これならわかる! かんたんポイント心電図
心電図のしくみから診断までが理解できる
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ナースには,患者さんの状態を把握し,心電図をとり,的確にドクターに報告する力が必要。新人ナースのアキちゃんと一緒に,心電図の基本を勉強しよう。わかりにくい「刺激伝導系」や「イオンの出入り」は思い切って簡単に。本当に必要なポイントに絞ってあるから,心電図のしくみから診断までが理解できる。
著 | 奥出 潤 |
---|---|
発行 | 2003年09月判型:A5頁:180 |
ISBN | 978-4-260-33299-6 |
定価 | 1,980円 (本体1,800円+税) |
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- 目次
- 書評
目次
開く
1章 心電図の勉強を始めよう!
2章 まずは心電図の基本から
3章 心電図の成り立ちを理解しよう
4章 実際の心電図を見てみよう
5章 患者さんの心電図を読みとろう
6章 こんな心電図も知っておきたい
7章 学んだことを臨床に活かそう
あとがき
さくいん
2章 まずは心電図の基本から
3章 心電図の成り立ちを理解しよう
4章 実際の心電図を見てみよう
5章 患者さんの心電図を読みとろう
6章 こんな心電図も知っておきたい
7章 学んだことを臨床に活かそう
あとがき
さくいん
書評
開く
豊富なイラストとともに学習できる心電図入門編
書評者: 高田 幸千子 (国立奈良病院)
心電図。それは,循環器疾患看護に携わる看護師に限らず,すべての看護師,また,今看護を学んでいる学生にとっても,避けて通れないものである。しかし,「心電図は難解で…」と思い,できれば避けて通りたいと思っている方も少なくないだろう。
避けて通れないなら,思い切って慣れ親しもう! というのが,本書『これならわかる! かんたんポイント心電図』である。
◆アキちゃんと一緒に心電図を勉強しよう
本書には,勤務1年目の看護師アキちゃんと主任看護師,心電図について丁寧に教えてくれるO先生(Dr. O)が登場する。アキちゃんが,Dr. Oと主任看護師の力を借りて,心電図の基本や成り立ち,実際の心電図を学んでいく,という形式でまとめられている。
「心電図診断の4つのステップ」「心電図波形の3つのルール」などのテーマに沿ったDr. Oの解説と,主任看護師が理解のためのヒントを与えてくれるので,解剖のポイント,イオン,刺激伝導系,種々の心電図波形などについて,1つひとつアキちゃんと一緒に理解していくことができる。中でも,アキちゃんが抱く素朴な疑問「サイナスってなに?」「AfとAFってどう違うの?」などに対するDr. Oの解説は,読者の理解をさらに深めてくれるだろう。
豊富なイラストも本書の特徴の1つである。複雑になりがちな解剖図なども,シンプルでわかりやすいイラストで説明されているため,わかりにくい心臓と波形の関係などもイメージしやすい。また,刺激伝導系をレガッタのボートに乗る「号令係」「漕ぎ手」に例えるなど,理解を助けるための工夫がされている。
さらに,心電図に関連した略語一覧が掲載されているのも役に立つ。医療の現場では,略語が飛び交い,ただでさえ混乱しがちな新人看護師は,さらに理解が困難な状況となっている。略語がわかることで,医師や先輩看護師の会話を理解できるようになり,患者の病態生理はもちろん心電図にも興味を持つきっかけになると思う。
◆臨床に活かせる心電図の知識を
心電図の波形を丸覚えしただけでは看護には活かせない。患者の病態生理をきちんと理解することが重要である。心電図の波形から,その変化が何を意味するのか,どこが傷害されているのか,血行動態にどのような影響を及ぼすのか,緊急度は,と考えていくことが大切である。このような理解をしていくためには,解剖,刺激伝導系とその仕組み,実際の心電図を関連づけて捉える必要がある。
本書では,虚血性心疾患の心電図変化だけでなく,心肥大や脚ブロック,危険な不整脈はもちろん期外収縮や心房細動,ペースメーカーの波形も解説されている。それぞれの心電図波形の特徴とその状態の時の電気活動が図示してあるため,波形と身体の中で起こっていることを関連づけて捉えることができる。波形の変化が何を示しているのかが読み進めるうちに理解できるため,応用の効く知識を身につけることができるはずである。心電図を学ぶ人のための初級本として,是非一読を勧めたい一冊である。
書評者: 高田 幸千子 (国立奈良病院)
心電図。それは,循環器疾患看護に携わる看護師に限らず,すべての看護師,また,今看護を学んでいる学生にとっても,避けて通れないものである。しかし,「心電図は難解で…」と思い,できれば避けて通りたいと思っている方も少なくないだろう。
避けて通れないなら,思い切って慣れ親しもう! というのが,本書『これならわかる! かんたんポイント心電図』である。
◆アキちゃんと一緒に心電図を勉強しよう
本書には,勤務1年目の看護師アキちゃんと主任看護師,心電図について丁寧に教えてくれるO先生(Dr. O)が登場する。アキちゃんが,Dr. Oと主任看護師の力を借りて,心電図の基本や成り立ち,実際の心電図を学んでいく,という形式でまとめられている。
「心電図診断の4つのステップ」「心電図波形の3つのルール」などのテーマに沿ったDr. Oの解説と,主任看護師が理解のためのヒントを与えてくれるので,解剖のポイント,イオン,刺激伝導系,種々の心電図波形などについて,1つひとつアキちゃんと一緒に理解していくことができる。中でも,アキちゃんが抱く素朴な疑問「サイナスってなに?」「AfとAFってどう違うの?」などに対するDr. Oの解説は,読者の理解をさらに深めてくれるだろう。
豊富なイラストも本書の特徴の1つである。複雑になりがちな解剖図なども,シンプルでわかりやすいイラストで説明されているため,わかりにくい心臓と波形の関係などもイメージしやすい。また,刺激伝導系をレガッタのボートに乗る「号令係」「漕ぎ手」に例えるなど,理解を助けるための工夫がされている。
さらに,心電図に関連した略語一覧が掲載されているのも役に立つ。医療の現場では,略語が飛び交い,ただでさえ混乱しがちな新人看護師は,さらに理解が困難な状況となっている。略語がわかることで,医師や先輩看護師の会話を理解できるようになり,患者の病態生理はもちろん心電図にも興味を持つきっかけになると思う。
◆臨床に活かせる心電図の知識を
心電図の波形を丸覚えしただけでは看護には活かせない。患者の病態生理をきちんと理解することが重要である。心電図の波形から,その変化が何を意味するのか,どこが傷害されているのか,血行動態にどのような影響を及ぼすのか,緊急度は,と考えていくことが大切である。このような理解をしていくためには,解剖,刺激伝導系とその仕組み,実際の心電図を関連づけて捉える必要がある。
本書では,虚血性心疾患の心電図変化だけでなく,心肥大や脚ブロック,危険な不整脈はもちろん期外収縮や心房細動,ペースメーカーの波形も解説されている。それぞれの心電図波形の特徴とその状態の時の電気活動が図示してあるため,波形と身体の中で起こっていることを関連づけて捉えることができる。波形の変化が何を示しているのかが読み進めるうちに理解できるため,応用の効く知識を身につけることができるはずである。心電図を学ぶ人のための初級本として,是非一読を勧めたい一冊である。
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