発達段階からみた
小児看護過程 第2版
+病態関連図
患児と家族の全体像がみえる、実習記録の悩みもスッキリ解消、小児看護の決定版
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発達段階別(乳児期、幼児期、学童期、思春期)に各期の特徴とケアのポイントを冒頭にまとめ、各期に特徴的な疾患をもった患児に対する看護過程の展開を、発達・成長の側面を意識しながら記載。全面的に見直し、看護診断ラベルを更新。実際に実習施設で学生が遭遇する機会の多い疾患を取り上げ、小児に特徴的な症状についても、症状別の看護過程を記載。さらに特殊治療における看護過程も掲載。母親・家族を含めたケアを意識した。
シリーズ | からみた看護過程 |
---|---|
編集 | 石黒 彩子 / 浅野 みどり |
編集協力 | 高橋 義行 / 伊藤 嘉規 |
発行 | 2012年09月判型:A5頁:800 |
ISBN | 978-4-260-01562-2 |
定価 | 4,180円 (本体3,800円+税) |
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序文
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はじめに
少子高齢社会の到来とともに,次世代育成支援対策等が精力的に推し進められてきたが,子どもが健全に育つための環境は万全とは言いがたい.また,2011年3月11日に東日本大震災という未曽有の地震,津波,そして原発事故を経験し,被災した子どもたちはかつてない環境への不安と隣り合わせの生活を余儀なくされている.また,病いをもつ子どもたちは,先進医療を受けることができる時代になってきたが,入院期間の短縮化が進み,早期に退院して外来治療や在宅療養に移行する.小児病棟の統廃合に象徴されるように,入院環境も最善のものではなくなりつつあり,子どもと家族が確かなケアを保障されるとは言いがたい現状にある.
しかし,そんななかでも子どもと家族を中心にすえて,他職種と協働し多様なニーズに応え,子どもや家族のレジリエンスを信じ支える看護実践の努力がなされていることも事実である.そのためには,看護学生諸子を時代が求める看護実践能力を備えた看護師に育てていくことが急務である.そこで,小児看護に特化した看護過程についてのサブテキストとして,2008年8月に本書初版が刊行された.以来,本書は,小児看護を学ぶ看護学生に対して学内での紙上事例や実習における看護過程の展開に有用な情報を提供してきたといえる.しかし,この間にも医療の進歩は目覚ましいものがあり,さらに内容の充実を図るために改訂版を刊行する運びとなった.
第1編では,乳児期・幼児期・学童期~思春期の各期に分けて,それぞれの冒頭で「各期の特徴とケアのポイント」を記述後,代表的疾患の医学的な解説に続けて看護過程の展開を詳細に解説した.第2編では,小児によくみられる症状を取り上げた.症状出現のメカニズムとアセスメントのポイントなどは,疾患についての学習をさらに効果的にするだろう.また,本書に該当の疾患がない場合は,第2編を参考にしてアセスメントと看護ケアを考えることができる.第3編では,代表的な特殊治療における看護過程について解説した.
看護過程の展開では,まず「看護過程フローチャート」で思考過程の概要を紹介した.この思考過程を誰にでもわかるように言語化し,記録,伝達することで,看護ケアの質が保証される.「情報収集」「アセスメントの視点と根拠」から始まる思考過程では,どんな患児にも応用できるよう,極力多くの「看護問題」「看護診断」を取り上げ,「看護目標」と「看護計画」を解説した.さらにケアプランに役立つように,各段階のポイントをあげ,最後に全体像を把握できるよう「病態関連図と看護問題」を図式化した.
このような看護過程における思考過程を養うために,本書は強力なナビゲーターになってくれるであろう.もちろん,子どもたちには個性があり,同じ疾患をもつ子どもであっても発達段階や環境,経験などによってケアも多様である.あくまでも対象となる子どもと家族に合わせた看護を考えていただきたい.
本書に書かれた内容をナビゲーターとして,子どもとその家族の尊厳を大切にした看護をどのように実践のなかで提供できるかは,皆さんの真.な学習態度と熱意にかかっている.小児看護の質が高まれば,21世紀を担う子どもたちが健全に育ち,未来は明るい.本書がそのための一助となれば望外の幸せである.
最後に,本書の趣旨にご賛同いただき,それぞれにご多忙ななか,本書の改訂版の執筆に多くの時間を割いていただきました諸先生方に,この場を借りてお礼申しあげます.
2012年7月 夏空に子どもの歓声がひびくころ
著者を代表して 石黒彩子・浅野みどり
少子高齢社会の到来とともに,次世代育成支援対策等が精力的に推し進められてきたが,子どもが健全に育つための環境は万全とは言いがたい.また,2011年3月11日に東日本大震災という未曽有の地震,津波,そして原発事故を経験し,被災した子どもたちはかつてない環境への不安と隣り合わせの生活を余儀なくされている.また,病いをもつ子どもたちは,先進医療を受けることができる時代になってきたが,入院期間の短縮化が進み,早期に退院して外来治療や在宅療養に移行する.小児病棟の統廃合に象徴されるように,入院環境も最善のものではなくなりつつあり,子どもと家族が確かなケアを保障されるとは言いがたい現状にある.
しかし,そんななかでも子どもと家族を中心にすえて,他職種と協働し多様なニーズに応え,子どもや家族のレジリエンスを信じ支える看護実践の努力がなされていることも事実である.そのためには,看護学生諸子を時代が求める看護実践能力を備えた看護師に育てていくことが急務である.そこで,小児看護に特化した看護過程についてのサブテキストとして,2008年8月に本書初版が刊行された.以来,本書は,小児看護を学ぶ看護学生に対して学内での紙上事例や実習における看護過程の展開に有用な情報を提供してきたといえる.しかし,この間にも医療の進歩は目覚ましいものがあり,さらに内容の充実を図るために改訂版を刊行する運びとなった.
