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医療福祉総合ガイドブック 2014年度版

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医療・福祉サービスを利用者の生活場面に沿って解説したガイドブックの2014年度版。最新情報をフォローし、医療・福祉制度がより理解しやすくなるように解説を見直し、大幅刷新! 全国共通で利用頻度の高い制度から地域によって異なるサービス例まで、幅広く網羅。利用者からの相談に素早く、より確実に対応するための医療・福祉関係者必携の1冊。
本書は2014年2月末日までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合がありますので,あらかじめご了承ください。
編集 NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会
編集代表 村上 須賀子 / 佐々木 哲二郎 / 奥村 晴彦
発行 2014年04月判型:A4頁:312
ISBN 978-4-260-01955-2
定価 3,630円 (本体3,300円+税)
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はじめに

 本書『医療福祉総合ガイドブック』を発行し続けて14年になります。
 医療機関等に勤めるソーシャルワーカーが集まり,地域の社会資源に関する情報と実践から得た経験を交換していく過程で,医療従事者だけでなく,広く一般の方にも情報や経験を届けたいという思いから本書の制作は始まりました。そして,それぞれが集積した情報や工夫してつくりあげてきた紹介方法を持ち寄ってきました。
 社会資源の情報は,長い間,国による一元的な制度設計のもと,措置制度により全国どこの市町村でも同じしくみで動いてきました。法律や省令等を一冊にまとめた出版物が数冊手元にあれば,医療の場での相談には事足りてきたといっても過言ではなかったのです。しかし,社会福祉基礎構造改革と,その後の介護保険制度のスタートにより,毎年,医療,福祉,介護いずれかの制度が変わるようになったため,そういった情報を正確に把握し,わかりやすく解説することに腐心しながら編集作業を行ってきました。
 措置制度から契約制度への転換は,社会資源の利用者にも変化をもたらしました。社会資源を利用する"申請”が必要とされ,契約のためには,役所や専門職に任せるのではなく,知って選択し使う必要が生じてきました。インターネットで手軽に検索できるようになったとはいえ,利用者が,年々変わる制度,しくみの異なる医療保険,介護保険や福祉サービスの関連を理解し,リサーチし,自分の事情に当てはめて使いこなすためには相当なエネルギーが求められます。
 本書では,社会資源をわかりやすく紹介するために,制度名などを一言で現し,「内容」「利用できる人」などの項目で解説しました。さらに,各地の先進事例や社会資源の課題等も「コメント」として紹介しています。さまざまな事例を数多く経験することで得た情報も俯瞰して把握できるように数多くの図や表にまとめました。
 また,社会資源を実際に利用して気づくこと,利用できなかった利用者の無念さを新たなしくみづくりに活かすための提言などを「コラム」にまとめ,問題提起しています。このような構成は,ガイドブック編集にかかわる個々のソーシャルワーカーが,領域別にチームを編成して取り組んできた成果であるといえます。
 用語についても,難解な言葉づかいを避け,お役所言葉を使わず,恩恵的に資源を利用するのではなく権利意識に基づいて利用できるように配慮してきました。
 この14年間に取り組んできた本書の営みを振り返ってみます。
 「社会保障のしくみ」の章を設けたのは,社会保障を構成する制度を体系的に把握する必要があると考えたからです。また,国の進めようとする社会保障制度の見直しが,制度の根幹を揺るがし,国民負担を増やすことに危機感を持ったため,警鐘を鳴らす章として位置づけてきました。
 また,「ワーキングプア」「格差」「年越し派遣村」が時代のキーワードになった厳しい経済,雇用状況に対応して,「お金のこと」や「雇用」をワンストップでひも解けるように章を再編してきました。
 2012年度版より,「自然災害等にあった人のために」という章を設けています。東日本大震災による未曾有の被害を受けた生活に対する保障が,通常の社会保障制度とは異なる内容であるからです。
 そして,2014年度版では,VIII章に「社会資源活用とソーシャルワーク」を追加し,新たに挑戦する思いで作業にあたりました。
 近年の国による一元的な制度設計,しくみづくりを概観すれば,「ソーシャルワークとコミュニティ」「地域」への流れが感じられます。「社会福祉基礎構造改革」は,「措置」から「契約」への変換を決定づけるとともに「地域福祉」を重視することを方向づけました。他方,患者・当事者やその関係者が展開してきた住民運動やソーシャルアクションによって創られてきた新たな社会資源づくりが,同じ頃に誕生したNPO法人による介護や福祉の実践をはじめとした,より小さな地域単位でのしくみづくりの共通認識になってきた感があります。
 個別支援のみならず,地域のネットワークづくり,コミュニティソーシャルワークが志向され,高齢者分野の地域包括支援センター,障害者分野の障害者基幹相談支援センターは地域活動を主要な事業に位置づけています。同様に,矯正施設退所後に地域で生活できるように支援する「地域生活定着支援センター」や「子育て支援センター」「若者サポートステーション」など,いずれの分野においても地域活動を課題解決のフィールドとして位置づけています。さらに,地域包括ケアは,医療,保健,介護,福祉など,人びとの生活を取り巻く諸整備を地域において一体的,総合的に利用できるようにしようとしています。
 社会福祉の技法としてコミュニティワークが位置づけられながら,「コミュニティソリューション」という言葉で語られることが多くなっています。地域の協働による課題解決を目的とした社会的起業,ソーシャルファームなどの手法を用いた実践例も生まれています。また,コミュニティワークは,社会福祉協議会を中心とした伝統的な地盤で福祉を実践するという形態から,NPOを軸にした課題解決型の形態に変化しつつあるように思えます。今やコミュニティワークは,福祉や保健分野だけが展開する時代ではなくなったといえます。社会資源の情報は提供されるだけでなく,地域でつくり,つなぎ,つくりかえるものとして,動的なものとしてそれぞれの地域で共有できることを願っています。

