医療福祉総合ガイドブック 2009年度版
医療・福祉サービスの現場で活用できる情報を満載
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医療・福祉サービスの社会資源にはどういったものがあるか、利用者の視点で一覧できるガイドブックの2009年度版。医療・福祉の現場で利用者からの相談に応じて実際に活用できるよう、法律や省令レベルでの制度の枠組みについての解説にとどまらず、通知レベルの最新情報もフォロー。ケアマネジャーやソーシャルワーカーはもちろんのこと、退院調整にかかわる医療者にも役立つ。
本書は2009年2月末日までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
本書は2009年2月末日までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
編集 | NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会 |
---|---|
編集代表 | 村上 須賀子 / 佐々木 哲二郎 |
発行 | 2009年04月判型:A4頁:288 |
ISBN | 978-4-260-00823-5 |
定価 | 3,520円 (本体3,200円+税) |
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はじめに
世界同時不況による,かつて例をみない労働者の大量解雇に,この国のセーフティネットがいかに危ういものか-「派遣」労働者が職場を奪われると,住まいも同時に失い,失業給付や生活保護さえも利用できなくなる「すべり台社会」であること-を思いしらされました.「派遣村」でかろうじて命をつなぐ人々の光景から,この国はGNP世界第2位を誇る豊かさの裏にこのような格差を隠した脆い社会であり,一人ひとりの日常が貧困と隣り合わせである現実に慄然としました.
このことは社会福祉や社会保障制度が,貧困や障害,高齢,母子家庭などの社会的排除や疎外を受けやすい人だけにかかわる問題ではなく,今は制度を利用することなく暮らしている人々にも,ある日突然,自分の問題として立ち現われることを物語っています.
昨年末から「派遣村」村長を務めた湯浅誠氏は,著書『反貧困-「すべり台社会」からの脱出』の中で,人間らしく生きていくためには条件(溜め)が必要なこと,そして一人ひとりが異なる生活の背景から,その条件の違いに気づき支援することが求められると説いています.
まさに医療ソーシャルワーカーをはじめ対人援助にかかわる人々が,それぞれの職場で「反貧困ネットワーク」の戦線につかなければならない時代といえます.その意味で,一般市民,利用者のもとへ「溜め」を満たすために必要な医療福祉サービスの情報が届いていることが大切なのです.
本書の執筆を担った医療ソーシャルワーカーたちは,病院などで生活問題を中心に患者さんや家族の相談に当たっています.「それは,私の管轄外です」とたらい回しにすることなく,保健・医療・福祉制度全般にわたって幅広く情報収集したものを,患者さんや家族のよりよい問題解決のために活用します.この制度変革の時期に情報の鮮度を保つためには,日々の絶え間ない努力が要求されます.
若いソーシャルワーカーたちから「この本は私のバイブルです」と言われ,障害者からは「家庭の医学みたいな本だね」と言われれば,本書を編集した医療ソーシャルワーカーたちは,出版継続のための自らの責務を実感せざるを得ません.
2007年度版から,身体・知的・精神障害の3つの障害を統合した自立支援法に沿って精神科医療を「医療サービス」の章に統合しました.総合的なわかりやすい医療サービスガイドとして,第Ⅱ章に位置づけました.とはいえ,障害者自立支援法が浸透中である上に,2009年2月の国会に改正案が上程され,新たな制度の情報収集と整理に追われ,本書の特色である咀嚼した記述になるよう奮闘中のまま,みなさんのもとに届けることになりました.
2009年度版では,コラムを一新し,制度施行後の利用者の声や医療ソーシャルワーカーの意見表明をタイムリーで,バラエティ豊かなものとしました.
日本社会の地域間格差が,生活への深刻な影響を与えています.障害児のお母さんから寄せられた声を紹介します.このガイドブックに掲載されている制度について役所に問い合わせたところ,「うちの市ではやってません」との無慈悲な答えで,ほかの地域には存在する制度がわが市にはないことが確認できたとのことでした.このように,社会資源にも「地域間格差」があることを明確にするために,2008年度版からは法的な根拠を掲載することに努めました.各地で格差是正を求める活動が進められ,本書がそれを応援する力になり得れば,執筆者たちの大いなる喜びです.
このガイドブックを利用してくださった読者の方々から,ご意見や新しい情報をお寄せいただければ幸いです.次年度版に反映いたします.
本書前身の初版発行より,本書のもつ社会的使命を共有してくださり,プロとしての情熱を傾け続けてくださった医学書院看護出版部の故・川中幸子さんと,前制作部の武田誠さんに深謝申し上げます.
また,年度版発行に向けて継続的な編集作業プロジェクトの編成のため尽力してくださった看護出版部の北原拓也さんに感謝申し上げます.
なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます.
2009年3月
編集代表 村上 須賀子
佐々木哲二郎
世界同時不況による,かつて例をみない労働者の大量解雇に,この国のセーフティネットがいかに危ういものか-「派遣」労働者が職場を奪われると,住まいも同時に失い,失業給付や生活保護さえも利用できなくなる「すべり台社会」であること-を思いしらされました.「派遣村」でかろうじて命をつなぐ人々の光景から,この国はGNP世界第2位を誇る豊かさの裏にこのような格差を隠した脆い社会であり,一人ひとりの日常が貧困と隣り合わせである現実に慄然としました.
このことは社会福祉や社会保障制度が,貧困や障害,高齢,母子家庭などの社会的排除や疎外を受けやすい人だけにかかわる問題ではなく,今は制度を利用することなく暮らしている人々にも,ある日突然,自分の問題として立ち現われることを物語っています.
昨年末から「派遣村」村長を務めた湯浅誠氏は,著書『反貧困-「すべり台社会」からの脱出』の中で,人間らしく生きていくためには条件(溜め)が必要なこと,そして一人ひとりが異なる生活の背景から,その条件の違いに気づき支援することが求められると説いています.
