ロイ適応看護理論の理解と実践
ここから、これから、ロイの理論を看護に活かす!
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ロイ理論をわかりやすく概説し、教育・臨床に活かすための具体的な方法を明らかにする。特に、ロイ理論に基づく看護過程についての記述が充実。また、本書独自の試みとして、ロイの示す看護診断とNANDA-I看護診断の関連を一覧化。さらに、看護過程の具体的な記録や評価の方法にも触れており、初学者だけでなく教員・臨床看護師にも役立つ内容となっている。最新の理論内容にも対応した、本質に迫る1冊!
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序文
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序
現在,わが国では看護教育や臨床において看護理論の学習や活用が盛んに行れている.看護の本質を追究する一つの手がかりになるのは,看護理論である.1948年にブラウンは,専門職としての看護がどうあるべきかをレポート“Nursing for the Future”に著した.このレポートが,看護教育の変革に与えた影響は大きかった.その後アメリカを中心として看護の高等教育化が進み,ぺプロウ,ヘンダーソン,オレム,ロイ,ニューマン,ロジャースらによって看護理論が次々と発表されるようになったのである.そして今回に至るまで,看護界の多くのリーダーや理論家たちが,知識体系としての看護分野の特徴や要素を明らかにしてきた.こうした努力によって,現在では,看護は科学の一分野でありかつ知的職業であると認識されている.ここ40~50年の間に「科学としての看護学」のイメージが形成されたのである.現在でも,看護実践に必要な知識は蓄積され,一層の発展を遂げている.
このような背景と変化の中で,ロイ適応看護理論は日本の文化に馴染む理論として看護教育・看護実践に活用されてきている.そしてロイは,21世紀における看護を視野に入れ,適応を通して生命・生活過程を促進するという考えを拡大している.
本書の内容は,筆者らが長年,共に研究会でロイ適応看護理論の本質に迫る努力を重ねて来た中から生み出されたものである.それは,筆者らが看護の本質や看護独自の視点,役割について探究する中でたどり着いたものともいえる.本書の執筆にあたっては,ロイ適応看護理論に関する過去の文献,特に『ザ・ロイ適応看護モデル』(松木光子監訳,医学書院,2002年)およびその原書の最新版“The Roy Adaptation Model 3rd ed.”(医学書院より邦訳書出版予定)を読み解き,引用または参照した.原書の最新版では,集団という概念が拡張されてより多くの記述がなされているが,筆者らはそこに踏み込んだ研究の途上にあり,本書においては部分的な記述に留まっている.
本書は主として,ロイ適応看護理論を看護教育や看護実践の基本として使われることを意図している.看護学生,新人ナース,そして看護教員に必要な内容を含んでいる.
第1章・第2章では看護学としてのロイ適応看護理論の概念の基本について概説し,第3章・第4章では看護過程について基本から適用に至る知識を詳述している.さらに第5章では肯定的指標・適応問題・NANDA-I看護診断ラベルの関連を一覧表にし,実践の場で活用が容易になるように考案した.第6章では看護過程の実践と評価の方法について具体的に言及し,第7章ではそれにもとづいた専門領域別の事例を提示している.そして,第8章ではロイ適応看護理論に基づく研究が現在どのように発展しているのかを紹介している.
最後に,本書の構成の段階から検討を繰り返し,編集・校正の労をおとりいただいた医学書院の七尾清常務をはじめ,編集部の皆様特に北原拓也様,長岡孝様に心より感謝申し上げたい.
2009年6月
著者を代表して 小田正枝
現在,わが国では看護教育や臨床において看護理論の学習や活用が盛んに行れている.看護の本質を追究する一つの手がかりになるのは,看護理論である.1948年にブラウンは,専門職としての看護がどうあるべきかをレポート“Nursing for the Future”に著した.このレポートが,看護教育の変革に与えた影響は大きかった.その後アメリカを中心として看護の高等教育化が進み,ぺプロウ,ヘンダーソン,オレム,ロイ,ニューマン,ロジャースらによって看護理論が次々と発表されるようになったのである.そして今回に至るまで,看護界の多くのリーダーや理論家たちが,知識体系としての看護分野の特徴や要素を明らかにしてきた.こうした努力によって,現在では,看護は科学の一分野でありかつ知的職業であると認識されている.ここ40~50年の間に「科学としての看護学」のイメージが形成されたのである.現在でも,看護実践に必要な知識は蓄積され,一層の発展を遂げている.
このような背景と変化の中で,ロイ適応看護理論は日本の文化に馴染む理論として看護教育・看護実践に活用されてきている.そしてロイは,21世紀における看護を視野に入れ,適応を通して生命・生活過程を促進するという考えを拡大している.
