マッチング対策

まえがき

　マッチング．

　それは，卒業試験・医師国家試験とともに，医学部6年間を締めくくるにふさわしいイベントの1つです．

　マッチング関連の書籍はすでにいくつか存在しますが，
　「実践でもっと使える方法論が欲しい」
　「ぶっちゃけたことをもっと知りたい」
　「人気病院にも対応できる本が欲しい」
　「マッチングってなにから始めたらいいの？」
……などと，多くの医学生が迷いながら進んでいることを肌で感じています．

　皆さんが医師として活躍する頃には，医学部定員の増加や専門医制度の変革の影響をモロに受けるので，いずれ自分の将来を決める上で誰かと競争しなければならない場面が必ず出てくることでしょう．そのため，どのような研修を行ったかというのは非常に重要なファクターになるといわれています．特に初期研修をどこで行ったかというのは出身大学よりも重視される傾向にあるので，しっかりマッチングに取り組むのは国試以上に重要といえるかもしれません．

　マッチングは人が人を選ぶという行為であり，ある程度不確定要素が絡むため，色々な意見が出てくるのは当然です．有益な情報だけならよいですが，流れてくる情報の中には皆さんを混乱させてしまうマイナスの情報も含まれています．……そして，その多くが皆さんの進路を変えてしまうほどの大きなパワーを持っているので，困ったものです．
　マッチングは自分の将来を決めていく大切な過程です．「進路」という自分の道を誤らずに進むためには，一本根幹となる指針が必要ですよね．

　そこで私の出番です．

　本書の前半は主に外してはいけないポイントを，後半は自分自身をより活かすための著者オリジナルの方法論が満載になっています．本書を読みきったあとには不思議と力が湧いてくることでしょう．そして，人間的にも成長できる，そんな本を目指して作成しました．もちろん，楽しく読めつつ分かりやすいという「まとめてみたシリーズ」に共通するコンセプトは外しておりません（^^）！　皆さんが本書を読んで活躍することを心から願っております．

　（……買って良かった！って言ってもらえたら，嬉しいなぁ）

　2016年1月
　天沢ヒロ

第1章　医学生の就職活動
　1-1　医学生の就職活動を甘くみないこと
　1-2　希望通りにマッチする人は意外に少ない
　1-3　アルゴリズムは医学生に有利
　1-4　見学を始めるべきは5年生夏
第2章　行きたい病院を見つける
　2-1　病院探しは自分1人でやろう！
　2-2　大学病院か市中病院か
　2-3　見かけの数値に騙されない
　2-4　第1志望は3つ必要！？
　2-5　予定表の作成
　2-6　初めての見学
　2-7　病院説明会は行くべきか
第3章　行きたい病院が見つかったら
　3-1　見学に備える
　3-2　見学の申し込み方法を知る
　3-3　何科に見学に行くのが正解か
　3-4　メールの文面は定型通りでOK
　3-5　書類作成は公式化してしまおう！
　3-6　封筒作成も手を抜かないこと
第4章　見学は準備が9割
　4-1　見ることリストをつくる
　4-2　聞くことリストをつくる
　4-3　偉い人の名前を覚える
　4-4　ホテルに泊まるための準備
第5章　いざ見学！　すでに勝負は始まっている
　5-1　君たちの成功は約束されている！
　5-2　持ち物の最終チェック
　5-3　遅刻は絶対厳禁！
　5-4　医学生に求められることは「挨拶」
　5-5　意欲をみせること
　5-6　逆質問には要注意！
第6章　見学後の行動で差がつく！
　6-1　御礼メールを忘れない
　6-2　あとは同じことを繰り返すだけ
　6-3　予定を立て直す
　6-4　2回目以降の見学は目的が変わる
第7章　試験を受ける前にやるべきこと
　7-1　参加登録をお忘れなく
　7-2　履歴書の作成
　7-3　自分という人間を熟知し，人に説明できる
　7-4　病院側にとってどのような利があるかを明確にする
　7-5　おもしろい履歴書をつくる
　7-6　細かいことイロイロ
第8章　いざ試験！　素の自分で勝負！
　8-1　当たり前のことを当たり前にする
　8-2　面接の極意
　8-3　筆記試験の極意
　8-4　小論文の極意
第9章　試験を終えたら
　9-1　マッチング順位登録
　9-2　順位登録に際して，必ず出回るデマ情報
　9-3　中間発表をどう捉えるか
　9-4　結果発表！
第10章　著者が答えるQ&A
第11章　先輩のアドバイス&失敗談
　11-1　先輩たちの失敗談
　11-2　マッチングを振り返る先輩たち