角膜クリニック 第3版

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本書は一般の眼科医から角膜を専門とする眼科医までを対象とし、角膜領域に関する深く幅広い知識を解説している。第3版においても、初版からのコンセプトである臨床に即した書とする基本的な編集方針を踏襲しつつ、角膜パーツ移植や再生医療などの最先端の内容もふんだんに盛り込んだ構成とした。大阪大学眼科角膜グループおよびその流れを汲む角膜スペシャリストによる集大成の書。ここに堂々の刊行。

監修 眞鍋 禮三 / 木下 茂 / 大橋 裕一 / 下村 嘉一
編集 西田 幸二 / 井上 幸次 / 渡辺 仁 / 前田 直之
発行 2021年07月判型:B5頁:400
ISBN 978-4-260-02043-5
定価 22,000円 (本体20,000円+税)

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第3版 監修の序

 20世紀後半,医療は内科,外科などの治療手段別の分類から,消化器,呼吸器,感覚器などの臓器別分類へと移り変わり,それぞれの分野に専門医制度が導入されることとなった。眼科もその例外ではなく,われわれの分野においては,視器をさらに組織別,機能別に分類していく方向性が主流となり,眼科専門医のなかに,角膜,網膜,緑内障などのsubspecialist(特別専門医)が生まれることとなった。
 さて,遠く水川孝教授の時代から,難治性角膜疾患に対する根治的治療法の開発は大阪大学眼科学教室のメインテーマであり,全国に先駆けて角膜疾患を対象とする特殊(専門)クリニックを開設している。当初,わずか2名のスタッフで始まった角膜クリニックは,眞鍋禮三教授の時代には20名を超える大所帯へと発展し,「角膜疾患に関する教科書がわが国にも必要である!」というモチベーションのもと,当時のメンバー全員が分担執筆者として参加した本書初版(いわゆる赤本)が刊行された。
 しかしながら,角膜領域における進歩は驚くほどに速く,初版刊行から10年も経たないうちに改訂が必要となった。幸いなことに,初版執筆者の約1/3にあたる8名がすでに他大学の眼科教授に就任しており,それぞれの教室において多くの弟子が育っていたこともあって,新世代も参加する形で新たな企画が練られ,実に総勢51名の執筆による第2版が刊行されたのである。
 それからさらに20年近くが経過し,初期のメンバーの何名かが退官を迎えるなか,新たな時代の波の到来を踏まえつつ,「創刊時の理念を再び!」との熱意から生まれたのがこの第3版である。今回も,初版執筆者の弟子のみならず孫弟子が加わり,第2版の序文でお約束したとおり,角膜の再生医療や遺伝子治療,そして角膜パーツ移植などの先端医療に関する知見もふんだんに盛り込まれている。大阪大学眼科角膜グループの集大成として,読者の皆さまの期待に応えられる内容になったものと考えており,われわれの診療のフィロソフィを少しでも感じていただけるなら幸いである。
 最後に,ご繁忙のなか,労苦を惜しまずに編集作業にあたられた西田幸二教授,井上幸次教授,渡辺仁先生,前田直之先生,そして貴重な原稿をお寄せいただいた執筆者の先生方,さらには,本書の刊行に向けてわれわれを忍耐強く励まし続けて下さった医学書院・渡辺一氏に心よりの感謝を申し上げる次第である。