 なお,本書編集の「NPO法人日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます。

 2014年3月
 編集代表 村上須賀子 佐々木哲二郎 奥村晴彦

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I 社会保障のしくみ
 社会保障のしくみ
  (1)社会保障とは
  (2)社会保険とは
  (3)公的扶助(生活保護)とは
  (4)社会保障を利用するときに
  (5)制度利用時の支援のしくみ
 サービス利用の窓口・支援する人

II 医療サービス
 病院選び-よりよい選択をするために
  (1)今日の医療提供体制と医療制度改革
  (2)医療サービスの概要
   A 医療機関の構成
  (3)医療機関の種類
   A 医療法による区分
   B 診療報酬制度による区分
   C 医療対策・医療関連各法による区分(拠点病院)
   D その他の法による区分
  (4)一般病院における医療サービス
   A 入院
   B 在宅と施設-地域連携の意義と活用する社会資源
   C 在宅
  (5)精神科における医療サービス
   A 精神科という医療への受診
   B 入院
   C 入院の形態
   D 退院請求・処遇改善請求
   E 在宅へ向けて利用できるサービス
   F 在宅
 医療費に困ったとき
  (1)国民皆保険制度
  (2)医療費自己負担を軽くするために
   A 高額療養費制度
   B 医療費軽減制度
   C 自治体によって異なる医療費補助
   D 被害者救済医療
   E 税制上の軽減制度

III 生活費としごと
 生活費
  (1)公的扶助
  (2)資金貸付制度
  (3)公的年金
  (4)手当
  (5)公共料金等の減免・割引
 しごと
  (1)雇用保険制度
  (2)就職支援

IV 高齢者サービス
 高齢者サービスのガイド
  (1)介護保険のしくみ
  (2)介護保険の手続き
  (3)相談するところ
 高齢者サービスの実際
  (1)介護保険サービスの費用
  (2)サービス提供事業所
 住まい
 暮らすところで利用するサービス
 出向いて利用するサービス

V 障害児・者サービス
 障害児・者サービスの実際
  (1)相談支援
  (2)障害福祉サービスのしくみ
   A サービスのしくみ
   B サービス利用の流れ
   C 障害支援区分の認定
  (3)サービスの実際
  (4)障害児の福祉サービス
   A 利用の手続き
   B 障害児通所・入所支援
  (5)障害児・者の費用負担
   A 障害者の費用負担
   B 障害児の費用負担
   C 補装具の費用負担
   D 日常生活具の費用負担
   E 費用負担の軽減措置
 障害児・者サービスのガイド
  (1)身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
  (2)手帳で利用できる制度
  (3)発達障害者への支援
  (4)高次脳機能障害者への支援
 難病患者のために
 住まい
  (1)共同生活するところ
  (2)居住サポート
  (3)公営住宅への入居
  (4)住宅の改造
 暮らすところで利用するサービス
  (1)地域移行支援
  (2)介護サービス
  (3)暮らしを豊かにする用具
 出向いて利用するサービス
  (1)日中活動のイメージ
  (2)介護サービス
  (3)活動支援のサービス
 おでかけ
  (1)のりもの
  (2)自動車関係
  (3)移動支援
 しごと
 自助グループ(セルフヘルプグループ)
  (1)自助グループって?
  (2)本人のグループ
  (3)家族のグループ
  (4)障害者虐待防止法と支援のしくみ
   A 障害者虐待とは
   B 支援のしくみ

