臨床検査 第7版
本書の特長
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●診療の現場では、「臨床検査」を欠かすことはできません。医師の補助や患者の介助、検体移送などにおける注意事項を「看護のポイント」として記載しました。また、看護師が実施することも多い簡易検査や、検査機器の精度管理、検査結果の取り扱い(守秘義務)などについても触れています。
●なぜこのような反応・数値が出るのかを知ることで、病態と解剖生理の知識がつながります。解剖生理学の授業と並行しての学習もできるように、イラストなどを適宜配置して解説を加えました。
●本書には各診療科で行われる検査が横断的にまとめられており、主要な検査項目の知識を網羅しています。授業や実習だけにとどまらず、新たに働きはじめた臨床現場でも、リファレンスとして役だてることができます。
*「系統看護学講座」は2018年版より新デザインとなりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座 |
---|---|
編集 | 奈良 信雄 |
執筆 | 荒木 昭博 / 井上 智子 / 碓氷 章 / 叶内 匡 / 川良 徳弘 / 北川 昌伸 / 常川 勝彦 / 東條 尚子 / 東田 修二 / 奈良 信雄 / 前川 真人 / 松本 哲哉 / 村上 正巳 / 森村 匡志 / 山田 一郎 / 和田 隆志 |
発行 | 2014年01月判型:B5頁:368 |
ISBN | 978-4-260-01803-6 |
定価 | 2,420円 (本体2,200円+税) |
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- 序文
- 目次
序文
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はしがき
医療は病〈やまい〉に悩む人々に治療を行って,心身を健康な状態に戻し,社会生活に復帰させる行為をいう。それには生活習慣を改善するなどして病気になるのを予防したり,後遺症に対してリハビリテーションなどを行うことも含まれる。
このように医療は幅広い領域に及ぶ行為であるが,現代における医療には大きく2つの特徴があげられる。それは,多職種の協働・連携によるチーム医療と,科学的根拠に基づく医療である。
チーム医療の実践
人々の病気を治療し,また健康を増進するには,多くの医療職が協力し,それぞれの専門性を発揮することが求められる。
医師は病気を診断し,薬物療法や手術などで治療を行う。看護師は看護ケアを通じて,患者の心身の回復を担当する。薬剤師は調剤や服薬指導を行う。管理栄養士は患者の栄養管理や,栄養食事療法を担当する。臨床検査技師は臨床検査を実施し,診療放射線技師はX線撮影や放射線治療を担当する。このほかにも理学療法士や作業療法士,言語聴覚士など,多くの職種が医療にかかわり,チームを組み,協力して医療を行っている。
科学的根拠に基づく医療
また現代では,科学的根拠に基づいて医療が行われることが求められている。ヒポクラテスの時代以来,医療はおもに経験と伝承によって行われてきた。しかし20世紀以降,科学が急速に発展し,ものごとの理論的な背景がはっきり示されるようになった。医療においても治療や処置の効果が科学的に証明され,根拠に基づいて実践されるようになり,さらに発展を続けている。
臨床検査を学ぶ意味
さて,こうした現代の医療の特徴を着実に活用し,高度の医療を行って人々の健康をまもり増進するには,医療職が共通の知識を持って議論することが重要である。病棟などではカンファレンス(臨床討論)が行われ,医療職が真剣に話し合って,個々の患者に最適の医療を行う計画をたてて実行される。
こうした討論をスムーズに行うには,医療職すべてが共通の言語を使って,患者の病態や治療方針,治療効果,ケアプラン策定などについて話し合わなくてはならない。その共通言語の1つが臨床検査である。病気の診断や治療方針を決定するには,臨床検査を欠かすことはできない。したがって,すべての医療職は臨床検査の意義や目的を理解し,検査データを解釈できることが望まれる。
しかしながら,数多くあるすべての臨床検査について理解しておくことは,けっしてやさしいことではない。そこで本書は,看護師を目ざして勉学に励む看護学生,また医療の現場で活躍している看護師に対し,臨床検査をわかりやすく学んでもらうために編集された。
