私だってできる看護研究
無理なく研究を行うヒントとテクニック
あなたの看護研究を1からサポート、本書を読めば看護研究へのイメージは激変!
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臨床看護師が病棟で看護研究に取り組むときの流れを紹介し、各ステップで必要な知識とスキルをまとめた1冊。看護研究の当番を担うと、多くの場合は重い気持ちになるはず。本書は、そのような気持ちを払拭し意欲的に取り組めるよう、研究開始から発表までをストーリーで展開。いつもそばに講師がいてほしい。その講師が本書です!
著 | 田久 浩志 |
---|---|
発行 | 2015年06月判型:B5頁:104 |
ISBN | 978-4-260-02069-5 |
定価 | 2,200円 (本体2,000円+税) |
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はじめに
本書では,私が長い間,研究活動をする方のお手伝いをしてきたノウハウをもとに,研究の初心者の方を対象に研究テーマの決定,文献検索,データ整理,発表の仕方などの研究活動で,陥り易いトラブルとその対処方法を書きました。ある意味で,医療者のための研究活動をいかに攻略するかという本です。
調査や研究活動の一連の過程は,最初にテーマをしっかり決めて,資料を探し,研究計画を立てて,理路整然と作業を進めるのが理想です。しかし,今まで私が見た範囲では,研究活動は順調に進むことは少なく,資料を探し,調査や実験をし,結果を検証し,改善点を見出してそして先に進むという活動を繰り返す例が大半でした。ですので,研究初心者の方は,教科書に書いてあるような理想的な作業ができるとは思わず,行きつ戻りつ研究活動を繰り返すと割り切って,本書に書いてあるヒントをもとに地道に作業を進めて下さい。
最初に研究活動をする人へのアドバイスを書けば
・最初に『だからこうだ』と,結論を言えるように意識しよう
・事前に避けられるトラブルはしっかり避けよう
・自分のやった内容をノートに書こう
・それをもとに全体の活動の流れを考えよう
・資料収集,実験,調査をして記録しよう
・自分の活動を見直して周囲の人と相談しよう
・同じ資料でも説明の仕方によりインパクトが出せないか考えよう
・そして上記の一連の流れを繰り返そう
といった流れになります。なお,「研究」という表現は皆さんにとって敷居が高くなるようですので,本書では初心者の方の調査発表も研究発表に入れてよいという立場で研究も調査も同じものとして扱っています。
本書のねらい
本書は主に看護系の研究初心者が実際に調査・実験などの量的な研究をする場合を想定しています。そのため,文科系でよくある文献的考察,あるいは近年多く行われている質的研究は取り上げていません。私は全国各地で講演をしていますが,「過去に自分の行った研究」を原著論文のお手本,看護研究の全てと考えている指導者の方をよく見かけます。そしてそのような方が,時として研究の指導にのめり込み過ぎて,患者に寄り添う,または安全な医療の提供に研究の視点で関わろうとしている人々の障害となり,研究嫌いを蔓延させているようにも感じます。
もし,そのような方が効果的な研究指導をしていれば,私はこのような本を書く必要もなく研究好きの看護師が世の中にもっとたくさん存在しているはずです。また一方で,名プレイヤーと名監督が違うように,研究好きで他人に教えられる管理者が少ないにもかかわらず,皆が決められた考えで研究をしていること自体が悲劇の始まりともいえます。私は,研究初心者の方にとっては「研究」というとハードルが高くなるので,調査でもOK,とにかく自分で調べた内容を客観的にまとめて発表して下さればOK,「研究って面白いな」と思った人はそこからステップアップできればよしと考えていますので,この本は,「まあ,いいからとにかくやってごらん」という立場で書きました。
上司・先輩へのお願い
