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看護成果分類(NOC)  第4版
看護ケアを評価するための指標・測定尺度

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NANDA-Ⅰ看護診断、NIC(看護介入分類)と並んで、看護の標準言語体系の1つ。第4版では、新しい成果を58項目追加し、また定義、測定尺度、指標にも改訂が加えられた。臨床でのNOCの使用とコンピューターによる医療記録へのNOCの組み込みの実際を紹介。NANDA-Ⅰ看護診断とのリンケージ、またゴードンの機能面からみた健康パターンとのリンケージを収載。看護介入の実効性の測定と看護過程のシステム化に欠かせない1冊。
編集 スー・ムアヘッド/マリオン・ジョンソン/メリディーン L. マース/エリザベス・スワンソン
監訳 江本 愛子
発行 2010年06月判型:A5頁:1104
ISBN 978-4-260-01031-3
定価 7,920円 (本体7,200円+税)
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監訳者まえがき(江本愛子)/まえがき(スー・ムアヘッド/マリオン・ジョンソン/メリディーン L. マース/エリザベス・スワンソン)

監訳者まえがき
 看護史上,看護用語の開発がこれほど進展した時代はありませんでした.今日標準化された看護用語にはNANDA-I看護診断分類,看護介入分類(NIC),そして看護成果分類(NOC)があります.看護成果分類とは,看護介入を受けた結果としてクライアントにあらわれる心身の反応・行動(outcomes)を標準化して分類,命名,定義づけをしたものです.この画期的なプロジェクトは,1991年米国「アイオワ大学看護成果分類研究」チームによって開始されました(ちなみに本書第4版では385の看護成果が掲載されており,成果ラベルとコード番号,定義,成果目標,5段階評価尺度,そして評価指標が含まれています).
 6年間にわたる看護実践研究の結果は,Marion Johnson, PhD, RN(アイオワ大学准教授)とMeridean Maas, PhD, RN, FAAN(同大学教授)の編著によるNursing Outcomes ClassificationNOC ) : Iowa Outcomes Project の第1版として,1997年,Mosby-Year Bookにより発行され,その日本語版は藤村龍子氏と江本愛子の監訳により,『看護成果分類(NOC)-看護ケアを評価するための指標,測定尺度』として1999年,医学書院より発行されました.
 多職種間の協働が不可欠な医療体制において,看護ケアの結果である成果に関する共通用語を明らかにすることはきわめて重要な手段だと言えます.第一に看護者としてその人と共に達成目標について話し合い,他の職種とも共通の認識をもつことができ,さらに,実践の質と効率を評価する有効な手段にもつながることです.
 本書のオリジナルであるNursing Outcomes ClassificationNOC )の第4版(2008)は,21名の分担執筆により看護成果分類に関する最新の包括的情報を提供しています.その中のSue Moorhead,Marion Johnson,Meridean L. Maas,Elizabeth Swanson博士らは編著者でもあります.この看護成果分類(NOC)はアイオワ大学看護学部教授陣,研究スタッフ,そして他大学の研究者や臨床専門看護師らからなる研究チームにより理論構築と検証を通して開発されています.
 本書第4版では4項目の成果ラベルが改訂され,58項目の成果が新設されました.共通用語を使用することによって看護成果の膨大なデータの検証や施設間での検索も可能になり,看護学の発展にも寄与するでしょう.
 開発・発展を続ける看護の領域で,私は微力ながら翻訳を通して多くを学ばせていただきました.この機会に改めて深謝し,出版社のますますのご発展をお祈り申し上げます.

