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いまを読み解く保健活動のキーワード

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地域保健の現場には多くの用語が飛び交っている。日々新しい言葉が生まれては消えていく昨今であるが,保健活動でも例外ではない。これまでの活動をとらえ直し,将来の活動を思い描くためには,保健活動のさまざまな側面を照らし出す視点が必要である。本書は,そのための重要な用語の語義,歴史,解説,適用場面から構成されたキーワード集。
編集 尾崎 米厚 / 鳩野 洋子 / 島田 美喜
発行 2002年11月判型:A5頁:312
ISBN 978-4-260-33239-2
定価 3,080円 (本体2,800円+税)
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  • 目次
  • 書評

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まえがき
A 保健医療行政・制度
B 行政評価
C ヘルスプロモーション
D 健康教育
E 健康危機管理
F パートナーシップ
G 活動方法論
H 活動技術
I ライフステージ
J 環境
K 量的研究
L 質的研究
M 福祉など他分野
N 倫理
あとがき
索引

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保健活動のさまざまな側面を照らし出すキーワード集
書評者: 大井田 隆 (日大教授・公衆衛生学)
 最初から私事で申しわけないが,今から30年以上も前の中高生の時,私は読書特に小説というものが大嫌いだった。とにかく何万,何十万という文字を読んでいくわけだから面倒くさく,またおっくうでもあり,当然のことながら国語という教科の成績は散々だった。しかし,今のように大した娯楽もない時代,暇つぶしで読んだのが百科辞典であって,この読み方はいたって簡単であり何気なく広げたところを飽きるまで読むのである。世の中こんなこともあるのかと感心することもあるし,中途半端な知識を訂正できるという利点もあったが,またそれは1時間になる時もあるし,10分の時もあるという具合であった。このあまり誉められないような経験を思い出したのが,この『いまを読み解く保健活動のキーワード』を読んだ時のことだった。

 この本を手にした時,何となく開いたセクションから読み始めた。その時30年前のことを思い出し,自分にとってこの本の読み方はこれに限るかと思ったりした。そうすると,この本は実におもしろい。それからというもの,毎晩寝る前にぱっと開いた頁から読み始め,眠くなったらやめ,また次の日も同じことをしてほぼ1か月ほど読み続け,時には同じ箇所を読んだりもした。

◆言葉の本質について理解を深めるために

 この本は,辞典にしてはそれぞれの項目の記述は長くなっているが,実にきめ細かく書かれている。編者らは,「まえがき」の中で新たな用語を集め,多くの方に理解をしてもらうために作成したと解説している。特にこの本は,歴史・背景から解説に至るまで記述しており,その点は今までにない本である。編者らは,この本の第1の目的を実践に活かすこととしているが,現在自分としては現場にいないので実践に活かせるかは不明である。しかし,学生の講義を受け持つ身となれば,私の拙い経験では,講義の前に一読するとこれから何を教えるかを頭の中でよく整理できるのである。つまり,講義に関連する部分をサーッと読んで講義に臨むとよいのであり,それは各項目について短時間で読めることが幸いしている。例えば,医療保障の授業の前に,教官がこの本にある「医療制度改革」を一読することによって,学生にとってもより身近な講義になるはずである。したがって,学生も保健活動に関する講義の後にでもそれぞれの項目をじっくり読むと,非常に理解しやすいと考えられる。これも長い時間をかけずにすむ。

 最後に,この本が多くの保健医療関係者に読まれることを願ってやまないし,購入した読者が辞書として使うのではなく,一読していただきたいものである。そして,この本を1頁から一気に読むのではなく,毎日少しずつ読んでいただきたいのである。結構おもしろい。

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