専門看護師,認定看護師の方,また博士課程,修士課程などで高度な研究活動を行った方は,「これが研究よ,何をしているの」などと言って初心者が研究に臨む向上心の芽をつまず,「一緒にやりましょう。相談にのるわよ」と寄り添う姿勢を示して下さい。「どれ,どれ」「あっそう~,そんなことが気になるの?」「どこ,どこ」などの声かけがあることだけでも初心者の悩みはかなり解消します。そうすれば,間接的に皆さんの仕事も楽になります。
私は看護研究は子育てと同じようなものと考えていますので,育児論のようなあるべき論は横に置き,のびのびと子ども(後輩,初心者)をはぐくんで明るい家庭(職場)を築いて下さるようお願いします。
2015年4月
田久 浩志
本書では,私が長い間,研究活動をする方のお手伝いをしてきたノウハウをもとに,研究の初心者の方を対象に研究テーマの決定,文献検索,データ整理,発表の仕方などの研究活動で,陥り易いトラブルとその対処方法を書きました。ある意味で,医療者のための研究活動をいかに攻略するかという本です。
調査や研究活動の一連の過程は,最初にテーマをしっかり決めて,資料を探し,研究計画を立てて,理路整然と作業を進めるのが理想です。しかし,今まで私が見た範囲では,研究活動は順調に進むことは少なく,資料を探し,調査や実験をし,結果を検証し,改善点を見出してそして先に進むという活動を繰り返す例が大半でした。ですので,研究初心者の方は,教科書に書いてあるような理想的な作業ができるとは思わず,行きつ戻りつ研究活動を繰り返すと割り切って,本書に書いてあるヒントをもとに地道に作業を進めて下さい。
最初に研究活動をする人へのアドバイスを書けば
・最初に『だからこうだ』と,結論を言えるように意識しよう
・事前に避けられるトラブルはしっかり避けよう
・自分のやった内容をノートに書こう
・それをもとに全体の活動の流れを考えよう
・資料収集,実験,調査をして記録しよう
・自分の活動を見直して周囲の人と相談しよう
・同じ資料でも説明の仕方によりインパクトが出せないか考えよう
・そして上記の一連の流れを繰り返そう
といった流れになります。なお,「研究」という表現は皆さんにとって敷居が高くなるようですので,本書では初心者の方の調査発表も研究発表に入れてよいという立場で研究も調査も同じものとして扱っています。
本書のねらい
本書は主に看護系の研究初心者が実際に調査・実験などの量的な研究をする場合を想定しています。そのため,文科系でよくある文献的考察,あるいは近年多く行われている質的研究は取り上げていません。私は全国各地で講演をしていますが,「過去に自分の行った研究」を原著論文のお手本,看護研究の全てと考えている指導者の方をよく見かけます。そしてそのような方が,時として研究の指導にのめり込み過ぎて,患者に寄り添う,または安全な医療の提供に研究の視点で関わろうとしている人々の障害となり,研究嫌いを蔓延させているようにも感じます。
もし,そのような方が効果的な研究指導をしていれば,私はこのような本を書く必要もなく研究好きの看護師が世の中にもっとたくさん存在しているはずです。また一方で,名プレイヤーと名監督が違うように,研究好きで他人に教えられる管理者が少ないにもかかわらず,皆が決められた考えで研究をしていること自体が悲劇の始まりともいえます。私は,研究初心者の方にとっては「研究」というとハードルが高くなるので,調査でもOK,とにかく自分で調べた内容を客観的にまとめて発表して下さればOK,「研究って面白いな」と思った人はそこからステップアップできればよしと考えていますので,この本は,「まあ,いいからとにかくやってごらん」という立場で書きました。
上司・先輩へのお願い
専門看護師,認定看護師の方,また博士課程,修士課程などで高度な研究活動を行った方は,「これが研究よ,何をしているの」などと言って初心者が研究に臨む向上心の芽をつまず,「一緒にやりましょう。相談にのるわよ」と寄り添う姿勢を示して下さい。「どれ,どれ」「あっそう~,そんなことが気になるの?」「どこ,どこ」などの声かけがあることだけでも初心者の悩みはかなり解消します。そうすれば,間接的に皆さんの仕事も楽になります。
