については今後の大きな検討課題である。

 そうしたなか,このたび発行された本書は,まさに現在求められている現場の看護師の「看護実践力の向上」に対応したものである。DVDの画像を見ると,映像・音声ともに優れており,臨床現場にも即した内容で,大いに学習効果を得ることができる。従来,身体侵襲を伴う看護技術はデモンストレーションによる指導が中心であったが,本書を見ればそれと同様にリアルにイメージ化ができる。さらに,個人のペースで繰り返し学習できるという強みもある。

◆看護技術指導に幅広く役立つ

 本書の特色を挙げるなら,以下のようになるだろう。

(1)看護業務の知識および技能を確認し,根拠に基づいた看護技術の理解が深まる。

(2)各技術のアセスメントの視点と記録の要点が確認,理解でき,実際に活用できる。

(3)各技術項目ごとのチェックリストにより,学習の自己評価ができる。

(4)DVDで網羅しきれない細やかな内容は,図・写真でわかりやすく解説されており,理解にもれがない。

(5)臨地実習において看護学生が行なう基本的な看護技術として示された「技術を支える構成要素」である,「知識と判断」「説明と同意」「実施方法」「安全・安楽の確保」「プライバシーの保護」「指示確認」「評価と報告」などを,本書により十分理解できる。

 以上のことから,新人看護師やそれを指導する先輩看護師はもちろん,看護学生や看護教員も幅広く使用できる。個々に対応した看護技術指導に役立てることができる本書は,臨床看護師の質の向上をめざす看護管理者にも,強く推奨できるものである。

(『看護管理』2006年8月号掲載)
新人に求められる看護技術の向上に最適
書評者: 大久保 茂美 (おおもと病院看護師)
◆新人が十分看護技術がこなせない現状

 医療技術が高度化・複雑化しているなかで,看護師に求められる能力は多様化している。特に,新卒者の技術の現状は,それとはほど遠い。基礎教育を終えているとはいえ,現実には彼女らの看護技術は未熟で,ほとんど体験していない技術も少なくない。その背景には,基礎教育のなかでの技術面での学習にかける時間の少なさや,医療安全管理体制の強化などにより臨地実習で実践できることが限られているという状況がある。実際,当院でも「診療の補助」に関する技術は,臨地実習ではほとんど実践できていない。そのうえ,学内実習の時間も限られているのだから,学生だけを責めるのは酷な現状があるのは確かである。

 そこで,この現実を理解したうえで,入職時のオリエンテーション後も,自信をもって技術がこなせるまでは,プリセプターをはじめスタッフ全員で指導するようにしている。経験によって技術は身についていくが,それでも1人で自信をもってできるようになるまでには時間がかかり,途中で挫折する新卒者もいる。新卒者にとって,技術が未熟であることが患者に苦痛を与えることになりかねないため,その現実に自信を失うこともある。そうならないためには,基礎から卒後へと少しずつ積み上げていくような看護技術の教育が必要ではないだろうか。

◆臨床でも,細やかな技術教育が可能

 本書は,このような現状にある学生が看護技術を習得することを助けてくれるDVD付き教材である。臨地実習で実践できない看護技術を,限られた学内の実習で補うために,このDVDを授業の事前学習に使用し,援助技術を具体的にイメージさせ,実習への導入を図ることを本書では提案している。授業後も復習に使用することで,反復的な学習効果がある。

 また,本書は,基礎教育だけでなく卒後教育へと継続的に役立てることができる。現在,当院での入職当初の集合的教育は,指導者によるデモストレーションを交えながらの研修だが,この集合教育の際に本書を使用することで,1つの技術の流れを細かく確認しながら,実技の指導をすることができるだろう。

 実際に使用する物品や実施方法などは職場により細かな違いがあるため,指導する際に修正の必要はあるが,新卒者自身が指導を受けた後も反復して自己学習できるというメリットがある。また,指導者により指導方法に差が出てしまい,新卒者が戸惑うこともあるが,本書を利用することで,その統一が図れ,正確な技術の習得に役立てられると考える。