VI 家庭・児童(子ども)のために
 家庭・児童(子ども)のために
  (1)子どもの手当
  (2)医療費自己負担の軽減
  (3)医療保険からの給付
  (4)貸付
  (5)しごと
  (6)乳幼児・児童の保護と育成
   A 相談するところ
   B 入所施設
   C 社会的扶養
   D その他
  (7)子育てサポート
  (8)就学のための支援
  (9)児童虐待防止法と支援のしくみ
   A 児童虐待とは
   B 支援のしくみ
  (10)DV防止法と支援のしくみ
   A DVとは
   B 支援のしくみ

VII 自然災害等にあった人のために
 自然災害等にあった人のために
  (1)大規模自然災害等の保障
  (2)医療サービス
  (3)生活と住まい・しごと
   A 生活
   B 住まい
   C しごと
  (4)高齢者サービス
  (5)母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
  (6)その他の支援

VIII 社会資源活用とソーシャルワーク
 社会資源活用とソーシャルワーク
  (1)社会資源を利用したソーシャルワーカーの支援
  (2)社会資源を使う
  (3)ソーシャルワーカーの仲介,調整,連携
  (4)社会資源の創設
  (5)地域包括ケア

資料編
 1.全国のいのちの電話
 2.都道府県における医療ソーシャルワーカーに関する問い合わせ先
 3.意識障害の評価スケール
 4.労働者災害補償保険法障害等級表
 5.自動車損害賠償保障法後遺障害等級表
 6.重度心身障害者医療費助成制度の例
 7.生活保護における地域の級地区分
 8.国民年金障害等級表,厚生年金障害等級表,厚生年金障害手当金
 9.特別障害者手当障害程度
 10.身体障害者障害程度等級表
 11.精神障害者保健福祉手帳障害等級表
 12.高次脳機能障害診断基準
 13.精神障害のある人たちのグループ
 14.身体に障害や難病のある人たちのグループ
 15.知的障害のある人たちのグループ
 16.障害者総合支援法の対象疾患と難病患者等居宅生活支援事業の対象疾患の対応表
 17.子ども医療費助成制度,乳幼児医療費助成制度の自己負担の例
 18.ひとり親家庭等医療費助成制度
 19.無料低額診療施設

索引

コラム
 子どものうちから学ぶ社会保障/退院支援は誰のため? 社会資源をマネジメントするということ/地域ケアで活かす訪問看護サービス/保護者制度がなくなりました/精神障害の労災認定について知っていますか?/TPPの医療への影響/基準改定が「改悪」になった特別控除の廃止/生活保護法改正による不安/産休中の保険料負担免除がスタートします/主婦年金問題と救済制度/年金を考える-現在から未来へ/障害年金受給が厳しくなった!?/原爆症認定制度の動向について/がんと就労/「老後どこでどんな生活がしたい?」……あなたなら何と答えますか?/介護予防サービスが市区町村へ移行/障害者差別解消法を実りあるものに/地域移行支援の対象拡大について/妊娠期からの育児支援について/拡大,充実する子ども医療費助成制度/社会的起業/福祉とまちづくり

ミニ知識
 労災保険のメリット制/悲しみのなかでも必要な各種手続き/社会資源とソーシャルワーカーの役割/地域連携パスの利用/水俣病に関する補償/不服申立て/生活保護の相談・開始・適用に関する厚生労働省通知/生活保護の内容で知っておきたいこと/生活保護手帳と別冊問答集/民生委員/緊急小口資金(緊急援護資金)/特別児童扶養手当等の給付(生活保護受給家庭の場合)/産科医療補償制度/「直接支払い制度」と「受取代理制度」の違い/ネットワークとコーディネート/地域包括ケア,コミュニティワーク/ソーシャルアクション/社協とNPO

ミニ事例
 MSWとの連携と利用者の想いに寄り添った支援/知ってますか? 20歳になったら国民年金は義務です/初診日の証明に困ったとき/働き盛りのFさん,がんで長期療養が必要になったとき/傷病手当金の事例

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行政や地域で働く保健師の“バイブル” (雑誌『保健師ジャーナル』より)
書評者: 大井 美紀 (高知大学教育研究部医療学系看護学部門)
 長年の『医療福祉総合ガイドブック』“ユーザー”の1人として,本書を紹介します。本書は,「『社会資源』がソーシャルワーカーによって活用されるものだけではなく,利用者のものでなければならない」と考える,医療機関等に勤めるソーシャルワーカーらの熱意から誕生し,発刊から14年の歴史をもつ,きわめて信頼のおけるガイドブックです。

 私が本書と出会ったのは,2001年(当時の書名は『介護保険時代の医療福祉総合ガイドブック』)です。当時,私は看護系大学の地域看護の教員として保健師教育に携わっており,活動事例を通して保健師の役割を学生に伝えていました。しかし,社会福祉基礎構造改革と介護保険制度のスタートにより,毎年,医療・福祉・介護のいずれかの制度が変わり,既存の経験・知識だけでは追いつかず頭を悩ませておりました。そんなとき,保健所で障害保健を担当していた友人から,本書を紹介してもらいました。その後,職場は社会福祉施設,病院,教育機関へと変わりましたが,私にとって本書が必携の書であることに変わりはありません。