本書を活用して,看護ケアの実践に役だてていただきたいと願う。
改訂の趣旨
本書は,第6版に対して寄せられた読者の意見も参考にしながら改訂され,よりわかりやすく,それでいて最新の情報を盛り込んだものとなった。その多くは新たな執筆者によって書かれたものであり,日々進歩を続ける臨床検査の知識が加えられた。
第7版では,基本的な構成は第6版を踏襲しつつ,全体に看護の視点を加えることを意識した。以下に大きな変更点をあげる。
まず第1部については,第6版では第3章で系統別に診療における臨床検査の進め方を示していたが,第7版ではそれを割愛し,初学者が検査の流れをわかりやすく理解できることに重きをおいて構成をあらためた。
第1章では,外来や入院,健康診断などの場面別に各臨床検査がイメージできるように解説した。また第2章では,臨床検査における看護師の役割や,臨床現場または学生の実習における医療事故防止のための記述をより充実させた。
つづく第2部では,各領域別の検査方法や検査機器などについて内容が刷新された。とくに第10章の生体検査については,睡眠ポリグラフ検査や内視鏡検査など,看護師が補助・介助を行うことの多い検査を書き加え,一層有用性を高めることとした。
紙面にはイラストや写真が多数追加され,視覚的にも理解がしやすくなっている。さらに,検査項目ごとに検査前の準備や検体採取時の注意など,看護師が押さえておかなければならない具体的なポイントを示した。
そして巻末には,おもな検査項目の基準値を整理して掲載した。基準値は測定方法や施設によって違いが出るが,学習の際の目安として活用してほしい。
改訂版の編集にあたり,多くの執筆者にご協力をいただいた。ここに厚く御礼を申し上げる。
2013年11月
編者 奈良信雄
医療は病〈やまい〉に悩む人々に治療を行って,心身を健康な状態に戻し,社会生活に復帰させる行為をいう。それには生活習慣を改善するなどして病気になるのを予防したり,後遺症に対してリハビリテーションなどを行うことも含まれる。
このように医療は幅広い領域に及ぶ行為であるが,現代における医療には大きく2つの特徴があげられる。それは,多職種の協働・連携によるチーム医療と,科学的根拠に基づく医療である。
チーム医療の実践
人々の病気を治療し,また健康を増進するには,多くの医療職が協力し,それぞれの専門性を発揮することが求められる。
医師は病気を診断し,薬物療法や手術などで治療を行う。看護師は看護ケアを通じて,患者の心身の回復を担当する。薬剤師は調剤や服薬指導を行う。管理栄養士は患者の栄養管理や,栄養食事療法を担当する。臨床検査技師は臨床検査を実施し,診療放射線技師はX線撮影や放射線治療を担当する。このほかにも理学療法士や作業療法士,言語聴覚士など,多くの職種が医療にかかわり,チームを組み,協力して医療を行っている。
科学的根拠に基づく医療
また現代では,科学的根拠に基づいて医療が行われることが求められている。ヒポクラテスの時代以来,医療はおもに経験と伝承によって行われてきた。しかし20世紀以降,科学が急速に発展し,ものごとの理論的な背景がはっきり示されるようになった。医療においても治療や処置の効果が科学的に証明され,根拠に基づいて実践されるようになり,さらに発展を続けている。
臨床検査を学ぶ意味
さて,こうした現代の医療の特徴を着実に活用し,高度の医療を行って人々の健康をまもり増進するには,医療職が共通の知識を持って議論することが重要である。病棟などではカンファレンス(臨床討論)が行われ,医療職が真剣に話し合って,個々の患者に最適の医療を行う計画をたてて実行される。
こうした討論をスムーズに行うには,医療職すべてが共通の言語を使って,患者の病態や治療方針,治療効果,ケアプラン策定などについて話し合わなくてはならない。その共通言語の1つが臨床検査である。病気の診断や治療方針を決定するには,臨床検査を欠かすことはできない。したがって,すべての医療職は臨床検査の意義や目的を理解し,検査データを解釈できることが望まれる。
しかしながら,数多くあるすべての臨床検査について理解しておくことは,けっしてやさしいことではない。そこで本書は,看護師を目ざして勉学に励む看護学生,また医療の現場で活躍している看護師に対し,臨床検査をわかりやすく学んでもらうために編集された。
