標準微生物学 第11版
感染症理解のための土台となる信頼ある微生物学の教科書、内容充実の改訂第11版
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臨床とのつながりを重視した定評ある微生物学の教科書改訂第11版。オールカラーとなり、より見やすく・わかりやすくなった今版では、最新の知見を盛り込んだことはもとより、寄生虫感染症の章を新設。本書で細菌・真菌・ウイルス・原虫・蠕虫をカバーできる。また、前版で好評だった「付録:細菌学・真菌学・ウイルス学の要点」も引き続き掲載。穴埋め問題集としても使えて、知識の整理に役立つ。将来感染症と向き合うための土台となる1冊。
シリーズ | 標準医学 |
---|---|
監修 | 平松 啓一 |
編集 | 中込 治 / 神谷 茂 |
発行 | 2012年03月判型:B5頁:688 |
ISBN | 978-4-260-01471-7 |
定価 | 7,700円 (本体7,000円+税) |
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序文
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第11版 序
高病原性鳥インフルエンザの引き続く脅威,ブタインフルエンザに由来する新しいH1N1型インフルエンザウイルスのパンデミックなど,人類は感染症に国境がないことを身をもって体験してきている.一方,高度先進医療の普及は,多くの易感染性宿主における感染症の増加をもたらしている.したがって,医学教育課程でこのような感染症の基礎となる病原微生物学を学ぶ意義は大きい.『標準微生物学』は初版からこの第11版に至るまで,医学における微生物学はいかにあるべきかという理念を求め時代の要請に応えるとともに,時代のゆく先に指針を与えるべく改訂を重ねてきた.その結果培われてきた本書の特徴は以下のとおりである.
①臨床とのつながりを重視:基礎医学である病原微生物学を学ぶことが,臨床医学における感染症学にどのように展開していくのか.病原微生物学の学習は,この感染症学への応用という視点を欠けばその意味を失いかねない.一方,感染症学の理解も,個々の病原微生物学の生物学的特徴を知るという努力を欠けば危うい.そのため本書では臨床とのつながりを重視した構成をとっている.特に第VIII編「感染症の臨床へのアプローチ」は,臨床医学の観点から病原微生物学の知識を再構成することを試みたものである.学生諸君は,クロスリファレンスの労をいとわず各病原微生物の該当頁に目を通し,学んだ知識を有機的に結び付けてほしい.将来感染症と向き合う際に,ここで身に付けた知識が必ず役に立つことだろう.
②最新かつ正確な記述:本書は総論から各論まで,学生レベルで必要とされる病原微生物学のすべてを網羅し,ときにAdvanced Studiesとしてより進んだ内容も記載している.また,各項目の記述が正確であることはもちろん,およそ3年間隔で定期的に改訂することにより,常に最新の内容となるよう心がけている.こうしたことから,長く座右におかれうる信頼ある微生物学の教科書となっていると自負している.
③要点の掲載:学生諸君の学習の利便をはかるため,前版でも好評であった巻末付録「細菌学・真菌学・ウイルス学の要点」を引き続き掲載した.これは本書第III編~第VII編の重要事項の記載を,おおむねそのまま抜き出して(一部は改変して)まとめたもので,いわば本書のエッセンスを凝縮したものである.ここを参照することで微生物学の重要事項を理解し,さらに本文の該当頁を再復習することで,知識に厚みを持たせてほしい.時に応じて復習すれば,学習者に大きな自信を与えるだろう.また,ポイントとなる語句は色文字とし,市販の赤いシートをかぶせることで消えるようにしてある.穴埋め問題集として繰り返しチェックを行うことで,医学生が最低限学ばねばならない微生物学の知識が身につくであろう.効率のよい学習のために,ぜひ活用してもらいたい.
④略語一覧・索引の充実:初学者にとって使いやすい教科書となるよう,版を重ねるたびに略語一覧と索引を充実させてきた.ふだんの学習において気になる用語やわからない用語があった際など,大いに活用して本書を使いこなしてもらいたい.
これらの特徴を堅持し,この第11版からは新たに以下のような改訂を加えた.
・全面カラー化:全頁カラーとし,より見やすい誌面構成となるよう試みた.
・重要語句の色文字化:本文中の重要語句を色文字として強調することで,初学者にも何がポイントなのか明確になるようにした.
・構成マップの付与:各編の冒頭に構成マップを付け,その編全体を概観できるようにした.
・「寄生虫感染症」の章の新設:第VIII編「感染症の臨床へのアプローチ」の中に新たに「寄生虫感染症」の章を設け,重要な寄生虫およびそれがもたらす感染症についてコンパクトにまとめた.このことで,本書全体でより充実したクロスリファレンスが可能となったはずである.
本書を活用することで,学生諸君が病原微生物学の生きた知識を身につけてくれることを望む.
