地域作業療法学 第2版
OTを目指す学生のための「標準作業療法学」教科書シリーズの1冊
もっと見る
地域リハビリテーションにおける地域作業療法の位置づけや、介護保険制度における地域作業療法の役割についてわかりやすく解説。さらに15の施設をとりあげて実践事例を紹介し、地域作業療法の多様な姿を明示する。作業療法士を志す学生はもちろん、これから地域に出ようとしている作業療法士にも最適の1冊。
*「標準作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 標準作業療法学 専門分野 |
---|---|
シリーズ監修 | 矢谷 令子 |
編集 | 小川 恵子 |
編集協力 | 大熊 明 / 加藤 朋子 |
発行 | 2012年01月判型:B5頁:320 |
ISBN | 978-4-260-01438-0 |
定価 | 4,180円 (本体3,800円+税) |
- 販売終了
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。
- 序文
- 目次
序文
開く
第2版 序
「地域作業療法学」が作業療法学のなかに科目として取り上げられるようになってから10年余りとなる.したがって,他の科目に比べると内容がおおよそ定まっているわけではなく,教科書もそう多くはないことから,担当する教員の考えによってさまざまであることを感じている.はたして本書の内容はこれでいいのか,編集者として悩んだが,全国の多くの学校で本書初版を教科書として使っていただいていることを知り安心した.しかし,時代の変遷とともに,在宅障害者への取り組みも変化し,制度も変化する.第2版では大熊明と加藤朋子が編集協力に加わり,現状に即した改訂を行った.
編集の過程では,地域の定義は広く,作業療法というきわめて多様性のある実践アプローチのなかで,何をどう整理すれば本書が学生にとってわかりやすく意義のあるものとなるのか,あらためて“学”としての地域作業療法の難しさを実感した.
学生は,医学モデルを基盤としながらも,生活モデルの視点を併せ持って地域に臨む作業療法に少なからず関心を寄せている.それだけに,地域での作業療法の実践感覚をどう伝えればよいか苦闘している.とりわけ,社会の情勢は激しく変わり,今では社会保障が国の政策の一番手にあがり,論点になっているといっても過言ではない.法律や制度がめまぐるしく改定され,それらを追っていくだけでも大変である.それに加えて,作業療法のベースである医学的な知識や技術の修得に追われる学生に対して,こうした社会情勢や社会的な知識がどこまで伝えられるかは,教員にとって共通の悩みとなっているのではないだろうか.
第2版の刊行にあたり,こうした保健,福祉領域の制度改定にも焦点を当て,実際に活躍している作業療法士の方々にご執筆いただいて各章を編成したのも,実践の学問としての地域作業療法の息吹が伝わればという思いからである.障害者自立支援法など,地域で作業療法を推し進めていくには,その根拠となる法律や制度がまだ十分とはいえない.しかし,そうした現実においても,何人かのパイオニアは,すでに地域において作業療法を実践しているのも事実である.
このようにしてできあがった第2版を通して見てみると,“地域”のとらえ方の重要性とともに,どの領域,どの分野においても,作業療法そのものの基本的な態度は変わらないということも見えてきた.「全人的に人を見て,その人とともに作業を考え,その作業を推し進めるための環境を整えていく」という作業療法の中心的な原理は,地域作業療法においても普遍のものと思われる.
四十数年前にわが国で誕生した作業療法と,それを先導していただいた諸先生方に感謝するとともに,新しい世代の作業療法士が,刻々と変わる目の前の世界に対峙して道を切り開いていかなければならないときに来ていると思う.そうした実践のなかで,地域作業療法はさらに形づくられてくるものと思われる.
引き続き本書が全国の養成校の教科書としてお役に立つことを願っている.
2011年11月
執筆者を代表して
小川恵子
大熊 明
加藤朋子
「地域作業療法学」が作業療法学のなかに科目として取り上げられるようになってから10年余りとなる.したがって,他の科目に比べると内容がおおよそ定まっているわけではなく,教科書もそう多くはないことから,担当する教員の考えによってさまざまであることを感じている.はたして本書の内容はこれでいいのか,編集者として悩んだが,全国の多くの学校で本書初版を教科書として使っていただいていることを知り安心した.しかし,時代の変遷とともに,在宅障害者への取り組みも変化し,制度も変化する.第2版では大熊明と加藤朋子が編集協力に加わり,現状に即した改訂を行った.
