緩和ケア 第2版
本書の特長
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●第2版で全ページカラー化し、豊富な図表とともに事例をあげながら解説しています。
●緩和ケアはがんだけではなく、多様な疾患をかかえる患者に必要とされます。また、終末期だけではなく、診断時、早期から病変部の治療とともに痛みなどの症状緩和を行うべきだと考えられています。
●全人的苦痛の考え方をベースに、身体的ケア・精神的ケア・社会的ケア・スピリチュアルケアの具体的実践について述べています。症状マネジメントとして、身体症状18項目、精神症状4項目を取り上げています。
●チーム医療、倫理的課題、コミュニケーション・意思決定支援に関する章も設けています。
●緩和ケアの基礎知識が身につくとともに、臨床に出てからも十分活用いただける内容になっています。
*「系統看護学講座」は2018年版より新デザインとなりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座 |
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編集 | 恒藤 暁 / 内布 敦子 |
執筆 | 明智 龍男 / 安達 美樹 / 荒尾 晴惠 / 内布 敦子 / 江藤 美和子 / 大内 紗也子 / 川崎 優子 / 河 正子 / 栗原 幸江 / 桑田 美代子 / 小迫 冨美恵 / 田村 恵子 / 恒藤 暁 / 西谷 葉子 / 濱口 恵子 / 二見 典子 / 丸 光惠 / 吉岡 とも子 |
発行 | 2014年01月判型:B5頁:336 |
ISBN | 978-4-260-01818-0 |
定価 | 2,420円 (本体2,200円+税) |
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はしがき
がん対策基本法が2006(平成18)年に成立して7年が経過した。がん対策推進基本計画が見直され,2013(平成25)年から第2期のがん対策が推進されている。緩和ケアは前期から今期でも重要課題の1つとされている。早期から患者に提供されることがより明確にわかるように「がんと診断されたときからの緩和ケア」という表現にかわった。外来での緩和ケア提供体制をより充実させ,療養の場をコミュニティに移行できるような対策もとられつつある。また,小児緩和ケアやがん患者の就労支援も強調され,緩和ケアは広がりをみせている。さらに治療の進歩により,再発後の治療の選択肢も増え,ときにはがん治療は終末期でも継続される状況が生まれている。まさしく治療と緩和ケアの両方を駆使して人々のQOL向上に貢献することが求められ,ギアチェンジという言葉の意味も変化してきているように思われる。
緩和ケアの技術は薬物療法だけではなく,心理社会的サポートやスピリチュアルケアなど,包括的な視点での実践,教育,研究が進み,臨床現場で多面的なアプローチが展開されるようになった。また,「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」が2008(平成20)年から全国で開催され,4万人をこえる医師が受講し,日々の診療にいかされている。看護師に対する緩和ケア教育も進展をみせ,がん対策推進基本計画の第2期には看護師への緩和ケア教育プログラムの開発が含まれ,現在,内容の精錬が進んでいる。薬剤師に対しても,日本緩和医療薬学会による緩和薬物療法認定薬剤師の認定が行われており,多職種チームによる緩和ケアの取り組みもすすめられている。
まだ十分とは言いがたいが,このように緩和ケアは医療従事者に確実に普及してきている。第2版では,このような緩和ケアと取り巻く社会的な状況の変化を考慮して,章の構成を変更した。第1版に引き続き,執筆はその領域の第一人者として認知されている方々にお願いした。しかも現場での実践に基づく臨床の知というべき内容がふんだんに織り込まれ,各執筆者のライフワークとも言うべき内容が惜しみなく提示されている。若手のがん看護専門看護師にも一部執筆をお願いした。身体的ケアでは,看護が担う具体的な活動内容を加筆した。症状マネジメントでは,おもに直接的な効果を発揮する医学的介入について記述せざるをえないが,看護の方略についてもできるだけ記述していただいた。
緩和ケアは,患者の生物学的・病態学的な要素だけで書き進めることができない領域である。そのために単純な記述ができない場合もあり,わかりにくい箇所もあると思われる。また,答えが1つではない問いも多く存在する。読者の皆さんからのご意見は大変ありがたく,お気づきのことがあればぜひお知らせいただきたい。一方向の書籍ではなく,読者との対話を大切にする対話型書籍に成長できれば,それはすばらしいことだと思う。執筆者らとともに本書を育てていただけることは,望外の喜びである。
2014年1月
編者ら
がん対策基本法が2006(平成18)年に成立して7年が経過した。がん対策推進基本計画が見直され,2013(平成25)年から第2期のがん対策が推進されている。緩和ケアは前期から今期でも重要課題の1つとされている。早期から患者に提供されることがより明確にわかるように「がんと診断されたときからの緩和ケア」という表現にかわった。外来での緩和ケア提供体制をより充実させ,療養の場をコミュニティに移行できるような対策もとられつつある。また,小児緩和ケアやがん患者の就労支援も強調され,緩和ケアは広がりをみせている。さらに治療の進歩により,再発後の治療の選択肢も増え,ときにはがん治療は終末期でも継続される状況が生まれている。まさしく治療と緩和ケアの両方を駆使して人々のQOL向上に貢献することが求められ,ギアチェンジという言葉の意味も変化してきているように思われる。
