乳幼児健診マニュアル 第3版
乳幼児健診についてわかりやすくまとめた1冊
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乳幼児健診について,わかりやすく,使いやすくまとめた1冊。健診をよく知らない人でも合格点の健診ができる。今回の改訂では早期視聴覚検査や被虐待児症候群,ゆさぶられっ子症候群などにふれる他,親の育児うつ評価スケールや日齢スケールなど,この領域を先導する執筆陣が日頃活用している各種テンプレートなども紹介。
編集 | 福岡地区小児科医会乳幼児保健委員会 |
---|---|
発行 | 2002年08月判型:B5頁:144 |
ISBN | 978-4-260-11916-0 |
定価 | 3,300円 (本体3,000円+税) |
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更新情報
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- 目次
- 書評
目次
開く
健診の心構え
乳幼児健診はいつ行うか
診察の前に行うことがら
一般理学的検査の手順
発達診断学的診察の実際
年齢別の健診のしかた
育児相談のために
資料:これからの乳幼児健診
文献
索引
乳幼児健診はいつ行うか
診察の前に行うことがら
一般理学的検査の手順
発達診断学的診察の実際
年齢別の健診のしかた
育児相談のために
資料:これからの乳幼児健診
文献
索引
書評
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よりよい健診を行なうための気づきのヒントがいっぱい
書評者: 横田 俊一郎 (横田小児科医院長)
本書は,乳幼児健診を行なうための,言わずと知れた最高峰のマニュアルである。私がクリニックを開いている小田原市においても,第2版を公的健診に参加しているすべての医師に配布し,活用していただいている。
◆特筆すべき福岡市の乳幼児健診システム
福岡市の乳幼児健診システムの特筆すべき点は,公的健診だけではなく,それを補うための私的健診においても共通の健診票を利用し,そのデータを集積し利用していることである。健診の目的の1つは,疾病の早期発見・早期治療,そして最近では育児支援であるが,もう1つの大きな目的は,その結果をつぎの母子保健施策に生かすことである。このことは当然のように思えるが,そのことを視野に入れて健診を行なっている地域はあまりない。福岡市小児科医会からは,事実,膨大なデータの解析から新しい知見が報告され始めている。
データをつぎの施策に生かすためには,安定した技量に基づいた正確なデータ収集が必要である。参加する医師の能力を標準化し,価値あるデータを集積するという姿勢で書かれたマニュアルとしては,やはり群を抜いていると言わざるを得ない。ここには長い歴史の中で,実際に数多くの健診に携わった人からしか生まれてこない知恵が凝縮されている。
◆健診は不良品をみつけるような作業ではない
今回,第3版が出版された。福岡地区の若手の小児科医によって改訂がなされたという。注目されるのは,心の発達への配慮である。乳幼児の健やかな心の発達に目が向けられるようになり,育児にも工業生産的な綿密な取り組み方だけではなく,子どもへの温かな対応が必要だということがわかってきた。健診は,ともすれば不良品をみつけるような作業になりがちである。しかし,具合いの悪いものをみつけようとする姿勢は,子どもへの温かいまなざしを遮ることになりかねない。子どもがどのような問題を持っていても,その子どもの心の発達には,母親を含めた周囲の人たちの無条件の愛情が必要だということを私たちは忘れてはならない。
母子手帳を含めたきめ細かな母子保健施策は,確かに子どもたちの健康を守り,世界一低い乳児死亡率を達成させたが,一面では子育てへの閉塞感を生み出してきたかもしれない。そのような反省に基づいて,受診者への対応に関する配慮や,よりよい健診を行なうための気づきのヒントがいたるところにコラムという形でちりばめられており,編集に携わった小児科医の方々の意図と熱意がよく伝わってくる。
マニュアルとして活用されることはもちろんであるが,一歩進んだ健診をめざすために,いつも近くに置いて何度も見直しながら役立てていただきたい1冊である。
書評者: 横田 俊一郎 (横田小児科医院長)
本書は,乳幼児健診を行なうための,言わずと知れた最高峰のマニュアルである。私がクリニックを開いている小田原市においても,第2版を公的健診に参加しているすべての医師に配布し,活用していただいている。
◆特筆すべき福岡市の乳幼児健診システム
福岡市の乳幼児健診システムの特筆すべき点は,公的健診だけではなく,それを補うための私的健診においても共通の健診票を利用し,そのデータを集積し利用していることである。健診の目的の1つは,疾病の早期発見・早期治療,そして最近では育児支援であるが,もう1つの大きな目的は,その結果をつぎの母子保健施策に生かすことである。このことは当然のように思えるが,そのことを視野に入れて健診を行なっている地域はあまりない。福岡市小児科医会からは,事実,膨大なデータの解析から新しい知見が報告され始めている。
データをつぎの施策に生かすためには,安定した技量に基づいた正確なデータ収集が必要である。参加する医師の能力を標準化し,価値あるデータを集積するという姿勢で書かれたマニュアルとしては,やはり群を抜いていると言わざるを得ない。ここには長い歴史の中で,実際に数多くの健診に携わった人からしか生まれてこない知恵が凝縮されている。
◆健診は不良品をみつけるような作業ではない
今回,第3版が出版された。福岡地区の若手の小児科医によって改訂がなされたという。注目されるのは,心の発達への配慮である。乳幼児の健やかな心の発達に目が向けられるようになり,育児にも工業生産的な綿密な取り組み方だけではなく,子どもへの温かな対応が必要だということがわかってきた。健診は,ともすれば不良品をみつけるような作業になりがちである。しかし,具合いの悪いものをみつけようとする姿勢は,子どもへの温かいまなざしを遮ることになりかねない。子どもがどのような問題を持っていても,その子どもの心の発達には,母親を含めた周囲の人たちの無条件の愛情が必要だということを私たちは忘れてはならない。
母子手帳を含めたきめ細かな母子保健施策は,確かに子どもたちの健康を守り,世界一低い乳児死亡率を達成させたが,一面では子育てへの閉塞感を生み出してきたかもしれない。そのような反省に基づいて,受診者への対応に関する配慮や,よりよい健診を行なうための気づきのヒントがいたるところにコラムという形でちりばめられており,編集に携わった小児科医の方々の意図と熱意がよく伝わってくる。
マニュアルとして活用されることはもちろんであるが,一歩進んだ健診をめざすために,いつも近くに置いて何度も見直しながら役立てていただきたい1冊である。
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