腎不全看護 第4版

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腎不全看護テキストの決定版。CKD(慢性腎臓病)の疾患概念に基づいた、病態の基礎知識や看護総論を解説。また、セルフマネジメントやフィジカルアセスメント、透析関連技術など実践的な内容もまとめた。「透析療法指導看護師」認定試験の対応テキスト。
編集 日本腎不全看護学会
発行 2012年07月判型:B5頁:440
ISBN 978-4-260-01560-8
定価 4,620円 (本体4,200円+税)
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第4版の序

 どのような事物も,変わらないものはないというのが世の中を貫く法則です.医療・医学・看護学においても対象は常に変化し,それに対する治療法や医学的知識,薬なども日進月歩の勢いで変化し続けています.そういった変化は,医療者が社会のニーズに応え,課題を克服するために必要不可欠であり,私たち看護師は,それらに敏感に反応しつつ,日々自らの知識や常識を更新し続けていかなければなりません.
 血液透析療法が確立して40年以上が経ちます.腎不全領域の医学的知識も,看護の知識も,黎明期と言われる時代と比較すると大きく変わっています.その中でも,普遍的となっている知識は腎不全看護の実践に必要であり,標準となる知識として,腎不全看護に携わるすべての看護師がもつべきものです.
 したがって本書は,腎不全看護の歴史を踏まえつつ,腎不全看護に必要な知識の中でも,看護の質を高めるために必要な知識,および知識として標準化されている内容を集めることを意図して編集されています.内容としては,初版から第3版を踏まえて項目を整理し,この第4版が作られています.例えば,災害時については社会のニーズに応えることを意図して新たに項目を立て,CKDなど重複する部分は削除するなど構成を更新しています.腎不全看護の実践にとって確かな根拠となるべき内容を目指し,本書の記述の根拠となる文献も記載するようにしました.そして,執筆者によって使っている言葉の差異をできるだけ少なくするように努力しました.
 また,第4版では事例の書き方を刷新し,第5部にモデル事例を提示しました.看護は看護過程に添って展開されます.その看護過程を展開した看護師1人ひとりの判断や行動をていねいに記述し,評価することが,看護実践の質の向上には必要不可欠です.どのような対象に対して,看護師がどのようにアセスメントして,それに基づいてどのように実践し,その結果どのような変化が見られたのかといった,一連の看護過程を客観的に記述することが大切です.
 行われた看護実践の内容を他者と共有したり,看護過程に潜む腎不全看護の特殊性や本質を見いだし,他者に説明していくことは,腎不全看護を専門としリーダーシップを担う透析療法指導看護師(DNL)や透析看護認定看護師に課せられた使命です.本書が活用され,豊かな看護実践・看護過程の展開の実例が共有されることを期待します.
 最後に,御多用のところ快く執筆くださった執筆者の方々,医学書院編集部の方々に感謝いたします.

 2012年5月
 編者代表 斉藤しのぶ

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第4版の序
初版の序
略語一覧

第1部 慢性腎臓病と看護総論
 第1章 慢性腎臓病と看護総論
  1 慢性腎臓病看護の意義と役割
  2 慢性腎不全看護の意義と役割
  3 慢性腎不全看護の歴史と動向
  4 腎移植看護の特性
  5 慢性腎臓病看護と倫理
  6 意思決定支援
 第2章 慢性腎臓病看護の特性
  1 慢性腎臓病患者の健康とQOL
  2 急性期看護と慢性期看護の特性と援助
  3 ターミナル期にある人の特性と看護
  4 精神的看護の特性
  5 認知症看護の特性
 第3章 慢性腎臓病の基礎的知識
  1 腎臓の構造と機能
  2 腎不全患者の病態と治療
  3 腎不全と栄養
  4 腎不全と精神病理
  5 小児における腎不全治療
  6 高齢者における腎不全治療
  7 糖尿病性腎症
  8 腎移植
 第4章 腎不全医療の歴史
  1 透析療法の歴史
  2 わが国の透析療法の歴史
  3 現在の透析医療の問題
 第5章 腎不全医療の現状と課題
  1 腎不全医療の動向
  2 保存期慢性腎不全の現況
  3 透析患者の現況
  4 腎移植の現況
  5 透析期腎不全医療の課題

第2部 慢性腎臓病のある人を理解・支援するための看護理論・看護モデル
 第1章 看護の基本姿勢の理解
  1 セルフケア理論とその活用
  2 ケアリング
  3 人間関係論
  4 家族看護理論
 第2章 人間の成長発達の理解
  1 発達課題論
  2 役割理論
 第3章 人間の心理行動の理解
  1 ストレス・コーピング理論
  2 危機理論
  3 悲嘆
  4 自己概念
 第4章 病気の過程にある人の理解
  1 病みの軌跡
  2 障害・病気の受容過程
  3 死の受容過程
 第5章 看護援助,支援への活用
  1 自己効力感
  2 保健信念モデル
  3 アンドラゴジーとジェロゴジー
  4 エンパワメント
  5 コンプライアンスとアドヒアランス
  6 認知行動療法
  7 コーチング
  8 カウンセリング
  9 コミュニケーション

第3部 透析療法とセルフマネジメント
 第1章 セルフマネジメント
  1 セルフマネジメントとは
  2 慢性腎臓病患者のセルフマネジメント
  3 腎移植とセルフマネジメント
  4 腹膜透析とセルフマネジメント
 第2章 血液透析関連技術
  1 体外循環を受ける患者のフィジカルアセスメント
  2 血液透析関連技術
  3 適正な血液透析のための指標
  4 バスキュラーアクセス管理
  5 緊急時・異常時の対応
  6 在宅血液透析
 第3章 腹膜透析療法における看護技術
  1 腹膜透析患者のフィジカルアセスメント
  2 腹膜透析管理技術
  3 適正な腹膜透析のための計画
  4 カテーテル出口部ケアとバッグ交換
  5 緊急時・異常時の対応

第4部 慢性腎臓病看護におけるマネジメント
 第1章 腎不全看護とマネジメント
  1 組織とマネジメント
  2 看護サービス・マネジメント
  3 看護管理者(マネジャー)の役割
  4 人材育成
 第2章 セーフティマネジメント
  1 医療事故防止
  2 透析看護における感染予防
  3 災害時の対応
 第3章 関連法規
  1 腎不全患者関連法規
  2 腎不全看護師関連法規
 第4章 看護政策

第5部 看護実践のモデル事例

おわりに
索引

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