本書を活用して,看護ケアの実践に役だてていただきたいと願う。
改訂の趣旨
本書は,第6版に対して寄せられた読者の意見も参考にしながら改訂され,よりわかりやすく,それでいて最新の情報を盛り込んだものとなった。その多くは新たな執筆者によって書かれたものであり,日々進歩を続ける臨床検査の知識が加えられた。
第7版では,基本的な構成は第6版を踏襲しつつ,全体に看護の視点を加えることを意識した。以下に大きな変更点をあげる。
まず第1部については,第6版では第3章で系統別に診療における臨床検査の進め方を示していたが,第7版ではそれを割愛し,初学者が検査の流れをわかりやすく理解できることに重きをおいて構成をあらためた。
第1章では,外来や入院,健康診断などの場面別に各臨床検査がイメージできるように解説した。また第2章では,臨床検査における看護師の役割や,臨床現場または学生の実習における医療事故防止のための記述をより充実させた。
つづく第2部では,各領域別の検査方法や検査機器などについて内容が刷新された。とくに第10章の生体検査については,睡眠ポリグラフ検査や内視鏡検査など,看護師が補助・介助を行うことの多い検査を書き加え,一層有用性を高めることとした。
紙面にはイラストや写真が多数追加され,視覚的にも理解がしやすくなっている。さらに,検査項目ごとに検査前の準備や検体採取時の注意など,看護師が押さえておかなければならない具体的なポイントを示した。
そして巻末には,おもな検査項目の基準値を整理して掲載した。基準値は測定方法や施設によって違いが出るが,学習の際の目安として活用してほしい。
改訂版の編集にあたり,多くの執筆者にご協力をいただいた。ここに厚く御礼を申し上げる。
2013年11月
編者 奈良信雄
目次
開く
第1部 臨床検査の基礎
第1章 臨床検査とその役割 (奈良信雄)
A 診療における臨床検査の役割
B 臨床検査の種類
C 臨床検査の場面と目的
D 臨床検査結果の評価
第2章 臨床検査の流れと看護師の役割 (奈良信雄・井上智子)
A 臨床検査の流れ
B 臨床検査の準備
C 検査を受ける患者への説明と注意
D 検体の採取法,保存・移送法
E 検査に伴う危険とその防止
F 簡易迅速検査機器と検査の実施
G 生体検査とその介助
H 検査結果の取り扱い
第2部 おもな臨床検査
第3章 一般検査 (奈良信雄)
A 尿検査
B 便検査
C 体腔内貯留液検査
D 脳脊髄液(髄液)検査
E 関節液検査
F 消化液検査
第4章 血液学的検査 (奈良信雄・東田修二)
A 赤血球沈降速度(赤沈;血沈)
B 血球検査
C 出血・凝固検査
D 溶血性貧血の検査
E 骨髄検査
第5章 化学検査 (前川真人・和田隆志)
A 血清タンパク質の検査
B 血清酵素の検査
C 糖代謝の検査
D 脂質代謝の検査
E 胆汁排泄関連物質の検査
F 窒素化合物の検査
G 骨代謝関連検査
H 腎機能の検査
I 水・電解質の検査
J 血液ガス分析
K 鉄代謝関連検査
L 銅代謝関連検査
M ビタミンの検査
N 血中薬物濃度の検査
第6章 免疫・血清学検査 (東田修二)
A 炎症マーカーの検査
B 液性免疫の検査
C 細胞性免疫の検査としての血球細胞表面マーカー
D 自己抗体の検査
E アレルギー検査
F 免疫学的妊娠反応の検査
G 腫瘍マーカーの検査
H 輸血に関する検査
第7章 内分泌学的検査 (村上正巳・森村匡志・常川勝彦)
A 下垂体前葉ホルモンの検査
B 下垂体後葉ホルモンの検査
C 甲状腺ホルモンの検査
D 副甲状腺ホルモンの検査
E 副腎皮質ホルモンの検査
F 副腎髄質ホルモンの検査
G 男性性腺ホルモンの検査
H 女性性腺ホルモンの検査
I 膵臓ホルモンの検査
J 消化管ホルモンの検査
K その他のホルモンの検査
第8章 微生物学検査 (松本哲哉)
A 感染症の診断と検査
B 各種感染症と検査
C 各種病原体と検査
第9章 病理検査 (北川昌伸)
A 細胞診
B 病理組織検査
C 剖検診断
第10章 生体検査 (川良徳弘・東條尚子・碓氷章・叶内匡・山田一郎・荒木昭博)
I 生理機能検査
A 循環機能検査
B 呼吸機能検査
C 神経機能検査
II 画像検査
A 超音波検査
B 磁気共鳴画像(MRI)検査
C サーモグラフィー
III 内視鏡検査
巻末資料 おもな検査項目と基準値
索引
Column,NOTE