本書の内容は,筆者らが長年,共に研究会でロイ適応看護理論の本質に迫る努力を重ねて来た中から生み出されたものである.それは,筆者らが看護の本質や看護独自の視点,役割について探究する中でたどり着いたものともいえる.本書の執筆にあたっては,ロイ適応看護理論に関する過去の文献,特に『ザ・ロイ適応看護モデル』(松木光子監訳,医学書院,2002年)およびその原書の最新版“The Roy Adaptation Model 3rd ed.”(医学書院より邦訳書出版予定)を読み解き,引用または参照した.原書の最新版では,集団という概念が拡張されてより多くの記述がなされているが,筆者らはそこに踏み込んだ研究の途上にあり,本書においては部分的な記述に留まっている.
本書は主として,ロイ適応看護理論を看護教育や看護実践の基本として使われることを意図している.看護学生,新人ナース,そして看護教員に必要な内容を含んでいる.
第1章・第2章では看護学としてのロイ適応看護理論の概念の基本について概説し,第3章・第4章では看護過程について基本から適用に至る知識を詳述している.さらに第5章では肯定的指標・適応問題・NANDA-I看護診断ラベルの関連を一覧表にし,実践の場で活用が容易になるように考案した.第6章では看護過程の実践と評価の方法について具体的に言及し,第7章ではそれにもとづいた専門領域別の事例を提示している.そして,第8章ではロイ適応看護理論に基づく研究が現在どのように発展しているのかを紹介している.
最後に,本書の構成の段階から検討を繰り返し,編集・校正の労をおとりいただいた医学書院の七尾清常務をはじめ,編集部の皆様特に北原拓也様,長岡孝様に心より感謝申し上げたい.
2009年6月
著者を代表して 小田正枝
目次
開く
序
第1章 ロイ適応看護理論の概説
1.ロイ適応看護理論の背景
2.ロイ適応看護理論の発展
第2章 ロイ適応看護理論の概念構造
1.適応システムとしての人間
2.対処プロセス
3.適応様式
4.人間・環境・健康・看護
第3章 ロイ適応看護理論に基づく看護過程
1.ロイ適応看護理論と看護過程
2.行動のアセスメント
3.刺激のアセスメント
4.看護診断
5.目標の設定
6.介入
7.評価
8.まとめ
第4章 適応様式の解説
1.生理的様式の理解
2.自己概念-集団アイデンティティ様式の理解
3.役割機能様式の理解
4.相互依存様式の理解
第5章 看護診断の解釈および用語の解説
1.ロイ適応看護理論とNANDA-I看護診断
2.生理的様式
3.自己概念-集団アイデンティティ様式
4.役割機能様式
5.相互依存様式
第6章 ロイ適応看護理論と実践
1.ロイ適応看護理論に基づく記録様式
2.ロイ適応看護理論に基づく記録のガイドライン
3.看護記録の評価
第7章 専門領域別の実践例
1.ロイ適応看護理論に基づく看護過程の事例
2.成人 糖尿病合併症を抱える患者の看護過程
3.老年 人とのかかわりが困難な認知症高齢者の看護過程
4.小児 化学療法を受けている男児の看護過程
5.終末期 死に行くことに不安をかかえる患者の看護過程
6.精神 精神に混乱をきたした成人女性患者の看護過程
7.在宅 自宅療養している成人男性の看護過程
第8章 ロイ適応看護理論の研究
1.研究の背景
2.海外の研究 2000年から2008年までの文献の傾向
3.国内の研究の取り組み
索引
第1章 ロイ適応看護理論の概説
1.ロイ適応看護理論の背景
2.ロイ適応看護理論の発展
第2章 ロイ適応看護理論の概念構造
1.適応システムとしての人間
2.対処プロセス
3.適応様式
4.人間・環境・健康・看護
第3章 ロイ適応看護理論に基づく看護過程
1.ロイ適応看護理論と看護過程
2.行動のアセスメント
3.刺激のアセスメント
4.看護診断
5.目標の設定
6.介入
7.評価
8.まとめ
第4章 適応様式の解説
1.生理的様式の理解
2.自己概念-集団アイデンティティ様式の理解
3.役割機能様式の理解
4.相互依存様式の理解
第5章 看護診断の解釈および用語の解説
1.ロイ適応看護理論とNANDA-I看護診断
2.生理的様式
3.自己概念-集団アイデンティティ様式
4.役割機能様式
5.相互依存様式
第6章 ロイ適応看護理論と実践
1.ロイ適応看護理論に基づく記録様式
2.ロイ適応看護理論に基づく記録のガイドライン
3.看護記録の評価
第7章 専門領域別の実践例
1.ロイ適応看護理論に基づく看護過程の事例
2.成人 糖尿病合併症を抱える患者の看護過程
3.老年 人とのかかわりが困難な認知症高齢者の看護過程
4.小児 化学療法を受けている男児の看護過程
5.終末期 死に行くことに不安をかかえる患者の看護過程
6.精神 精神に混乱をきたした成人女性患者の看護過程
7.在宅 自宅療養している成人男性の看護過程
第8章 ロイ適応看護理論の研究
1.研究の背景
2.海外の研究 2000年から2008年までの文献の傾向
3.国内の研究の取り組み
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