 安全な医療を提供できるように,そして新卒者が自信をもって看護できるように,臨床現場においても,看護技術力の育成のために取り入れたい教材である。

書評 (雑誌『看護教育』より)
書評者: 水戸 優子 (神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科助教授)
 現在,注射や吸引のような身体侵襲を伴う看護技術について,学生が臨地実習で患者の同意を得て,実際に実施することは難しい状況にある。学内演習において学生間で実施することも,安全面や倫理上の配慮から少なくなっている。したがって,身体侵襲を伴う技術を実際に習得する機会は少なく,そのためか,学生の看護技術の習得不足が多く指摘されている。しかし,看護基礎教育においてこのような看護技術の習得を,卒後継続教育へと先延ばししてよいということではなく,どのようにして学習の機会をつくるか,教材の開発も含めて教育上の課題であると言えよう。

 本書は,身体侵襲を伴う注射,採血,吸入,吸引,導尿,浣腸の看護技術についてDVDと解説書から学ぶ構成になっている。DVDには,看護技術の一連の手順と留意点を中心に収められており,解説書は目的,適応,実施上の留意点,DVDのチェックポイント,方法と根拠が明確に示されている。

 DVDは,従来のVHSビデオに比べると映像そのものが格段とクリアである。収録されている各看護技術は,スタンダードプリコーションに応じた感染予防の手順を含む臨床場面に即した標準的な方法である。一連の技術の場面を見ることができるのはもちろんのこと,特定の技術の場面を選んで見ることが可能であるため,いま学びたいところを瞬時に,かつくり返して見ることができる。

 解説書には,方法に対応した根拠が整理されており,学習者のペースで文字から理解することができる。ちょっとしたコラムがあり,学習動機を高めるのに役立っている。

 DVDと解説書を併用することで,学生それぞれが学びたいところに焦点をおいてくり返し学習することを容易にする。もちろん教員のデモンストレーションの補助的教材としても有効であろう。しかも従来の解説書やVHSビデオ教材と比較して低価格であり,学生,教員が持っていて損のない一冊と言えるであろう。

(『看護教育』2006年7月号掲載)
テキストと映像とが完全に連動した画期的教科書
書評者: 山内 一史 (岩手県立大学看護学部教授)
 結論からまず述べさせていただくと,本書の最大の特徴は,テキストの部分だけで十分な看護技術の教科書となり,DVDもまたそれ自身で十分な教材となり,その両者がしっかり連動していることだと思います。これは当たり前のことかもしれませんが,従来のテキスト付録の教材や,AV教材付属の解説では,なかなか実現できなかった点です。

 具体的には,テキストで身体侵襲を伴う看護技術のスキル実践に特化して書かれており,具体的な手順が「方法」の欄に書かれるとともに,並行して「根拠」の欄が設けられ,はっきり根拠を意識しながら実践技術を身に付けることができます。各技術にチェック表が付いていることも,身に付けた技術を学生自らがチェックし,自信を得る手段として,効果的な工夫だと思います。また,テキストの中で読んだだけではわかり難い動作の部分も,DVDのどこを見ればよいか明示されているため,しっかり目で見て納得して確認することができます。

 DVDでは,実際の臨床場面で応用して用いられる方法や物品などが示され,テキストで写真やイラストが多用されていることもあり,DVDを見た時,基本的な技術・動作の理解から臨床での実習場面での実践まで,学生の思考が途切れることなく連続して入っていけるよう配慮されています。細かい部分では,必要以上に顔のアップが長すぎると思われる場面や,現在の大学病院レベルの現場ではほとんど用いられない物品が見られると感じる箇所もありますが,教科書では往々にしてある傾向で,今後の改訂のなかで改善されてゆくものと思います。

 さらに,この本のキャッチフレーズである,「身体侵襲に伴う技術の反復確認には,何度でも再生できるDVDのようなメディアが最適である」ということも,言われてみれば当然と納得させられます。多くの点で,なぜ今まで無かったのか反省させられる,コロンブスの卵が本書であると言えるでしょう。

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