私は看護研究は子育てと同じようなものと考えていますので,育児論のようなあるべき論は横に置き,のびのびと子ども(後輩,初心者)をはぐくんで明るい家庭(職場)を築いて下さるようお願いします。
2015年4月
田久 浩志
目次
開く
はじめに
本書のねらい
第1章 研究活動を始める前に
1 楽に進む研究の例
2 苦労ばかりする研究の例
3 悲劇はなぜ生じるか
4 役立つ調査・研究を目指すには
5 何が言えたら研究か
6 「だから,どうなんだ」がキーワード
7 まとめ
第2章 まずノートを用意しよう
1 まずノートを用意してアイデアを書き留めよう
2 他人が理解できる結論を考えよう
3 悩んだときは人に相談しよう
4 納得のいかないアドバイスはそれなりに
5 まとめ
第3章 資料や文献を探して記録を取ろう
A 良い資料や文献を効率的に集めるには
1 近くで資料や文献を探そう
2 資料や文献に接しよう
3 研究活動にはアイデアの仕入れが大事
4 CiNiiなどの文献検索システムを活用しよう
5 英語文献を探すノウハウ
6 自分に合った文献を選び利用するには
7 抄録を読んで考えよう
8 文献を素早く読む秘訣
9 先行文献の粗筋を真似してトレーニングしよう
B アイデアやメモをアウトラインでまとめよう
1 アウトラインとは
2 Wordでのアウトラインの使い方
3 アウトラインの利点
第4章 研究疑問と研究計画を検討しよう
A 研究計画を検討してトラブルを回避しよう~事件は現場で起きているんだ!
1 研究疑問を検討する
2 研究疑問と研究計画をチェックする
B プレゼンテーションパスで研究計画を見直す
1 研究を実行に移すためのプレゼンテーションパス
2 従来の研究のパスとプレゼンテーションパスの違い
3 プレゼンテーションパスの横軸の例
4 プレゼンテーションパスの縦軸
5 プレゼンテーションパスのチェックポイント
6 自分の立場は明確にしてガードをしよう
C アンケート調査を例とした研究計画の検討
1 質問票のつくり方
2 質問票作成のポイント
3 プレテストは入念に!
D 研究計画時での倫理配慮
第5章 研究過程での資料の整理
A Excelで楽に集計して表とグラフをつくる
1 データの集計方法
2 集計するためのデータの作成
3 クロス集計表の作成
4 集計表の修正
5 グラフの作成
6 グラフの修正
7 グラフの変更
8 おわりに
B 統計解析のキホンのキ
1 統計解析で何がわかる?
2 初心者がおさえるべき分析方法
3 記述統計学と推測統計学
4 検定手法の選び方
5 変数の尺度
6 検定で一番重要なのは仮説検定の考え方
7 検定手法の適用例
C 抄録をつくる
1 抄録とは
2 抄録を作成する前に
3 最終のタイトルのつけ方
4 発表者名,共同演者名について
5 Wordで抄録を作成する
D Wordのアウトラインからスライドをつくる
1 「新しいスライド」のメニューから読み込む方法
2 Word2013にPowerPointへの送信機能を組み込む方法
3 おわりに
E スライド作成の基礎
1 Wordでのスライド原稿の準備
2 テキストを調整する
3 背景をアレンジする
4 図表を貼り込む
5 全体の構成を調整する
6 ノート部分を活用する
7 スライドの枚数と表示の目安
8 使用フォントについて
第6章 研究発表を前にして
A 本番前に学術集会に参加して様子を見学しよう
B これならできる口頭発表
1 口頭発表とは
2 事前の発表練習
C 発表時のPowerPointの操作テクニック
1 画面を白か黒にする
2 画面への書き込み
3 スライドの移動
4 他のアプリケーションへの切り替え
D 発表者ツールの利用
E その他の発表時の注意点
1 発表時のペース配分に注意
2 発表時間は厳守する
3 発表後の質問について
F ポスター発表
1 ポスター発表とは
2 ポスター発表の形態
3 ポスター作成の注意点
4 聴衆を前にしたポスター発表では
5 ポスター発表のポイント
おわりに
巻末 看護研究 推薦図書リスト
