外来小児科 初診の心得21か条

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本書は1999年にこどもの診療に関わるすべての臨床医に向けて刊行され,好評を博した「こどもを上手にみるためのルール20」の第2弾。今回は初診時の対応にポイントを置いた。内科・小児科医が日常診療で出会うことの多い疾患を中心に編集した。予防接種や乳幼児検診も含め,コメディカルにも有用なプライマリ・ケアのテキストである。
シリーズ 総合診療ブックス
監修 五十嵐 正絋
編集 絹巻 宏 / 熊谷 直樹
発行 2003年04月判型:A5頁:244
ISBN 978-4-260-11918-4
定価 4,400円 (本体4,000円+税)

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  • 目次
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Introduction 子どもの百年を見据えた医師になる
第1条 問診と診察のコツ
第2条 乳児の発熱
第3条 1歳以上の発熱
第4条 けいれん
第5条 呼吸困難と喘鳴
第6条 咳
第7条 耳と鼻の症状(乳幼児の急性中耳炎を中心に)
第8条 嘔吐
第9条 下痢
第10条 腹痛
第11条 急性発疹症
第12条 心雑音・不整脈
第13条 そけいヘルニアと陰嚢(精索)水腫,痔
第14条 成長と発達の遅れ
第15条 思春期の患者の初診
第16条 学校検診での異常
第17条 乳幼児健診
第18条 予防接種の指導
第19条 外来迅速検査
第20条 超音波検査
第21条 服薬指導
Appendix よく出会うこどものウイルス性疾患への初診時の対応
付録(ラミネートカード)
 発達評価表/学校伝染病の種類と出席停止期間の基準

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誰が読んでも納得。欲張りな小児科診療バイブル
書評者: 卯月 勝弥 (釧路市シロアムクリニック)
◆診療支援のツールとして

 本書はなかなか欲張った仕上がりになっている。まず縦に読むと,小児科のみならず,内科や救急外来の診察室での「診療支援」として有用である。よく遭遇する小児の熱や嘔吐など12の症状から見落としのない診断と初期対応に至るチェックリストが装備されている。緊急性のある疾患,頻度は低くとも見逃してはいけない疾患も鑑別診断としてチェックされるようになっているので,診察直後にもう一度そのページを参照するとよい。さらに,他科,他医療機関へのコンサルトのタイミング,陥りやすい過ちと対策,ホームケアもあげられている。また,成長と発達,思春期,健康診断,予防接種,迅速検査,超音波検査,服薬指導なども同様のスタイルで記述され,例えば予防接種の可否など実際的な疑問をも解決してくれる内容である。興味をそそって読みやすくしているのは,典型的症例と教訓的症例の提示と解説,FAQ(frequently asked questions)スタイルの「アドバイス」,重要ポイントを解説した「Note」であり,これらの囲み記事は視覚的効果も上げており,拾い読みにも便利で有益である。

◆「質の向上」のためのアドバイザーとして

 本書は寝そべって横に読むのもよい。親や本人の訴えをよく聞くこと,全身をよく診ること,一般状態の評価,徒手診断,小児は親の付属物ではなくて尊重すべき独立人格たること,家庭療法と環境整備,自分(自院)の限界,医療情報の整理,コメディカルの協力などがわかりやすく,繰り返し述べられて,自然に「診療の質向上」が図られている。執筆者は第一線で毎日小児をたくさん楽しく診ている方々なので,誰が読んでも納得,再認識,目から鱗の楽しい内容となっている。「Appendix」では,執筆者がありふれた感染症をテーマに座談会を行なっている。個々の疾患に複数の思考,実践が語られておもしろい。これが本書の「幅」をさらに広げている。

 監修者の「かぜっぴき小児科医」五十嵐正紘氏の提唱する「人生百年を見据えた医師」が,本書の底流に見えるようだ。
小児医療における初診のポイントがみえる,必読の1冊
書評者: 別所 文雄 (杏林大教授・小児科学)
 本書は,総合診療ブックスシリーズの1つで,「こどもを上手にみるためのルール20」の続編として刊行されたものである。

 その構成は以下のようになっている。総論としての第1条にはじまり,第2条から第14条までは発熱,咳,発疹など子どもによく見られる主要な11の症状についての初診の心得に当てられ,続いて第15条から第18条では小児保健に関する心得について,第19条,第20条では外来で容易にでき,また行なうべき検査について論じられている。さらに付録としてよく出会う子どものウイルス性疾患への初診時の対応という座談会の記録が掲載されている。

◆見逃してはいけない病気を見きわめる

 このような構成からも想像されるように本書は実地医療に基づいたきわめてプラクティカルな内容を有し,小児医療に携わる医師,特に小児科を専門にしない医師にとって大変有用な1冊である。特筆すべき点の1つは,第1条に述べられている,「大部分はあまり問題なく対処できる『ありふれた病気』『ありふれた症状や訴え』であるが,その蔭に必ず少数の「見逃してはいけない病気」が隠れている。その見きわめこそが「初診の心得」の最大のポイントである」という観点が全体を貫いていることである。書評をしている私自身は,小児の血液・腫瘍を専門にしているが,専門外の先生方に向かって書いたり話をしたりする機会があれば必ず同じことを述べることにしている。

 これは必ずしも,一生に一度出会うかどうかわからないような疾患の話しかできないことの言い訳ではなく,ありふれた症状の中に潜んでいる重大な疾患を見逃さないことはまさに医療の基本と考えるからであるし,その見逃しとしか思えない例を数多くみているからである。このような観点から,緒言で述べられている「私たちはかぜっぴきの医者だ」は名言であり,子どもを診る医師は特定疾患の専門家かどうかにかかわらずそのような自覚が必要であると思う。

◆診療のポイントをていねいに解説

 それではどのようにしたら重大な疾患を見逃さずにすむか。これが問題である。教科書的に言えば鑑別診断をしっかり行なえばよいことになる。しかし診断学の教科書に載っている鑑別診断の表にある疾患を全てあげるのは現実離れしたことである。本書では,各条にまずチェックポイントがあげられており,それらのチェックの結果何を考えるか,そして初期診療をどのように進めるかがていねいに解説されている。そして,随所に症例が呈示され,著者らがそれらの症例から得た教訓が述べられている。

 さらに,メールアドバイスとしてQ&Aが掲げられており,これらを総合的に利用することによってどのような診療を心がけるべきかを学ぶことができる。

 既に述べたように,本書は小児医療に携わる医師,特に小児科を専門にしない医師にとって大変有用な1冊であり,是非一読をお薦めしたい。

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