成人看護学[10]
運動器 第13版
本書の特長
もっと見る
●「成人看護学」の統一的な構成に合わせて情報・知識を整理し、内容の一層の充実をはかっています。
●運動器の正常な構造(解剖)と機能(生理)に立ち返りながら、それぞれの部位に対応する異常(疾患や症状)を理解するのに必要な解説を加えました。
●フルカラーの図版をさらに充実させ、より視覚的な理解を促すことができるように工夫しました。
●アメリカリウマチ学会の新分類基準や生物学的製剤、静脈血栓塞栓症の予防、運動器不安定症(ロコモティブシンドローム)といった新しいトピックスを取り入れ、内容の刷新をはかりました。
●看護の内容では、経過に応じた患者の看護についてより充実させ、術前・術後の看護などについて記述を刷新しました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座 |
---|---|
著 | 織田 弘美 / 加藤 光寶 / 小林 ミチ子 / 阿部 篤子 / 小林 優子 |
発行 | 2012年01月判型:B5頁:368 |
ISBN | 978-4-260-01367-3 |
定価 | 2,640円 (本体2,400円+税) |
- 販売終了
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。
- 序文
- 目次
序文
開く
はしがき
発刊の趣旨
1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気をもつ人の世話あるいは健康の維持・増進を実践・指導し,看護の対象であるあらゆる人の,あらゆる状態に対応していくことができる」という,看護の基本的な理念を土台として,「成人」という枠組みの対象に対する看護を学ぶことにある。
したがって,看護を,従来のように診療における看護といった狭い立場からではなく,保健医療という幅広い視野のなかで健康の保持・増進という視点においてとらえ,一方,疾患を持った患者に対しては,それぞれの患者が最も必要としている援助を行うという看護本来のあり方に立脚して学習しなければならない。
本書「成人看護学」は,以上のような考え方を基礎として編集されたものである。
まず「成人看護学総論」においては,成人各期の特徴を学び,対象である成人が,どのような状態のもとで正常から異常へと移行していくのか,またそれを予防し健康を維持していくためには,いかなる方策が必要であるかを学習し,成人の全体像と成人看護の特質をつかむことをねらいとしている。
以下,「成人看護学」の各巻においては,成人というものの概念を把握したうえで,人間の各臓器に身体的あるいは精神的な障害がおこった場合に,その患者がいかなる状態におかれるかを理解し,そのときの患者のニーズを満たすためにはどのようにすればよいかを,それぞれの系統にそって学習することをねらいとしている。
したがって,「成人看護学」の学習にあたっては,従来のように診療科別に疾病に関する知識を断片的に習得するのではなく,種々の障害をあわせ持つ可能性のある1人ひとりの人間,すなわち看護の対象としての人間のあらゆる変化に対応できる知識・技術・態度を学びとっていただきたい。
このような意味において,学習者は対象の健康生活上の目標達成のために,より有効な援助ができるような知識・技術を養い,つねに研鑽を続けていかなければならない。
以上の趣旨のもとに,金子光・小林冨美栄・大塚寛子によって編集された「成人看護学」であるが,日進月歩をとげる医療のなかで,本書が看護学の確立に向けて役だつことを期待するものである。
カリキュラムの改正
看護教育のカリキュラムは,20年ぶりとなる1989年の全面的な改正ののち,1996年には3年課程,1998年には2年課程が改正された。さらに2008年にも大きく改正され,看護基礎教育の充実がはかられている。その背景として,わが国の急速な少子高齢化の進展や,慢性疾患の増加などの疾病構造の変化,医療技術の進歩,看護業務の複雑・多様化,医療安全に関する意識の向上など,看護を取り巻く環境の変化があげられる。
これらの変化に対応するために,新カリキュラムでは専門分野がIとIIに分けられ,専門分野Iでは基礎看護学を,専門分野IIでは対象の発達段階に応じた看護の実践を学ぶことになり,それぞれに臨床実践能力の強化が盛り込まれている。また,統合分野が新たに設けられ,看護の統合と実践を学び,より患者の視点に立った質の高い看護実践能力の向上が求められることになった。
改訂の趣旨
今回の「成人看護学」の改訂では,カリキュラム改正の意図を吟味するとともに,1999年に発表され,直近では2010年に改定された「看護師国家試験出題基準」の内容をも視野に入れ,内容の刷新・強化をはかった。また,日々変化する実際の臨床に即し,各系統において統合的・発展的な学習がともに可能となるように配慮した。