 本書を主に行政や地域で働く保健師に薦めるのは,保健師は支援対象者を疾患や障害別で区切るのではなく,「地域で生活する人」として捉え,当事者や家族が主役となる支援を,地域でつくり,つなぎ,つくりかえていく必要があり,そのためには,個々のニーズや状況に適した社会資源の情報をタイミングよく適応させる技が重要だからです。また,昨年出された厚生労働省健康局通知「地域における保健師の保健活動について」(平成25年4月19日健発第419001号)では,「保健師は,健康問題を有する住民が,その地域で生活を継続できるよう,保健,医療,福祉,介護等の各種サービスの総合的な調整を行い(中略)地域のケアシステムの構築に努めること」が明示されました。しかし,年々変わる制度や,仕組みの異なる各種保険や福祉サービスの関連を理解し,情報を収集し,状況にあてはめ使い込むのは,専門職であってもかなりの労力を要します。そんなとき,本書はバイブルとなります。

 本書の構成上の工夫として,(1)全体像の俯瞰と,具体的な細部の情報が得られる(豊富な図表,具体事例,裏表紙の「ライフステージからみた社会保障」など),(2)社会資源の利用者が権利意識にもとづいて主体的に活用できる(用語の使い方や「資料編」など),(3)通常の社会保障とは異なる未曾有の自然災害を受けた生活への保障に関する章を設けている,(4)制度上の問題提起やソーシャルワークへの提言が「コラム」や「社会資源活用とソーシャルワーク」という章で紹介されていることなどがあげられます。

 本書は,「学部生や社会人大学院生にもわかりやすい」「実践が見える」と好評です。とくに,「コラム」は,学生たちが課題研究を深めるにあたって大いに活用されています。最後に,本書を購入された方には,次年度版が出たら必ず買い換えることをお勧めいたします。

(『保健師ジャーナル』2014年7月号掲載)
保健,医療,福祉にかかわるすべての人のためのテキスト (雑誌『看護教育』より)
書評者: 波川 京子 (川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科)
 本書前身の『介護保険時代の医療福祉総合ガイドブック』が刊行された頃,介護保険制度が動き出し,社会福祉士や介護福祉士など福祉専門職の需要拡大が見込まれ,全国の大学に福祉関連の学部・学科の新設が相次いだ。

 専門職を養成するためには,その専門性に見合った内容を当該専門職が執筆したテキストが必要であり,より専門性を高めるために,細分化された科目別のテキストもつくられる。また,看護学もそうであったが,新たな領域は隣接分野の教育体系や理論,技術を応用しながら専門分野として確立されていく。看護分野のなかの保健師教育の保健医療福祉行政や保健医療福祉制度,在宅福祉サービス提供,家庭訪問技術,在宅看護技術などは福祉分野に多く応用されてきた。本書は,福祉専門職の教育体系構築と専門性強化のために渇望されたガイドブックであった。

 「はじめに」で,「医療機関等に勤めるソーシャルワーカーが集まり,地域の社会資源に関する情報と実践から得た経験を交換していく過程で,医療従事者だけでなく,広く一般の方にも情報や経験を届けたいという思いから本書の制作は始まりました」と編者たちが述べているように,本書は隣接分野での活用を想定した編集になっている。『医療福祉総合ガイドブック』という書名のとおり,生涯を通じて活用できる社会保障の制度を一覧的に網羅し,保健・医療・福祉が総合的に理解できるように編集された内容であり,章立ては,「社会保障のしくみ」「医療サービス」「生活費としごと」「高齢者サービス」「障害児・者サービス」「家庭・児童(子ども)のために」「自然災害等にあった人のために」「社会資源活用とソーシャルワーク」と構成されている。巻末の「資料編」には,障害等級の内容,全国の政令指定都市の子ども医療費助成制度,障害などの患者会,いのちの電話に加え,掲載されることが少ない無料低額診療施設などに関する情報が収録されている。

 保健・医療・福祉関係法規は,新法制定や再三の改正が年々繰り返されていて,必然的に,保健・医療・福祉の教育内容や科目名も変わる。実践者は利用者に対する説明も変えなければならない。その点,本書は,毎年改訂されているため,保健・医療・福祉関係の教育者,実務者,学生,国家試験受験者,制度を利用したい人などの強い味方になっている。

 本書は,行政制度を解説するだけの書籍とは異なり,版を重ねることで,他分野でも“使える”テキストに進化してきたのである。評者が所属する学科でもテキストとして採用しており,また,他分野の関係者が福祉分野の守備範囲の広さを理解するためにも役立つ書籍といえる。

(『看護教育』2014年7月号掲載)

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