最後に,改訂の趣旨を了解し,時間のないなか編集者からの少なからぬ無理な要求にも快く応じられ執筆に協力してくださった分担執筆者に御礼申し上げる.また,校正は細心の注意をもって行ったが,なお意を尽くさぬところを懼れる.この点に関し,ぜひとも読者からのご叱正を賜りたい.お気づきの点があれば,医学書院『標準微生物学』編集室宛にご連絡いただければ幸いである.
2012年3月
中込 治
神谷 茂
高病原性鳥インフルエンザの引き続く脅威,ブタインフルエンザに由来する新しいH1N1型インフルエンザウイルスのパンデミックなど,人類は感染症に国境がないことを身をもって体験してきている.一方,高度先進医療の普及は,多くの易感染性宿主における感染症の増加をもたらしている.したがって,医学教育課程でこのような感染症の基礎となる病原微生物学を学ぶ意義は大きい.『標準微生物学』は初版からこの第11版に至るまで,医学における微生物学はいかにあるべきかという理念を求め時代の要請に応えるとともに,時代のゆく先に指針を与えるべく改訂を重ねてきた.その結果培われてきた本書の特徴は以下のとおりである.
①臨床とのつながりを重視:基礎医学である病原微生物学を学ぶことが,臨床医学における感染症学にどのように展開していくのか.病原微生物学の学習は,この感染症学への応用という視点を欠けばその意味を失いかねない.一方,感染症学の理解も,個々の病原微生物学の生物学的特徴を知るという努力を欠けば危うい.そのため本書では臨床とのつながりを重視した構成をとっている.特に第VIII編「感染症の臨床へのアプローチ」は,臨床医学の観点から病原微生物学の知識を再構成することを試みたものである.学生諸君は,クロスリファレンスの労をいとわず各病原微生物の該当頁に目を通し,学んだ知識を有機的に結び付けてほしい.将来感染症と向き合う際に,ここで身に付けた知識が必ず役に立つことだろう.
②最新かつ正確な記述:本書は総論から各論まで,学生レベルで必要とされる病原微生物学のすべてを網羅し,ときにAdvanced Studiesとしてより進んだ内容も記載している.また,各項目の記述が正確であることはもちろん,およそ3年間隔で定期的に改訂することにより,常に最新の内容となるよう心がけている.こうしたことから,長く座右におかれうる信頼ある微生物学の教科書となっていると自負している.
③要点の掲載:学生諸君の学習の利便をはかるため,前版でも好評であった巻末付録「細菌学・真菌学・ウイルス学の要点」を引き続き掲載した.これは本書第III編~第VII編の重要事項の記載を,おおむねそのまま抜き出して(一部は改変して)まとめたもので,いわば本書のエッセンスを凝縮したものである.ここを参照することで微生物学の重要事項を理解し,さらに本文の該当頁を再復習することで,知識に厚みを持たせてほしい.時に応じて復習すれば,学習者に大きな自信を与えるだろう.また,ポイントとなる語句は色文字とし,市販の赤いシートをかぶせることで消えるようにしてある.穴埋め問題集として繰り返しチェックを行うことで,医学生が最低限学ばねばならない微生物学の知識が身につくであろう.効率のよい学習のために,ぜひ活用してもらいたい.
④略語一覧・索引の充実:初学者にとって使いやすい教科書となるよう,版を重ねるたびに略語一覧と索引を充実させてきた.ふだんの学習において気になる用語やわからない用語があった際など,大いに活用して本書を使いこなしてもらいたい.
これらの特徴を堅持し,この第11版からは新たに以下のような改訂を加えた.
・全面カラー化:全頁カラーとし,より見やすい誌面構成となるよう試みた.
・重要語句の色文字化:本文中の重要語句を色文字として強調することで,初学者にも何がポイントなのか明確になるようにした.
・構成マップの付与:各編の冒頭に構成マップを付け,その編全体を概観できるようにした.
・「寄生虫感染症」の章の新設:第VIII編「感染症の臨床へのアプローチ」の中に新たに「寄生虫感染症」の章を設け,重要な寄生虫およびそれがもたらす感染症についてコンパクトにまとめた.このことで,本書全体でより充実したクロスリファレンスが可能となったはずである.
本書を活用することで,学生諸君が病原微生物学の生きた知識を身につけてくれることを望む.
最後に,改訂の趣旨を了解し,時間のないなか編集者からの少なからぬ無理な要求にも快く応じられ執筆に協力してくださった分担執筆者に御礼申し上げる.また,校正は細心の注意をもって行ったが,なお意を尽くさぬところを懼れる.この点に関し,ぜひとも読者からのご叱正を賜りたい.お気づきの点があれば,医学書院『標準微生物学』編集室宛にご連絡いただければ幸いである.