第1編では,乳児期・幼児期・学童期~思春期の各期に分けて,それぞれの冒頭で「各期の特徴とケアのポイント」を記述後,代表的疾患の医学的な解説に続けて看護過程の展開を詳細に解説した.第2編では,小児によくみられる症状を取り上げた.症状出現のメカニズムとアセスメントのポイントなどは,疾患についての学習をさらに効果的にするだろう.また,本書に該当の疾患がない場合は,第2編を参考にしてアセスメントと看護ケアを考えることができる.第3編では,代表的な特殊治療における看護過程について解説した.
看護過程の展開では,まず「看護過程フローチャート」で思考過程の概要を紹介した.この思考過程を誰にでもわかるように言語化し,記録,伝達することで,看護ケアの質が保証される.「情報収集」「アセスメントの視点と根拠」から始まる思考過程では,どんな患児にも応用できるよう,極力多くの「看護問題」「看護診断」を取り上げ,「看護目標」と「看護計画」を解説した.さらにケアプランに役立つように,各段階のポイントをあげ,最後に全体像を把握できるよう「病態関連図と看護問題」を図式化した.
このような看護過程における思考過程を養うために,本書は強力なナビゲーターになってくれるであろう.もちろん,子どもたちには個性があり,同じ疾患をもつ子どもであっても発達段階や環境,経験などによってケアも多様である.あくまでも対象となる子どもと家族に合わせた看護を考えていただきたい.
本書に書かれた内容をナビゲーターとして,子どもとその家族の尊厳を大切にした看護をどのように実践のなかで提供できるかは,皆さんの真.な学習態度と熱意にかかっている.小児看護の質が高まれば,21世紀を担う子どもたちが健全に育ち,未来は明るい.本書がそのための一助となれば望外の幸せである.
最後に,本書の趣旨にご賛同いただき,それぞれにご多忙ななか,本書の改訂版の執筆に多くの時間を割いていただきました諸先生方に,この場を借りてお礼申しあげます.
2012年7月 夏空に子どもの歓声がひびくころ
著者を代表して 石黒彩子・浅野みどり
目次
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はじめに
本書の構成と使い方
第1編 疾患からみた小児看護過程の展開
第1章 乳児期
1 乳児期の特徴とケアのポイント
2 口唇口蓋裂
3 鎖肛
4 ヒルシュスプルング病
5 胆道閉鎖症
6 先天性股関節脱臼
7 乳幼児嘔吐下痢症
8 細気管支炎(RSウイルス感染症)
9 クループ症候群
第2章 幼児期
10 幼児期の特徴とケアのポイント
11 麻疹
12 水頭症
13 ファロー四徴症
14 心室中隔欠損症
15 脳腫瘍
16 神経芽(細胞)腫
17 ウィルムス腫瘍
18 白血病(急性リンパ性白血病・急性骨髄性白血病)
19 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
20 1型糖尿病
21 ネフローゼ症候群
22 痙攣性疾患
23 髄膜炎
24 尿路感染症
25 川崎病
26 アトピー性皮膚炎
27 熱傷
第3章 学童期~思春期
28 学童期~思春期の特徴とケアのポイント
29 肺炎(マイコプラズマ感染症)
30 気管支喘息
31 再生不良性貧血
32 急性糸球体腎炎(急性腎炎症候群)
33 脳性麻痺
34 若年性特発性関節炎
35 骨折
36 大腿骨頭すべり症
第2編 症状からみた小児看護過程の展開
37 痛み
38 発熱
39 ショック
40 発疹
41 呼吸困難・鼻閉
42 嘔吐
43 脱水
44 不安
第3編 特殊治療における小児看護過程の展開
45 気管切開
46 中心静脈カテーテル
47 骨髄移植・造血幹細胞移植
看護診断名索引
索引
本書の構成と使い方
第1編 疾患からみた小児看護過程の展開
第1章 乳児期
1 乳児期の特徴とケアのポイント
2 口唇口蓋裂
3 鎖肛
4 ヒルシュスプルング病
5 胆道閉鎖症
6 先天性股関節脱臼
7 乳幼児嘔吐下痢症
8 細気管支炎(RSウイルス感染症)
9 クループ症候群
第2章 幼児期
10 幼児期の特徴とケアのポイント
11 麻疹
12 水頭症
13 ファロー四徴症
14 心室中隔欠損症
15 脳腫瘍
16 神経芽(細胞)腫
17 ウィルムス腫瘍
18 白血病(急性リンパ性白血病・急性骨髄性白血病)
19 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
20 1型糖尿病
21 ネフローゼ症候群
22 痙攣性疾患
23 髄膜炎
24 尿路感染症
25 川崎病
26 アトピー性皮膚炎
27 熱傷
第3章 学童期~思春期
28 学童期~思春期の特徴とケアのポイント
29 肺炎(マイコプラズマ感染症)
30 気管支喘息
31 再生不良性貧血
32 急性糸球体腎炎(急性腎炎症候群)
33 脳性麻痺
34 若年性特発性関節炎
35 骨折
36 大腿骨頭すべり症
第2編 症状からみた小児看護過程の展開
37 痛み
38 発熱
39 ショック
40 発疹
41 呼吸困難・鼻閉
42 嘔吐
43 脱水
44 不安
第3編 特殊治療における小児看護過程の展開
45 気管切開
46 中心静脈カテーテル
47 骨髄移植・造血幹細胞移植
看護診断名索引
索引
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