臨床検査総論

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臨床検査の柱のひとつである検体検査を中心に学ぶ「臨床検査総論」。本科目では、各検査項目の目的・測定手技・基準範囲の背景となる考え方に至る、幅広い知識を学ぶ。本書では、それら1つひとつの項目を丁寧に解説し、臨床的意義を学べるように構成した。さらに、臨床検査技師を目指す上での心得、臨床検査技術の歴史も収録、医療人としてのあり方を学べる教材に。臨床検査技師にとって欠かせない知識を習得するための1冊。

*「標準臨床検査学」は株式会社医学書院の登録商標です。
医学書院の“青本”シリーズ≪標準臨床検査学≫が完全リニューアル! 臨床検査技師を志す学生向けの新しい教科書シリーズです。 ●シリーズの特徴 ・標準的なカリキュラムに対応し、使い勝手のよい編成 ・臨床検査技師国家試験出題基準に完全対応、必要にして十分な記述内容 ・医師と臨床検査技師のコラボで生まれた教科書 ●ラインナップ ≫全12巻の一覧はこちら
シリーズ 標準臨床検査学
シリーズ監修 矢冨 裕 / 横田 浩充
編集 伊藤 機一 / 松尾 収二
発行 2013年01月判型:B5頁:160
ISBN 978-4-260-01665-0
定価 3,300円 (本体3,000円+税)

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刊行のことば(矢冨 裕・横田浩充)/(松尾収二)

刊行のことば
 「標準臨床検査学」シリーズは,「臨床検査技師講座」(1972年発刊),「新臨床検査技師講座」(1983年発刊),さらには「臨床検査技術学」(1997年発刊)という医学書院の臨床検査技師のための教科書の歴史を踏まえ,新しい時代に即した形で刷新したものである.
 臨床検査は患者の診断,治療効果の判定になくてはならないものであり,医療の根幹をなす.この臨床検査は20世紀の後半以降,医学研究,生命科学研究の爆発的進歩と歩調を合わせる形で,大きく進歩した.そして臨床検査の項目・件数が大きく増加し,内容も高度かつ専門的になるにつれ,病院には,臨床検査の専門部署である検査部門が誕生し,臨床検査技師が誕生した.臨床検査の中央化と真の専門家による実践というこの体制が,わが国の医療の発展に大きく貢献したこと,そして,今後も同じであることは明らかである.
 このような発展めざましい臨床検査の担い手となることを目指す方々のための教科書となることを目指し,新たなシリーズを企画した.発刊にあたっては,(1)臨床検査の実践において必要な概念,理論,技術を俯瞰できる,(2)今後の臨床検査技師に必要とされる知識,検査技術の基礎となる医学知識などを過不足なく盛り込む,(3)最新の国家試験出題基準の内容をすべて網羅することを念頭に置いた.しかしながら国家試験合格のみを最終目的とはせず,実際の臨床現場において医療チームの重要な一員として活躍できるような臨床検査技師,研究マインドが持てるような臨床検査技師になっていただけることを願って,より体系だった深い内容となることも目指している.また,若い方々が興味を持って学習を継続できるように,レイアウトや記載方法も工夫した.
 本書で学んだ臨床検査技師が,臨床検査の現場で活躍されることを願うものである.

 2012年春
 矢冨 裕
 横田浩充



 臨床検査総論は,その名のごとく臨床検査の基本となる科目であり,学生諸君がまず修得すべきものである.本書は前身となる「臨床検査技術学」シリーズとして1995年に初版,1998年に第2版,2003年に第3版が刊行された.今回,満を持して「標準臨床検査学」シリーズの一冊として装いも新たに発行されることとなった.
 本書は,当初,前シリーズ第3版に引き続き伊藤機一先生(大東文化大学教授)が編集されていたが,昨年,病にて他界され,編者が引き継ぐこととなった.臨床検査が進歩するなか,伊藤先生の本書への思いは強く,随所にそれが示されている.
 まず,第3章「臨床検査が行われる場所」は新設の章である.近年,POCT(point of care testing:臨床現場即時検査),すなわち患者の傍らで行う臨床検査や,薬局やインターネットで購入した検査キットを用いて実施する在宅検査やOTC(over the counter)検査が広まりつつあり,検査がさまざまな所で行われていることを示した.
 臨床検査が広がる昨今の状況に呼応して,各章に多くを追加した.第1章に国際的動向とチーム医療を取り入れた.前者では検査室の認定制度,臨床検査の標準化,後者では検査室以外の部署で活躍する臨床検査技師の役割を記した.第2章には残余検体の取り扱い,他部署とのコミュニケーションを追加した.残余検体の扱いは倫理の問題とともに教育,臨床研究のあり方に関与する.第4章「採血法」には動脈採血の既述を充実させた.採血は看護師から臨床検査技師の仕事へと変わりつつある.第5章「検体の扱い方」および第6章「一般臨床検査」にはこれまで触れていなかった検体である,透析液,気管支肺胞洗浄液,腟分泌液,涙,羊水などを追加し,臨床検査で用いるほとんど検体の扱い方および検査法を盛り込んだ.これら以外の既設の項目も加筆訂正し充実させた.
 第1章「臨床検査技師の役割と使命」および第2章「臨床検査における心構えと一般的注意」は,臨床検査医学の創始者の一人である故柴田進先生,そしてこれを引き継いで執筆された伊藤先生の思いに編者が加筆させて頂いた.学生諸君がいつまでも持ち続けてほしい内容である.
 多くの方々に本書をご利用頂き,ご意見,ご叱正を頂ければ幸甚である.

 2012年11月
 松尾収二

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カラー図譜

第1章 臨床検査技師の役割と使命
 A 保健・医療・福祉と臨床検査
 B 臨床検査の歴史
 C 臨床検査技師教育
 D 臨床検査の国際的動向
 E チーム医療
第2章 臨床検査における心構えと一般的注意
 A 医療人としての臨床検査技師
 B 臨床検査の鉄則
 C 臨床検査の経済効率性
 D 適切な検査機器の導入
 E 清潔,整理,整頓
 F 感染防止
 G 服装
 H 災害防止,危機管理
 I 過誤防止,インシデント防止
 J 貴重な検体
 K 倫理感の堅持
 L 他部署とのコミュニケーション
 M 自己研鑽の重要性
第3章 臨床検査が行われる場所
 A POCT(point of care testing)
 B 在宅(自宅,勤務場所)での検査
 C 中央(臨床)検査室(部)
 D 衛生検査所(検査センター)
 E その他の場所
第4章 採血法
 A 採血行為の範囲
 B 採血の種類
 C 採血に際しての注意事項
 D 採血の部位と手段
 E 乳幼児の採血
第5章 検体の取り扱い方
 A 検体採取・取り扱いの一般的注意
 B 検体別の採取法,取り扱い方
第6章 一般臨床検査
 A 尿検査
 B 糞便検査
 C 脳脊髄液検査
 D 関節液検査
 E 胸水・腹水・心嚢液
 F 精液検査
 G 持続携行式腹膜透析排液検査
 H 喀痰検査
 I 胃液検査
 J 十二指腸液検査
 K 気管支肺胞洗浄液検査
 L 鼻汁検査
 M 羊水検査
 N 結石検査
 O その他の分泌物の検査

和文索引
欧文索引
付録

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