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がん診療レジデントマニュアル 第7版

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1997年に初版が刊行され、はや20年弱。レジデントの執筆によるレジデントのためのマニュアルとしてスタートした本書は、この間、がん診療の現場で多くの医療従事者に活用されてきた。昨今のがん薬物療法の進歩は目覚ましく、最新の情報を適切に日々の診療に反映させるために、本書の果たす役割はますます大きくなっている。2人に1人ががん罹患の時代、がんに携わる医療者の必携書としてぜひポケットに!
*「レジデントマニュアル」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ レジデントマニュアル
国立がん研究センター内科レジデント
発行 2016年10月判型:B6変頁:544
ISBN 978-4-260-02779-3
定価 4,400円 (本体4,000円+税)
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第7版の序

 このたび,第7版の『がん診療レジデントマニュアル』が刊行されることになりました。本書はタイトル通りレジデントを対象読者と設定して執筆していますが,これまで上級医ががん薬物療法専門医試験の対策に活用したり,看護師,薬剤師のみなさんが現場で使用したりしているのを目にします。本書が「内容の深さ」と「読みやすさ」という一見相反する要素をうまく調和させ両立させている結果,想定よりも広い読者層を得ることができ,また初版以来約20年という長きに渡るご支持をいただけているのではないかと想像しています。
 今回は,2016年春までの最新の情報をもとに執筆しました。がん薬物療法の進歩は早く,カットオフの期限を決めないと,新しい(が,しかし非常に)重要な情報を掲載すべきかどうかを編集のたびに悩むことになるからです。
 本版も,国立がん研究センターのレジデント諸氏が原稿を執筆し,編集責任者6人が内容を詳細にレビューして何度も推敲と校正を重ねて完成させる,というこれまでの基本スタイルを踏襲しています。何を知りたいか,何を知らないかを一番よくわかっている現役レジデントの希望をしっかりと反映させ,かつ最新の知識と情報をしっかりと盛り込んだ,“現場で使える”これ以上ないマニュアルに仕上がったのではないかと思います。
 がん領域においては,2006年に「がん対策基本法」が成立し,2012年に「第2次がん対策推進基本計画」が策定され,来年2017年はその最終評価がなされることになります。がんの克服は国家を挙げての事業であり,国民の悲願でもあります。そのような崇高な仕事に関わり日々努力されているすべての医療者の皆様に本書を捧げたいと思います。

 2016年9月
 国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍内科医長 向井博文

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 1 がん診療とインフォームド・コンセント
 2 がん薬物療法の基本概念
 3 臨床試験
 4 肺がん・悪性胸膜中皮腫
  肺がん/悪性胸膜中皮腫
 5 乳がん
 6 頭頸部がん
 7 甲状腺がん
 8 食道がん
 9 胃がん
10 大腸がん
11 肝・胆・膵がん
  肝臓がん/胆道がん/膵がん
12 婦人科がん
  子宮頸がん/子宮内膜がん/卵巣がん(上皮性卵巣がん)
13 泌尿器腫瘍
  腎細胞がん/膀胱がん/上部尿路がん(腎盂・尿管がん)/前立腺がん
14 胚細胞腫瘍
15 造血器腫瘍
  急性骨髄性白血病/骨髄異形成症候群/慢性骨髄性白血病/
  急性リンパ性白血病/成人T細胞白血病/リンパ腫/悪性リンパ腫/多発性骨髄腫
16 骨・軟部肉腫
17 皮膚がん
18 原発不明がん
19 脳腫瘍
20 がん性胸膜炎・がん性腹膜炎・がん性髄膜炎・がん性心膜炎
  がん性胸膜炎/がん性腹膜炎/がん性髄膜炎/がん性心膜炎
21 感染症対策
22 がん疼痛の治療と緩和ケア
  緩和ケア/精神的ケア
23 骨髄抑制
24 消化器症状に対するアプローチ
25 抗悪性腫瘍薬の調製・投与方法と漏出性皮膚障害
26 がん治療における救急処置-オンコロジック・エマージェンシー
27 腫瘍随伴症候群

付録1 抗悪性腫瘍薬の種類
付録2 抗悪性腫瘍薬の略名
付録3 体表面積算定表

あとがき
和文索引
欧文索引

Memo
終末期の化学療法
免疫チェックポイント阻害薬-複合的免疫療法について
遺伝子パネル
RET,BRAFを標的とした肺がん治療
希少肺がんの治療開発に関する取り組み-LC-SCRUM-Japan
リキッドバイオプシー(liquid biopsy)
AYA(adolescent and young adult)
画期的新薬(ブレークスルー・セラピー)
B-cell receptor signal pathwayとB細胞リンパ腫
B細胞リンパ腫と細胞療法
ミスマッチ修復異常と抗PD-1抗体
非小細胞肺がんにおける臨床研究でのエンドポイントについて
アナモレリンと悪液質
コンパニオン診断薬

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良いチーム医療を行うために全医療職に推奨
書評者: 西田 俊朗 (国立がん研究センター中央病院病院長)
 私が専門医をめざし臨床で修練をしていた時代,コンパクトにその領域の知識や情報をまとめてくれた本がどれだけ欲しかったことか。今でもそういう要望を持つ研修医やレジデントは多い。これまでその課題解決を目標に多くの本が出版されてきたが,満足するものがほとんどなかったのが現実である。

 『がん診療レジデントマニュアル』の初版は1997年にさかのぼり,以来20年,国立がん研究センターの若手医師・レジデントが,実際に自分たちにとって役に立つ,欲しい・知りたい情報を徹底的に書き込んで作ってきた。幸いこれまで非常に高い評価を得ている。がん診療に関わる情報はこの間,指数関数的に増え,膨大なものとなった。このたび出版された第7版は,そのような状況にありながら,がん診療の基本——インフォームドコンセントや臨床試験,がん薬物療法の考え方から,各がんの診療に必須の医学知識や情報,診断・治療法,薬剤情報を網羅し,しかもコンパクトである。確かにこれほどよくまとまった本はない。

 しかも内容は最新。遺伝子パネル,Liquid biopsyやミスマッチ修復異常と免疫チェックポイント治療薬の効果と,ごく最近のトピックスまで網羅されている。

 がん診療では高度の専門性に加え,医療の質や医療安全,患者満足度の向上等が求められる。そのためには多職種によるチーム医療が必須である。良いチーム医療を行うには,各チームメンバーががん医療の共通知識をシェアすることが欠かせない。その簡潔なまとまり方や内容のわかりやすさを鑑みると,医師だけでなく,がん医療に携わる看護師,薬剤師等にも,ぜひ目を通していただきたい本である。

 標準的ながんの知識を漏れなくかぶさりなく(MECE),網羅しているこの本は,臨床現場に臨む若手の医療職皆に,自信を持って推奨できる。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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