まさに医療ソーシャルワーカーをはじめ対人援助にかかわる人々が,それぞれの職場で「反貧困ネットワーク」の戦線につかなければならない時代といえます.その意味で,一般市民,利用者のもとへ「溜め」を満たすために必要な医療福祉サービスの情報が届いていることが大切なのです.
本書の執筆を担った医療ソーシャルワーカーたちは,病院などで生活問題を中心に患者さんや家族の相談に当たっています.「それは,私の管轄外です」とたらい回しにすることなく,保健・医療・福祉制度全般にわたって幅広く情報収集したものを,患者さんや家族のよりよい問題解決のために活用します.この制度変革の時期に情報の鮮度を保つためには,日々の絶え間ない努力が要求されます.
若いソーシャルワーカーたちから「この本は私のバイブルです」と言われ,障害者からは「家庭の医学みたいな本だね」と言われれば,本書を編集した医療ソーシャルワーカーたちは,出版継続のための自らの責務を実感せざるを得ません.
2007年度版から,身体・知的・精神障害の3つの障害を統合した自立支援法に沿って精神科医療を「医療サービス」の章に統合しました.総合的なわかりやすい医療サービスガイドとして,第Ⅱ章に位置づけました.とはいえ,障害者自立支援法が浸透中である上に,2009年2月の国会に改正案が上程され,新たな制度の情報収集と整理に追われ,本書の特色である咀嚼した記述になるよう奮闘中のまま,みなさんのもとに届けることになりました.
2009年度版では,コラムを一新し,制度施行後の利用者の声や医療ソーシャルワーカーの意見表明をタイムリーで,バラエティ豊かなものとしました.
日本社会の地域間格差が,生活への深刻な影響を与えています.障害児のお母さんから寄せられた声を紹介します.このガイドブックに掲載されている制度について役所に問い合わせたところ,「うちの市ではやってません」との無慈悲な答えで,ほかの地域には存在する制度がわが市にはないことが確認できたとのことでした.このように,社会資源にも「地域間格差」があることを明確にするために,2008年度版からは法的な根拠を掲載することに努めました.各地で格差是正を求める活動が進められ,本書がそれを応援する力になり得れば,執筆者たちの大いなる喜びです.
このガイドブックを利用してくださった読者の方々から,ご意見や新しい情報をお寄せいただければ幸いです.次年度版に反映いたします.
本書前身の初版発行より,本書のもつ社会的使命を共有してくださり,プロとしての情熱を傾け続けてくださった医学書院看護出版部の故・川中幸子さんと,前制作部の武田誠さんに深謝申し上げます.
また,年度版発行に向けて継続的な編集作業プロジェクトの編成のため尽力してくださった看護出版部の北原拓也さんに感謝申し上げます.
なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます.
2009年3月
編集代表 村上 須賀子
佐々木哲二郎
目次
開く
ガイドブック活用の前に
I 社会保障のしくみ
社会保障のしくみ
II 医療サービス
病院選びに困ったとき
III お金のこと
医療費に困ったとき
生活費
IV 高齢者サービス
介護保険のしくみ
高齢者サービスの実際
V 障害者サービス
障害者サービスのガイド
障害者サービスの実際
住まい
暮らすところで利用するサービス
出向いて利用するサービス
おでかけ
しごと
VI 難病
難病患者のために
VII 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
VIII 権利擁護と利用者支援
権利を擁護するということ
権利行使を支援するシステム
権利侵害があった場合の救済システム
IX ピア・サポートと相談・支援
サービス利用の窓口
支援する人
自助グループ(セルフヘルプグループ)
資料編
1.身体障害者障害程度等級表
2.精神障害者保健福祉手帳障害等級表
3.国民年金障害等級表,厚生年金障害等級表,厚生年金障害手当金
4.労働者災害補償保険法障害等級表
5.高次脳機能障害診断基準
6.特別障害者手当障害程度
7.自動車損害賠償保障法後遺障害等級表
8.厚生労働省科学研究 難治性疾患克服研究事業対象疾患
9.都道府県における医療ソーシャルワーカーに関する問合せ先
10.全国健康保険協会本部・支部の所在地・連絡先
11.都道府県における介護保険に関する問合せ先
12.無料低額診療施設
索引
I 社会保障のしくみ
社会保障のしくみ
II 医療サービス
病院選びに困ったとき
III お金のこと
医療費に困ったとき
生活費
IV 高齢者サービス
介護保険のしくみ
高齢者サービスの実際
V 障害者サービス
障害者サービスのガイド
障害者サービスの実際
住まい
暮らすところで利用するサービス
出向いて利用するサービス
おでかけ
しごと
VI 難病
難病患者のために
VII 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
VIII 権利擁護と利用者支援
権利を擁護するということ
権利行使を支援するシステム
権利侵害があった場合の救済システム
IX ピア・サポートと相談・支援
サービス利用の窓口
支援する人
自助グループ(セルフヘルプグループ)
資料編
1.身体障害者障害程度等級表
2.精神障害者保健福祉手帳障害等級表
3.国民年金障害等級表,厚生年金障害等級表,厚生年金障害手当金
4.労働者災害補償保険法障害等級表
5.高次脳機能障害診断基準
6.特別障害者手当障害程度
7.自動車損害賠償保障法後遺障害等級表
8.厚生労働省科学研究 難治性疾患克服研究事業対象疾患
9.都道府県における医療ソーシャルワーカーに関する問合せ先
10.全国健康保険協会本部・支部の所在地・連絡先
11.都道府県における介護保険に関する問合せ先
12.無料低額診療施設
索引
更新情報
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更新情報はありません。
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