基礎看護[1] 第14版
看護概論

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本書では、看護とはなにか、看護の対象である人間とはなにかを学び、看護はなにを目的に、どのような方法で行うのかについて、基本的事項をまとめています。 看護は人間の健康問題に関与しています。看護を理解するためには、(1)人間、(2)環境、(3)健康、(4)看護のそれぞれを理解し、さらにその関連性を学ぶ必要性から、本書では、これらの内容を基本に構成し、基礎的な事項を簡潔かつ全般的に示しました。 第14版より全面カラー化し、イラストや図版を多数用いることで、初学者でも概念や理論をスムーズに理解できるよう工夫をこらしました。 内容の全面的な見直しに加え、第4章に「災害時における看護」を項目として加えるなど、一層の充実をはかりました。
シリーズ 新看護学 6
執筆 伊藤 政子 / 雑賀 美智子 / 平尾 真智子
発行 2012年01月判型:B5頁:184
ISBN 978-4-260-01371-0
定価 1,760円 (本体1,600円+税)
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はしがき

学習にあたって
 みなさんはいま,看護専門科目学習の第一歩として,看護学の基盤ともいえる「基礎看護」を学習しようとしている。ここで学ぶ内容は,看護職に必要とされる知識・技術・態度のあらゆる側面について,つねに基本となる事項である。
 21世紀にはいった現在は,少子高齢化のもとで医療の高度化・専門分化が進展する一方,人間が真に人間らしい健康な生活を営むためのケアが重視される時代である。看護は人間の生命や健康生活に直接かかわる行為であり,その行為のよしあしが対象となる人の生死や人生に大きく影響する。そのためケアを担う看護職には高い倫理的判断と行為が必須となり,より質の高い役割が期待されている。みなさんが志している准看護師は,看護師とは法的な資格が異なるとはいえ,保健医療チームの一員としてともに協力し,それらの期待にこたえていかなければならない。
 本書『看護概論』では,これから看護職を目ざす人が,看護とはなにか,また看護の対象である人間とはどんな存在であるかを学び,看護はなにを目的に,どのような方法で行うのかについて基本的な事項を学ぶ。そして,看護について自分の考え方や態度を養っていくことを学習の目的にしている。
 いうまでもなく,看護は人間の健康問題に関与している。したがって看護を理解するためには,(1)人間(看護の対象者としての人間),(2)環境(人間が健康な生活を送るための環境),(3)健康(医療・看護が目ざす人間の健康),(4)看護(看護の目的,対象,方法)のそれぞれについて理解し,その関連性を学ぶことが必要である。そのため本書ではこれらの内容を基本に構成し,基礎的な事項を簡潔かつ全般的に示した。初学者にはややむずかしい内容もあろうが,ここに記された1つひとつの背景には,先人の多くの研究成果や実践成果があることを念頭において主体的に学習を深めてほしい。

改訂の趣旨
 今回の改訂では,とくに次のことに留意して内容の充実に努めた。
 (1)主要な学習内容については,保健・医療・福祉の連携のもとで准看護師に期待される役割を前提に,看護師2年課程の教育内容を考慮して,選択・構成し,内容の充実をはかった。(2)現代の看護を理解するために必要な概念や用語,看護理論について内容を増補した。また看護師と協力して質の高い看護活動ができるよう看護過程・看護診断を増補した。(3)看護活動については,実際の看護活動に則したかたちで内容を整理した。(4)安全対策,事故予防,および個人情報の保護など患者の権利擁護を強化し,看護倫理上,看護管理上の両面から看護活動の質的向上を強調した。(5)災害時における看護について,新たに項目を設けて基本的内容を記した。(6)おもな参考文献を各章ごとに提示し,看護をさらに学びやすいようにした。(7)全面カラー化し,イラストや図版を用いることで理解の助けになるよう工夫をこらした。
 2002(平成14)年から実施された新カリキュラムでは,准看護師の資質の向上を目標に,「基礎看護」,「成人看護」,「老年看護」の時間数が増加し,「精神看護」が新たに加えられた。これらの基礎となる本教科では,看護の基盤となる内容を確実に学んでほしい。
 なお,文中では表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除いて看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」として表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」として示した。また保健師・助産師・看護師・准看護師など,看護の有資格者をさす場合には看護者あるいは看護職としたので,あらかじめご了解をいただきたい。
 今回の改訂にあたって,意は尽くしたつもりであるが,まだまだ不十分な点もあると考える。今後とも准看護師教育の向上発展を願い,有用な使いやすいテキストとしていきたい。読者および有識者のみなさまの率直なご意見,ご教示をお寄せいただければ幸いである。
 2011年11月
 著者ら

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第1章 看護とは (伊藤政子)
 A.看護概念の移りかわり
 B.現代における看護の概念
 C.看護の目的・対象・方法
第2章 看護の対象としての人間 (伊藤政子)
 A.人間を理解することの意味
 B.看護の視点からとらえた人間
 C.患者の理解
 D.人間へのアプローチ
第3章 健康と保健・医療・福祉 (伊藤政子)
 A.健康の価値
 B.健康観
 C.健康の概念
 D.健康をまもるしくみと看護
第4章 看護活動-看護の実施 (雑賀美智子)
 A.看護活動
 B.看護活動の種類
 C.健康段階と看護活動
 D.連絡・報告・記録
 E.看護職の基本的な姿勢
 F.看護の継続性
 G.災害時における看護
第5章 看護管理・看護研究 (雑賀美智子)
 A.看護管理
 B.看護研究
第6章 職業としての看護 (雑賀美智子)
 A.看護と法
 B.生命倫理と看護の倫理
 C.専門職業団体と国際協力
 D.看護教育
 E.看護職と自己管理
第7章 看護の変遷 (平尾真智子)
 A.古代における医学と看護
 B.宗教的看護の時代
 C.わが国における仏教と看護
 D.近代看護の確立
 E.現代の看護

 付録 資料・年表
  1.保健師助産師看護師法(抄)
  2.看護史略年表
 さくいん

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