緩和ケアの技術は薬物療法だけではなく,心理社会的サポートやスピリチュアルケアなど,包括的な視点での実践,教育,研究が進み,臨床現場で多面的なアプローチが展開されるようになった。また,「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」が2008(平成20)年から全国で開催され,4万人をこえる医師が受講し,日々の診療にいかされている。看護師に対する緩和ケア教育も進展をみせ,がん対策推進基本計画の第2期には看護師への緩和ケア教育プログラムの開発が含まれ,現在,内容の精錬が進んでいる。薬剤師に対しても,日本緩和医療薬学会による緩和薬物療法認定薬剤師の認定が行われており,多職種チームによる緩和ケアの取り組みもすすめられている。
まだ十分とは言いがたいが,このように緩和ケアは医療従事者に確実に普及してきている。第2版では,このような緩和ケアと取り巻く社会的な状況の変化を考慮して,章の構成を変更した。第1版に引き続き,執筆はその領域の第一人者として認知されている方々にお願いした。しかも現場での実践に基づく臨床の知というべき内容がふんだんに織り込まれ,各執筆者のライフワークとも言うべき内容が惜しみなく提示されている。若手のがん看護専門看護師にも一部執筆をお願いした。身体的ケアでは,看護が担う具体的な活動内容を加筆した。症状マネジメントでは,おもに直接的な効果を発揮する医学的介入について記述せざるをえないが,看護の方略についてもできるだけ記述していただいた。
緩和ケアは,患者の生物学的・病態学的な要素だけで書き進めることができない領域である。そのために単純な記述ができない場合もあり,わかりにくい箇所もあると思われる。また,答えが1つではない問いも多く存在する。読者の皆さんからのご意見は大変ありがたく,お気づきのことがあればぜひお知らせいただきたい。一方向の書籍ではなく,読者との対話を大切にする対話型書籍に成長できれば,それはすばらしいことだと思う。執筆者らとともに本書を育てていただけることは,望外の喜びである。
2014年1月
編者ら
目次
開く
第1章 緩和ケアの歴史と現状 (内布敦子)
A 緩和ケアの歴史
B 緩和ケアの理念
C わが国での緩和ケアの現状
D 緩和ケアの展望
第2章 チーム医療 (濱口恵子)
A チーム医療とは何か
B チーム医療の必要性
C チームの型と特徴
D チームの範囲と各メンバーの役割
第3章 緩和ケアにおける倫理的課題 (田村恵子)
A 倫理・生命倫理
B 緩和ケアをめぐる倫理的課題
第4章 緩和ケアにおけるコミュニケーションと意思決定支援 (川崎優子)
A 患者が納得して医療を受けるためのコミュニケーション
B 意思決定を共有するためのコミュニケーションスキル
第5章 緩和ケアの対象者の広がり (内布敦子・丸光惠・桑田美代子)
A 非がん性疾患の患者の緩和ケア
B 小児の緩和ケア
C 高齢者の緩和ケア
第6章 緩和ケアにおける看護介入 (内布敦子)
A 看護介入とはなにか
B 緩和ケアに用いられる看護介入
第7章 身体的ケア (荒尾晴惠・恒藤暁・大内紗也子・西谷葉子・江藤美和子・吉岡とも子・安達美樹)
A 身体的ケアの理論と実践
B 主要な身体症状のマネジメントとケア
第8章 精神的ケア (小迫冨美恵・明智龍男)
A 精神的ケアの理論と実践
B 主要な精神症状のマネジメントとケア
第9章 社会的ケア (栗原幸江)
A 社会的苦痛
B 心理社会的側面を意識したアセスメント
C 社会的苦痛へのアプローチ
D 社会資源の活用
第10章 スピリチュアルケア (河正子)
A スピリチュアリティとはなにか
B スピリチュアルペインの把握
C スピリチュアルケアの実践
第11章 家族ケア (二見典子)
A 家族の定義と家族ケアのあり方
B 家族アセスメントの方法と援助プロセス
C 家族ケアの方法
D 遺族ケア
第12章 緩和ケアにおける看護師教育 (内布敦子)
巻末資料 身体症状マネジメントにおける主要な薬剤一覧 (恒藤暁)
索引
図表索引
事例
A 緩和ケアの歴史
B 緩和ケアの理念
C わが国での緩和ケアの現状
D 緩和ケアの展望
第2章 チーム医療 (濱口恵子)
A チーム医療とは何か
B チーム医療の必要性
C チームの型と特徴
D チームの範囲と各メンバーの役割
第3章 緩和ケアにおける倫理的課題 (田村恵子)
A 倫理・生命倫理
B 緩和ケアをめぐる倫理的課題
第4章 緩和ケアにおけるコミュニケーションと意思決定支援 (川崎優子)
A 患者が納得して医療を受けるためのコミュニケーション
B 意思決定を共有するためのコミュニケーションスキル
第5章 緩和ケアの対象者の広がり (内布敦子・丸光惠・桑田美代子)
A 非がん性疾患の患者の緩和ケア
B 小児の緩和ケア
C 高齢者の緩和ケア
第6章 緩和ケアにおける看護介入 (内布敦子)
A 看護介入とはなにか
B 緩和ケアに用いられる看護介入
第7章 身体的ケア (荒尾晴惠・恒藤暁・大内紗也子・西谷葉子・江藤美和子・吉岡とも子・安達美樹)
A 身体的ケアの理論と実践
B 主要な身体症状のマネジメントとケア
第8章 精神的ケア (小迫冨美恵・明智龍男)
A 精神的ケアの理論と実践
B 主要な精神症状のマネジメントとケア
第9章 社会的ケア (栗原幸江)
A 社会的苦痛
B 心理社会的側面を意識したアセスメント
C 社会的苦痛へのアプローチ
D 社会資源の活用
第10章 スピリチュアルケア (河正子)
A スピリチュアリティとはなにか
B スピリチュアルペインの把握
C スピリチュアルケアの実践
第11章 家族ケア (二見典子)
A 家族の定義と家族ケアのあり方
B 家族アセスメントの方法と援助プロセス
C 家族ケアの方法
D 遺族ケア
第12章 緩和ケアにおける看護師教育 (内布敦子)
巻末資料 身体症状マネジメントにおける主要な薬剤一覧 (恒藤暁)
索引
図表索引
事例
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