間違ったダイエットがまねく貧血
検体の採取と保存
肉中心の食事と尿のpH
白血球数の異常低値
播種性血管内凝固(DIC)の検査法
栄養評価タンパク質
健康な人のCK異常高値
ペプシノゲンを用いた胃がんスクリーニング(ABC検診)
血糖値が1,000mg/dL
グリコヘモグロビンの国際標準化
メタボリックシンドローム
骨粗鬆症と骨代謝マーカー
CKDの重要性
さまざまな酸塩基平衡の緩衝系
急性白血病患者の骨髄移植
ホルモンの測定法
成人成長ホルモン分泌不全症
低トリヨードサイロニン症候群(low-T3症候群)
新生児マススクリーニング
検査結果は診療にどのように反映されるか
菌血症と敗血症
ベセスダシステム
電子顕微鏡診断
観血的血圧測定
標準12誘導心電図
呼吸機能検査のおもな略語
ピークフローメーター
酸素と二酸化炭素の拡散
第1章 臨床検査とその役割 (奈良信雄)
A 診療における臨床検査の役割
B 臨床検査の種類
C 臨床検査の場面と目的
D 臨床検査結果の評価
第2章 臨床検査の流れと看護師の役割 (奈良信雄・井上智子)
A 臨床検査の流れ
B 臨床検査の準備
C 検査を受ける患者への説明と注意
D 検体の採取法,保存・移送法
E 検査に伴う危険とその防止
F 簡易迅速検査機器と検査の実施
G 生体検査とその介助
H 検査結果の取り扱い
第2部 おもな臨床検査
第3章 一般検査 (奈良信雄)
A 尿検査
B 便検査
C 体腔内貯留液検査
D 脳脊髄液(髄液)検査
E 関節液検査
F 消化液検査
第4章 血液学的検査 (奈良信雄・東田修二)
A 赤血球沈降速度(赤沈;血沈)
B 血球検査
C 出血・凝固検査
D 溶血性貧血の検査
E 骨髄検査
第5章 化学検査 (前川真人・和田隆志)
A 血清タンパク質の検査
B 血清酵素の検査
C 糖代謝の検査
D 脂質代謝の検査
E 胆汁排泄関連物質の検査
F 窒素化合物の検査
G 骨代謝関連検査
H 腎機能の検査
I 水・電解質の検査
J 血液ガス分析
K 鉄代謝関連検査
L 銅代謝関連検査
M ビタミンの検査
N 血中薬物濃度の検査
第6章 免疫・血清学検査 (東田修二)
A 炎症マーカーの検査
B 液性免疫の検査
C 細胞性免疫の検査としての血球細胞表面マーカー
D 自己抗体の検査
E アレルギー検査
F 免疫学的妊娠反応の検査
G 腫瘍マーカーの検査
H 輸血に関する検査
第7章 内分泌学的検査 (村上正巳・森村匡志・常川勝彦)
A 下垂体前葉ホルモンの検査
B 下垂体後葉ホルモンの検査
C 甲状腺ホルモンの検査
D 副甲状腺ホルモンの検査
E 副腎皮質ホルモンの検査
F 副腎髄質ホルモンの検査
G 男性性腺ホルモンの検査
H 女性性腺ホルモンの検査
I 膵臓ホルモンの検査
J 消化管ホルモンの検査
K その他のホルモンの検査
第8章 微生物学検査 (松本哲哉)
A 感染症の診断と検査
B 各種感染症と検査
C 各種病原体と検査
第9章 病理検査 (北川昌伸)
A 細胞診
B 病理組織検査
C 剖検診断
第10章 生体検査 (川良徳弘・東條尚子・碓氷章・叶内匡・山田一郎・荒木昭博)
I 生理機能検査
A 循環機能検査
B 呼吸機能検査
C 神経機能検査
II 画像検査
A 超音波検査
B 磁気共鳴画像(MRI)検査
C サーモグラフィー
III 内視鏡検査
巻末資料 おもな検査項目と基準値
索引
Column,NOTE
間違ったダイエットがまねく貧血
検体の採取と保存
肉中心の食事と尿のpH
白血球数の異常低値
播種性血管内凝固(DIC)の検査法
栄養評価タンパク質
健康な人のCK異常高値
ペプシノゲンを用いた胃がんスクリーニング(ABC検診)
血糖値が1,000mg/dL
グリコヘモグロビンの国際標準化
メタボリックシンドローム
骨粗鬆症と骨代謝マーカー
CKDの重要性
さまざまな酸塩基平衡の緩衝系
急性白血病患者の骨髄移植
ホルモンの測定法
成人成長ホルモン分泌不全症
低トリヨードサイロニン症候群(low-T3症候群)
新生児マススクリーニング
検査結果は診療にどのように反映されるか
菌血症と敗血症
ベセスダシステム
電子顕微鏡診断
観血的血圧測定
標準12誘導心電図
呼吸機能検査のおもな略語
ピークフローメーター
酸素と二酸化炭素の拡散
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