第1章「看護を学ぶにあたって」では,各系統別の医療の動向と看護を概観したあと,患者の身体的,心理・社会的特徴を明確にし,看護上の問題とその特質に基づいて,看護の目的と機能が具体的に示されている。
第2~5章では,疾患とその医学的対応という視点から,看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために,最新の知見に基づいて解説されている。
第6章「患者の看護」では,第1~5章の学習に基づいて,症状別,診断および治療・処置別,経過別,疾患別に看護の実際が提示されている。すべてを看護過程に基づいて展開することにより,患者の有する問題が論理的・総合的に理解できるように配慮されている。
付章「事例による看護過程の展開」では,1~3つの事例を取り上げ,看護過程に基づいて看護の実際を展開している。患者の有するさまざまな問題を提示し,看護の広がりと問題解決の過程を具体的に学習できるようにしている。
また,巻末には適宜付録を設け,各系統別に必要となる知識を整理し,学習の利便性の向上をはかった。
今回の改訂によって看護の学習がより効果的に行われ,看護実践能力の向上,ひいては看護の質的向上に資することを切に望むものである。ご活用いただき,読者の皆さんの忌憚のないご意見をいただければ幸いである。
2011年11月
著者ら
発刊の趣旨
1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気をもつ人の世話あるいは健康の維持・増進を実践・指導し,看護の対象であるあらゆる人の,あらゆる状態に対応していくことができる」という,看護の基本的な理念を土台として,「成人」という枠組みの対象に対する看護を学ぶことにある。
したがって,看護を,従来のように診療における看護といった狭い立場からではなく,保健医療という幅広い視野のなかで健康の保持・増進という視点においてとらえ,一方,疾患を持った患者に対しては,それぞれの患者が最も必要としている援助を行うという看護本来のあり方に立脚して学習しなければならない。
本書「成人看護学」は,以上のような考え方を基礎として編集されたものである。
まず「成人看護学総論」においては,成人各期の特徴を学び,対象である成人が,どのような状態のもとで正常から異常へと移行していくのか,またそれを予防し健康を維持していくためには,いかなる方策が必要であるかを学習し,成人の全体像と成人看護の特質をつかむことをねらいとしている。
以下,「成人看護学」の各巻においては,成人というものの概念を把握したうえで,人間の各臓器に身体的あるいは精神的な障害がおこった場合に,その患者がいかなる状態におかれるかを理解し,そのときの患者のニーズを満たすためにはどのようにすればよいかを,それぞれの系統にそって学習することをねらいとしている。
したがって,「成人看護学」の学習にあたっては,従来のように診療科別に疾病に関する知識を断片的に習得するのではなく,種々の障害をあわせ持つ可能性のある1人ひとりの人間,すなわち看護の対象としての人間のあらゆる変化に対応できる知識・技術・態度を学びとっていただきたい。
このような意味において,学習者は対象の健康生活上の目標達成のために,より有効な援助ができるような知識・技術を養い,つねに研鑽を続けていかなければならない。
以上の趣旨のもとに,金子光・小林冨美栄・大塚寛子によって編集された「成人看護学」であるが,日進月歩をとげる医療のなかで,本書が看護学の確立に向けて役だつことを期待するものである。
カリキュラムの改正
看護教育のカリキュラムは,20年ぶりとなる1989年の全面的な改正ののち,1996年には3年課程,1998年には2年課程が改正された。さらに2008年にも大きく改正され,看護基礎教育の充実がはかられている。その背景として,わが国の急速な少子高齢化の進展や,慢性疾患の増加などの疾病構造の変化,医療技術の進歩,看護業務の複雑・多様化,医療安全に関する意識の向上など,看護を取り巻く環境の変化があげられる。
これらの変化に対応するために,新カリキュラムでは専門分野がIとIIに分けられ,専門分野Iでは基礎看護学を,専門分野IIでは対象の発達段階に応じた看護の実践を学ぶことになり,それぞれに臨床実践能力の強化が盛り込まれている。また,統合分野が新たに設けられ,看護の統合と実践を学び,より患者の視点に立った質の高い看護実践能力の向上が求められることになった。
改訂の趣旨
今回の「成人看護学」の改訂では,カリキュラム改正の意図を吟味するとともに,1999年に発表され,直近では2010年に改定された「看護師国家試験出題基準」の内容をも視野に入れ,内容の刷新・強化をはかった。また,日々変化する実際の臨床に即し,各系統において統合的・発展的な学習がともに可能となるように配慮した。