索引
本書のねらい
第1章 研究活動を始める前に
1 楽に進む研究の例
2 苦労ばかりする研究の例
3 悲劇はなぜ生じるか
4 役立つ調査・研究を目指すには
5 何が言えたら研究か
6 「だから,どうなんだ」がキーワード
7 まとめ
第2章 まずノートを用意しよう
1 まずノートを用意してアイデアを書き留めよう
2 他人が理解できる結論を考えよう
3 悩んだときは人に相談しよう
4 納得のいかないアドバイスはそれなりに
5 まとめ
第3章 資料や文献を探して記録を取ろう
A 良い資料や文献を効率的に集めるには
1 近くで資料や文献を探そう
2 資料や文献に接しよう
3 研究活動にはアイデアの仕入れが大事
4 CiNiiなどの文献検索システムを活用しよう
5 英語文献を探すノウハウ
6 自分に合った文献を選び利用するには
7 抄録を読んで考えよう
8 文献を素早く読む秘訣
9 先行文献の粗筋を真似してトレーニングしよう
B アイデアやメモをアウトラインでまとめよう
1 アウトラインとは
2 Wordでのアウトラインの使い方
3 アウトラインの利点
第4章 研究疑問と研究計画を検討しよう
A 研究計画を検討してトラブルを回避しよう~事件は現場で起きているんだ!
1 研究疑問を検討する
2 研究疑問と研究計画をチェックする
B プレゼンテーションパスで研究計画を見直す
1 研究を実行に移すためのプレゼンテーションパス
2 従来の研究のパスとプレゼンテーションパスの違い
3 プレゼンテーションパスの横軸の例
4 プレゼンテーションパスの縦軸
5 プレゼンテーションパスのチェックポイント
6 自分の立場は明確にしてガードをしよう
C アンケート調査を例とした研究計画の検討
1 質問票のつくり方
2 質問票作成のポイント
3 プレテストは入念に!
D 研究計画時での倫理配慮
第5章 研究過程での資料の整理
A Excelで楽に集計して表とグラフをつくる
1 データの集計方法
2 集計するためのデータの作成
3 クロス集計表の作成
4 集計表の修正
5 グラフの作成
6 グラフの修正
7 グラフの変更
8 おわりに
B 統計解析のキホンのキ
1 統計解析で何がわかる?
2 初心者がおさえるべき分析方法
3 記述統計学と推測統計学
4 検定手法の選び方
5 変数の尺度
6 検定で一番重要なのは仮説検定の考え方
7 検定手法の適用例
C 抄録をつくる
1 抄録とは
2 抄録を作成する前に
3 最終のタイトルのつけ方
4 発表者名,共同演者名について
5 Wordで抄録を作成する
D Wordのアウトラインからスライドをつくる
1 「新しいスライド」のメニューから読み込む方法
2 Word2013にPowerPointへの送信機能を組み込む方法
3 おわりに
E スライド作成の基礎
1 Wordでのスライド原稿の準備
2 テキストを調整する
3 背景をアレンジする
4 図表を貼り込む
5 全体の構成を調整する
6 ノート部分を活用する
7 スライドの枚数と表示の目安
8 使用フォントについて
第6章 研究発表を前にして
A 本番前に学術集会に参加して様子を見学しよう
B これならできる口頭発表
1 口頭発表とは
2 事前の発表練習
C 発表時のPowerPointの操作テクニック
1 画面を白か黒にする
2 画面への書き込み
3 スライドの移動
4 他のアプリケーションへの切り替え
D 発表者ツールの利用
E その他の発表時の注意点
1 発表時のペース配分に注意
2 発表時間は厳守する
3 発表後の質問について
F ポスター発表
1 ポスター発表とは
2 ポスター発表の形態
3 ポスター作成の注意点
4 聴衆を前にしたポスター発表では
5 ポスター発表のポイント
おわりに
巻末 看護研究 推薦図書リスト
索引
更新情報
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更新情報はありません。
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