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微生物学・臨床微生物学・医動物学

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微生物感染症学は、原体とヒトと抗菌薬という三者の関係によって成立し、診断と治療が行われる。このため学生には、微生物の構造や病原性の基礎知識、検査に必要な形態学や生化学的知識、感染症の診断や治療、感染対策に関わる知識と技術など、多岐にわたる知識が求められる。本書は、これら複雑な要素を平易な文章、図表、多彩なカラー写真でコンパクトに解説した。微生物学の基礎・臨床、医動物学を1冊にまとめた完成版教科書。

*「標準臨床検査学」は株式会社医学書院の登録商標です。
医学書院の“青本”シリーズ≪標準臨床検査学≫が完全リニューアル! 臨床検査技師を志す学生向けの新しい教科書シリーズです。 ●シリーズの特徴 ・標準的なカリキュラムに対応し、使い勝手のよい編成 ・臨床検査技師国家試験出題基準に完全対応、必要にして十分な記述内容 ・医師と臨床検査技師のコラボで生まれた教科書 ●ラインナップ ≫全12巻の一覧はこちら
シリーズ 標準臨床検査学
シリーズ監修 矢冨 裕 / 横田 浩充
編集 一山 智 / 田中 美智男
発行 2013年12月判型:B5頁:424
ISBN 978-4-260-01701-5
定価 5,940円 (本体5,400円+税)

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刊行のことば

刊行のことば
 「標準臨床検査学」シリーズは,「臨床検査技師講座」(1972年発刊),「新臨床検査技師講座」(1983年発刊),さらには「臨床検査技術学」(1997年発刊)という医学書院の臨床検査技師のための教科書の歴史を踏まえ,新しい時代に即した形で刷新したものである.
 臨床検査は患者の診断,治療効果の判定になくてはならないものであり,医療の根幹をなす.この臨床検査は20世紀の後半以降,医学研究,生命科学研究の爆発的進歩と歩調を合わせる形で,大きく進歩した.そして臨床検査の項目・件数が大きく増加し,内容も高度かつ専門的になるにつれ,病院には,臨床検査の専門部署である検査部門が誕生し,臨床検査技師が誕生した.臨床検査の中央化と真の専門家による実践というこの体制が,わが国の医療の発展に大きく貢献したこと,そして,今後も同じであることは明らかである.
 このような発展めざましい臨床検査の担い手となることを目指す方々のための教科書となることを目指し,新たなシリーズを企画した.発刊にあたっては,(1)臨床検査の実践において必要な概念,理論,技術を俯瞰できる,(2)今後の臨床検査技師に必要とされる知識,検査技術の基礎となる医学知識などを過不足なく盛り込む,(3)最新の国家試験出題基準の内容をすべて網羅することを念頭に置いた.しかしながら国家試験合格のみを最終目的とはせず,実際の臨床現場において医療チームの重要な一員として活躍できるような臨床検査技師,研究マインドが持てるような臨床検査技師になっていただけることを願って,より体系だった深い内容となることも目指している.また,若い方々が興味を持って学習を継続できるように,レイアウトや記載方法も工夫した.
 本書で学んだ臨床検査技師が,臨床検査の現場で活躍されることを願うものである.

 2012年春
 矢冨 裕
 横田浩充



 この度,標準臨床検査学『微生物学・臨床微生物学・医動物学』を発刊することとなった.本書は臨床検査技術学シリーズの『微生物学・臨床微生物学』と『医動物学』を統合し,あらたな執筆者によって執筆され,臨床検査学コースの学生にとって理解しやすくかつ最新の知見を網羅している書となった.平成23年度の臨床検査技師国家試験出題基準に準拠している.
 表題通り,微生物検査領域で取り扱う知識と技術は,微生物(細菌・ウイルス・真菌・寄生虫など)の構造や病原性に関する基礎知識,微生物検査に必要な形態学や生化学的知識,感染症の診断や治療に関する知識,さらに感染対策に関わる知識と技術など,きわめて多岐にわたる.微生物検査領域においても,遺伝子検査や質量分析検査など新しい技術が登場し,臨床検査の現場においては大きなブレイクスルーがあった.しかし,新技術を駆使するためになお微生物学の基本的な知識と技術を修得していなければならない.
 本書の構成は,微生物学の基礎編においては,形態学,増殖と培養,消毒と滅菌,微生物学分類とそれぞれの菌種の病原性,真菌とウイルスの基礎に,それぞれに必要な知識が整理されている.臨床微生物学のセクションにおいては,感染と発症,感染様式(感染経路),病院感染症(院内感染),抗菌化学療法と薬剤耐性,微生物検査の基礎知識,微生物同定と感受性検査,感染症免疫検査に整理されている.最後の医動物学のセクションにおいては,寄生虫学総論,寄生虫の形態学,寄生虫の分類と各々の種の病原性と治療法,寄生虫検査法に整理されている.
 最新の知見を学生にわかりやすくコンパクトに教授することを最大のコンセプトとして本書は作成された.平易な文章で表現し図表を多用した.微生物感染症学は病原体とヒトと抗菌薬という三者の関係によって成立し,診断と治療が行われている.ともすれば他の領域に比べて学ぶべき知識と技術が複雑になり,学生にとっては敬遠されがちになってしまう.本書では,これらの複雑な要素を簡素化して学生に解説しており,学生は親しみやすく感じるのではないかと考えている.本書を通じて多くの臨床検査技師が育ち,将来優れた臨床検査技師として活躍されることを願っている.