2012年3月
中込 治
神谷 茂
目次
開く
第I編 微生物学の歴史
第1章 微生物学の歴史
第II編 環境と微生物
第2章 微生物の種類と微生物学の範囲
第3章 生体防御と感染
第4章 compromised hostと日和見感染
第5章 消毒と滅菌
第6章 バイオセーフティーと病原微生物の取り扱い
第III編 細菌学総論
第7章 細菌の構造と機能
第8章 細菌の物質代謝の特徴
第9章 細菌遺伝学
第10章 細菌の病原性
細菌の病原因子
毒素1:内毒素(エンドトキシン)
毒素2:外毒素
第11章 細菌の分類と同定
第12章 細菌の化学療法
第IV編 細菌学各論
第13章 グラム陰性通性嫌気性桿菌
腸内細菌科
ビブリオ科
その他のグラム陰性通性嫌気性桿菌
第14章 グラム陰性好気性桿菌
第15章 無芽胞偏性嫌気性グラム陰性桿菌
第16章 グラム陰性好気性球菌および球桿菌
第17章 グラム陰性嫌気性球菌
第18章 スピロヘータ科細菌,レプトスピラ科細菌,らせん菌
スピロヘータ科
レプトスピラ科
らせん菌
第19章 グラム陽性球菌
第20章 有芽胞菌
第21章 グラム陽性無芽胞桿菌
第22章 放線菌とその関連細菌
第23章 口腔細菌
第24章 マイコプラズマ
第25章 リケッチア
第26章 クラミジア
第V編 真菌学
第27章 真菌学
第VI編 ウイルス学総論
第28章 ウイルスの形態・構造・組成
第29章 ウイルスの分類と命名
第30章 ウイルスの増殖
第31章 ウイルスの遺伝・進化
第32章 ウイルスの病原性
第33章 ウイルスの検査室診断
第34章 ウイルス病の治療
第VII編 ウイルス学各論
第35章 RNA型ウイルス
第36章 DNA型ウイルス
第37章 肝炎ウイルス
第38章 プリオンと遅発性ウイルス感染症
第VIII編 感染症の臨床へのアプローチ
第39章 集団レベルでの感染論
第40章 院内感染
第41章 感染症の制圧と予防
第42章 人獣共通感染症(zoonoses):感染症理解へのもうひとつの視点
第43章 全身性炎症反応症候群(SIRS)
第44章 新興感染症(emerging infectious diseases)
第45章 寄生虫感染症
第46章 臨床症状から病原診断へ:syndromic approach
付録1 細菌学・真菌学・ウイルス学の要点
付録2 本書で用いた略語一覧
和文索引
欧文索引
第1章 微生物学の歴史
第II編 環境と微生物
第2章 微生物の種類と微生物学の範囲
第3章 生体防御と感染
第4章 compromised hostと日和見感染
第5章 消毒と滅菌
第6章 バイオセーフティーと病原微生物の取り扱い
第III編 細菌学総論
第7章 細菌の構造と機能
第8章 細菌の物質代謝の特徴
第9章 細菌遺伝学
第10章 細菌の病原性
細菌の病原因子
毒素1:内毒素(エンドトキシン)
毒素2:外毒素
第11章 細菌の分類と同定
第12章 細菌の化学療法
第IV編 細菌学各論
第13章 グラム陰性通性嫌気性桿菌
腸内細菌科
ビブリオ科
その他のグラム陰性通性嫌気性桿菌
第14章 グラム陰性好気性桿菌
第15章 無芽胞偏性嫌気性グラム陰性桿菌
第16章 グラム陰性好気性球菌および球桿菌
第17章 グラム陰性嫌気性球菌
第18章 スピロヘータ科細菌,レプトスピラ科細菌,らせん菌
スピロヘータ科
レプトスピラ科
らせん菌
第19章 グラム陽性球菌
第20章 有芽胞菌
第21章 グラム陽性無芽胞桿菌
第22章 放線菌とその関連細菌
第23章 口腔細菌
第24章 マイコプラズマ
第25章 リケッチア
第26章 クラミジア
第V編 真菌学
第27章 真菌学
第VI編 ウイルス学総論
第28章 ウイルスの形態・構造・組成
第29章 ウイルスの分類と命名
第30章 ウイルスの増殖
第31章 ウイルスの遺伝・進化
第32章 ウイルスの病原性
第33章 ウイルスの検査室診断
第34章 ウイルス病の治療
第VII編 ウイルス学各論
第35章 RNA型ウイルス
第36章 DNA型ウイルス
第37章 肝炎ウイルス
第38章 プリオンと遅発性ウイルス感染症
第VIII編 感染症の臨床へのアプローチ
第39章 集団レベルでの感染論
第40章 院内感染
第41章 感染症の制圧と予防
第42章 人獣共通感染症(zoonoses):感染症理解へのもうひとつの視点
第43章 全身性炎症反応症候群(SIRS)
第44章 新興感染症(emerging infectious diseases)
第45章 寄生虫感染症
第46章 臨床症状から病原診断へ:syndromic approach
付録1 細菌学・真菌学・ウイルス学の要点
付録2 本書で用いた略語一覧
和文索引
欧文索引
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