医療福祉総合ガイドブック 2008年度版
医療福祉の社会資源の使い方をわかりやすく解説した最新版
もっと見る
さまざまな社会保障の制度、高齢者・障害者向けサービス、ひとり親・乳幼児・児童、権利擁護、相談と支援のための社会資源について、制度の利用者とその家族を中心としたサービスを提供するために必要な情報が満載。制度の担当者である、ケアマネージャー、MSW必携のガイドブック2008年度版。
編集 | NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会 |
---|---|
編集代表 | 村上 須賀子 / 佐々木 哲二郎 |
発行 | 2008年04月判型:A4頁:288 |
ISBN | 978-4-260-00607-1 |
定価 | 3,520円 (本体3,200円+税) |
- 販売終了
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。
- 序文
- 目次
序文
開く
はじめに
本書の前身である『介護保険時代の医療福祉総合ガイドブック』を出版して以来,毎年改訂を重ねなければ情報ガイドブックとしての役割を果たし得ない状況となりました。それは,介護保険創設を紀元として社会福祉改革,医療改革が,猛烈なスピードで実施される時代になってしまったからです。そこで旧版を発展させ,『医療福祉総合ガイドブック』年度版と変更,今年でもう3年目となりました。
<今日の制度は,明日には偽りとなり,化石となる>
そんなおそれを抱きつつ,あえて出版を重ねるのは,この時代,「知らないでいること」の危険を痛感するからです。それはあらゆるサービスは,申請主義がとられており,利用したい人が知って,申請しなければ手元に届かないシステムになっているからです。さらに,高齢者領域の介護保険を先鞭とし自立支援法の成立によって,日本の福祉制度も「選んで,決めて,契約する時代」へと大きく転換したからです。利用者の自己決定が尊重されるのは喜ばしいことです。しかし,反面,本書の「権利擁護のために」の章でもふれていますが,契約には契約者としての自己責任も問われます。
さて,一般市民,利用者のもとに選択して契約するに足りる医療福祉サービスの情報が届けられているでしょうか。医療ソーシャルワーカーやケアマネジャー,看護師をはじめとする医療福祉の専門職の下には,十分な説明が可能となる情報の蓄積があるでしょうか。そして,行政改革による統廃合の下,住民に一番身近な役所の窓口では,総合的な社会資源情報に基づく相談機能が求められていますが,果たしてそのように機能しているでしょうか。
本書の執筆を担った医療ソーシャルワーカーたちは,病院などで生活問題を中心に患者さんや家族の相談に当たっています。「それは,私の管轄外です」とたらい回しにすることなく,保健・医療・福祉制度全般にわたって幅広く情報収集したものを,患者さんや家族のよりよい問題解決のために活用します。この制度変革の時期に情報の鮮度を保つためには,日々の絶え間ない努力が要求されます。
若いソーシャルワーカーたちから「この本は私のバイブルです」と言われ,障害者からは「家庭の医学みたいな本だね」と言われれば,本書を編集した医療ソーシャルワーカーたちは,自らの責務を実感せざるを得ません。
2007年度版から,身体・知的・精神障害の3つの障害を統合した自立支援法に沿って精神科医療を「医療サービス」の章に統合しました。総合的なわかりやすい医療サービスガイドとして,第II章に位置づけました。とはいえ,障害者自立支援法が浸透中であるため,新たな制度の情報収集と整理に追われ,本書の特色である咀嚼した記述になるよう奮闘中です。
2008年度版では,制度施行後の利用者の声や医療ソーシャルワーカーの意見表明のコラムなど,より一層バラエティー豊かな編集をしました。
日本社会の地域間格差が,生活への深刻な影響を与えています。障害児のお母さんから寄せられた声を紹介します。このガイドブックに掲載されている制度について役所に問い合わせたところ,「うちの市ではやってません」との無慈悲な答えで,ほかの地域には存在する制度がわが市にはないことが確認できたとのことでした。このように,社会資源にも「地域間格差」があることを明確にするために,2008年度版では法的な根拠を掲載することに努めました。各地で格差是正を求める活動が進められ,本書がそれを応援する力になり得れば,執筆者たちの大いなる喜びです。
このガイドブックを利用してくださった読者の方々から,ご意見や新しい情報をお寄せいただければ幸いです。次年度版に反映いたします。
本書前身の初版発行より,本書のもつ社会的使命を共有してくださり,プロとしての情熱を傾け続けてくださった医学書院看護出版部の故・川中幸子さんと,前制作部の武田誠さんに深謝申し上げます。
また,年度版発行に向けて継続的な編集作業プロジェクトの編成のため尽力してくださった看護出版部の杉之尾成一さんに感謝申し上げます。
なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます。
2008年 3月
編集代表 村上 須賀子 佐々木哲二郎
本書の前身である『介護保険時代の医療福祉総合ガイドブック』を出版して以来,毎年改訂を重ねなければ情報ガイドブックとしての役割を果たし得ない状況となりました。それは,介護保険創設を紀元として社会福祉改革,医療改革が,猛烈なスピードで実施される時代になってしまったからです。そこで旧版を発展させ,『医療福祉総合ガイドブック』年度版と変更,今年でもう3年目となりました。
