質的研究の基礎 第2版
グラウンデッド・セオリー開発の技法と手順
グラウンデッド・セオリー・アプローチの基本文献
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1999年3月発行『質的研究の基礎 グラウンデッド・セオリーの技法と手順』の原書第2版の翻訳。原著者の1人,ストラウス博士の逝去後,コービン博士がまとめた。わかりやすい実例と解説を豊富に提供した本書は,看護学や社会学,心理学などの多くの分野でのグラウンデッド・セオリー・アプローチに関する基本文献である。
著 | アンセルム・ストラウス / ジュリエット・コービン |
---|---|
訳 | 操 華子 / 森岡 崇 |
発行 | 2004年12月判型:A5頁:408 |
ISBN | 978-4-260-33382-5 |
定価 | 4,180円 (本体3,800円+税) |
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- 書評
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日本語版への序
序
Ⅰ.基本的な考え方
1章 はじめに
2章 記述,概念上の整理,理論化
3章 質的理論化と量的理論化の相互作用
4章 研究を行っていくうえでの検討事項
Ⅱ.コード化の手順
5章 データに関する詳細な分析
6章 基礎的な分析手順:問いを発することと比較を行うこと
7章 分析のための道具
8章 オープン・コード化
9章 軸足コード化
10章 選択コード化
11章 プロセスに必要なコード化
12章 条件/帰結マトリックス
13章 理論的サンプリング
14章 メモとダイアグラム
Ⅲ.終えるにあたって
15章 学位論文とモノグラフの執筆,研究発表
16章 評価の規準
17章 学生からの質問とその答え
〔解説〕グラウンデッド・セオリーがワクワクするのはなぜ?
訳者あとがき
文献
索引
序
Ⅰ.基本的な考え方
1章 はじめに
2章 記述,概念上の整理,理論化
3章 質的理論化と量的理論化の相互作用
4章 研究を行っていくうえでの検討事項
Ⅱ.コード化の手順
5章 データに関する詳細な分析
6章 基礎的な分析手順:問いを発することと比較を行うこと
7章 分析のための道具
8章 オープン・コード化
9章 軸足コード化
10章 選択コード化
11章 プロセスに必要なコード化
12章 条件/帰結マトリックス
13章 理論的サンプリング
14章 メモとダイアグラム
Ⅲ.終えるにあたって
15章 学位論文とモノグラフの執筆,研究発表
16章 評価の規準
17章 学生からの質問とその答え
〔解説〕グラウンデッド・セオリーがワクワクするのはなぜ?
訳者あとがき
文献
索引
書評
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書評 (雑誌『看護教育』より)
書評者: 大久保 功子 (信州大学医学部保健学科教授)
初版との違いは,質的研究の中でのグラウンデッド・セオリーの基礎の部分が拡充されたという点である。初版の倍以上のページ数を割き,グラウンデッド・セオリーの方法論としての特性がより詳しく述べられている。エスノグラフィー,現象学,解釈学的現象学,ライフヒストリーなどの方法論についてはほとんど触れられていない。
確かに著者らは,ハウツー本から離れようとしている感がある。研究者がビジョンを持つことと,道具を「何のために」使うのか,つまり,プロセスを含む社会的現象に関する方法論として,理論開発へ向かっているということがより強調されている。
共著者ストラウスを改訂中に亡くしながらも,この第2版が出版された。もう1人の著者コービンの心痛は察するに余りあるが,グラウンデッド・セオリーへの並々ならぬ熱意は微塵も曇らせてはいない。手法通りに研究を実践したとしても,質的研究を完遂することはできない。質的研究には,センスと少しばかりの幸運と,数え切れないほどの努力,それに,研究課題への情熱が必要なのである。
研究をはじめたら出口の見えない蛸壺にはまったような気分になるかもしれない。そんなとき,この本はあの手この手で研究者を導き,情熱を鼓舞してくれる。随所に盛り込まれたQ&A形式の部分は,グラウンデッド・セオリーに初めて取り組もうとする研究者の悩みを解決するのに役立つし,豊富な実例や図式は,難解な手順をより分かりやすいものにしてくれている(ちなみに引用文献は初版の2倍以上になっている)。たぶん,質的という今風の言葉に惹かれ,「基礎だから分かりやすいのでは…」と思うに違いない。そして「研究は芸術である!」と,様々な質的研究で味わう醍醐味が前面に押し出されてもいる。だから,はじめにの部分で流暢に語られている質的研究の楽しさは,とても魅惑的である。是非手元に置きたい秀逸な一冊である。
(『看護教育』2005年5月号掲載)
書評者: 大久保 功子 (信州大学医学部保健学科教授)
初版との違いは,質的研究の中でのグラウンデッド・セオリーの基礎の部分が拡充されたという点である。初版の倍以上のページ数を割き,グラウンデッド・セオリーの方法論としての特性がより詳しく述べられている。エスノグラフィー,現象学,解釈学的現象学,ライフヒストリーなどの方法論についてはほとんど触れられていない。
確かに著者らは,ハウツー本から離れようとしている感がある。研究者がビジョンを持つことと,道具を「何のために」使うのか,つまり,プロセスを含む社会的現象に関する方法論として,理論開発へ向かっているということがより強調されている。
共著者ストラウスを改訂中に亡くしながらも,この第2版が出版された。もう1人の著者コービンの心痛は察するに余りあるが,グラウンデッド・セオリーへの並々ならぬ熱意は微塵も曇らせてはいない。手法通りに研究を実践したとしても,質的研究を完遂することはできない。質的研究には,センスと少しばかりの幸運と,数え切れないほどの努力,それに,研究課題への情熱が必要なのである。
研究をはじめたら出口の見えない蛸壺にはまったような気分になるかもしれない。そんなとき,この本はあの手この手で研究者を導き,情熱を鼓舞してくれる。随所に盛り込まれたQ&A形式の部分は,グラウンデッド・セオリーに初めて取り組もうとする研究者の悩みを解決するのに役立つし,豊富な実例や図式は,難解な手順をより分かりやすいものにしてくれている(ちなみに引用文献は初版の2倍以上になっている)。たぶん,質的という今風の言葉に惹かれ,「基礎だから分かりやすいのでは…」と思うに違いない。そして「研究は芸術である!」と,様々な質的研究で味わう醍醐味が前面に押し出されてもいる。だから,はじめにの部分で流暢に語られている質的研究の楽しさは,とても魅惑的である。是非手元に置きたい秀逸な一冊である。
(『看護教育』2005年5月号掲載)
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