 2013年11月
 一山 智
 田中美智男

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カラー図譜

I 微生物学
 第1章 分類
  A 病原微生物の生物学的位置
 第2章 形態,構造および性状
  A 細菌の構造と性状
  B 菌類(真菌)の構造
  C ウイルスの構造
 第3章 遺伝と変異
  A 遺伝子
  B 遺伝物質(核酸)の伝達
  C 変異
 第4章 微生物の増殖と培養
  A 細菌の発育
  B 真菌の発育
  C ウイルスの増殖
  D 培地(medium, media)
  E 培養法
  F 培養環境
 第5章 消毒と滅菌
  A 滅菌法
  B 消毒法
 第6章 臨床細菌学
  A 好気性・通性嫌気性グラム陽性菌
  B 好気性・通性嫌気性グラム陰性球菌
  C 通性嫌気性グラム陰性桿菌
  D 好気性グラム陰性桿菌
  E 微好気性グラム陰性らせん菌
  F 好気性グラム陽性有芽胞桿菌
  G 好気性・通性嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌
  H グラム陽性抗酸性菌
  I 嫌気性グラム陽性球菌
  J 嫌気性グラム陰性球菌
  K 嫌気性グラム陽性有芽胞桿菌
  L 嫌気性グラム陽性無芽胞桿菌
  M 嫌気性グラム陰性桿菌
  N スピロヘータ
  O マイコプラズマ
  P リケッチア
  Q クラミジア
 第7章 真菌
  A 糸状真菌
  B 皮膚糸状菌
  C 二形性真菌(dimorphic fungi)
  D 酵母様真菌(yeast-like fungi)
  E その他の真菌
 第8章 ウイルス
  A DNAウイルス
  B RNAウイルス
 第9章 プリオン
  A 異常プリオン蛋白

II 臨床微生物学
 第10章 感染と発症
  A 常在細菌叢
  B 微生物の病原因子
  C 宿主の抵抗力
  D 感染の発現
  E 感染経路
  F 現代の感染症の特徴
  G 食中毒
  H バイオセーフティ
  I 感染の予防と対策
 第11章 化学療法
  A 抗菌薬の基本
  B 抗菌薬耐性
  C 薬剤耐性菌
  D 抗菌薬の種類
  E 抗結核薬
  F 抗真菌薬
  G 抗ウイルス薬
  H 薬剤感受性検査
 第12章 検査法
  A 無菌操作技術
  B 培地作製法
  C 臨床情報の解釈
  D 検体採取と保存
  E 検体の肉眼的観察と品質評価
  F 塗抹染色検査
  G 分離培養
  H 細菌同定検査
  I 薬剤感受性検査
  J 検体検査法とその技術
  K 検体材料別細菌検査法
  L 嫌気性菌検査法
  M 抗酸菌の検査法
  N 真菌の検査法
  O ウイルスの検査法
  P 免疫学的検査法
  Q 遺伝子検査法
  R MALDI-TOF法
  S 迅速診断技術
  T 自動化装置
  U 検査結果の報告

III 医動物学
 第13章 寄生虫学
  A 寄生虫学総論
  B 寄生虫の形態と生活史
  C 寄生虫の病害
  D 線虫類
  E 幼線虫類
  F 吸虫類
  G 条虫類
  H 原虫類
  I 衛生動物
 第14章 寄生虫検査法
  A 検査材料の採取と注意事項
  B 寄生虫検査法

和文索引
欧文索引

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