成人看護学[12]
皮膚 第13版

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日常よくみられる症状・疾患と、看護上重要なものに重点をおき、検査・治療・看護について解説しています。症状別・疾患別の視点に加え、患者の特徴にそった看護や家族への援助、継続看護などの経過も意識して記述をまとめました。 皮膚疾患特有の治療・処置として、薬物療法や手術療法、レーザー療法などを、最近の医療の進歩をふまえてまとめました。また、コラムなどで学生の興味をひく内容を解説し、読むことをあきさせない工夫をしています。 豊富な症例写真と解説で、皮膚疾患を視覚的に理解することができます。また、難読漢字の多い皮膚科用語にはできる限りルビをふるように心がけました。 臨床上、また国家試験対策としても重要な「褥瘡患者の看護」について、最新の知見をもとにまとめました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 系統看護学講座
佐藤 博子 / 徳永 惠子 / 福永 真樹 / 渡辺 晋一
発行 2012年01月判型:B5頁:280
ISBN 978-4-260-01366-6
定価 2,090円 (本体1,900円+税)
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はしがき

発刊の趣旨
 1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
 本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気を持つ人の世話あるいは健康の維持・増進を実践・指導し,看護の対象であるあらゆる人の,あらゆる状態に対応していくことができる」という,看護の基本的な理念を土台として,「成人」という枠組みの対象に対する看護を学ぶことにある。
 したがって,看護を,従来のように診療における看護といった狭い立場からではなく,保健医療という幅広い視野のなかで健康の保持・増進という視点においてとらえ,一方,疾患を持った患者に対しては,それぞれの患者が最も必要としている援助を行うという看護本来のあり方に立脚して学習しなければならない。
 本書「成人看護学」は,以上のような考え方を基礎として編集されたものである。
 まず「成人看護学総論」においては,成人各期の特徴を学び,対象である成人が,どのような状態のもとで正常から異常へと移行していくのか,またそれを予防し健康を維持していくためには,いかなる方策が必要であるかを学習し,成人の全体像と成人看護の特質をつかむことをねらいとしている。
 以下,「成人看護学」の各巻においては,成人というものの概念を把握したうえで,人間の各臓器に身体的あるいは精神的な障害がおこった場合に,その患者がいかなる状態におかれるかを理解し,そのときの患者のニードを満たすためにはどのようにすればよいかを,それぞれの系統にそって学習することをねらいとしている。
 したがって,「成人看護学」の学習にあたっては,従来のように診療科別に疾病に関する知識を断片的に習得するのではなく,種々の障害をあわせもつ可能性のある1人ひとりの人間,すなわち看護の対象としての人間のあらゆる変化に対応できる知識・技術・態度を学びとっていただきたい。
 このような意味において,学習者は対象の健康生活上の目標達成のために,より有効な援助ができるような知識・技術を養い,つねに研鑽を続けていかなければならない。
 以上の趣旨のもとに,金子光・小林冨美栄・大塚寛子によって編集された「成人看護学」であるが,日進月歩をとげる医療のなかで,本書が看護学の確立に向けて役だつことを期待するものである。
 看護教育のカリキュラムは,20年ぶりとなる1989年の全面的な改正ののち,1996年には3年課程,1998年には2年課程が改正された。さらに2008年にも大きく改正され,看護基礎教育の充実がはかられている。その背景として,わが国の急速な少子高齢化の進展や,慢性疾患の増加などの疾病構造の変化,医療技術の進歩,看護業務の複雑・多様化,医療安全に関する意識の向上など,看護を取り巻く環境の変化があげられる。
 これらの変化に対応するために,新カリキュラムでは専門分野がIとIIに分けられ,専門分野Iでは基礎看護学を,専門分野IIでは対象の発達段階に応じた看護の実践を学ぶことになり,それぞれに臨床実践能力の強化が盛り込まれている。また,統合分野が新たに設けられ,看護の統合と実践を学び,より患者の視点に立った質の高い看護実践能力の向上が求められることになった。

改訂の趣旨
 今回の「成人看護学」の改訂では,カリキュラム改正の意図を吟味するとともに,1999年に発表され,直近では2010年に改定された「看護師国家試験出題基準」の内容をも視野に入れ,内容の刷新・強化をはかった。また,日々変化する実際の臨床に即し,各系統において統合的・発展的な学習がともに可能となるように配慮した。
 第1章「看護を学ぶにあたって」では,各系統別の医療の動向と看護を概観したあと,患者の身体的,心理・社会的特徴を明確にし,看護上の問題とその特質に基づいて,看護の目的と機能が具体的に示されている。
 第2~5章では,疾患とその医学的対応という視点から,看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために,最新の知見に基づいて解説されている。
 第6章「患者の看護」では,第1~5章の学習に基づいて,症状別,診断および治療・処置別,経過別,疾患別に看護の実際が提示されている。すべてを看護過程に基づいて展開することにより,患者の有する問題が論理的・総合的に理解できるように配慮されている。
 付章「事例による看護過程の展開」では,2つの事例を取り上げ,看護過程に基づいて看護の実際を展開している。患者の有するさまざまな問題を提示し,看護の広がりと問題解決の過程を具体的に学習できるようにしている。
 巻末の特論「褥瘡患者の看護」では,総合的に学習ができるように最新の内容を解説した。
 今回の改訂によって看護の学習がより効果的に行われ,看護実践能力の向上,ひいては看護の質的向上に資することを切に望むものである。ご活用いただき,読者の皆さんの忌憚のないご意見をいただければ幸いである。
 2011年11月
 著者ら

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第1章 看護を学ぶにあたって (佐藤博子)
 A 医療の動向と看護
 B 患者の特徴
 C 看護の役割
 D 疾患の経過と看護
第2章 皮膚の構造と機能 (渡辺晋一)
 A 皮膚の構造
 B 皮膚の機能
第3章 症状とその病態生理 (渡辺晋一)
 A 発疹
 B そう痒(かゆみ)
 C 皮膚の老化
第4章 検査と治療・処置 (渡辺晋一)
 A 診察と診断の流れ
 B 検査
 C 治療・処置
第5章 疾患の理解 (渡辺晋一)
 A 表在性皮膚疾患
 B 真皮・皮下脂肪織および皮膚付属器の疾患
 C 脈管系の異常による皮膚疾患
 D 物理・化学的皮膚傷害
 E 腫瘍および色素異常症
 F 感染症
 G 内臓疾患に伴う皮膚病変
第6章 患者の看護 (佐藤博子)
 A スキンケア
 B 症状に対する看護
 C 検査を受ける患者の看護
 D 治療・処置を受ける患者の看護
 E 疾患を持つ患者の看護
付章 事例による看護過程の展開 (福永真樹)
 A アトピー性皮膚炎患者の看護
 B 熱傷患者の看護
特論 褥瘡患者の看護 (徳永惠子)
 A 褥瘡の予防とケアの動向
 B 褥瘡ケアの実際

参考文献・推薦図書
索引

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