編集の過程では,地域の定義は広く,作業療法というきわめて多様性のある実践アプローチのなかで,何をどう整理すれば本書が学生にとってわかりやすく意義のあるものとなるのか,あらためて“学”としての地域作業療法の難しさを実感した.
学生は,医学モデルを基盤としながらも,生活モデルの視点を併せ持って地域に臨む作業療法に少なからず関心を寄せている.それだけに,地域での作業療法の実践感覚をどう伝えればよいか苦闘している.とりわけ,社会の情勢は激しく変わり,今では社会保障が国の政策の一番手にあがり,論点になっているといっても過言ではない.法律や制度がめまぐるしく改定され,それらを追っていくだけでも大変である.それに加えて,作業療法のベースである医学的な知識や技術の修得に追われる学生に対して,こうした社会情勢や社会的な知識がどこまで伝えられるかは,教員にとって共通の悩みとなっているのではないだろうか.
第2版の刊行にあたり,こうした保健,福祉領域の制度改定にも焦点を当て,実際に活躍している作業療法士の方々にご執筆いただいて各章を編成したのも,実践の学問としての地域作業療法の息吹が伝わればという思いからである.障害者自立支援法など,地域で作業療法を推し進めていくには,その根拠となる法律や制度がまだ十分とはいえない.しかし,そうした現実においても,何人かのパイオニアは,すでに地域において作業療法を実践しているのも事実である.
このようにしてできあがった第2版を通して見てみると,“地域”のとらえ方の重要性とともに,どの領域,どの分野においても,作業療法そのものの基本的な態度は変わらないということも見えてきた.「全人的に人を見て,その人とともに作業を考え,その作業を推し進めるための環境を整えていく」という作業療法の中心的な原理は,地域作業療法においても普遍のものと思われる.
四十数年前にわが国で誕生した作業療法と,それを先導していただいた諸先生方に感謝するとともに,新しい世代の作業療法士が,刻々と変わる目の前の世界に対峙して道を切り開いていかなければならないときに来ていると思う.そうした実践のなかで,地域作業療法はさらに形づくられてくるものと思われる.
引き続き本書が全国の養成校の教科書としてお役に立つことを願っている.
2011年11月
執筆者を代表して
小川恵子
大熊 明
加藤朋子
目次
開く
序章 地域作業療法学を学ぶ皆さんへ
第1章 地域作業療法の基盤と背景
I 地域医療の台頭
II 地域リハビリテーションとは
III 地域作業療法とは
第2章 地域作業療法を支える制度・社会生活支援・連携
I 制度
II 社会生活支援
III 連携
第3章 地域作業療法の実践
I 地域作業療法の枠組み
II 個別支援プログラム
III 集団支援プログラム・地域づくり
第4章 地域作業療法の実践事例
I 病院(身体機能領域)
II 病院(精神機能領域)
III 小児総合医療施設
IV 診療所(クリニック)
V 介護老人保健施設
VI 通所介護施設(高齢者在宅デイサービスセンター)
VII 身体障害者福祉センター
VIII リハビリテーションセンター(相談部門)
IX 訪問作業療法
X 地域包括支援センター
XI 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
XII 発達支援
XIII 地域生活移行(精神障害者の地域生活支援)
XIV 就労支援(高次脳機能障害を中心に)
XV 在宅(終末期)
地域作業療法学の発展に向けて
さらに深く学ぶために
巻末資料
【資料1】主な施設基準など一覧
【資料2】様式・書式など
索引
第1章 地域作業療法の基盤と背景
I 地域医療の台頭
II 地域リハビリテーションとは
III 地域作業療法とは
第2章 地域作業療法を支える制度・社会生活支援・連携
I 制度
II 社会生活支援
III 連携
第3章 地域作業療法の実践
I 地域作業療法の枠組み
II 個別支援プログラム
III 集団支援プログラム・地域づくり
第4章 地域作業療法の実践事例
I 病院(身体機能領域)
II 病院(精神機能領域)
III 小児総合医療施設
IV 診療所(クリニック)
V 介護老人保健施設
VI 通所介護施設(高齢者在宅デイサービスセンター)
VII 身体障害者福祉センター
VIII リハビリテーションセンター(相談部門)
IX 訪問作業療法
X 地域包括支援センター
XI 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
XII 発達支援
XIII 地域生活移行(精神障害者の地域生活支援)
XIV 就労支援(高次脳機能障害を中心に)
XV 在宅(終末期)
地域作業療法学の発展に向けて
さらに深く学ぶために
巻末資料
【資料1】主な施設基準など一覧
【資料2】様式・書式など
索引
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。