 2010年5月
 江本愛子


まえがき
 本書『看護成果分類(NOC)』(Nursing Outcomes Classification : NOC )の第4版には385の成果が収められている.これは,アイオワ大学の成果研究チームの16年以上に及ぶ仕事の結果である.それぞれの成果にはラベル名,定義,成果に関連した個々人の状態や知覚,行動を述べている指標と,5段階のリッカート尺度,そして成果の開発に使われた参考文献が示してある.成果は看護師やその他のヘルスケア提供者にとって,患者や介護者,家族,地域の状況を評価したり測定する際に役立つものである.また,介入後の患者の状態の変化を量的に測定し,回復状況を追跡することができる.臨床の場で成果の測定尺度を使った人々の感想は肯定的であり,この人たちの意見は分類の改善に役立った.また,看護成果をコンピューターによる医療記録にうまく組み込むために,情報学の分野で働いている看護師にも相談にのってもらっている.
 第4版では58の新しい成果が追加されている.新しい成果は,改訂された成果とともに付録Aに示してある.この版では,臨床現場の看護師の方々からの意見により,成果のフォーマットを改善することができ,また定義や測定尺度,指標を改良することができた.この版での変更には,測定尺度に使う指標の標準化に私たちが現在重点をおいていることが反映している.成果分類の中で関連のある測定尺度にもとづいて指標を正確なものにする意識的な努力が重ねられてきた.これは長期に及ぶプロジェクトであり,その結果,多くの指標に小さな修正が加えられ,それぞれの尺度を使って成果に同じ用語が使われるようになった.また,行動に焦点を当てた尺度に使うのが望ましい動詞のリストを開発した.この作業は次の版でも継続して行うことになるが,新しいコード体系ができて指標に同じコードが付けられ,それが複数の成果に対して使われるようになるであろう.
 この版では,臨床実践へのNOCの使い方の指針が示してある.第1章はヘルスケアと看護における成果研究の概要と,成果分類の開発と改善のための初期の研究を述べている.第1章は,成果尺度を実践で使おうと考え始めていて,看護での成果の使い方の概要を知りたいと思っている看護師に役立つであろう.第2章は,この版に示されている最新の分類について述べている.用語の定義やよく聞かれる質問,またこの版で新しく取り上げた事項について述べている.第3章では臨床実践でのNOCの使い方について述べており,役立つ助言やさまざまな場でのNOCの使われ方の最新の実例を紹介している.第4章では教育と研究におけるNOCの使用について述べており,その現状と今後の方向に焦点を当てている.
 NANDAインターナショナルの看護診断とNOCの成果とのリンケージは本書のPart IVに紹介されている.NANDAインターナショナルの看護診断は診断概念に沿ってあげてある.これはNANDAインターナショナルの分類の2007C2008年版を採用している.またPart IVには,ゴードンの機能面からみた健康パターンとのリンケージも収載されている.さらに,NOCと国際機能分類(International Classification of Functioning)のリンケージのプロジェクトについても簡単に触れている.このようなリンケージは必ずしも規範となるものではなく,臨床データによって実証されているものではないことに注意していただきたい.これは,看護師の方々が診断をつけた時に考えられる成果を見つけたり,臨床情報システムの枠組みをつくる時に助けとなることを意図しているものである.成果を選ぶ際には看護師の臨床判断が最も重要であることに変わりはないのである.
 看護が看護ケアにより,もたらされる患者の反応,すなわち患者成果を明らかにする必要性があることは,本書の第1版の発行以来,高まり続けている.マネジドケアの広まりとコスト削減の強化,そしてエビデンスにもとづく実践の必要性により,看護介入の実効性とヘルスケアの質に対して,看護師や医療の消費者,医療保険の支払い者,政策決定者が関心を向ける状況が続いている.看護は,あらゆるヘルスケアの場でコスト効果の高いケアを提供するのに重要な役割を果たしている.したがって,看護に関するデータをヘルスケアの実効性の評価に含めることが不可欠である.NOCは看護ミニマムデータセット(Nursing Minimum Data Set : NMDS)の看護過程の要素を満たしている.NOCはNIC(Nursing Interventions Classification,看護介入分類)の看護介入,NANDAインターナショナルの看護診断とは仲間関係にある言語である.看護ミニマムデータセットに示されている看護の要素をコンピューターの患者データベースに取り込むためには,看護の標準言語が必要である.また看護の標準言語は診断の推論についての学習と教育を促すと同時に,中範囲理論の開発も促す.看護の標準言語の開発には患者の特性や看護診断,看護介入,看護感受性成果とのリンケージを検証する必要があるからである.
 本書の編者として,NOCの開発に携わった多くの看護師の方々にお礼を述べたい.この研究チームはNOCの成果の開発の継続と評価を熱意をもって進めてくださった.研究チームの過去と現在のメンバーの氏名を本書の前付けの部分に掲載してある.非常に多くの方々が,そのもてる知識を提供してくださった.また,それぞれの専門分野に関する成果の検証を快く引き受けてくださった.この方々がいなかったら,本書が発行されることはなかったであろう.

 スー・ムアヘッド
 マリオン・ジョンソン
 メリディーン L. マース
 エリザベス・スワンソン

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 監訳者まえがき
 まえがき
 看護成果分類(NOC)の長所
 謝辞
 看護成果分類研究チーム一覧
 看護分類・臨床実効性センターの特別研究員制度
 Part III「成果」詳細目次
 Part IV「NANDAインターナショナルの看護診断と看護成果分類のリンケージ」詳細目次

Part I 看護成果分類の開発と改善,臨床と研究,教育への活用
 第1章 成果の開発と意義
 第2章 現在の分類法
 第3章 看護成果分類の臨床への活用
 第4章 看護成果分類の教育と研究への活用

Part II 看護成果分類のタキソノミー

Part III 成果

Part IV 看護成果分類のリンケージ
 ゴードンの健康パターンと看護成果分類のリンケージ
 NANDAインターナショナルの看護診断と看護成果分類のリンケージ

Part V 看護の各専門領域の中核成果

Part VI 付録
 付録A 新しい成果と改訂された成果,抹消された成果
 付録B 新しい成果または成果の改訂の申請の要綱
 付録C 主要文献
 付録D 看護成果分類の歴史と主な出来事

索引

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