第1章「看護を学ぶにあたって」では,各系統別の医療の動向と看護を概観したあと,患者の身体的,心理・社会的特徴を明確にし,看護上の問題とその特質に基づいて,看護の目的と機能が具体的に示されている。
第2~5章では,疾患とその医学的対応という視点から,看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために,最新の知見に基づいて解説されている。
第6章「患者の看護」では,第1~5章の学習に基づいて,症状別,診断および治療・処置別,経過別,疾患別に看護の実際が提示されている。すべてを看護過程に基づいて展開することにより,患者の有する問題が論理的・総合的に理解できるように配慮されている。
付章「事例による看護過程の展開」では,1~3つの事例を取り上げ,看護過程に基づいて看護の実際を展開している。患者の有するさまざまな問題を提示し,看護の広がりと問題解決の過程を具体的に学習できるようにしている。
また,巻末には適宜付録を設け,各系統別に必要となる知識を整理し,学習の利便性の向上をはかった。
今回の改訂によって看護の学習がより効果的に行われ,看護実践能力の向上,ひいては看護の質的向上に資することを切に望むものである。ご活用いただき,読者の皆さんの忌憚のないご意見をいただければ幸いである。
2011年11月
著者ら
目次
開く
第1章 看護を学ぶにあたって (加藤光寶・小林ミチ子)
A 医療の動向と看護
B 患者の特徴
C 看護の役割
D 疾病の経過と看護
第2章 運動器の構造と機能 (織田弘美)
A 骨
B 関節
C 神経と筋肉
D 腱と靱帯
第3章 症状とその病態生理 (織田弘美)
A 疼痛
B 形態の異常
C 関節運動の異常
D 神経の障害
E 異常歩行または跛行
F 筋肉の障害
G その他の障害
第4章 診断・検査と治療・処置 (織田弘美)
A 診察・診断の流れ
B 検査
C 治療・処置
第5章 疾患の理解 (織田弘美)
I 外傷性(外因性)の運動器疾患
A 骨折
B 脱臼
C 捻挫および打撲
D 神経の損傷
E 筋・腱・靱帯などの損傷
II 内因性(非外傷性)の運動器疾患
A 先天性疾患
B 骨・関節の炎症性疾患
C 骨腫瘍および軟部腫瘍
D 代謝性骨疾患
E 筋および腱の疾患
F 神経の疾患
G 上肢および上肢帯の疾患
H 脊椎の疾患
I 下肢および下肢帯の疾患
J 運動器不安定症
第6章 患者の看護 (加藤光寶・小林ミチ子・小林優子)
A 援助のためのおもな知識と技術
B 症状に対する看護
C 検査を受ける患者の看護
D 保存療法を受ける患者の看護
E 手術を受ける患者の看護
F 経過に応じた患者の看護
G 疾患を持つ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (加藤光寶・小林ミチ子・阿部篤子)
A 第6頸髄不全麻痺患者の在宅看護
B 左大腿骨転子間骨折患者の看護
C 関節リウマチで人工膝関節置換術を受ける患者の看護
巻末資料
索引
A 医療の動向と看護
B 患者の特徴
C 看護の役割
D 疾病の経過と看護
第2章 運動器の構造と機能 (織田弘美)
A 骨
B 関節
C 神経と筋肉
D 腱と靱帯
第3章 症状とその病態生理 (織田弘美)
A 疼痛
B 形態の異常
C 関節運動の異常
D 神経の障害
E 異常歩行または跛行
F 筋肉の障害
G その他の障害
第4章 診断・検査と治療・処置 (織田弘美)
A 診察・診断の流れ
B 検査
C 治療・処置
第5章 疾患の理解 (織田弘美)
I 外傷性(外因性)の運動器疾患
A 骨折
B 脱臼
C 捻挫および打撲
D 神経の損傷
E 筋・腱・靱帯などの損傷
II 内因性(非外傷性)の運動器疾患
A 先天性疾患
B 骨・関節の炎症性疾患
C 骨腫瘍および軟部腫瘍
D 代謝性骨疾患
E 筋および腱の疾患
F 神経の疾患
G 上肢および上肢帯の疾患
H 脊椎の疾患
I 下肢および下肢帯の疾患
J 運動器不安定症
第6章 患者の看護 (加藤光寶・小林ミチ子・小林優子)
A 援助のためのおもな知識と技術
B 症状に対する看護
C 検査を受ける患者の看護
D 保存療法を受ける患者の看護
E 手術を受ける患者の看護
F 経過に応じた患者の看護
G 疾患を持つ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (加藤光寶・小林ミチ子・阿部篤子)
A 第6頸髄不全麻痺患者の在宅看護
B 左大腿骨転子間骨折患者の看護
C 関節リウマチで人工膝関節置換術を受ける患者の看護
巻末資料
索引
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。