基礎看護[2] 第14版
基礎看護技術

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本書は、看護実践の場で科学的な知識に裏打ちされた考えや行動がとれることを主眼につくられています。学習内容の構成は、「看護行為に共通する技術」「日常生活の援助技術」「診療に伴う技術」の3分野としています。 また、紙面を全面カラー化し、写真・図を刷新して、援助内容をイメージしやすくしました。 各章の終わりに学習課題を示し、自分自身の生活や身近な人の体験を見つめ直したり、実験できる内容を豊富に取り入れました。
シリーズ 新看護学 7
執筆 伊藤 明子 / 星 和美 / 山崎 裕美子 / 青山 美智代
発行 2012年01月判型:B5頁:432
ISBN 978-4-260-01373-4
定価 2,860円 (本体2,600円+税)
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はしがき

学習にあたって
 ここでの学習は,『新看護学6 看護概論』で学ぶ「看護とはなにか」をつねに念頭におき,看護師みずからの手・眼・心を使い,看護実践の場において実際に適用する技術の基礎を習得することを目的とする。
 今日の少子高齢化の進展は,疾病構造の変化や健康に対する社会のニーズの多様化をもたらし,人々の生活や環境などに大きな影響を与えている。とりわけ,病という苦悩をかかえる対象者は,社会的な人間として人格を備え,人類の文化遺産としての最良の医術を受け,人間らしい環境で可能な限り自分らしく生き,尊厳をもって死んでゆくべき存在としてとらえられるようになってきている。
 そうしたなかで,看護においては,人間がその人らしく生きることを支援することはもとより,病気の根治がもはや期待し得ない場合でも,病という悩みを軽減する技術,つまり「癒し」の根源的技芸としての看護(アート)が求められ,ケアの質が一層問われる時代を迎えている。そのため,私たち看護師は,個々の看護技術を単なるテクニックとしてとらえるのではなく,対象である人間への深い理解と,みずからの気づきをもって意欲的に自分の技術をみがき,1人ひとりの看護師の信念と看護観を表現することが求められている。また,そうした学びが看護師を志す者にとって重要であり,看護の礎となる。
 本書は,看護をはじめて学習する学生を対象に,できるだけわかりやすく具体的に記述するように努めた。これから学ぶすべての過程で,皆さんの手だすけとなることを心から期待している。

改訂の趣旨
 本書は1970(昭和45)年に初版が刊行された。それ以来,看護を取り巻く社会の変化に伴って改訂を重ね,准看護師教育と看護の質の向上に資すべく対応してきた。第12版(2001年)より著者らが交代し,保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部改正(2002年)によるカリキュラム改訂の趣旨をふまえ,従来の内容を精査するとともに,看護実践の場で科学的な知識に裏打ちされた考えや行動がとれることを主眼として重点的に改訂した。
 今回の改訂にあたっては,学習内容の構成は従来どおりとし,種々の改革のただなかにある医療サービスの一員である看護職が,専門職として継続的にその役割を果たすための基礎・基本について精選した。また,人間性や感性等の情意領域の涵養をも重視し,次のことに留意して内容の充実に努めた。
(1)看護行為に共通する技術では,看護の各領域に共通の基礎的な考え方を学び,患者の状態や変化を適切に観察・報告・記録できる能力を養う内容とした。
(2)日常生活の援助技術では,対象者を離れて技術だけが単独に先行しないように,技術の根拠を理解するための基礎知識,および一般化できる研究成果を掲載した。また,臨床現場で実施頻度が少ない技術については削除した。各看護技術の実施方法については,対象者の状態や環境に応じた条件を設定するなどして学習を深められるよう,基本的な方法例を箇条書きで示した。
(3)診療に伴う技術については,従来の版と同じく原理の明快な解説をこころがけ,指示内容を正確に確認しながら対象者への思いやりある看護ケアとして実施できるよう記述した。また,おもに次の内容を変更した。
 ①根拠に基づき,管の挿入の長さなどの数値を見直した。
 ②臨床現場で実施頻度が少ない石けん浣腸,膀胱洗浄の項を削除した。
(4)各技術とも,感染予防に関する標準予防策をもとに,必要時手袋着用を組み込んだ手順とした。
(5)各章の終わりに学習課題を示し,みずからの生活や身近な人の体験の意味を考えたり,実験できる内容を豊富に取り入れた。
(6)全ページカラー印刷とし,図・写真を多く取り入れ,援助内容のイメージ化をはかった。
(7)各項目末尾に参考文献を明記した。
 編集にあたっては,表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除き,看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」とし,准看護師をさす場合には「准看護師」とした。また,看護技術は,医療施設に入院している患者だけではなく在宅で療養している人や,保健・福祉施設を利用している人にも適用できることから,患者に限定しない事項については「対象者」とした。
 なお,執筆にあたっては,ご利用いただいている方々から寄せられた貴重なご意見を尊重し内容に反映した。今後とも,多くの皆様方からのご意見を参考にしながら,准看護師教育のさらなる充実・発展を願い,本書が適切で使いやすいテキストとなるように最善の努力を重ねてまいりたい。
 2011年12月
 著者ら

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第1章 看護行為に共通する技術 (伊藤明子)
 序.看護技術とはなにか
 A.コミュニケーション
 B.相談・指導
 C.情報の収集
 D.バイタルサイン
 E.姿勢と動作
 F.安全・安楽
 G.看護過程
第2章 日常生活の援助技術 (伊藤明子・青山美智代)
 A.日常生活の理解と援助
 B.環境調整の援助
 C.生活動作の援助
 D.衣生活の援助
 E.睡眠と休息の援助
 F.罨法の援助
 G.清潔の援助(「褥瘡」含む)
 H.栄養と食生活の援助
 I.排泄の援助
第3章 診療に伴う技術 (星和美・山崎裕美子)
 A.診療過程と看護
 B.診療用具とその取り扱い
 C.滅菌・消毒と感染予防
 D.診察と看護
 E.身体の測定
 F.検査と看護
 G.薬物療法
 H.輸血法
 I.吸入
 J.栄養療法
 K.導尿
 L.浣腸
 M.吸引
 N.包帯法
 附1.洗浄
 附2.穿刺

 さくいん

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