 2021年6月吉日
 監修者ら記す

第3版 編集の序

 角膜クリニックの初版が刊行されたのは1990年6月のことである。恩師である眞鍋禮三大阪大学名誉教授,木下茂先生,大橋裕一先生らが,Thoft & Smolin のThe Cornea やGraysonのDiseases of the Corneaに匹敵する角膜専門書を創刊することを目標に掲げて,阪大眼科の角膜疾患の考え方とその治療法の集大成を記したのが,『角膜クリニック』であった。「病態から疾患を科学的に捉え,プラクティカルに治療する」というコンセプトは極めて実用的であり,角膜を専門としている医師のみならず,一般の勤務医や開業医の座右の書となってきた。そして,10年以上を経て2003年1月に改訂された第2版においても,水川─眞鍋によって培われた,この阪大流角膜学のコンセプトが継承されている。
 さて,第2版から20年近くを経て,第3版を発行することとなった。第2版の序に,新たな世代交代と「角膜学」の飛躍的な進歩という,将来の改訂第3版への思いが綴られている。実際に改訂作業をしていて強く感じたことは,この20年間の発展の凄まじさである。前眼部OCTや波面収差解析,あるいはDSAEKやDMEKなど,過去になかった検査法や治療法が今では日常的に行われ,さらに,角膜上皮や内皮の細胞治療・再生医療は実用化段階あるいは実用化一歩手前まで発展している。改訂第3版では,まだ保険適用外の薬の使用を含め最先端の知見も取り入れつつ,初版から受け継がれている阪大流角膜学のコンセプトを,読者により明確に伝えるべく練り上げた。眼科解説書が濫立する中,本書が日常角膜診療のバイブルとなることを信じてやまない。
 改訂第3版の発刊は前回から20年近く経過してしまったが,次回の改訂は10年後くらい? と願っている。その頃には,人工知能を活用した検査法や角膜再生医療の普及,水疱性角膜症や角膜ジストロフィに対する新しい薬剤開発などが実現されているはずである。「角膜学」の進歩は止まることがないと信じている。最後に,本改訂第3版の刊行にあたって多大なる尽力をいただいた,医学書院編集部の渡辺一氏に心から感謝申し上げる次第である。

 2021年6月吉日 新型コロナウイルス感染症の終息を願いつつ記す
 西田幸二
 井上幸次
 渡辺 仁
 前田直之

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正常角膜
  1 角膜の構造と細隙灯顕微鏡所見
  2 角膜上皮
  3 角膜実質
  4 角膜内皮
  5 角膜輪部
  6 結膜
  7 涙液
  8 眼瞼
  9 角膜の発生
  10 角結膜の免疫機構
  11 角膜の神経
  12 角膜の光学

異常角膜所見
  1 涙液の異常
  2 Meibom腺異常
  3 点状表層角膜症
  4 角膜糸状物
  5 樹枝状病変
  6 角膜上皮欠損
  7 角膜潰瘍
  8 角膜浸潤
  9 角膜混濁
  10 角結膜瘢痕
  11 角膜浮腫
  12 角膜内皮異常
  13 角膜形状異常
  14 角膜輪部病変・腫瘍性病変
  15 角膜後面沈着物
  16 角膜穿孔
  17 角膜外傷
  18 結膜異常
  19 コンタクトレンズ合併症

検査編
  1 細隙灯顕微鏡(スリットランプ)
  2 涙液検査
  3 マイボグラフィー
  4 角膜厚測定
  5 角膜知覚検査
  6 スペキュラーマイクロスコープ
  7 角膜形状解析
  8 前眼部OCT
  9 波面収差解析
  10 角膜生体力学特性
  11 塗抹検査・培養
  12 抗原検査,抗体検査,PCR
  13 遺伝子検査
  14 生体共焦点顕微鏡
  15 細胞診
  16 前眼部フルオロフォトメトリー

治療編
 I.薬物療法
  1 抗菌薬
  2 抗真菌薬,消毒薬
  3 抗ウイルス薬
  4 ステロイド薬
  5 非ステロイド抗炎症薬
  6 抗アレルギー薬
  7 カルシニューリン阻害薬
  8 人工涙液,ドライアイ治療薬
  9 ビタミン薬
  10 創傷治癒に対する薬剤
  11 自家調製薬
 II.外科的治療
  1 角膜移植の歴史
  2 全層角膜移植
  3 層状角膜移植
  4 角膜内皮移植
  5 角膜上皮移植・培養上皮細胞シート移植
  6 羊膜移植
  7 人工角膜
  8 角膜屈折矯正手術の歴史
  9 エキシマレーザー
  10 フェムト秒レーザー
  11 角膜クロスリンキング
  12 翼状片手術
  13 結膜切除術
  14 瞼板縫合
  15 角膜表層切除
  16 涙点プラグ
  17 涙点閉鎖(涙道閉鎖)
  18 治療用コンタクトレンズ

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