<今日の制度は,明日には偽りとなり,化石となる>
そんなおそれを抱きつつ,あえて出版を重ねるのは,この時代,「知らないでいること」の危険を痛感するからです。それはあらゆるサービスは,申請主義がとられており,利用したい人が知って,申請しなければ手元に届かないシステムになっているからです。さらに,高齢者領域の介護保険を先鞭とし自立支援法の成立によって,日本の福祉制度も「選んで,決めて,契約する時代」へと大きく転換したからです。利用者の自己決定が尊重されるのは喜ばしいことです。しかし,反面,本書の「権利擁護のために」の章でもふれていますが,契約には契約者としての自己責任も問われます。
さて,一般市民,利用者のもとに選択して契約するに足りる医療福祉サービスの情報が届けられているでしょうか。医療ソーシャルワーカーやケアマネジャー,看護師をはじめとする医療福祉の専門職の下には,十分な説明が可能となる情報の蓄積があるでしょうか。そして,行政改革による統廃合の下,住民に一番身近な役所の窓口では,総合的な社会資源情報に基づく相談機能が求められていますが,果たしてそのように機能しているでしょうか。
本書の執筆を担った医療ソーシャルワーカーたちは,病院などで生活問題を中心に患者さんや家族の相談に当たっています。「それは,私の管轄外です」とたらい回しにすることなく,保健・医療・福祉制度全般にわたって幅広く情報収集したものを,患者さんや家族のよりよい問題解決のために活用します。この制度変革の時期に情報の鮮度を保つためには,日々の絶え間ない努力が要求されます。
若いソーシャルワーカーたちから「この本は私のバイブルです」と言われ,障害者からは「家庭の医学みたいな本だね」と言われれば,本書を編集した医療ソーシャルワーカーたちは,自らの責務を実感せざるを得ません。
2007年度版から,身体・知的・精神障害の3つの障害を統合した自立支援法に沿って精神科医療を「医療サービス」の章に統合しました。総合的なわかりやすい医療サービスガイドとして,第II章に位置づけました。とはいえ,障害者自立支援法が浸透中であるため,新たな制度の情報収集と整理に追われ,本書の特色である咀嚼した記述になるよう奮闘中です。
2008年度版では,制度施行後の利用者の声や医療ソーシャルワーカーの意見表明のコラムなど,より一層バラエティー豊かな編集をしました。
日本社会の地域間格差が,生活への深刻な影響を与えています。障害児のお母さんから寄せられた声を紹介します。このガイドブックに掲載されている制度について役所に問い合わせたところ,「うちの市ではやってません」との無慈悲な答えで,ほかの地域には存在する制度がわが市にはないことが確認できたとのことでした。このように,社会資源にも「地域間格差」があることを明確にするために,2008年度版では法的な根拠を掲載することに努めました。各地で格差是正を求める活動が進められ,本書がそれを応援する力になり得れば,執筆者たちの大いなる喜びです。
このガイドブックを利用してくださった読者の方々から,ご意見や新しい情報をお寄せいただければ幸いです。次年度版に反映いたします。
本書前身の初版発行より,本書のもつ社会的使命を共有してくださり,プロとしての情熱を傾け続けてくださった医学書院看護出版部の故・川中幸子さんと,前制作部の武田誠さんに深謝申し上げます。
また,年度版発行に向けて継続的な編集作業プロジェクトの編成のため尽力してくださった看護出版部の杉之尾成一さんに感謝申し上げます。
なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます。
2008年 3月
編集代表 村上 須賀子 佐々木哲二郎
目次
開く
ガイドブック活用の前に
I 社会保障のしくみ
II 医療サービス
III お金のこと
IV 高齢者サービス
V 障害者サービス
VI 難病
VII 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
VIII 権利擁護と利用者支援
IX ピア・サポートと相談・支援
資料編
1. 身体障害者障害程度等級表
2. 精神障害者保健福祉手帳障害等級表
3.(1)国民年金障害等級表
(2)厚生年金障害等級表
(3)厚生年金障害手当金
4. 労働者災害補償保険法障害等級表
5. 特別障害者手当障害程度
6. 自動車損害賠償保障法後遺障害等級表
7. 厚生労働省科学研究 難治性疾患克服研究事業対象疾患
8. 都道府県における医療ソーシャルワーカーに関する問合せ先
9. 都道府県における介護保険に関する問合せ先
10. 無料低額診療施設
索引
I 社会保障のしくみ
II 医療サービス
III お金のこと
IV 高齢者サービス
V 障害者サービス
VI 難病
VII 母子(ひとり親)・乳幼児・児童のために
VIII 権利擁護と利用者支援
IX ピア・サポートと相談・支援
資料編
1. 身体障害者障害程度等級表
2. 精神障害者保健福祉手帳障害等級表
3.(1)国民年金障害等級表
(2)厚生年金障害等級表
(3)厚生年金障害手当金
4. 労働者災害補償保険法障害等級表
5. 特別障害者手当障害程度
6. 自動車損害賠償保障法後遺障害等級表
7. 厚生労働省科学研究 難治性疾患克服研究事業対象疾患
8. 都道府県における医療ソーシャルワーカーに関する問合せ先
9. 都道府県における介護保険に関する問合せ先
10. 無料低額診療施設
索引
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。